JPS6116914B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、炉床の下方にスケールトラフを備
え、スケールトラフ中に落下するスケールをウオ
ーキングビームの動作を利用してスクレーパによ
り装入側に掻き出すようにしたウオーキングビー
ム型加熱炉のスケール排出装置に関するものであ
る。

〔従来技術〕

ウオーキングビーム型加熱炉の炉床では、ウオ
ーキングビームスキツドポストの作動範囲を確保
するために開口部が設けてあり、この開口部と外
気とをシールするため、ウオータトラフ（スケー
ルトラフ）を設けて開口部を水シールする構造が
一般に採用されている。

このスケールトラフ内には、鋼材の加熱中に発
生する酸化スケールが落下堆積する。かかるスケ
ールの排出装置としては、ウオーキングビームの
矩形運動を利用して、スクレーパによりスケール
トラフ内のスケールを装入側に順次移行させ、ス
ケールトラフの装入端部に設けたバケツトコンベ
ア等の炉外排出手段により外部に回収するように
したものが提案されている。

従来のこの種のスケールの炉外排出装置は、例
えば、特開昭55−105190号公報に開示されている
傾斜トラフ方式を筆頭に、構造が複雑で装置が全
体として大型となり、設置スペースも大きく確保
する必要があるばかりか、スクレーパメンテナン
スが頻繁に必要となるメンテナンスの問題があつ
た。

また、上記傾斜トラフ方式は、ウオーキングビ
ームを炉長方向で複数分割する分割式ウオーキン
グビーム型加熱炉の場合、各ウオーキングビーム
毎にそれぞれ駆動装置を設けることにより、各ウ
オーキングビーム帯域毎に設置することが困難と
なるとともに、取付け作業は勿論のこと、メンテ
ナンスも面倒であるという欠点があつた。

〔発明の目的〕

本発明の目的は、装置としてはきわめて構造が
簡単でありながら高いスケール排出能力を有し、
しかもコンパクトに設置することができるウオー
キングビーム型加熱炉のスケール排出構造を提供
することにある。

〔発明の構成〕

このため、本発明は、炉床開口部の下方にスケ
ールトラフを備え、スケールトラフ中に落下する
スケールをウオーキングビームの動作に応じてス
クレーパで装入側に掻き出すようにしたウオーキ
ングビーム型加熱炉において、各スケールトラフ
の装入側端部の底部に連通し、炉幅方向に傾斜し
た閉断面のスケール排出通路を設け、該スケール
排出通路の傾斜方向に進む通路壁面に沿つた旋回
流を発生する噴流ノズルをスケール排出通路に配
設して構成したものである。

つまり、本発明では、傾斜したスケール排出通
路にスクレーパによつて掻き出されてきたスケー
ルを、噴流ノズルによつて発生される旋回流に巻
込んでスケール排出方向に運ぶ。このような旋回
流は、スケール排出通路に沿つて順次に生成され
ているので、スケールは、各噴流ノズルによつて
生成される旋回流にのつてスケール排出通路の下
流端に導かれ、外部に排出・回収されることにな
る。

〔発明の効果〕

本発明によれば、スケールトラフに対し、炉幅
方向に傾斜したスケール排出通路を設け、このス
ケール排出通路に旋回流を発生する噴流ノズルを
配設するだけでよいので、構造をきわめて簡単か
つコンパクトなものとすることができるうえ、旋
回流で通路内に堆積するスケールを舞い上げつつ
旋回流に巻き込んで排出方向に移動させることが
できるので、高いスケール排出能力を確保するこ
とができる。

〔実施例〕

以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実
施例を具体的に説明する。

第２図に示すように、ウオーキングビーム型加
熱炉１の炉床２には、炉床開口３が設けられ、鋼
材４の加熱中に発生するスケールは、この炉床開
口３から炉幅方向に複数設けた炉長方向のスケー
ルトラフ５内に落下する。

スケールトラフ５内に落下したスケールは、ス
ケールトラフ５に沿つて所定のピツチで設けたス
クレーパ６，６，…によつて上記加熱炉１の鋼材
装入側に掻き出す。これらスクレーパ６，６，…
は、炉床２に固定してあり、スケールトラフ５が
ウオーキングビーム７の駆動機構８によつてウオ
ーキングビーム７とともに矩形運動させられる
と、矩形運動のうちの送り行程でスケールトラフ
５の底部に堆積したスケールを装入側に掻き出
す。

なお、上記駆動機構８は、従来公知のものを用
いることができるので、詳しい説明は省略する。

第１図に示すように、各スケールトラフ５の装
入側端部はホツパ９を介して円形断面に傾斜管よ
りなるスケール排出通路１０に連通されており、
スクレーパ６，６，…により掻き出されたスケー
ルはホツパ９からスケール排出通路１０に落下さ
れる。

第１図に示すように、スケール排出通路１０は
炉幅方向において比較的ゆるやかな角度で傾斜し
た閉断面の傾斜路として形成されており、スケー
ル排出通路１０の下端は、スケールスルース１１
の上方において下向きに折曲され、折曲端には、
スケールが所定量溜まると開かれる排出バルブ１
２が介設されている。

上記スケール排出通路１０には、噴流ノズル１
３，１３，…を臨設する。これら噴流ノズル１
３，１３，…は、第３図および第４図に示すよう
に、スケール排出通路１０の壁面の接線方向を向
き、かつ傾斜方向に適当な角度だけ傾けた状態で
取付けられている。かかる噴流ノズル１３，１
３，…の設置により、各噴流ノズル１３に高圧の
フラツシング水が給水排管１４を介して供給され
ると、フラツシング水は、スケール排出通路１０
内に傾斜方向に向かう旋回流Ｓを生成する。この
旋回流Ｓはスケール排出通路１０の底部に堆積し
たスケールを舞い上げながら、傾斜方向下向きに
送る作用を示し、かかる旋回流Ｓはスケール排出
通路１０に適当な間隔で設けられた各噴流ノズル
１３からのフラツシング水によつて前後が連続す
るように生成されるので、スケール排出通路１０
の上端側のスケールもスムーズに、下流に運ばれ
ることとなる。このスケールの排出は、スケール
がスケール排出通路１０内に所定量排出した時点
で、給水バルブ１５と排出バルブ１２とを同時に
開くことによつて行ない、トラフシール水とフラ
ツシング水とともに旋回流Ｓに乗せてスケールと
スケールスルース１１に排出する。この場合、給
水量を排水量とほぼ等しくしておけば、スケール
トラフ５の水位が変動することはない。

スケールの排出が完了したときには、給水バル
ブ１５、排出バルブ１２を閉じて再びスケールを
溜める。

スケールスルース１１に排出されたスケール
は、同時に排出されるトラフシール水およびフラ
ツシング水によつてスケールピツト（図示せず）
にまで押し流されて回収される。

前記実施例では、スケール排出通路を一方の炉
側壁で降下傾斜するよう炉幅方向に傾斜させた形
式の場合について述べたが、炉幅方向に傾斜した
スケール排出通路は、第５図に示すように、前記
スケール排出通路を両方の炉側壁に向かつてそれ
ぞれ降下傾斜する２系統からなる形式のものにし
てもよく、また第６図に示すように、前記スケー
ル排出通路を炉幅中央に向かつてそれぞれ降下傾
斜する２系統からなる形式のものにしてもよい。

以上のように、スケール排出通路１０に傾斜方
向に向かう旋回流を生成する噴流ノズル１３，１
３，…を適当個所に配設すれば、スケール排出通
路１０の底部に堆積したスケールを旋回流に乗せ
て排出することができ、バケツトコンベヤ等の大
掛りな装置を設置する必要なしに、スケールの排
出回収をスムースかつ高能率に行なうことができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例にかかるスケール排出
構造を示す炉幅方向の要部断面説明図、第２図は
炉長方向の要部断面説明図、第３図、第４図は
夫々噴流ノズルの取付構造を示す要部断面説明
図、第５図および第６図は本発明の他の実施例を
示す要部断面説明図である。 １…ウオーキングビーム型加熱炉、２…炉床、
３…炉床開口、５…スケールトラフ、６，６，
…，６…スクレーパ、７…ウオーキングビーム、
１０…スケール排出通路、１３，１３，…，１３
…噴流ノズル。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 炉床開口の下方にスケールトラフを備え、ス
   ケールトラフ中に落下したスケールをウオーキン
   グビームの動作に応じてスクレーパで装入側に掻
   き出すようにしたウオーキングビーム型加熱炉に
   おいて、 各スケールトラフの装入側端部の底部に連通
   し、炉幅方向に傾斜した閉断面のスケール排出通
   路を設け、該スケール排出通路の傾斜方向に進む
   通路側面に沿つた旋回流を発生する噴流ノズルを
   スケール排出通路に配設したことを特徴とするウ
   オーキングビーム型加熱炉におけるスケール排出
   装置。