JPS6116452Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は電磁弁の改良に関し、さらに詳しく
は、常時開型２ポート電磁弁の改良に関する。

一般に、常時開型２ポート電磁弁には、パイロ
ツト弁３方弁方式のものや、パイロツト弁常時開
２方弁方式のものなどがある。前者は、パイロツ
ト弁を３ポートとし、非通電時においては、パイ
ロツト流体の流れを圧力作用室へは常時閉で阻止
すると共に圧力作用室からの排出は常時開で行な
い、それによつて出じる圧力差により主弁を開か
せ、通電時には、逆にパイロツト流体を圧力作用
室へ流入させると共に、圧力作用室からの排出は
停止し、それによつて主弁を閉じるようにしたも
のであり、また、後者は固定鉄心が可動鉄心に対
して主弁側に位置し、従つて可動鉄心が固定鉄心
への吸着時に主弁側へ移動する逆作動ソレノイド
を用いたものであり、これらはいずれも構造が複
雑であつた。

本考案は上記に鑑みなされたもので、正作動ソ
レノイドを利用し、その構造を常時閉型と殆んど
変らない程度に簡単にすることを目的とするもの
で、流体入口と流体出口とを有する弁本体内に主
弁が着座する主弁座を設け、該主弁の背後に供給
孔により流体入口と連通する圧力作用室を形成
し、該圧力作用室の上方に設けた電磁操作部に、
流体出口と圧力作用室とを連通させるパイロツト
弁座を備えた固定鉄心と、上記パイロツト弁座を
開閉するパイロツト弁体を一端に備えた可動鉄心
とを配設し、該可動鉄心上に復帰スプリングによ
り弾力的に支持されて一定範囲内を移動自在の支
え板を設けると共に、該可動鉄心と主弁との間
に、上記支え板が圧力作用室端の係止壁に当接し
且つパイロツト弁体がパイロツト弁座から離間す
る状態に可動鉄心を支持する上記復帰スプリング
より小付勢力の支えスプリングを介装し、該可動
鉄心のストロークをパイロツト弁座の開閉に必要
最小限のパイロツトストロークに設定したことを
特徴とするものである。

而して、本考案においては、電磁操作部への非
通電時に圧力流体が流体入口に供給されると、圧
力作用室がパイロツト弁座を介して流体出口に連
通しているため圧力上昇がなく、従つて主弁は流
体圧力により支えスプリングの付勢力に抗して開
弁み、常時開型として動作する。

電磁操作部に通電すると、可動鉄心が復帰スプ
リングに抗して固定鉄心に吸着され、パイロツト
弁座を閉鎖するため、圧力作用室の流体圧力が上
昇し、主弁は主弁座に押しつけられた閉弁する。

以下、本考案の実施例を図面に基ずいて詳細に
説明するに、１は弁本体であつて、流体入口２、
流体出口３及びそれらの間に弁開口部を構成する
主弁座４を有し、該弁本体１内には、ダイヤフラ
ム６によつて支持された主弁５を上記主弁座４に
接離自在に対設し、該主弁５の背後に、弁本体１
上に一体に組付けたボンネツト７とによつて圧力
作用室８を区画形成し、該圧力作用室８と流体入
口２とをダイヤフラム６に設けた供給孔９により
連通させている。

また、上記圧力作用室８の上方に配設した電磁
操作部１０には、下端の細径部１２を該室８内に
臨ませた可動鉄心１１を上下動自在に配設すると
共に、該可動鉄心１１の上方に固定鉄心１３を配
設し、該固定鉄心１３の下面に導孔１５により流
体出口３と通じるパイロツト弁座１４を開口させ
て、該パイロツト弁座１４を可動鉄心１１に切設
した通溝１６を通じて圧力作用室８と連通させ、
可動鉄心１１の上面には上記パイロツト弁座１４
を開閉するパイロツト弁体１７を一体に付設し、
また該可動鉄心１１の下端においては、細径部１
２の下端に形成した鍔部１８と主弁５との間に支
えスプリング１９を介装すると共に、鍔部１８と
細径部１２に遊嵌した支え板２０との間に、上記
支えスプリング１９より付勢力の十分大きい復帰
スプリング２１を介装し、而して、これらのスプ
リング１９，２１により、主弁５を主弁座４に着
座する方向に付勢せしめると共に、可動鉄心１１
を、その細径部１２に遊嵌した支え板２０が該細
径部上端の段部１２ａ及びボンネツト７の係止壁
７ａに同時に当接係止することにより、固定鉄心
１３との間にパイロツト弁座１４の開閉に必要な
パイロツトストロークS₁を保つた図示の定位置に
保持されるように付勢せしめている。

なお、図中２２は、電流の通断により可動鉄心
１１を固定鉄心１３に吸着、離間させるコイルで
ある。

次に、上記構成を有する本考案の電磁弁の作用
について説明する。

第１図は、コイル２２への非通電状態で、しか
も流体入口２に流体を供給していない場合を示
し、この状態では、支えスプリング１９と復帰ス
プリング２１との付勢力により、主弁５が主弁座
４に着座し、且つ可動鉄心１１が、その細径部１
２に遊嵌した支え板２０が段部１２ａ及びボンネ
ツト７の係止壁７ａに当接することにより、固定
鉄心１３との間にパイロツトストロークS₁を保つ
た定位置を保持している。

こゝで、流体入口２に流体を供給すると、該流
体が供給孔９から圧力作用室８内に流入するが、
パイロツト弁座１４が開口しているため該パイロ
ツト弁座１４から導孔１５を通つて流体出口３へ
と排出され、従つて、圧力作用室８内の流体圧力
は上昇することなく流体入口２側より低くなるの
で、ダイヤフラム６の上下面に圧力差が生じ、主
弁５は押上げられて主弁座４を開口する。

次に、コイル２２へ通電すると、可動鉄心１１
が復帰スプリング２１に抗して固定鉄心１３に吸
着し、パイロツト弁体１７によりパイロツト弁座
１４を閉鎖するので、圧力作用室８内の流体圧力
は上昇し、主弁５は押下げられて主弁座４に圧接
する。

上記構成を有する本考案によれば、可動鉄心上
に復帰スプリングにより弾力的に支持されて一定
範囲内を移動自在の支え板を設け、該可動鉄心と
主弁との間に上記支え板が係止壁に当接する状態
に可動鉄心を支持する小付勢力の支えスプリング
を介装することにより、固定鉄心が可動鉄心に対
して主弁と反対側に位置する通常の正作動ソレノ
イドを使用して常時開型２ポート電磁弁を構成で
きたので、従来の逆作動ソレノイドを用いたもの
に比べ、その構造が非常に簡単になつて製造も容
易となり、常時閉型のものと構成上殆んど差異が
なく、多くの共通部品を用いることが可能とな
り、また、可動鉄心と主弁との間に上記支えスプ
リングを介装し、主弁が可動鉄心のストロークと
は無関係に該支えスプリングを圧縮して開弁する
ようにしたので、主弁と可動鉄心とを構成的に関
連させているにも拘らず該可動鉄心のストローク
を主弁のストロークとは無関係にパイロツト弁座
の開閉に必要最小限のパイロツトストロークとし
て設定することができ、従つて小型のソレノイド
を使つて主弁の開閉を行うことができる等の勝れ
た特徴がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る電磁弁の一実施例を示す
断面図である。 １……弁本体、２……流体入口３……流体出
口、４……主弁座、５……主弁、８……圧力作用
室、９……供給孔、１０……電磁操作部、１１…
…可動鉄心、１３……固定鉄心、１４……パイロ
ツト弁座、１７……パイロツト弁体、１９，２１
……スプリング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 流体入口と流体出口とを有する弁本体内に主弁
   が着座する主弁座を設け、該主弁の背後に供給孔
   により流体入口と連通する圧力作用室を形成し、
   該圧力作用室の上方に設けた電磁操作部に、流体
   出口と圧力作用室とを連通させるパイロツト弁座
   を備えた固定鉄心と、上記パイロツト弁座を開閉
   するパイロツト弁体を一端に備えた可動鉄心とを
   配設し、該可動鉄心上に復帰スプリングにより弾
   力的に支持されて一定範囲内に移動自在の支え板
   を設けると共に、該可動鉄心と主弁との間に、上
   記支え板が圧力作用室端の係止壁に当接し且つパ
   イロツト弁体がパイロツト弁座から離間する状態
   に可動鉄心を支持する上記復帰スプリングより小
   付勢力の支えスプリングを介装し、該可動鉄心の
   ストロークをパイロツト弁座の開閉に必要最小限
   のパイロツトストロークに設定したことを特徴と
   する常時開型２ボート電磁弁。