JPS6115854B2 - - Google Patents

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JPS6115854B2
JPS6115854B2 JP5788278A JP5788278A JPS6115854B2 JP S6115854 B2 JPS6115854 B2 JP S6115854B2 JP 5788278 A JP5788278 A JP 5788278A JP 5788278 A JP5788278 A JP 5788278A JP S6115854 B2 JPS6115854 B2 JP S6115854B2
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reaction
acid
inorganic
pinacolon
amount
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Sunao Kyo
Haruo Tsucha
Hidetsugu Tanaka
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Kuraray Co Ltd
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明はピナコロンの製造方法に関する。 ピナコロン(第三級ブチルメチルケトン)がア
セトンを出発原料としてピナコールを経て製造さ
れることは有機化学の分野において“ピナコール
−ピナコロン転位反応”として古くから知られて
いる(たとえばOrg.Synth.、Coll.Vol.、 459
〜463頁参照)。この反応は塩化第二水銀の存在下
にアセトンを金属マグネシウム(または金属アル
ミニウム)と反応させてピナコールのマグネシウ
ム(またはアルミニウム)塩を生成せしめ、次に
これを加水分解してピナコールを得たのち該ピナ
コールを硫酸により脱水転位させるものであり、
反応は次式で示される。 しかしながらこの方法は工業的大規模で実施す
ることが経済的にも社会環境的にも困難であると
いう大きな欠点を有する。すなわち、出発原料と
して用いられた高価な金属マグネシウムまたは金
属アルミニウムが無用な塩に変換すること、有毒
な塩化水銀が必要なうえそれが反応過程で大部分
元素状水銀に変換されるため完全な回収が困難な
こと、大過剰のアセトンを用いる必要があるため
その回収・再利用に大量のエネルギーが消費され
ることおよび用いたアセトンが還元されて多量の
イソプロパノールを副生することなどである。特
に有害物質を使用しあるいは生成し、また多量の
産業廃棄物を生成することは昨今の環境問題とも
関連して工業的大規模での実施を困難ならしめ
る。 また別法として、2−メチルブテン−2とホル
ムアルデヒドのプリンス反応により得られる4・
4・5−トリメチル−1・3−ジオキサンを強酸
の存在下に加水分解する方法も知られている(ド
イツ特許714488号およびChem.Abstracts、78
71330d(1973)参照)。この反応は次式で示され
る。 しかしながらこの方法も、ピナコロン収率が低
く、かつ多量の粘性副生物が生成し、さらにピナ
コロンと等モルのホルムアルデヒドが生成するた
めこのホルムアルデヒドをピナコロンから分離・
回収し再利用する必要が生じ、反応工程ならびに
製品純度の面で欠点となる。 かくの如き欠点を有する上記方法の改良法とし
て、無機酸の存在下2−メチルブテン−2または
2−メチルブテン−1あるいはこれらブテン類の
酸付加物にホルマリンを徐々に添加することによ
りピナコロンを得る方法が提案されている(特開
昭51−82212号公報参照)。この方法によればピナ
コロンが一段の反応で前記ドイツ特許に記載の方
法よりも改善された収率で得られる。 しかしながらこの方法は、反応を行なうに要す
る最低濃度の無機酸でさえ15重量%という比較的
高濃度を必要とし、満足すべき反応成積を得るに
はさらに多量の酸を用いることが必要である。た
とえば上記公開特許公報中において例1〜例10と
して記載されているピナコロンの製造例から明ら
かなとおり、最も優れた反応結果を与えている塩
酸を用いる場合でも少くとも30重量%の濃度で、
かつ2−メチルブテン類に対して2倍モル以上の
量の塩酸を用いている。このことは単に塩酸の使
用量が多くなるということを意味するばかりでな
く、反応によつて希釈された塩酸を反応後循環再
使用する上でも不利となる。なぜならば反応中に
添加されたホルマリン等により希釈された塩酸
は、反応後循環再使用するにあたつて濃縮等の方
法により所定の濃度に戻されねばならないが、塩
酸は塩化水素濃度20.24重量%において水と共沸
し最高共沸温度を示すため通常の蒸留では該濃度
以上に濃縮することは極めて困難であるからであ
る。新規な濃塩酸を加えることにより所定の酸濃
度に高めることも可能であるが、この方法を用い
ると酸の量が不可避的に増大し、廃棄されるべき
酸の量が増え、しかも廃棄に際しては中和が必要
であるため著しい不利を招く。 本発明者等は上述した如き問題点を解消するた
めに鋭意検討した結果、2−メチルブテン−1、
2−メチルブテン−2・3−メチルブテン−1、
下記一般式()で示される2−置換−2−メチ
ルブタン および下記一般式()で示される3−置換−
2−メチルブタン 〔式()および()においてXはOH、Cl、
Br、HSO4、H2PO4またはClO4を表わす〕から選
択されるブテン類および/またはその誘導体を無
機酸水溶液の存在下にホルムアルデヒドと反応さ
せるに際し、少くとも反応系に部分的に可溶な無
機強酸の塩を共存させることにより無機強酸の濃
度および量を低減することができると共に上述の
問題点も軽減されかつピナコロンが収率よく得ら
れることを見出し、本発明に至つた。 本発明で原料として用いられるブテン類、すな
わち2−メチルブテン−1、2−メチルブテン−
2あるいは3−メチルブテン−1はたとえばイソ
プレンの部分水素化により工業的に容易に入手し
得るものである。また、上記ブテン類の誘導体で
ある前記一般式()および()で示される2
−置換−2−メチルブタンおよび3−置換−2−
メチルブタンは、具体的には2−メチル−2−ク
ロルブタン、2−メチル−2−ブロムブタン、2
−メチル−3−クロルブタン、2−メチル−3−
ブロムブタン、および2−メチルブタノール−
2、3−メチルブタノール−2とそれらの硫酸エ
ステル、リン酸エステル、過塩素酸エステルであ
る。これらの化合物は工業的にはたとえば前記ブ
テン類に塩化水素、臭化水素、水、硫酸、燐酸、
過塩素酸などを付加させることによつて得ること
ができる。そしてこれらのブテン類およびその誘
導体は必らずしも純粋である必要はなく、たとえ
ばイソプレン、メチルブタンあるいは無機、有機
の酸類を含んでいてもよい。 ホルムアルデヒドとしては工業的に入手可能な
すべてのものが本発明に適用でき、たとえば安定
剤としてメタノールを数%含んでいてもよい5〜
70重量%濃度の水溶液およびパラホルムアルデヒ
ドなどが用いられる。貯蔵および使用上の観点か
らは特に15〜55重量%濃度の水溶液が好ましい。
またホルムアルデヒドは2−メチルブタノール−
2または/および3−メチルブタノール−2のヘ
ミホルマールまたは/およびホルマールのかたち
でも使用できる。 ブテン類もしくはその誘導体に対するホルムア
ルデヒドの使用量は通常0.5〜1.5倍モルであり、
この範囲を超えても本発明は実施できるが、ブテ
ン類もしくはその誘導体およびホルムアルデヒド
の損失ならびに製品ピナコロンの品質低下等の不
利益をもたらす。特に上記使用割合を0.8〜1.1倍
モルにするのが好ましい。 本発明に好ましく用いられる無機強酸は塩酸、
臭化水素酸、硫酸、燐酸または過塩素酸であり、
それらは二種以上が混合使用されてもよい。特に
塩酸が反応収率その他の面から好ましい。反応混
合物の水相中の無機強酸の濃度はホルムアルデヒ
ド水溶液よる希釈、反応の進行により生成するあ
るいは反応中における塩化水素ガスまたは臭化水
素ガスの反応系外への逃散等により反応期間中に
変化するが、本発明では上記のいずれの酸を用い
る場合であつても前述の従来公知の方法が必要と
する濃度および量よりもはるかに低い濃度および
少ない量で収率よく反応を行なうことができる。
すなわち本発明においては反応の全期間中反応系
の水相中における無機強酸の濃度が0.5モル/Kg
以上、好ましくは1.0モル/Kg以上でかつ水相中
の無機強酸の量が反応に用いられるホルムアルデ
ヒド量に対して、0.1倍モル以上に保たれるなら
ば、無機強酸ならびに原料の種類に応じてそれぞ
れ満足できる収率でピナコロンを得ることができ
る。 本発明において無機強酸と併用すべき無機強酸
の塩は反応系に少くとも部分的に可溶であること
が必要であるが、100℃における水に対する溶解
度が35以上のものが好ましい。中性塩、酸性塩の
いずれも使用可能であり、たとえばリチウム、ナ
トリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、銅
()、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウ
ム、バリウム、亜鉛、カドミウム、アルミニウ
ム、スカンジウム、ジルコニウム、チタン
()、錫()、マンガン()、鉄、コバルト
()、ニツケル等の塩化物及び臭化物、アンモニ
ウム、ナトリウム、ルビジウム、セシウム、マグ
ネシウム、カドミウム、亜鉛、アルミニウム、コ
バルト()、銅()、ニツケル()、マンガ
ン()等の硫酸塩、カルシウム、銀、ストロン
チウム、ナトリウム、バリウム、マグネシウム等
の過塩素酸塩、硫酸水素ナトリウム、硫酸水素カ
リウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸二水
素ナトリウム等の酸性塩、さらには塩化硫酸マグ
ネシウムカリウム等の複合塩などを例示すること
ができる。この中でもモル溶解度が大きく、かつ
反応条件下での水相中における安定性が高いもの
が好適であり、この点を考慮するとアルカリ金属
及びアルカリ土類金属の塩が最も好ましい。反応
に用いられる無機強酸の酸根と無機強酸塩の酸根
は必ずしも同一である必要はないが、反応条件下
で難溶性の塩を生成するような組合せは避けなけ
ればならない。さらに無機強酸の塩は上記溶解度
が満たされる範囲内で二種以上を混合使用しても
よいが、この場合も反応条件下で難溶性の塩を生
成するような組合せは避けなければならない。 無機強酸の塩の使用量はかかる無機強酸塩と共
に用いられる無機強酸の濃度に応じて、反応条件
下における水相中の無機強酸濃度が高い場合には
少く、反対に該酸濃度が低い場合には多くなるよ
うにコントロールするが、無機強酸塩の酸根と無
機強酸の酸根の和は反応系の水相1Kgに対し3.0
モル以上9.0モル以下の範囲に保たれなければな
らない。 反応は水のほか反応に不活性な希釈剤の存在下
で行うこともでき、かかる希釈剤としては飽和炭
化水素類、塩素化炭化水素類およびケトン類、例
えばメチルブタン、ヘキサン、シクロヘキサン、
塩化ブチル、1・1・1−トリクロルエタン、
1・1・1・2−テトラクロルエタン、四塩化炭
素、ピナコロン等の疎水性の化合物を挙げること
ができる。しかし希釈剤の使用によつて特に利益
がもたらされることはない。 反応温度は40〜200℃、特に70〜150℃の範囲が
好ましく、さらに反応の後期において少なくとも
80℃以上の温度で反応を仕上げる必要がある。反
応は大気圧以上の圧力、通常大気圧〜30Kg/cm2
間の圧力下で行われる。反応混合物の沸点以上の
温度で反応を行なう場合、反応圧力は該反応温度
に於ける該反応混合物の自圧が適当であり、不活
性ガスによる加圧は特に必要でない。 反応方法としては、(1)無機強酸および無機強酸
の塩を含む水溶液を撹拌しながら所定の反応温度
に保ち、これにブテン類および/またはその誘導
体とホルムアルデヒドを連続的または断続的に添
加しながら反応させる方法、(2)ブテン類および/
またはその誘導体と無機強酸および無機強酸の塩
を含む水溶液を所定の反応温度で激しく撹拌し、
これにホルムアルデヒドを徐々に添加して反応さ
せる方法、(3)ブテン類および/またはその誘導
体、無機強酸および無機強酸の塩を含む水溶液な
らびにホルムアルデヒドの三者を混合し激しく撹
拌しながら所定の温度に保ち反応させる方法等が
用いられる。反応の収率面からは(1)および(2)の方
法、特に(1)の方法が好ましい。本発明方法は連続
式、回分式の何れの方法によつても実施できる
が、不均一相の反応であるので激しい撹拌状態で
反応を行わねばならず、また同じ目的のため界面
活性剤の存在下で反応を行うこともできる。反応
時間は出発原料の使用量、無機強酸および無機強
酸の塩の水溶液の濃度ならびに量、反応温度その
他によつても当然変化するが通常1〜20時間であ
る。 反応後の反応混合物よりピナコロンを取得する
方法としては、(a)有機相を水相から分離したのち
該有機相をそのまま、あるいは必要に応じて中和
したのち蒸留に供する方法、(b)反応混合物を中和
したのちそのまま、あるいは有機相のみを蒸留に
供する方法、(c)反応混合物をそのまま蒸留に供す
る方法等が用いられる。(a)または(c)の方法を用い
るならば水相の全部または一部を反応系に循環し
再使用することが可能であるが、ピナコロンの効
率的な分離・取得の面からは(a)の方法が好まし
い。蒸留方法としては水蒸気蒸留や通常の常圧ま
たは減圧蒸留が用いられる。 本発明において無機強酸の塩を用いることは反
応混合物を有機相と水相に分離する際に水相中に
分配する有機物の量を減少させるうえで有利であ
る。そのため有機相から分離された水相の全部ま
たは一部は必要に応じて水を濃縮除去した後、そ
のまままたは希薄な循環水相と混合して反応系に
再供給することができる。また、反応混合物の有
機相を蒸留した際に得られるピナコロンよりも沸
点の低い成分は主として、2−メチルブテン類、
2・3−ジメチルブタジエンその他の反応原料な
いしはピナコロンの前駆体であるので混合物のま
ま反応系に循環再使用することができる。 本発明により得られるピナコロンは溶剤として
また農薬やゴム薬品等の合成中間体として工業上
有用である。 次に本発明を実施例によりさらに詳しく説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。なお実施例中収率とは特にことわりが
ない限り、反応系に供給されたホルムアルデヒド
に対するモル%を意味する。 実施例 1〜5 撹拌機、還流冷却管、温度計および微量定量ポ
ンプに連結された原料供給口を備えた500mlの四
頚フラスコに種々の濃度の塩酸ならびに塩化カル
シウムを表1に示した濃度になる様に仕込み、撹
拌しながら98℃に加熱して2−メチルブタノール
−2 39.6g(0.45モル)と30重量%ホルマリン
45g(ホルムアルデヒド0.45モル)の混合溶液を
6時間にわたつて導入した。原料の導入終了後、
更に3時間還流させ反応を完了した。次に反応混
合物を氷水浴で冷却して撹拌しながら当量の水酸
化ナトリウムを添加し中和した。中和後の反応混
合物を分液して下層液(水相)中のホルムアルデ
ヒド量を亜硫酸ナトリウム法で分析した結果、何
れの場合もホルムアルデヒドは殆んど残存しなか
つた。また上層液(有機相)はガスクロマトグラ
フイーにより分析した。表1はその結果を示し、
表中の反応終了温度は還流終了時の反応混合物の
温度を示す。
【表】
【表】 比較例 1〜2 濃度10または20wt%の塩酸を用い塩化カルシ
ウムを添加せずにまたは多量に添加して実施例1
と同様に反応させたところ表2に示す結果が得ら
れた。
【表】
【表】 実施例 6〜16 反応系に添加する無機強酸の塩として下記表3
の塩酸塩を用いる以外は実施例1と全く同様に反
応させ、処理分析して表3の結果を得た。なお、
反応後の水相中にはホルムアルデヒドは残存しな
かつた。
【表】
【表】 実施例 17〜21 実施例1における塩化カルシウム濃度を下記表
4のように変えた以外は実施例1と全く同様に反
応させ、処理分析した結果表4に示すような結果
が得られた。また反応後の水相中にはホルムアル
デヒドは残存しなかつた。
【表】 実施例 22〜23 実施例1で用いた四頚フラスコと同一形式の1
容の反応器に30重量%の硫酸水溶液の所定量を
仕込み、加熱撹拌しながら下記表5に示した量の
無水硫酸マグネシウムを添加溶解させた。水溶液
の温度が98℃になつた時点で微量定量ポンプによ
り30重量%のホルマリン100g(ホルムアルデヒ
ド1.0モル)と2−メチルブタノール−2 88g
(1・0モル)の混合溶液を6時間にわたつて反
応系に導入反応させた。原料の導入後反応液を更
に3時間加熱還流させた。表5に示した反応終了
温度はこの時点の温度を示す。反応混合物を実施
例1と同様に処理分析したところ表5の結果が得
られた。 なお反応後の水相中のホルムアルデヒドを亜硫
酸ナトリウム法で分析した結果、ホルムアルデヒ
ドは残存していなかつた。
【表】 比較例 3 実施例22において硫酸マグネシウムを添加しな
いこと以外は実施例22と同様に反応させた。その
結果を表5に併記する。 実施例 24 実施例22で用いたのと同様の反応装置に0.37wt
%の塩酸450gを仕込み、加熱撹拌しながら塩化
カルシウム150gを添加溶解させた。水溶液の温
度が98℃になつた時点で異なる導入口から微量定
量ポンプにより2−メチル−2−クロロブタン
47.9g(0.45モル)と30重量%のホルマリン45g
をそれぞれ6時間にわたつて同時に導入させ反応
させた。原料の導入後反応混合物をさらに還流温
度で撹拌した。反応混合物を実施例1と同様に処
理し、分析した。表6にその結果を塩化カルシウ
ムを添加しなかつた場合の結果(比較例4)とと
もに示す。なおこれらの反応終了液の水相にはホ
ルムアルデヒドは残存しなかつた。
【表】 実施例 25 実施例22で用いたのと同じ装置を用いて、2−
メチルブタノール−2を3−メチルブタノール−
2に変えかつその使用量を0.45モルから1.0モル
に変えた以外は実施例1と全く同様な組成条件で
反応させた。この場合反応終了時の反応混合物の
温度は86.2℃であつた。実施例1と同様に処理分
析した結果は次の通りであつた。
【表】
【表】 実施例 26 撹拌機、氷冷水循環の還流冷却器、温度計およ
び微量定量ポンプに連結されたホルマリン供給口
を備えた1のフラスコに10重量%の塩酸548g
(1.5モル)および塩化カルシウム167gを仕込
み、さらに2−メチルブテン(組成:2−メチル
ブテン−2 96.8%、2−メチルブテン−1
3.2%)70g(1.0モル)を加えて激しく撹拌しな
がら加熱昇温させた。液温が41℃になつた時点で
30重量%のホルマリンの導入を開始し、5時間で
100g(ホルムアルデヒド1.0モル)を導入した。
この時の液温は85.8℃であつたがさらに2時間撹
拌下に還流したところ液温は89.9℃になつた。反
応混合物を実施例1と同様に処理し分析した。結
果を表7に示す。 比較例 5 実施例26において塩化カルシウムの添加のみを
省略して同様に反応を行つたところ、反応終了時
の液温は69.5℃であつた。反応混合物は実施例26
と同様に処理し分析した。結果を表7に併記す
る。 比較例 6 15重量%の塩酸730g(3.0モル)を用いてホル
マリンの導入時間および導入後還流時間をそれぞ
れ6時間および3時間とする以外は比較例5と全
く同様に反応させたところ反応終了時の反応混合
物の温度は90.8℃であつた。反応混合物を実施例
26と同様に処理し分析した。結果を表7に併記す
る。 参考例 10重量%の塩酸548g(1.5モル)のかわりに30
重量%の塩酸365g(3.0モル)を用いた以外は比
較例5と全く同様に反応させた。この反応は前記
特開昭51−82212号の実施例2に相当する。反応
結果を表7に併記する。
【表】 実施例 27 300ml容の耐圧ガラス製電磁撹拌式反応器に濃
度10重量%の硫酸水溶液147g(硫酸0.15モル)
及び塩化マグネシウム38.8gを仕込んで加熱撹拌
した。水溶液の温度が100℃に達した時点で耐圧
微量定量ポンプで濃度30重量%のホルマリン15g
(0.15モル)と13.2gの2−メチルブタノール−
2(ホルムアルデヒド0.15モル)の混合物を6時
間にわたつて供給した。原料の供給終了後さらに
同じ温度(100〜104℃)で3時間撹拌した。反応
中、圧力は反応系の自圧に保たれ、その最高圧力
は1.2Kg/cm2Gであつた。反応後反応混合物を室温
にまで冷却した後、これを混合キシレン50mlとと
もに分液漏斗に移して有機相を分液した。有機相
を3重量%の炭酸ナトリウム水溶液20mlで1回洗
浄し、さらに20mlの飽和食塩水で二回洗つてガス
クロマトグラフイーにより分析した。反応結果を
表8に示す。 実施例 28〜29 実施例27と同じ反応装置を用い、塩化マグネシ
ウムの替りに硫酸水素ナトリウムならびに濃度が
10および20重量%の硫酸水溶液を用いる以外は実
施例27と同様に反応させ分析したところ表8の結
果が得られた。
【表】 実施例 30 撹拌機、還流冷却管、温度計および定量ポンプ
を装置した5の四頚フラスコに濃度10重量%の
塩酸2740g及び無水塩化カルシウム833gを仕込
んで撹拌溶解した。この溶液を撹拌下に加熱して
105℃になつた時点で2−メチルブタノール−2
440gと濃度45.5重量%のホルマリン330gの混
合溶液を前記定量ポンプを通して6時間でフイー
ドした。原料のフイードと同時に反応系の還流が
始まり、フイード終了時には反応系の温度は84.5
℃であつた。原料のフイード終了後、濃度23重量
%のホルマリン32gを30分で追加フイードしてさ
らに2時間還流させ反応を終了した。この時の反
応混合物の温度は90℃であつた。反応混合物を室
温にまで冷却した後、分液漏斗を用いて有機層と
水層とを分液した。有機層の重量は484gであ
り、そのピナコロン及び塩化水素含有率はそれぞ
れ75.6%及び0.112%であつた。水層は長さ50cm
のガラス製ラツシヒリング充填塔を用いて留出液
水層が270gになるまで濃縮を行なつた。この時
留出液有機層の重量は24.8gでありそのピナコロ
ン濃度は80.7%であつた。また留出液水層中の
HClは極く微量であつた。従つて、ピナコロンの
モル収率は仕込み2−メチルブタノール−2基準
で77.2%であり、反応後の塩酸の濃縮によるHCl
のロスは無視し得る程度である。 次に上記濃縮によつて得られた塩化カルシウム
−HCl水溶液に35重量%の塩酸30gを添加して副
反応によつて消費されたHClを補い同様に反応さ
せて処理分析した結果、ピナコロン収率は77.5%
であり、反応混合物の有機層中のHCl濃度は
0.112%であつた。 実施例 31 不純物として3−メチルブタノール−1(2.3
重量%)その他を含む純度91.2重量%の2−メチ
ルブタノール−2を用いたことならびに原料混合
物のフイード終了後に追添加するホルムアルデヒ
ドの量を用いた2−メチルブタノール−2の量の
10モル%にしたこと以外は実施例30と全く同様な
反応及び接作を行なつた結果、フイード2−メチ
ルブタノール−2基準で78.9%のピナコロン収率
が得られた。 実施例 32 イソアミレン及びホルマリンのフイードライン
を装着した内容積1.3の電磁撹拌式耐圧反応器
に10重量%の塩酸548g及び無水塩化カルシウム
167gを仕込んで加熱撹拌して125℃に保つた。こ
れに耐圧定量ポンプを用いて3−メチル−1−ブ
テン25.3%、2−メチル−1−ブテン28.3%、2
−メチル−2−ブテン44.3%、メチルブタン2.1
%からなる混合アミレン71.5g及び30重量%のホ
ルマリン105gをそれぞれのフイードラインを通
して4時間及び5時間で導入し反応させた。ホル
マリンのフイード終了後さらに1時間この温度で
撹拌を続けた後、反応混合物を約5℃にまで冷却
して有機層と水層を分液した。有機層及び水層に
ついて実施例30と同様にして分析した結果、アミ
レンの転化率98.5%、ピナコロン選択率79.2%で
あつた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 2−メチルブテン−1・2−メチルブテン−
    2・3−メチルブテン−1、一般式()で示さ
    れる2−置換−2−メチルブタン および一般式()で示される3−置換−2−
    メチルブタン 〔式()および()においてXはOH、Cl、
    Br、HSO4、H2PO4またはClO4を表わす〕から選
    択されるブテン類もしくはその誘導体を無機強酸
    水溶液の存在下にホルムアルデヒドと反応させて
    ピナコロンを製造するに際し、少なくとも反応系
    に部分的に可溶な無機強酸の塩を共存させること
    を特徴とするピナコロンの製法。 2 100℃における水に対する溶解度が35以上で
    ある無機強酸の塩を用いる特許請求の範囲第1項
    記載のピナコロンの製法。 3 反応系に存在させる無機強酸の量が反応系の
    水相1Kg当り0.5モル以上であり、かつ反応系に
    共存させる無機強酸の塩の量が無機強酸の酸根お
    よび無機強酸の塩の酸根の合計で該水相1Kg当り
    3.0〜9.0モルの割合となる量である特許請求の範
    囲第1項記載のピナコロンの製法。
JP5788278A 1978-05-15 1978-05-15 Preparation of pinacolone Granted JPS54148711A (en)

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