JPS6115697Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、回転する刈刃により草等の刈払作業
を行なうための刈払機における、刈刃の上面を覆
う刈刃カバーに係るものである。

一般に、刈払機に刈刃の上面には、刈刃を固着
する回転軸に草等が巻き付くことを防止するため
に刈刃カバーが設けられ、この刈刃カバーは回転
軸を回転自在に支持する支持体の外周に固定され
ている。しかるに、刈払機においては、刈り払う
草の種類により強力な回転力を必要とするものが
あり、この場合には、刈刃の外径は同じである
が、回転軸およびベアリングの径が大きくなり、
したがつて支持体の外径が大きくなる。このた
め、刈刃カバーは外径は同じであるが、支持体の
外周に嵌合される内径が大きいものが必要とな
る。従来、回転力の異る刈払機を製作する場合に
は、相当する刈刃カバーを準備する必要があり、
在庫部品の価格が大となつていた。

本考案は、支持体の外周に着脱自在の環体を設
け、この環体の外周に刈刃カバーを着脱自在に設
けて、環体の外周と刈刃カバーとの係合部を一定
の寸法に設けることにより、支持体の外径の異る
場合には、構造簡単で取り付け容易な、小型の安
価な環体のみを交換取り付け、高価な刈刃カバー
は一定のものを用いて、準備する部品の在庫価格
を減少せしめようとするものである。

以下、図面により本考案の１実施例について詳
細な説明を行なう。

図において、１は刈刃３を回転自在に支持する
支持体、５は支持体１とエンジン７とを連結する
連結杆、９は連結杆５の外周に固着する握り部、
１１は連結杆５に固着するハンドル１３に固着す
る握り部である。１５は支持体１にベアリング１
７，１９によつて回転自在に軸支された回転軸
で、エンジン７によつて駆動される伝動軸２１に
より、ベベルギヤー２３，２５を介して回転駆動
される。２７は伝動軸２１を支持体１に回転自在
に軸支するベアリングである。２９は円板状の支
持板で、ベアリング１７、カラー３１を介して位
置決めされる上部座金３３に嵌合し、下部座金３
５との間に挾持され、ベアリング３７、カラー３
９を介して、回転軸１５の端部に螺合するボルト
４１により締め付け固定されている。４３はカラ
ー３１と支持体１の内径部との間に設けたオイル
シールである。刈刃３はつぎのように構成されて
いる。すなわち、４５は支持板２９の上面に並設
された補助板で、ボルト４７により支持板２９に
固定されている。４９，４９は補助板４５を下方
に打ち抜いて折り曲げ形成された係止部で、下端
は内方に向つて相対してさらに折り曲げられ、支
持板２９に設けられて孔部５１を貫通して、支持
板２９の下面において刃部５３を半径方向に摺動
自在に支持している。５５，５５は刃部５３に対
称位置に貫通して設けた固定孔で、１方の固定孔
５５を貫通してボルト４７により刃部５３を支持
板２９に固定している。５７は支持体１の外周に
着脱自在に固定された環体で、軸心線を含む分割
面において分割された２個の半環体５９，５９を
この分割面を横切るねじ６１，６１により支持体
１の外周に挾持、固定されている。６３は環体５
７の外周に一定寸法で設けられた係合溝、６５は
ねじ６１を螺合するねじ座で、半環体５９の成型
時に１体的に固着して設けられている。６７は環
体５７の外周の係合溝６３に着脱自在に弾性係合
する軟質合成樹脂製の刈刃カバーで、刈刃３の上
面を覆つている。６９は刈刃カバー６７の内径部
に設けた係合部、７１は刈刃カバー６７の内径部
から半径方向に切り欠いて設けた切欠部で、係合
部６９を係合溝６３に容易に係合せしめるための
ものである。７３は刈刃３の下面を覆う保護カバ
ーで、ボルト４１の端部に嵌合するベアリング３
７の外周に嵌合する軸受体７５に、ボルト７７に
よつて固着され、ベアリング３７を介してボルト
４１に対して回転自在に設けられている。

以上の構成において、作業者は、握り部９，１
１を両手で把持して、エンジン７の駆動により伝
動軸２１、回転軸１５を介して回転する刈刃３の
刃部５３により草等の刈り払い作業を行なうもの
である。刃部５３の刃が摩耗した際には、ボルト
４７を取り外ずして、刃部５３を支持板２９の外
方に引き出し、刃部５３の端部を反転せしめての
ち、再び係止部４９の間に挿入し、他方の固定孔
５５を貫通してボルト４７により、刃部５３を支
持板２９に固定するものである。さらに、刃部５
３の刃が摩耗したときには、刃部５３を裏返して
同様に使用すれば、１個の刃部５３を４回使用す
ることができる。また製作時にあたつて、回転力
の大なるエンジン７を用いた場合には、支持体１
の外径が大となるが、支持体１の外径に適した環
体５７を装着すれば、係合溝６３の寸法は一定に
設けてあるので、共通な刈刃カバー６７を使用す
ることができるものである。刈刃カバー６７は環
体５７の下方から上方に押圧すれば、切欠部７
１，７１，…によつて切り欠かれた刈刃カバー６
７の内径部付近が湾曲し、環体５７の外周下縁に
設けた傾斜面に沿つて係合部６９が係合溝６３に
容易に係合することができるものである。

以上のように本考案は、刈刃を固着する回転軸
を回転自在に軸支する支持体の外周に、着脱自在
の環状を設け、前記刈刃の上面を覆う刈刃カバー
を前記環体の外周に着脱自在に弾性係合して設け
た刈払機の刈刃カバーであるから、製作時に環体
の外周と刈刃カバーとの係合部を一定寸法に設け
て、支持体の外径寸法の異る場合に、構造簡単で
取り付け容易な、小型の安価な環体のみを交換し
て取り付け、大型の高価な刈刃カバーは一定のも
のを使用することができ、準備する部品の種類お
よび在庫数を減少して、在庫管理を容易とし、経
費節減を計かることができるものである。

なお、本考案は前述の実施例に限定されるもの
ではなく、他の態様においても実施しうるもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は刈払機の傾斜説明図、第２図は本考案
の一実施例の側断面説明図、第３図は要部の縮小
平面図、第４図は要部の平断面説明図、第５図は
第４図の−線の断面図、第６図は要部の平面
説明図、第７図は第６図の−線の側断面説明
図である。 図面の主要な部分を表わす符号の説明、１……
支持体、３……刈刃、１５……回転軸、５７……
環体、５９……半環体、６１……ねじ、６３……
係合溝、６７……刈刃カバー、６９……係合部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 刈刃３を固着する回転軸１５を回転自在に軸支
   する支持体１に、前記刈刃３の上面を覆う刈刃カ
   バー６７を装着した刈払機において、軸心線を含
   む分割面において分割された環体５７を、前記分
   割面を横切るねじ６１によつて前記支持体１の外
   周に挟持して設け、前記環体５７の外周に円周方
   向に係合溝６３を設けるとともに、軟質材料より
   なる刈刃カバー６７の内径部に係合部６９を設
   け、前記係合部６９を前記係合溝６３に着脱自在
   に弾性係合して設けたことを特徴とする・刈払機
   の刈刃カバー。