JPS6115318B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は温水循環回路の配管継手に関し、端末
機側に接続されたプラグ継手部と、熱源機側に接
続されたコンセント継手部を着脱自在にするとと
もに、その着脱時における、継手部からの水洩れ
が極めて少ない配管継手を提供せんとするもので
ある。

近年、温水循環回路における、端末機回りの配
管は、従来の鋼管や鋼管による固定配管に変つ
て、接続取り外し自在な、配管継手が実用化され
つつある。この温水循環回路における、電気コン
セントのごとき配管継手を用いた場合、端末機の
撤去や移動が可能で、従来の固定配管には見られ
ない利点を有している。

しかしながら、従来の接続取り外し自在な配管
継手は、取り外し時に、先ず、コンセント継手部
の、熱源機からの温水送り管と戻り管側の開閉弁
を同時に手動閉成し、その後プラグ継手部の、端
末機への温水流入管と流出管側の開閉弁を同時に
自動閉成する構成である。そのため、プラグ継手
部が取り外された状態におては、端末機内部と、
該端末機に連通接続された、流入管と温水流出管
の内部圧力は、循環ポンプ締切時の、高圧水圧が
保持された状態に置かれる。従つて、温水流入管
と流出管にゴムホース等の、可撓性を有するパイ
プを用いた場合、プラグ継手部が取り外された状
態において、ゴムホース等の可撓性を減少する問
題を有すると共に、高圧水圧で長期間、ゴムホー
ス等が放置されると、膨潤変形する問題点を有
し、しかも着脱時の操作性が悪かつた。

第１０図及び第１１図は上記した従来における
配管継手の構成を示した図であるが、第１０図に
おいて熱源機側からの温水送り管５８と温水戻り
管５９が配管されたコンセント継手部６０の内部
には手動の開閉弁６１，６２が設けられ手動レバ
ー（図示せず）の一操作で開閉する構成となつて
いる。６３，６４はピンである。第１１図はプラ
グ継手部６５を示した図であるが温水流入管６６
及び温水流出管６７が配管されると共に内部には
スプリング６８，６９で付勢された開閉弁７０，
７１が設けられている。

次に動作を説明するとプラグ継手部６５をコン
セント継手部６０に装着するとピン６３，６４は
開閉弁７０，７１を押し開け流路を開成する。そ
の後開閉弁６１，６２を手動開成する。一方プラ
グ継手部６５をコンセント継手部６０から外すと
きには、先ず開閉弁６１，６２を同時に手動閉成
した後プラグ継手部６５を取り外すと、プラグ継
手部６５内の開閉弁７０，７１がスプリング６
８，６９の付勢力により閉成される。

そこでこれらの、問題点を解決すべく本発明は
弁開閉動作を順次行なわし、これにより従来の問
題点を解決すると共に、取り外し時における継手
外部への水洩れを極めて少なくしたものであり、
以下その一実施例を図面に基づいて説明する。

第１図及び第２図において、１はコンセント継
手本体であり、コンセント継手本体１内部は、上
蓋２とＯリング３及び４により、室５と室６が構
成されている。室５には熱源機からの送り管７が
接続されると共に、シールパツキン８が固定され
た開閉弁９が付勢スプリング１０により、閉成方
向に付勢されている。

一方室６に於いても同様に熱源機へ配管された
戻り管１１が接続されると共に、シールパツキン
１２が固定された開閉弁１３が付勢スプリング１
４により閉成方向に付勢されている。各々の開閉
弁９及び１３には突起片１５及び１６が設けら
れ、この突起片長さは、温水送り管７側突起片１
５に比べ、戻り管１１側突起片１６が長く構成さ
れている。またシールパツキン８及び１２にて遮
断された大気側１７には、Ｏリング１８及び１９
が設けられているが、これらのＯリング１８，１
９は第３図及び第４図に示す、プラグ継手が挿入
された際のシールを行なうものである。更にコン
セント継手本体１には、ツメ形状部２０及び２１
を有するアーム２２及び２３の一端が回動自在に
固定され、他端は各々、連接棒２４及び２５の一
端に回転自在に固定されている。該連接棒２４及
び２５の他端は操作軸２６に回転自在に固定さ
れ、リンク形状を構成している。またアーム２２
及び２３には、ツメ形状部２０及び２１をコンセ
ント継手本体１の内側に移動させるごとく作用す
る、スプリング２７が設けられてコンセント継手
部を構成している。なお２８は操作軸２６の軸受
であり、２９は樹脂性のプツシユツマミである。

第３図及び第４図は、コンセント継手部に挿入
されるプラグの一実施例を示したものであるが、
３０はプラグ継手本体であり、該プラグ継手本体
３０上部には、コンセント継手部への挿入部３１
及び３２を有する上蓋３３がＯリング３４，３５
を介して固定され、下部には、端末機への温水流
入管３６及び端末機からの流出管３７がホースバ
ンド３８，３９により固定された下蓋４０が固定
されている。プラグ継手本体３０内部も、室４１
と室４２の２室に分割され、各室４１，４２には
コンセント継手部と同様に、シールパツキン４
３，４４が固定された弁体４５，４６が付勢スプ
リング４７，４８により閉成方向に付勢されてい
る。さらに弁体４５，４６は突起片４６，５０を
有し、この突起片長さは、温水流入管３６側突起
片に比べ、流出管３７側突起片が長く構成されて
いる。５１及び５２はコンセント継手部のツメ形
状部２０及び２１が篏合する凹溝である。

なお、各々の開閉弁９，１３，４５，４６を付
勢している付勢スプリング１０，１４，４７，４
８は次のごとく設定されている。

すなわち、温水送り管側開閉弁９を付勢した付
勢スプリング１０の付勢力を、温水流入管側開閉
弁４５を付勢した付勢スプリング４７の付勢力よ
り強く、また温水流出管側開閉弁４６を付勢した
付勢スプリング４８の付勢力を、温水戻り管側開
閉弁１３を付勢したスプリング１４の付勢力より
強く設定しているのである。

以上の様に構成されたコンセント継手部とプラ
グ継手部を実際に壁面に取り付けた状態を第５図
に示す。第５図において、５３は壁面、５４はコ
ンセント継手本体１の固定金具であり、コンセン
ト継手本体１は、該固定金具５４により、壁中５
５側に固定されている。また固定金具５４の下方
には水受け皿５６が設けられており、５７は壁面
５３に取り付けられた、樹脂性の化粧カバーであ
る。

以上のように構成されたコンセント継手部とプ
ラグ継手部の装着時及び取り外し時の動作を第６
図〜第９図を含めて説明する。

装着時には第６図に示すようにプラグ継手部３
０をコンセント継手部１に挿入すると、プラグ継
手部３０の入部３１及び３２の外周が、コンセン
ト継手部１のＯリング１８及び１９によりシール
され、配管内の温水が外部に洩れるのが防止され
る。

シールが完全にされた状態において、プラグ継
手部を挿入すると、コンセント継手部１の温水戻
り管側開閉弁１３の突起片１６とプラグ継手部３
０の温水流出管側開閉弁４６の突起片５０が、当
接状態になる。

続いて、プラグ継手部を挿入すると、第７図に
示すように、前記突起片１６と５０が互いに押し
合つて、開閉弁１３及び４６が開成される。

この時には、プラグ側の温水流出管側開閉弁４
６の付勢スプリング４８の付勢力が、コンセント
側の温水戻り管側開閉弁１３の付勢スプリング１
４の付勢力より強く設定されているので、開閉弁
１３が開成し、次いで、開閉弁４６が開成する。
次にコンセント継手部の温水送り管側開閉弁９の
突起片１５と、プラグ継手部の温水流入管側開閉
弁４５の突起片４９が当接状態となる。更にプラ
グ継手部を挿入すると、第８図及び第９図に示す
ように、前記突起片１５と４９が、互いに押し合
つて、開閉弁９及び４５が開成され、循環回路が
成立し、第９図の矢印のごとく流体が循環され
る。この開閉弁９及び４５の開成順序は、前述の
様にコンセント側の温水送り管側開閉弁９の付勢
スプリング１０の付勢力を、プラグ側の温水流入
管側開閉弁４５の付勢スプリング４７の付勢力よ
り強く設定している為、開閉弁４５が開成し、次
いで開閉弁９が開成される。即ち、コンセント継
手部とプラグ継手部の装着時における開閉弁の開
成順序は、開閉弁１３→４６→４５→９となり、
コンセント側温水戻り管の開閉弁より順次、循環
回路上流側に位置する開閉弁を開成する。

また、各々の開閉弁が第９図に示すごとく、全
開状態になると、コンセント継手部のアーム２２
及び２３に設けられた、ツメ形状部２０及び２１
が、プラグ継手部の凹溝５１及び５２に篏合さ
れ、プラグ継手の抜け防止がなされている。

次に、取り外し時の動作かコンセント継手部の
プツシユツマミ２９を押すことにより、アーム２
２及び２３がコンセント継手本体１の外側に移動
され、該アーム２２及び２３のツメ形状部２０及
び２１がプラグ継手部の凹溝から外れる。この
時、弁開成された事により、圧縮された各々の付
勢スプリング１０，１４，４７，４８の反発力
で、各々の開閉弁９，１３，４５，４６は閉成さ
れると同時に、プラグ継手部とコンセント継手部
は外れる。

取り外し時の開閉弁の閉成順序は、先ず、短い
突起片１５及び４９を有する開閉弁９，４５側
で、スプリング付勢力の大きい開閉弁９が閉成
し、次いで、開閉弁４５ぱ閉成する。続いて、プ
ラグ継手部を取り外して行くと、第７図に示すご
とく、スプリング付勢力の強い開閉弁４６が閉成
し、最後に開閉弁１３が閉成され、プラグ継手部
とコンセント継手部は取り外される。

以上の様に、本発明によれば、下記の効果を奏
するものである。

（） 取り外し時には、循環回路の上流側の開
閉弁を閉成し、循環回路を停止させた状態か
ら、順次下流側の開閉弁を閉成してゆくため、
閉成動作が安定すると共に、端末機内部と温水
入出管の内部圧力が低く、かつ、各々の開閉弁
間においても、圧力が低く、プラグ継手部をコ
ンセント継手部から取り外す際において、継手
外部への水洩れが極少となり、実用性に富む。
また温水流入管にゴムホース等の可撓性パイプ
を用いても、可撓性が失われることは無い。

（） 装着時には、循環回路の下流側開閉弁か
ら、順次開成し、最後に熱源機からの送り管側
開閉弁を開成して、循環回路が成立するため、
各々の開閉弁は循環流体の影響を受けることが
無く開成動作が安定する。

（） プラグ継手を取り外した状態で長時間放
置しても、パイプ内圧が低い為、膨潤変形が無
く耐久性が良い。

（） プラグ継手部とコンセント継手部の接続
取り外し時に、自動的に順次弁開閉すると共
に、プラグ継手部の抜け防止も自動的になさ
れ、その操作性は極めて良い。

（） 本発明によれば１ケ所の開閉弁の突起片
の長さを長くすることにより水洩れが極めて少
なく、かつ、プラグ継手部の内圧を低くして取
り外すことができ、簡単な構成でかつ低コスト
となる効果を有している。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例にかかる温水循環回
路の配管継手のコンセントの一部切欠平面図、第
２図は同コンセント継手部の正面図、第３図は同
配管継手の一部切欠平面図、第４図は同プラグ継
手部の正面図、第５図は同配管継手を壁面に取り
付けた際の側面図、第６図〜第９図は同コンセン
ト継手部とプラグ継手部の動作状態を示す断面
図、第１０図は従来におけるコンセント継手部の
構成断面図、第１１図は従来におけるプラグ継手
部の構成断面図である。 １……コンセント継手本体、３０……プラグ継
手本体、９，１３，４５，４６……開閉弁、１
０，１４，４７，４８，……スプリング、１５，
１６，４９，５０……突起片、８，１２，４３，
４４……シールパツキン、５６……水受け皿、２
９……プツシユツマミ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 端末機に連通接続した温水流入管ならびに温
   水流出管の各々の先端部に、突起片を有する開閉
   弁をスプリングにて付勢してなるプラグ継手部
   と、熱源機から配管された温水送り管と温水戻り
   管の各々の先端部に前記開閉弁の開閉時に前記突
   起片に当接する他の突起片を有する開閉弁をスプ
   リングにて付勢してなるコンセント継手部からな
   り、前記熱源機に接続した温水戻り管に設けた開
   閉弁の突起片及び端末機に接続した温水流出管に
   設けた開閉弁の突起片の少なくとも一方長さを、
   前記熱源機に接続した温水送り管に設けた開閉弁
   の突起片及び端末機に接続した温水流入管に設け
   た開閉弁の突起片の長さに比べ長く構成すると共
   に、温水送り管の開閉弁付勢スプリングの強さを
   温水流入管の開閉弁付勢スプリングの強さに比べ
   大きく設定し、且つ温水流出管の開閉弁付勢スプ
   リングの強さを、温水戻り管の開閉弁付勢スプリ
   ングの強さに比べ大きく設定した温水循環回路の
   配管継手。