JPS61152888A - 布レ−スの製造方法 - Google Patents

布レ−スの製造方法

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JPS61152888A
JPS61152888A JP27103584A JP27103584A JPS61152888A JP S61152888 A JPS61152888 A JP S61152888A JP 27103584 A JP27103584 A JP 27103584A JP 27103584 A JP27103584 A JP 27103584A JP S61152888 A JPS61152888 A JP S61152888A
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lace
embroidery
fibers
embroidered
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JP27103584A
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English (en)
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茂樹 森本
勇 田村
学 梅田
岩井 雅和
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は、布レースの製造方法に関するものである。さ
らに詳しくは、布レース(ケミカル・レースおよびエン
ブロイダリー・レース)に用いる基布である織物“紗”
が、寸法安定性および刺繍加工に適度な張り、腰を有し
、アルカリ溶性で容易に完全除去されるような布レース
の製造方法に関するものである。
〔従来技術およびその問題点〕
従来、水溶性繊維の基布に綿糸やナイロン糸で刺繍した
後、基布を熱水で溶出除去するケミカル・レースの製造
方法は、既に特許第182176号公報、特公昭37−
2148号公報および特公昭39−3348号公報など
で知られている。又、過去には絹織物“羽二重”や羊毛
織物“モスリン”を基布にして、アルカリ不溶性の糸で
刺繍した後、基布をアルカリ溶液で溶解除去する方法が
用いられた。
一方、エンブロイダリー・レースとしても同様に、可溶
性繊維と非可溶性繊維の性状に着目し、水溶性繊維の基
布と、ナイロン製ネットを組合わせて、レーヨン糸およ
び金、銀ラメ糸などで刺繍加工した後、溶解処理によっ
てレースとして特有の通隙や透孔柄を形成し、高級レー
スを得る方法は広く行われている。
しかし、これらの方法では、基布となるべき水溶性繊維
(例えば、“ツルブロン” にチビ製)は、刺繍する際
に温湿度の差により基布に寸法移動やクルミを生じて刺
繍加工で「柄(ずれ」になったり、次工程で浮糸を始末
する際のミスカットやキズの発生となり易い欠点を有し
ている。
また、基布の管理として水溶性であるため、結露しない
場所で保管しなければならない。
さらに大きな問題点は、このようにして得られた刺繍レ
ースであっても、熱水による水溶性繊維を溶出除去する
方法において、一定温度下で処理しなければならず、刺
繍加工反の精錬槽への送り込み量、形状(連続結反、も
しくは袋詰め)によっては完全溶解に至らない部分さえ
あり、これが一旦残存してしまうと再加工が利かないま
ま残る欠点を有しており、あるいは後染特異束となり、
ただ経済的に熱水処理という簡単な操作で溶出除去がで
きるという面のみが誇大に宣伝されているのが現状であ
る。
〔発明の目的〕
本発明の目的は、溶出基布として前述の欠点を克服し、
物性、刺繍加工性を向上させ精巧、かつ優美な高級布レ
ースを得ることである。すなわち、疎水性を有する変性
ポリエステル長繊維からなる織布を基布とするために製
織工程は勿論のこと刺繍工程で通常のポリエステル薄地
織物と同様に取扱うことができ、標準状態に管理された
工場であれば全(問題なく工程通過性を得ることができ
る。
さらに、多の目的は変性ポリエステル長繊維を使用する
ために簡単なアルカリ処理で、極めて効率良(完全除去
することができ、刺繍模様に残漬物を有しない布レース
の製造法を提供するものである。
〔発明の構成〕
本発明らは鋭意検討した結果、疎水性を有する変性ポリ
エステル長繊維を用いることによって従来の諸欠点を無
くすることを見出し、本発明に到達したものである。
すなわち、本発明は、スルホン酸基を3.1モル%以上
含有する変性ポリエステル長繊維を用いた基布に、アル
カリ不溶性繊維を直接に刺繍した後、または前記基布に
ネットを重層させてアルカリ不溶性繊維を刺繍した後、
アルカリ処理して前記基布を溶解除去することを特徴と
する布レースの製造方法である。
以下、図面に基づいて本発明を詳述する。
第1図は、本発明に至る前に得たポリエステル系のアル
カリ溶解テストの実験値である。同図(a)は処理時間
と減量率を、同図(b)は処理温度と減量率の関係を示
す。
まず、第1図(alはアルカリ処理条件として、苛性ソ
ーダ3.0%濃度で、処理温度100℃(Boil)の
ビーカー実験である。実線Aは本発明の変性ポリエステ
ル長繊維でり、湧水収縮率11.3%を有する150デ
ニ・−ル(D)、 30フイラメント(F)のもので処
理時間約20分で完全溶解に達している。また比較のた
め、一点鎖線Bは従来のポリエステル長繊維の染色性を
改良する目的でスルホイソフタル酸ナトリウムを約3モ
ル%程度共重合させた、いわゆるカチオン染料可染型ポ
リエステル長繊維で、湧水収縮率8.8%を有する15
0デニール(D)、 30フイラメント(F)のちので
処理時間20分程度で減量率20%強で、完全溶解域に
は約100分を要することが判る。
点Nacは従来のポリエステル長繊維で、湧水収縮率7
.9%を有する150デニール(D)、 30フイラメ
ント(F)のもので処理時間20分程度では減量率3〜
4%の低い値である。
第1図(blは、アルカリ処理条件として、苛性ソーダ
3.0%濃度、処理時間40分で、処理温度の効果を示
す。本発明に用いた変性ポリエステル長繊維は比較的低
温度の70〜80℃付近から減量が急激に促進され始め
、さらに昇温すると高次関数的になり、90℃を超えた
時点では完全溶解に達している。
比較のためのカチオン染料可染型ポリエステル長繊維は
、この傾向が節理低温サイドにシフトされており、70
〜80℃温度域でも減量率10%程度に留まり、最高処
理温度の100℃GBoil)条件下であっても減量率
40%程度にある。従来のポリエステル長繊維はさらに
その傾向が強く、最高処理温度100℃(Boil)減
量率5〜7%付近でほとんど減量は進行していない。
これらの検討結果から、本発明の変性ポリエステル長繊
維は従来のポリエステル長繊維との減量速度比が40倍
の違いを有することを意味しており、本発明の変性ポリ
エステル長繊維がいかに可溶性繊維、とくにケミカル・
レースおよびエンブロイダリー・レース用途への適用が
妥当であることが判明した。
第2図は、従来のケミカル・レースを示す平面図であり
、可溶性繊維(例えば、水溶性ビニロン糸)からなる刺
繍基布2に、任意の非可溶性繊維(例えば、木綿、ナイ
ロン糸など)1を連続した模様(例えば、小花柄の点在
)に刺繍加工し、しかる後熱水・精練加工して、基布を
溶失せしめたものである。
ところが、可溶性繊維からなる基布2は熱水・精練加工
を経た後のケミカル・レース上に部分的に残存すること
が多い。これは溶出除去する工程での、加工反の精練槽
への送り込み方法に依存するが、他の要因としては一定
温度で溶出を作用せしめなければならない可溶性繊維固
有の性質に負うところもあって精練槽内の詰め込み密度
や熱水温度が一定にでき得ないために避けられない欠点
である。
つまり、実際に精練槽への刺繍加工反の詰め込みは刺繍
部分の面積の広さによって取扱が区分されており、刺繍
部分の面積が全体の3重1程度の簡単な柄に(例えば、
「チュール」)ものは結反をしてパッケージ方式で詰め
込みされる。一方はとんど刺繍面積全体に柄(例えば、
「ギーピュール」)を有するものは1反毎に袋詰めにし
て回転バック、あるいはオーバーマイヤ一方式で精練さ
れる。その後に、高温度の熱水が槽内に注入され、一定
時間処理される。
しかし、いずれの方法においても、刺繍部が比較的大き
く、密な部分に可溶性繊維からなる基布の未溶解残存物
が付着しており、再加工しても溶出しないために、手作
業により修正を必要とせざるを得ない。
第3図は、第2図のx−x ’線側断面図を示し、非可
溶性繊維1からなるケミカル・レースに、可溶性繊維か
らなる基布2が未溶解のまま表面に付着していることを
示す。
この未溶解の基布2は通常刺繍加工の作業性を容易にす
る目的で仮染染料といわれる、酸性染料に分類される水
溶性染料で淡色に染色されているために、精練後にあっ
ても未溶解の部分のみ目立つと共に、完全に除去してお
かないとその後の任意の後染め工程で汚染することもあ
る。
本発明はこれらの問題を克服したものである。
すなわち、従来の可溶性繊維が一定温度の熱水でのみ溶
解作用を受けるのに対して、本発明は低温から目的とす
る温度域まで徐々に昇温させ、溶解温度に達してから一
定時間処理することと、別浴とか別工程で繰返し熱処理
を受けるとさらに進行する点が相違している。
第4図は、本発明による疎水性を有する変性ポリエステ
ル長繊維を用いて織製した「紗」の基布2と、ナイロン
糸でトリコット製編したチュールネット3を重ね縫合し
て、エンブロイダリー刺繍機でアルカリ不溶性繊維lで
刺繍したエンプロイダリー・レースの一実施例の一部平
面図である。
第5図は、第4図のA−A ’線側断面図を示す、刺繍
基布としてアルカリ溶解後レース基布のベースとして残
すチュールネット3と、この上にアルカリ溶液で溶出除
去する基布2の重ったシート状基布および任意の意匠糸
1による刺繍模様柄の3者によって構成される。
本発明におけるアルカリ溶液で溶出除去する基布2とし
ては以下のような構成のものが用いられる。
即ち、可溶性繊維そのもので織製した「紗」   ゛タ
イプ織物、トリコット製編したハーフ系のものが代表的
であるのは勿論であるが、シート状基布としての不織布
、フィルム体も同効である。
さらに、アルカリ不溶性繊維を一部混用したシート状基
布を部分的にアルカリ溶液で完全除去する基布に2重乃
至3重に結合して透視型を備えていれば適用は可能であ
る。
ここで、刺繍加工に際して、アルカリ溶液で溶出除去さ
れる基布の具備すべき条件としては可縫性が良好である
べきである。そのためには、温湿度の変化に対して疎水
性を有し寸法変化の少ないこと、および適度の張り、腰
を有し刺繍針の貫通抵抗が小さく、地糸切れのしないこ
となどである。
ここで、本発明の布レースとは、可溶性繊維を用いた基
布と非可溶性繊維で刺繍した後、該基布を何んらかの手
段で溶出除去したものであって、例えば熱水処理、もし
くはアルカリ溶液を用いたいわゆる、ケミカル・レース
、および刺繍レース(もしくはエンプロイダリー・レー
ス)に限定されるものであって、綿布あるいはポリエス
テル布に直接刺繍するのみの溶出しない刺繍レースは含
まない。
実際に、ケミカル・レースの基布にてアルカリ溶液処理
の検討に着手する使用糸種には50デニール(D)以下
で、かつアルカリ溶解の条件適用は工業的に沸騰水より
かなり低温が望ましいといえる。
かかる繊維はポリエチレンテレフタレートとの共重合の
各種改質ポリマーの含有量を調整するとと、さらに紡糸
後の延伸、熱処理などを調整することにより得られる。
本発明におけるアルカリ処理によって溶解除去される変
性ポリエステル長繊維とは、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタ    ル−トおよびそれら
の各種改質ポリマーが含まれるが、1モル%以上、15
モル%以下の一303M基(ただし、Mは金属、とくに
アルカリ金属。
アルカリ土類金属または水素原糸)含有ポリエステルが
好ましいが、特に製糸性とアルカリ処理効果を考慮した
場合、3.5〜8.5モル%の5−ナトリウムスルホイ
ソフタル酸を共重合したポリエチレンテレフタレートが
最も好ましい。
引続いて、通常の溶融紡糸機を用いて紡糸した後、加熱
ピンを用いて60℃で延伸するか、さらに好ましくは、
延伸後80〜105℃の熱処理を受けることによって、
より好ましい糸特性(例えば、公定水分率1%以下で、
強度が2.5〜3.3g/d)を得ることができ、本発
明の基布に適用するに減量速度が上昇し、効果が著しい
また、断面形状は円形断面はもちろんのこと異型断面と
ての五葉形、あるいは三角断面などいずれでもよいが、
表面積の広い異形断面糸に溶解効果が顕著である。
一方、刺繍加工に用いるアルカリ不溶性繊維糸とは、ア
ルカリによって溶解せず、しかもレースとしての強度を
保持しうる繊維から成っていなければならない。例えば
、木綿、麻などの天然繊維、ビスコースレーヨン系、ア
セテートなどの再繊維、ポリアミド系、ポリエステル系
ポリアクリロニトリル系、ポリウレタン系、ポリ塩化ビ
ニル系、ポリ塩化ビニリデン系などの合成繊維がよい。
さらに、これらの染色糸、あるいは捲縮嵩高加工糸など
を用いることができ、これには、シリコン樹脂、メラニ
ン樹脂、ウレタン樹脂等の仕上剤等が含まれていてもよ
い。
これらアルカリ不溶性の各種繊維で刺繍加工を施したレ
ース原布はアルカリ処理して基布を溶失させレースとす
る。
ここで、変性ポリエステル長繊維を用いた基布にアルカ
リ不溶性繊維としてエンブロイダリー刺繍するには綿糸
(生成糸、シルケット加工糸)、および麻糸(前出と同
様)が最高級ケミカル・レースが得られることが判った
。他にチュールネットと重層した場合にも大略同様な傾
向にあり、チュールネットがナイロン糸よりも綿糸、あ
るいは麻糸から構成された場合がこの効果は顕著であり
、極めて優美な刺繍レースが得られた。いずれも生成糸
をネットおよび刺繍糸として用いた場合には後工程でシ
ルケット加工する前の毛焼工程は必須ながら精練、シル
ケット加工でメリットがあることが判明した。
本発明のアルカリ処理とは、アルカリ性物質によってポ
リエステルを加水分解する処理のことであり、一般的に
は、アルカリ物質、例えば苛性ソーダを含む沸騰水溶液
中で、20〜120分間処理するとか、あるいは、アル
カリ性物質を付与した後、100〜130℃の飽和蒸気
で1〜7分間処理するとか、130〜200℃で1〜7
分間乾熱あるいは加熱蒸気処理を施す方法などがあり、
本発明の方法においては安定な処理ができる苛性ソーダ
を含む水溶液を沸騰直前90〜96℃で20〜30分熱
処理する方法が最も望ましい。
アルカリ性物質としては苛性ソーダ、苛性カリなどのア
ルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、および
炭酸ソーダ、炭酸カリなどの塩基性塩が挙げられる 次に、本発明を満足させ得る基布の製織、刺繍加工、お
よびアルカリ処理条件の具体的方法を工程別に説明する
本発明は、50デニール(D)以下の変装ポリエステル
長繊維で製織する際には、合成糊剤は使用せず、水溶性
糊剤(例えば、天然糊剤)を少量経糸に使用することも
あるが、無より、無糊で製織可能である。とくに、あら
かじめ弱いインターレース加工としてCFF2O3でも
あれば製織効率もよい。
ここで、刺繍加工工程における白糸刺繍糸の作業性を向
上させる目的で、仮染染料といわれる、通常酸性染料に
分類される水溶性染料が用いられる。
これらの例としては、C,1,Ac1d Red (C
,I。
16255 )、 C,1,Ac1d Green9 
 (C,1,42100)。
C,1,Ac1d Yellow−23(C,1,19
140)およびこれらの配合された染料、例えば、5i
lk Red R(前日化学工業)、 5ilk Bl
ue GB(同)+ 5ilk GreenG(同)、
 およびVarrtint N−6Red (日本ハン
ザウェルケ製品販売)、 Varsatint N−6
Blue(同)。
Varsatint N−6Yellow (同)等が
あげられる。
このうち、特に変性ポリエステル長繊維の高染着性から
精練性の良いものはVarsatint N−6のの3
色である。
これらの適用は、経糸には前述の水溶性糊剤に添加し、
緯糸には管巻前の繰返し時、ジエチレングリコールおよ
び、またはトリエチレングリコールに染料を溶解してオ
イリング剤(例えば、サイテックス−H608,互応化
学工業製)に添加して追油するか、あるいはまた無より
無糊で製織した場合、生機セット工程で水溶性糊剤に添
加するとよい。
また、エンプロイダリー機上でのタテ方向、およびヨコ
方向への布張りについては、いずれもやや緊張気味にセ
ントされるが、刺繍針の抵抗による縫目ずれ、温湿度差
による柄間の基布クルミなどを配慮して織上密度バラン
ス、糊付け、生機セットなど適宜なされているが、最も
重要なことは織物自体の寸法変化が少ないことにあり、
該基布は目寄れは勿論のこと少なく、張り、腰を有し作
業性が良いうえに繊維の公定水分率が1%以下の疎水性
であって、とくに標準状態(20℃、65%R,l(、
)下から多少空調変化を生じても機上セットがそのまま
弛んだりしない特徴がある。
引続いて、基布の溶失をなるべく速かに行うためには、
アルカリ溶液の処理槽に投入したし一ス原布は攪拌、あ
るいは振動をあたえると良い。
ここで、本発明のアルカリ溶液の処理方法は、アルカリ
溶液としての苛性ソーダ5%濃度以上で、かつ処理温度
90℃以上が好ましい。アルカリ溶液が5%濃度より少
ない場合には沸騰水でも完全溶解せず、泥状化した残漬
物となる。一方、処理温度が90℃より低温であるとき
には、例えアルカリ溶液が5%濃度であっても完全溶解
せず糸の形状を残した粘性物となったり、同じく3%濃
度のときは、減量率70%程度に留まり不完全溶解にな
り易い。
また、昇温する前にアルカリ溶液に変性ポリエステル長
繊維に対して膨潤作用を有する物質、例えば、キャリヤ
ー剤界面活性剤、および第4級アンモニウム塩等が含ま
れていた方が加水分解速度を大きくする結果をもたらす
こともある。
さらに、基布から溶失した微粉末(オリゴマー脱落物)
、つまりレース柄部への残漬物、あるいは処理槽罐体付
着物の洗浄除去は界面活性剤で分散拡散させ、中和し、
水または熱水で洗浄を繰返し、その後乾燥する。
これら得られた刺繍レース(ケミカル・レース、あるい
はエンブロイダリー・レース)は用いた刺繍糸、および
チュールネットによっては仕上加工として樹脂加工を付
与する。木綿、ナイロン糸主体と防縮、紡しわ性と艶出
し加工を行う。レーヨン糸を刺繍糸に用いた場合も、こ
れに準するが樹脂の付着物を軽減できる。
〔発明の効果〕
以上述べたように本発明によれば、下記のような効果を
奏することができる。
■ スルホン酸基が3.0モル%以上含有する変性ポリ
エステル長繊維を使用しているため、通常のポリエステ
ル長繊維に準する取扱い(張力管理を若干シビアーに)
が可能であって、わずかの温湿度変調があっても安定度
の極めて高い基布を得ることができる。
すなわち、ポリエステル繊維は疎水性であり製織工程、
ならびに刺繍加工時に、糸切れが少なく生産効率が高(
、寸法安定性や適度な張り、腰を有するために精緻な刺
繍が可能で高額なレースにおける6反不良率の減少とな
り、水溶性繊維の熱水で溶出除去する方法に較べても、
廉価で容易に優雅な布れを得ることができる。
■ 同時に、50デニール(D)以下の変性ポリエステ
ル長繊維を使用するために、レース基布の溶解除去にあ
たって、アルカリ溶液を低濃度で、かつ短時間処理で完
全溶解し、かなりの頻度で水溶性繊維が端線上りで固型
残漬物を発生するに比べて全くない状態であり、処理槽
内へのオリゴマー脱落物は熱水、もしくは界面活性剤を
洗浄時適用するこによって除去することができる。
■ さらに、変性ポリエステル長繊維を用いた基布に、
アルカリ不溶性繊維糸で単独でまたは該基布とネットを
重層させて刺繍加工を施した後、該基布をアルカリ処理
して、溶解除去する際に、アルカリ溶液が比較的低濃度
の75%濃度程度であるために、アルカリ不溶性繊維糸
のうち、刺繍糸として多量に用いられるレーヨン糸の強
力や風合を限外しないで処理することができる。
■ しかも、基布の溶解除去にアルカリ溶液を使用する
ために、刺繍レース中で最高級クラスの綿チュール1.
綿ケミカル・レースにシルケット加工を併用することで
容易に、光沢付与できる利点がある。
次に、本発明の製造方法を実施例で補足説明するが、こ
れに限定されるものではない。
実施例1 5−ナトリウムスルホイソフタル酸を4.8モル%共重
合した変性ポリエステル長繊維30デニール(D)、 
12フイラメント(F) 、 A910タイプ(東し 
ルミレフビ、商標)の強度3.1g/d、伸度36.5
%、導水収縮率11.2%を有する原糸を経・緯共に用
いて、縁上密度タテ103本/inXヨコ99本/in
の平織組織に織成し刺繍基布とする。
刺繍加工は、綿糸(生成糸) 60/2Sでエンブロイ
ダリー機にて行い、刺繍加工後、J −Box型精型機
練機浴比1:30.処理時間30分を条件固定し、苛性
ソーダ溶液3%、5%、必要温度80℃、90℃および
助剤4種類を組合せて実施した。
得られた結果は第1表のとおりであった。
本発明の実験!lhl〜4は完全溶解に近く、刺繍部の
残渣物はほとんどなく、精練機内の罐体への付着物も微
量で、水洗いし、乾燥してケミカル・レースを得た。比
較例の実験N[15〜8は刺繍部に若干不溶解物があり
、引続いて熱水下でオリゴマー除去剤にて脱落物は洗浄
された。
比較例の実験11m9〜12は基布の溶解が不完全で、
刺繍部のあちこちで基布らしきものが残った。
(本頁以下余白) 第   1   表 実施例−2 実施例−1と同一の変性ポリエステル長繊維を経、緯共
に用いて、縁上密度タテ92本/ i (I Xヨコ7
0本/inの平織に織成し刺繍基布とする。
刺繍加工は、該基布とナイロン糸40デニール(D)、
 10フイラメント(F)の中にナイロンモノフィラメ
ント糸30デニール(D)を挿入糸として6コ一スチユ
ールネツト編にしたものを重ね、耳部を縫合して、刺繍
糸にレーヨン糸1200/2でエンブロイダリー機にて
刺繍した。次いで、精練槽にて苛性ソーダ溶液5.5%
濃度で、100/分の昇温速度で、96℃で25分間加
熱したものを取出し、レーヨン糸の刺繍が残り、これを
中和。
水洗、乾燥した。
しかる後、ウィンス機にて常法により染色したのち、刺
繍レース生地を防縮、紡しわ性の樹脂液のみに浸漬乾燥
し、次工程で生地に硬直性を付与する樹脂を裏面のみに
塗布ローラで片面付着した。この場合、樹脂は少量付着
にとどめることで、次の工程で加熱幅出し加工すること
によって十分なる硬さを有する良質の刺繍レース生地を
得た。
実施例−3 5ナトリウムホイソフタル酸を3.6モル%共重合した
変性ポリエステル長繊維37デニール(D)12フイラ
メント(F)、A910タイプ(東し“ルミレット”、
商標)の強度3.7 g/d、  伸度39%、導水収
縮率7.9%を有する原糸を用いた。
経、緯糸共に用いて、水溶性染料Varsat”1nt
N−6Blue(日本ハンザウエルケ製品販売) 0.
05%solおよびVarsatintN−6Yell
ow(同”) 0.15%solを水溶性糊剤(フノリ
4.0%、アルギン酸ソーダ3.0%)の水溶液に混和
し、緯糸には管巻前の繰返し時、ジエチレングリコール
に経糸と同一割合の染料を溶解してオイリング剤(サイ
テックス−H608;互応化学工業製)に添加して追油
した後、縁上密度タテ96本/inxヨコ74本/in
の平織組織に織成し黄緑色を呈した刺繍基布を得た。
該基布と綿糸60/2S (生成糸)の6コ一スチユー
ルネツト編との両端耳部をミシンで縫合せ、エンブロイ
ダリー機にて、アルカリ不溶性繊維である木綿60/2
S (生成糸)で刺繍加工を行った。
引続き、刺繍加工反を毛焼き機に通した後、通常のシル
ケット加工として、苛性ソーダ溶液28B’eで、15
℃の温度で45秒間含浸させ、次浴槽の熱水で洗い、こ
の洗浄する間はこの刺繍加工反を、含まれる苛性ソーダ
が3%以下になるまで、張力条件下に保持する。
次いで、張力をコントロールすることなく更に洗浄し、
および中和することによって、残留苛性ソーダを最終的
に除去した。
しかる後、精練槽にて苛性ソーダ溶液18%濃度で、1
℃/分の昇温速度で、90℃に到達して20分間処理し
たものを取出し、これを中和、水洗、乾燥した。
得られた刺繍レースは綿チュールはもちろんのこと、刺
繍模様に美麗な光沢を有する高級レースとなり、ブライ
ダルドレスとして好適であった。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係る方法のポリエステル繊維系のア
ルカリtJIi量率を示す。(a)図は処理時間との、
(b)図は処理時間との関係である。 第2図は、従来のケミカル・レースの平面図、第3図は
同側断面図である。 第4図は、本発明によるエンブロイダリー・レースの刺
繍基布に刺繍を施した状態の平面図、第5図は同側断面
図である。 A・・・本発明による変性ポリエステル長繊維。 B・・・比較例として高圧カチオン可染性ポリエステル
長繊維。 C・・・比較例として高圧分散可染性ポリエステル長繊
維。 1・・・刺繍糸としてのアルカリ不溶性繊維。 2・・・可溶性繊維からなるシート状基布。 3・・・レース基布としてのチュールネソ、ト。 第1図((1) 処理時間(分) 処理温度(t’)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. スルホン酸基を3.1モル%以上含有する変性ポリエス
    テル長繊維を用いた基布に、アルカリ不溶性繊維を直接
    刺繍した後、または前記基布にネットを重層させてアル
    カリ不溶性繊維を刺繍した後、アルカリ処理して前記基
    布を溶解除去することを特徴とする布レースの製造方法
JP27103584A 1984-12-24 1984-12-24 布レ−スの製造方法 Pending JPS61152888A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0340858A (ja) * 1989-07-07 1991-02-21 Mitsubishi Rayon Co Ltd エンブロイダリー・レース及びその製法
WO2003035963A3 (de) * 2001-10-20 2003-11-27 Thueringisches Inst Textil Verfahren zum trennen eines aus zwei oder meheren komponenten bestehenden textilgutes

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JPH0340858A (ja) * 1989-07-07 1991-02-21 Mitsubishi Rayon Co Ltd エンブロイダリー・レース及びその製法
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