JPS6115002B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はそれぞれが複数の円筒状ローラから構
成されて無端コンベアベルトを方向転換するため
の２つのローラ列を具備し、コンベアベルトが被
駆動チエーンにより該チエーンに固定された駆動
部材を介して駆動され、該チエーンが軌道の曲率
を定める上側及び下側コンベアベルト部分のガイ
ドレール内を案内されるコンベアベルトの曲線軌
道装置に関する。

本出願人によつて提案されたこの種の公知コン
ベアベルトの曲線軌道装置は円錐ローラの代りに
円筒状ローラを採用することによりコンベアベル
トの曲線軌道装置の半径方向内側位置に於ける変
向半径を極めて小さくすることができるので極め
て有用であることが実証されている。

本発明はコンベアベルトが極めて高速度でも走
行できるようにこの公知のコンベアベルトの曲線
軌道装置に改良を施こしたものである。

本発明のコンベアベルトの曲線軌道装置は駆動
部材がガイドレール上を転動しながら支持される
ローラを有することを特徴とする。

以下添付図面に図示した実施例に従つて本発明
を詳述する。

第１図に図示した90度方向変換用コンベアベル
トの曲線軌道装置は第２図に示すように上側走行
部分２及び下側走行部分３からなる無端コンベア
ベルト１を有する。コンベアベルト１は湾曲した
外側縁４及び内側縁５を具備する。展開状態でコ
ンベアベルト１は半円形状をなす。コンベアベル
ト１は半径方向外側縁４に沿つて複数の孔６を具
備し、第１図にはこの孔を３個だけ図示してあ
る。コンベアベルト１の上側部分２及び下側部分
３は架台に固定されたリング７と当接し、引張り
ばね８によつて緊張状態に保持される。コンベア
ベルト１の固定架台５０（第２図）はリング７以
外に半径方向に延びる支持部材９及び半径方向内
側に扇形をなすカバーフランジ１１を具備する。
固定架台５０はリング７に併設された取付リング
１２を具備し、ねじ１５を介してこの取付けリン
グ１２に２本のコンベアベルト１３及び１４を取
付ける。各構成要素７，１０，１１，１２，１３
及び１４はほぼ90゜の角度範囲に亘つて広がつて
いる。

２本のガイドレール１３及び１４内を無端摺動
チエーン１６が走行し、そのチエーン１６は第２
図において１６ａで示される複数個のチエーンリ
ンクを有する。このチエーン１６の上側走行部分
１７がガイドレール１３内を、図示しない下側走
行部分がガイドレール１４内をそれぞれ走行す
る。

第１図に示すようにコンベアベルト１の曲線軌
道装置は２つのローラ列を具備し、一方のローラ
列は複数の円筒状ローラ１８からなり、他方のロ
ーラ列も複数の円筒状ローラ１９からなる。これ
ら２つのローラ列は互いに90゜の角度をなす。ロ
ーラ１８及び１９は好ましくはプラスチツク材料
により形成され、軸２０及び２１にそれぞれ回転
可能に取付けられる。ローラ１８及び１９はコン
ベアベルト１の方向を変換するためのものであつ
て駆動されていない。コンベアベルト１を駆動す
るのはチエーン歯車２２及び２３に懸架されて走
行するチエーン１６である。チエーン歯車２６に
はこれと同軸にチエーン歯車２４が固定されてお
り、このチエーン歯車２４は図示しない駆動モー
タによりチエーンを介して駆動される。各チエー
ン歯車２２，２３，２４の回転軸線はこれらに隣
接するローラ１８または１９の回転軸線に対して
それぞれ斜めに配置され、これらチエーン２２，
２３，２４の回転軸線は点２５に於いて交差す
る。一方、ローラ１８及び１９の回転軸線は点２
６に於いて交差する。

被駆動チエーン１６と被駆動コンベアベルト１
との間にはチエーン１６に固定された駆動部材が
設けられ、この駆動部材が第２図に示される。各
引張りばね８はこの駆動部材の１つを構成する。
更にこの駆動部材は、山形ブラケツト２７、これ
に取付けたシヤフト２８、シヤフト２８に取付け
たローラ２９、引張りばね８をシヤフト２８に取
付けるためのノブ４１から構成される。ローラ２
９はシヤフト２８とローラ２９間の摩擦をできる
だけ小さくするようにローラ軸受として形成する
のが好ましい。また、チエーン１６の摺動特性を
高めるためにガイドレール１３及び１４をできる
だけ小さな摩擦係数を有するプラスチツク材料で
形成するのが好ましい。しかしながら摩擦係数が
小さなことだけがガイドレール１３及び１４の材
料の条件ではない。即ち、このプラスチツク材料
は熱及び圧力に対して強力でなければならない。
即ち、これらに対して変形してはならない。ま
た、このプラスチツク材料は極めてすぐれた断熱
材でなければならない。このように配慮すればガ
イドレール１３及び１４内においてチエーン１６
の摩擦によつて発生する熱を僅かしか外部に漏れ
ないようにすることができる。この問題を解決す
るためにローラ２９を介してチエーン１６をガイ
ドレール１３及び１４上に支持せしめるようにし
たのである。

前述したようにコンベヤベルト１は引張りばね
８により半径方向に緊張状態に保持される。この
ようにコンベアベルト１を緊張状態に保持する力
は引張りばね８、シヤフト２８及びローラ２９を
介して架台に固定されたガイドレール１３及び１
４に伝達される。この保持力の極く一部だけがブ
ラケツト２７及びチエーン１６を介してレール１
３及び１４へ伝達される。従つて、架台に対する
コンベアベルト１の保持はチエーン１６がローラ
２９を介してレール１３または１４上を転動する
ことによつて行われるのであつて、チエーン１６
のチエーンリンク１６ａのためにガイドレール１
３及び１４内に形成された凹溝３１の壁面との間
の摺動摩擦によつて行われるのではない。即ち、
凹溝３１内において摺動摩擦が発生する代りにガ
イドレール１３及び１４の端面３２上において転
動摩擦が発生するのである。

コンベアベルト１に形成された孔６は比較的狭
い等間隔に配列される。更に、一定の角度間隔を
隔だててチエーン１６のチエーンリンク１６ａに
もそれぞれ山形ブラツケツト２７とローラ２９及
び引張りばね８のシヤフト２８が設けられる。チ
エーン１６は円形経路、即ち、第１図に図示の経
路を走行する際に先ずチエーン歯車２３から出発
してチエーン歯車２２へ達し、次いで再びこの経
路を逆に辿らねばならないのでチエーン１６は湾
曲せしめられる。このようなチエーン走行を可能
にする特殊チエーンは市販されている。

第１図にはカバーフランジ１１と同様にコンベ
アベルト１の一部を掩蔽し、コンベアベルト１の
使用幅を決定するカバーフランジ３３が平面図で
示してある。上側のカバーフランジ１１及び３３
の最も重要な機能は搬送路上の被搬送物品を側方
から限定することにより、例えば搬送されるチヨ
コレート、アーモンドのような菓子が引張りばね
８と接触しないようにすることである。

図示の実施例ではチエーンリンク１６ａの回転
軸線３４（第２図）がローラ２９の回転軸線に対
してほぼ直角であり、従つてシヤフト２８の長手
軸線に対しても直角である。

しかしながら別の実施例として山形ブラツケツ
ト２７を90゜以上の角度に折曲し、ガイドレール
１３及び１４の端面３２を引張りばね８長手方向
に対して直角に延びるように形成することによ
り、引張りばね８の長手方向とローラ２９の回転
軸線とを互いに直交させるようにしてもよい。

架台に固定された円弧状ガイドレール１３及び
１４上においてコンベアベルト１を摺動方式でな
く転動方式によつて支持することにより、摩擦熱
の発生を少なくすることができる。また、コンベ
アベルト１を緊張状態に保持するための保持力が
ガイドレール１３及び１４の端面３２上において
支持され、コンベアベルト１が凹溝３１の比較的
狭い面上において支持されることはない。長時間
使用したときにローラ２９がプラスチツク材料へ
食込まないようにしたければ、ガイドレール１３
及び１４の端面３２上に簡単なコーテイングを施
こすかまたは表面処理すればよい。コンベアベル
ト１を上述のようにして、緊張状態で保持するこ
とにより、チエーン１６を例えば毎分120ｍの速
度で走行せしめることができる。

コンベアベルト１はエラストマー引張りばね８
によつて緊張状態に保持される。図では上側部分
２が緊張状態に保持される態様だけが示されてい
る。この引張りばね８はエラストマーからなるリ
ング４５として形成され、このリング４５は長手
方向に引張られた状態に於いて一端がシヤフト２
８に、他端がコンベアベルト上側部分２にそれぞ
れ懸架される。長手方向に引張られてループを形
成するこのリング４５の中央部はスリーブ４２に
より包囲され、それによつて引張りばねが“８”
の字形となるようにする（第３図）。引張りばね
８を形成するにはリング４５を押し潰ぶしてスリ
ーブ４２内に挿入し、このスリーブ４２をループ
の中央部までずらすだけでよい。この引張りばね
８をコンベアベルト１に取付けるにはノブ４３又
はコンベアベルト１の貫通孔、切欠き内に嵌着さ
れた同様なものを使用する。このノブ４３はコン
ベアベルト１の孔に取付けられ、従つて、コンベ
アベルト１の平面から、即ち、上側部分２または
下側部分３の平面から突出している。ノブ４３は
頚部４６及びこれより径の大きいフランジ部分４
４を具備し、懸架状態において引張りばね８はフ
ランジ部分４４と係合する。引張りばね８の他端
を取付けるには２つのフランジ部分３０を具備し
てシヤフト２８から軸線方向に突出するノブ４１
を使用する。シヤフト軸線方向内側のフランジ部
分３０はローラ軸受２９の内輪側に位置し、シヤ
フト軸線方向外側のフランジ部分３０はノブ４１
の頚部４７に巻設された引張りばね８と係合す
る。シヤフト２８に引張りばね８を係留するため
にはシヤフト２８に横断方向溝３０′を形成し、
ループ４５をこの溝３０′の端縁３０に係合させ
ることもできる。この溝３０′は端縁３０間にお
ける小径部分からなる。シヤフト２８にばね８を
係留する態様から判断して明らかなように、引張
りばね８をシヤフト２８に係留するのに図示しな
い他の態様を選択することも可能である。引張り
ばね８の他端をコンベアベルト１に係留する場合
についても同様であることは云うまでもない。

第３図から明らかなように、引張りばね８の形
状はオーバーコートのボタンとして公知の形状を
なしており、トリミング・ロツク（モール・ロツ
ク、ブランデンバーガー）と呼ばれている。

エラストマー引張りばね８はリング４５とスリ
ーブ４２とを組合わせるだけであるので製造コス
トが極めて低い。今日ではこのようなリング４５
は極めて低廉なコストで製造できる。このことは
スリーブ４２についても同様であり、適当な弾性
プラスチツク材料により形成すればよく、このス
リーブ４２はホースを分断することにより形成し
うる。各引張りばね８はコンベアベルト１と共に
固定ガイドレール１３に沿つて移動するのでスリ
ーブ４２がガイドレール１３と接触してガイドレ
ール１３上をスリツプすることがある。従つてガ
イドレール１３はその内部を案内されるチエーン
１６に対してもまたスリーブ４２に対してもでき
るだけ小さな摩擦係数のプラスチツク材料で形成
される。また、エラストマー引張りばね８を採用
すればコンベアベルト１の曲線軌道装置の走行騒
音が小さくなる。引張りばね８のループ状端部は
どちらも扁平状態に配置され、その結果引張りば
ね８の配置平面とガイドレール１３との間隔が狭
くなるのでローラ２９に作用する曲げモーメント
はさほど大きくはない。

【図面の簡単な説明】

第１図は90゜方向変換用コンベアベルトの曲線
軌道装置を図解的に示した平面図、第２図は第１
図の−線に沿つてみた断面図、第３図は第２
図の平面図である。 １……コンベアベルト、８……引張りばね、１
３，１４……ガイドレール、１６……チエーン、
２７……ブラケツト、２８……シヤフト、２９…
…ローラ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ コンベアベルトの曲線軌道装置において、無
   端コンベアベルトを具備し、上記曲線軌道の両端
   を定めると共に無端コンベアベルトを方向変換す
   るように配置された１対のローラ列を具備し、各
   ローラ列がほぼ円筒状をなす複数個のローラから
   なり、更にチエーンを具えた駆動装置を具備する
   と共に該チエーンが無端コンベアベルトを駆動す
   るためにチエーンに固定された駆動部材を具えて
   おり、該チエーンが上側走行部分と下側走行部分
   とを有し、更に該チエーンの上側走行部分と下側
   走行部分を案内するガイドレールを具備すると共
   に該ガイドレールがコンベアベルトの曲線軌道の
   曲率を定めており、上記駆動部材がガイドレール
   により転動可能に支承されるローラを具備し、上
   記チエーンが互いに間隔をおいて配置された複数
   個のチエーンリンクを有し、各チエーンリンクが
   シヤフトを具備し、上記ローラの外面を一方のガ
   イドレールにより支承するために駆動部材の各ロ
   ーラをシヤフト上に取付け、各駆動部材に対して
   夫々エラストマー引張りばねが設けられると共に
   各エラストマー引張りばねが両端部を有し、エラ
   ストマー引張りばねの一端部が各ローラを担持す
   るシヤフトにより保持されると共にエラストマー
   引張りばねの他端部がコンベアベルトにより保持
   されているコンベアベルトの曲線軌道装置。 ２ 特許請求の範囲第１項記載のコンベアベルト
   の曲線軌道装置において、上記エラストマー引張
   りばねがほぼループ状をなしているコンベアベル
   トの曲線軌道装置。 ３ 特許請求の範囲第２項記載のコンベアベルト
   の曲線軌道装置において、上記の各シヤフトが横
   方向溝を有すると共に横方向溝が端縁を有し、該
   端縁がシヤフト上においてループを支持するため
   にループと係合するコンベアベルトの曲線軌道装
   置。 ４ 特許請求の範囲第２項記載のコンベアベルト
   の曲線軌道装置において、上記コンベアベルトが
   コンベアベルト平面から突出して各ループ端を受
   容するノブをコンベアベルト周辺部に沿つて具え
   ているコンベアベルトの曲線軌道装置。 ５ 特許請求の範囲第２項記載のコンベアベルト
   の曲線軌道装置において、上記の各シヤフトがル
   ープ端を受容するためにシヤフト軸線方向に突出
   するノブを具えているコンベアベルトの曲線軌道
   装置。 ６ 特許請求の範囲第２項記載の曲線軌道装置に
   おいて、８字形状にするためにループの中央部に
   ループを包囲するスリーブを具えたコンベアベル
   トの曲線軌道装置。 ７ 特許請求の範囲第１項記載のコンベアベルト
   の曲線軌道装置において、上記の各エラストマー
   引張りばねがエラストマー材料からなるリングか
   らなり、該リングがその長手方向に引張られた状
   態でもつてその一端が各シヤフトに懸架され、そ
   の他端がコンベアベルトに懸架されているコンベ
   アベルトの曲線軌道装置。