JPS6114928B2 - - Google Patents
Info
- Publication number
- JPS6114928B2 JPS6114928B2 JP10966579A JP10966579A JPS6114928B2 JP S6114928 B2 JPS6114928 B2 JP S6114928B2 JP 10966579 A JP10966579 A JP 10966579A JP 10966579 A JP10966579 A JP 10966579A JP S6114928 B2 JPS6114928 B2 JP S6114928B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sheet
- rolling
- polypropylene
- axis
- temperature
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired
Links
- 238000005096 rolling process Methods 0.000 claims description 42
- -1 polypropylene Polymers 0.000 claims description 28
- 239000004743 Polypropylene Substances 0.000 claims description 26
- 229920001155 polypropylene Polymers 0.000 claims description 26
- 238000002844 melting Methods 0.000 claims description 13
- 230000008018 melting Effects 0.000 claims description 13
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 claims description 4
- 239000013078 crystal Substances 0.000 description 14
- 238000000034 method Methods 0.000 description 14
- 230000000052 comparative effect Effects 0.000 description 8
- 238000003856 thermoforming Methods 0.000 description 6
- VGGSQFUCUMXWEO-UHFFFAOYSA-N Ethene Chemical compound C=C VGGSQFUCUMXWEO-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 4
- 239000005977 Ethylene Substances 0.000 description 4
- 230000000704 physical effect Effects 0.000 description 4
- 229920005604 random copolymer Polymers 0.000 description 4
- IMNFDUFMRHMDMM-UHFFFAOYSA-N N-Heptane Chemical compound CCCCCCC IMNFDUFMRHMDMM-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 3
- 239000003963 antioxidant agent Substances 0.000 description 3
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 3
- 238000000465 moulding Methods 0.000 description 3
- QQONPFPTGQHPMA-UHFFFAOYSA-N propylene Natural products CC=C QQONPFPTGQHPMA-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 3
- 125000004805 propylene group Chemical group [H]C([H])([H])C([H])([*:1])C([H])([H])[*:2] 0.000 description 3
- 230000003078 antioxidant effect Effects 0.000 description 2
- 239000000155 melt Substances 0.000 description 2
- 239000004793 Polystyrene Substances 0.000 description 1
- NINIDFKCEFEMDL-UHFFFAOYSA-N Sulfur Chemical compound [S] NINIDFKCEFEMDL-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 239000000654 additive Substances 0.000 description 1
- 150000001336 alkenes Chemical class 0.000 description 1
- 150000001412 amines Chemical class 0.000 description 1
- 239000002216 antistatic agent Substances 0.000 description 1
- 239000003899 bactericide agent Substances 0.000 description 1
- 230000005540 biological transmission Effects 0.000 description 1
- 229920001400 block copolymer Polymers 0.000 description 1
- 238000009835 boiling Methods 0.000 description 1
- 239000008395 clarifying agent Substances 0.000 description 1
- 150000001875 compounds Chemical class 0.000 description 1
- 239000003814 drug Substances 0.000 description 1
- 229940079593 drug Drugs 0.000 description 1
- 238000000605 extraction Methods 0.000 description 1
- 239000003063 flame retardant Substances 0.000 description 1
- 239000007850 fluorescent dye Substances 0.000 description 1
- 235000013305 food Nutrition 0.000 description 1
- 238000009499 grossing Methods 0.000 description 1
- 238000010438 heat treatment Methods 0.000 description 1
- 238000009863 impact test Methods 0.000 description 1
- 239000004611 light stabiliser Substances 0.000 description 1
- 239000000314 lubricant Substances 0.000 description 1
- 239000000463 material Substances 0.000 description 1
- 239000000203 mixture Substances 0.000 description 1
- 238000011017 operating method Methods 0.000 description 1
- 239000005022 packaging material Substances 0.000 description 1
- 150000002989 phenols Chemical class 0.000 description 1
- OJMIONKXNSYLSR-UHFFFAOYSA-N phosphorous acid Chemical class OP(O)O OJMIONKXNSYLSR-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 238000001782 photodegradation Methods 0.000 description 1
- 239000000049 pigment Substances 0.000 description 1
- 229920002223 polystyrene Polymers 0.000 description 1
- 229920000915 polyvinyl chloride Polymers 0.000 description 1
- 239000004800 polyvinyl chloride Substances 0.000 description 1
- 230000005855 radiation Effects 0.000 description 1
- 239000011347 resin Substances 0.000 description 1
- 229920005989 resin Polymers 0.000 description 1
- 229910052717 sulfur Inorganic materials 0.000 description 1
- 239000011593 sulfur Substances 0.000 description 1
- 238000010998 test method Methods 0.000 description 1
- 238000007666 vacuum forming Methods 0.000 description 1
- XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N water Substances O XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
Landscapes
- Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
- Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
Description
本発明は特異な結晶配向軸を持つポリプロピレ
ンシートの製造方法に関し、特に熱成形性に優
れ、衝撃強度の強い、二軸延伸シート物性に近似
した物性を有する透明ポリプロピレンシートの製
造方法に関する。 ポリプロピレンシートの多くは真空成形、圧空
成形等の熱成形により種々の形状に成形され、食
品、医薬等の包装材として使用されている。しか
しポリプロピレンは高い結晶性のため透明性が充
分でなく、また腰はポリ塩化ビニル、ポリスチレ
ン等に比べ著しく劣る欠点がある。 そのため改良提案が種々なされており、たとえ
ばロール圧延を施すことにより透明性、腰の強さ
を改良する特公昭36−93号公報、同45−14199号
公報、特開昭52−587号公報等が良く知られてい
る。しかしこれらの方法でシート製造した場合、
透明性、腰の強さを改良する長所を生むが、シー
トの結晶配向軸は引取方向にc軸が向く一軸配向
シートしか得られない。 そのため一軸配向物特有の引取方向での引裂強
度が著しく弱く、熱成形時に引取方向に対する直
角方向(以下「幅方向」と云う)の両端を保持
し、チエイン送りをするさいにフイルムが引取方
向にさけ易いため、チエイン送りが困難となり、
さらには引取方向に著しい熱収縮をおこすためシ
ートがパンクしやすく良成形品の収率が非常に悪
い。また成形が辛うじてできたとしても、その成
形品はシート強度の方向性が歪を残しソリ現象を
生じたりして金型に忠実な成形品が得られなく、
さらに裂けやすいため衝撃強度の弱いものしか得
られない。 かかる観点から本発明者等は鋭意研究を進めた
結果、ポリプロピレン原反シートを、ポリプロピ
レンの融点から融点以上30℃を越えない温度の圧
延ロールにより引取方向で1.3〜2.5倍に第1段圧
延し、さらに得られたシートをポリプロピレンの
融点より低い温度の圧延ロールにより引取方向で
1.05〜1.8倍に第2段圧延して、シートの結晶配
向軸をシートの引取方向にa軸配向とc軸配向が
混在しているシートを得ることによつて、従来の
一軸圧延シートに比べ方向性が少なく、熱成形時
にシートの方向性からくる種々の問題点を解決
し、衝撃強度の強い、熱成形透明ポリプロピレン
シートの製造方法を見出し本発明に到達した。 本発明をさらに詳細に説明すると、先ず通常の
シート成形法で原反シートを作成し、このシート
を圧延前のシート厚さより小さなロール間隙を有
する2対以上のロール間隙に通過させる。この第
1に通過し圧延するロール温度はポリプロピレン
の融点から融点以上30℃を越えない温度でなけれ
ばならなく、融点未満の温度は結晶配向軸は引取
方向にc軸を向いた一軸配向シートしか得られ
ず、熱成形性、衝撃強度に著しく劣るものであ
る。また、シートの温度がポリプロピレンの融点
より30℃を越える高い温度ではシートが融解し、
圧延効果が発揮されない(なお、「シートの温
度」とは、シートの表面の温度のことであり、シ
ートの表面が使われるポリプロピレンの融点より
30℃以上になると、シート全体が融解し、圧延ロ
ールに付着し、良好なシートが得られない。比較
例3参照)。 この圧延における伸長率は圧延で得られるシー
ナ幅が幅方向に殆んど影響を及ぼさないため、圧
延倍率は厚み変化で表示され圧延倍率は1.3〜2.5
倍であり、この圧延によつて結晶配向軸は引取方
向にa軸が向くシートが得られるが、1.3倍未満
では圧延効果が現われず、2.5倍を越えると結晶
配向軸は引取方向にc軸が向く一軸配向シートし
か得られない。 次に第2に通過し圧延するロール温度はポリプ
ロピレンの融点以下でなければならなく、この圧
延によつて結晶配向軸は引取方向に一部c軸が向
き表面の平滑なシートが得られるが、融点を越え
る温度ではシート表面が融解失透し透明性の悪い
シートしか得られない。またこの圧延における圧
延倍率は1.05〜1.8倍であり、1.05倍未満では透明
性が発現しなく、1.8倍を越えると結晶配向軸は
引取方向にc軸が向く一軸配向シートしか得られ
ない。 以上説明したごとく本発明の主要点は、第1段
圧延においてポリプロピレンの融点以上30℃を越
えない温度で1.3〜2.5倍に圧延することで強いa
軸配向シートにし、さらに第2段圧延においてポ
リプロピレンの融点以下の温度で1.05〜1.8倍に
圧延することで一部c軸配向させることとシート
表面を平滑にすることにより、結晶配向軸は引取
方向にa軸とc軸が混在した特異な結晶配向軸を
持つ透明ポリプロピレンシートを製造するところ
にあり、この条件及び操作手順が満足されなけれ
ば一軸配向シート又は不透明シートしか得られな
い。なお、第1段圧延前のシートの温度は120℃
以下である。 120℃を越えると結晶配向軸は引取方向にc軸
が向く一軸配向シートしか得られない場合があ
る。 また本発明において使用されるポリプロピレン
は沸謄n−ヘプタン抽出残分が少くとも70%の結
晶性ポリプロピレン単重合体、プロピレンを少な
くとも85重量%含有するエチレンもしくは他のオ
レフインとのランダムまたはブロツク共重合体等
であり、とくにエチレン含有量0.05〜10重量%の
プロピレン−エチレンランダム共重合体が好適で
ある。 これらのポリプロピレンには酸化防止剤を添加
することが好ましく酸化防止剤としては、フエノ
ール系、ホスフアイト化合物、アミン系、含硫黄
化合物等があげられる。これらの酸化防止剤は1
種または2種以上の併用でも良く、添加量はポリ
プロピレンの重量に基づいて0.001〜1重量%好
ましくは0.01〜0.5重量%である。 さらに必要に応じてポリプロピレンに一般に添
加されている透明化剤、帯電防止剤、滑剤、顔
料、螢光剤、殺菌剤、光安定剤、光劣化促進剤、
難燃化剤等の添加剤を透明性が著しく低下しない
範囲で配合することができる。 なお本発明において得られるポリプロピレンシ
ートはポリプロピレンフイルムも含み本発明によ
つて得られるフイルムは、衝撃強度が高く、腰が
強く、引裂強度のバランスに優れて透明であり、
Tダイフイルムや水冷インフレフイルムより衝撃
強度が高く、かつ腰が強くて透明であり、従来の
ロール圧延一軸配向フイルムより引裂強度のバラ
ンスが優れかつ衝撃強度が高く二軸延伸フイルム
に近似した優れたフイルムである。 以下に実施例及び比較例をもつて本発明をさら
に具体的に説明するが、例中において使用される
試験法及び判定法は次のとおりである。 くもり度;ASTM D1003−61Tに準処。 ステイフネス;ASTM D747−61Tに準処。 衝撃強度(20℃落錘衝撃試験) ;ASTM D1709に準処 結晶配向軸;理学電気(株)社製 DF3型、Cu
−Kα線(Niフイルター入り)、透
過法でX線写真撮影。 引裂強度;JIS Z−1702準処。 熱成形金型への忠実性;熱成形後の容器を成
形金型と比較して視覚で金型への忠
実性を判断した。これは成形品が歪
を残さずに成形できるか歪を判断す
るものである。 〇;良好、△;稍不良、×;不良。 実施例 1〜4 メルトフローインデツクス1.3g/10mm、融点
146℃、エチレン含有量2.1重量%のプロピレン−
エチレンランダム共重合体(昭和油化(株)製、商品
名;シヨウアロマー)をコートハンガー型T−ダ
イを備えた40mm押出機を用いて、樹脂温度を240
℃で押出し、70℃の温水を通したチルロール表面
に密着させ、厚さ1.0mm、巾300mmの原反シートを
作成した。 次にこのシートを90℃に予熱し、155℃にロー
ル表面温度を設定した150φ×350mmLの1対のロ
ール間で線圧60Kg/cmで第1表に示した圧延倍率
になるように引取方向に第1段圧延した。 さらに得られた該シートを125℃にロール表面
温度を設定した150φ×350mmLの1対のロール間
で線圧80Kg/cmで第1表に示した圧延倍率になる
ように引取方向に第2段圧延し、厚さ0.5mm、巾
298mmのシートを得た。 またこのシートの特性の結晶配向軸、曇り度、
ステイフネス、衝撃強度、引裂強度を測定した結
果及びこのシートをロール連続熱成形機(浅野研
究所製FLX−02型、オーブン形式、両面赤外線
加熱方式)で圧空成形を行い、開口径75mm、底部
径60mm、深さ40mmのカツプ容器を作成した結果は
第1表に示すとおりである。 第1表から明らかなようにシート特性におい
て、衝撃強度が高く腰の強い方向性が少ない透明
シートであり、かつ圧空成形された容器は真円度
が良く形状は金型に忠実に成形された透明性に優
れたものであつた。 比較例 1 実施例1において第1段圧延のロール表面温度
を140℃に設定したほかは実施例1と全く同様に
行つた。 その結果は第1表に示したごとくシートの結晶
配向軸はc軸配向の一軸配向シートであり、本発
明で得られるシートに比べたシート特性が劣り、
熱成形時の送りチエーンにシートが縦裂して良く
噛み込まれず、また成形した容器の開口は楕円で
成形金型に不忠実なものであつた。 比較例 2 実施例1において第2段圧延のロール表面温度
を155℃に設定したほかは実施例1と全く同様に
行つたが、得られたシートは全く透明性の悪いも
のであつた。 比較例 3 実施例1において第1段圧延のロール表面温度
を180℃に設定して圧延を行つたが、圧延ロール
にシートが付着し融解して良好なシートが得られ
なかつた。 実施例 5 実施例1において使用したプロピレン−エチレ
ンランダム共重合体のかわりにメルトフローイン
デツクス1.20g/10mm、融点168℃のプロピレン
単重合体を用い、第1段圧延のロール表面温度を
175℃、第2段圧延のロール表面温度145℃にした
ほかは実施例1と全く同様に行つた。得られたシ
ート特性の結果は第1表に示した如く、物性、熱
成形に優れたものであつた。 比較例 4 実施例1において、第1段圧延の圧延倍率を
2.80倍にしたほかは実施例1と全く同様に行つ
た。結果は第1表に示した如くシートの結晶配向
軸はc軸配向の一軸配向シートであり、本発明で
得られたシートに比べ物性、熱成形性に著しく劣
るものであつた。 比較例 5 実施例1において第1段圧延の圧延倍率を1.30
倍、第2段圧延の圧延倍率を2.00倍にしたほかは
実施例1と全く同様に行つた。得られたシートの
物性、熱成形性の結果は第1表に示した如く典型
的な一軸配向シートであつた。
ンシートの製造方法に関し、特に熱成形性に優
れ、衝撃強度の強い、二軸延伸シート物性に近似
した物性を有する透明ポリプロピレンシートの製
造方法に関する。 ポリプロピレンシートの多くは真空成形、圧空
成形等の熱成形により種々の形状に成形され、食
品、医薬等の包装材として使用されている。しか
しポリプロピレンは高い結晶性のため透明性が充
分でなく、また腰はポリ塩化ビニル、ポリスチレ
ン等に比べ著しく劣る欠点がある。 そのため改良提案が種々なされており、たとえ
ばロール圧延を施すことにより透明性、腰の強さ
を改良する特公昭36−93号公報、同45−14199号
公報、特開昭52−587号公報等が良く知られてい
る。しかしこれらの方法でシート製造した場合、
透明性、腰の強さを改良する長所を生むが、シー
トの結晶配向軸は引取方向にc軸が向く一軸配向
シートしか得られない。 そのため一軸配向物特有の引取方向での引裂強
度が著しく弱く、熱成形時に引取方向に対する直
角方向(以下「幅方向」と云う)の両端を保持
し、チエイン送りをするさいにフイルムが引取方
向にさけ易いため、チエイン送りが困難となり、
さらには引取方向に著しい熱収縮をおこすためシ
ートがパンクしやすく良成形品の収率が非常に悪
い。また成形が辛うじてできたとしても、その成
形品はシート強度の方向性が歪を残しソリ現象を
生じたりして金型に忠実な成形品が得られなく、
さらに裂けやすいため衝撃強度の弱いものしか得
られない。 かかる観点から本発明者等は鋭意研究を進めた
結果、ポリプロピレン原反シートを、ポリプロピ
レンの融点から融点以上30℃を越えない温度の圧
延ロールにより引取方向で1.3〜2.5倍に第1段圧
延し、さらに得られたシートをポリプロピレンの
融点より低い温度の圧延ロールにより引取方向で
1.05〜1.8倍に第2段圧延して、シートの結晶配
向軸をシートの引取方向にa軸配向とc軸配向が
混在しているシートを得ることによつて、従来の
一軸圧延シートに比べ方向性が少なく、熱成形時
にシートの方向性からくる種々の問題点を解決
し、衝撃強度の強い、熱成形透明ポリプロピレン
シートの製造方法を見出し本発明に到達した。 本発明をさらに詳細に説明すると、先ず通常の
シート成形法で原反シートを作成し、このシート
を圧延前のシート厚さより小さなロール間隙を有
する2対以上のロール間隙に通過させる。この第
1に通過し圧延するロール温度はポリプロピレン
の融点から融点以上30℃を越えない温度でなけれ
ばならなく、融点未満の温度は結晶配向軸は引取
方向にc軸を向いた一軸配向シートしか得られ
ず、熱成形性、衝撃強度に著しく劣るものであ
る。また、シートの温度がポリプロピレンの融点
より30℃を越える高い温度ではシートが融解し、
圧延効果が発揮されない(なお、「シートの温
度」とは、シートの表面の温度のことであり、シ
ートの表面が使われるポリプロピレンの融点より
30℃以上になると、シート全体が融解し、圧延ロ
ールに付着し、良好なシートが得られない。比較
例3参照)。 この圧延における伸長率は圧延で得られるシー
ナ幅が幅方向に殆んど影響を及ぼさないため、圧
延倍率は厚み変化で表示され圧延倍率は1.3〜2.5
倍であり、この圧延によつて結晶配向軸は引取方
向にa軸が向くシートが得られるが、1.3倍未満
では圧延効果が現われず、2.5倍を越えると結晶
配向軸は引取方向にc軸が向く一軸配向シートし
か得られない。 次に第2に通過し圧延するロール温度はポリプ
ロピレンの融点以下でなければならなく、この圧
延によつて結晶配向軸は引取方向に一部c軸が向
き表面の平滑なシートが得られるが、融点を越え
る温度ではシート表面が融解失透し透明性の悪い
シートしか得られない。またこの圧延における圧
延倍率は1.05〜1.8倍であり、1.05倍未満では透明
性が発現しなく、1.8倍を越えると結晶配向軸は
引取方向にc軸が向く一軸配向シートしか得られ
ない。 以上説明したごとく本発明の主要点は、第1段
圧延においてポリプロピレンの融点以上30℃を越
えない温度で1.3〜2.5倍に圧延することで強いa
軸配向シートにし、さらに第2段圧延においてポ
リプロピレンの融点以下の温度で1.05〜1.8倍に
圧延することで一部c軸配向させることとシート
表面を平滑にすることにより、結晶配向軸は引取
方向にa軸とc軸が混在した特異な結晶配向軸を
持つ透明ポリプロピレンシートを製造するところ
にあり、この条件及び操作手順が満足されなけれ
ば一軸配向シート又は不透明シートしか得られな
い。なお、第1段圧延前のシートの温度は120℃
以下である。 120℃を越えると結晶配向軸は引取方向にc軸
が向く一軸配向シートしか得られない場合があ
る。 また本発明において使用されるポリプロピレン
は沸謄n−ヘプタン抽出残分が少くとも70%の結
晶性ポリプロピレン単重合体、プロピレンを少な
くとも85重量%含有するエチレンもしくは他のオ
レフインとのランダムまたはブロツク共重合体等
であり、とくにエチレン含有量0.05〜10重量%の
プロピレン−エチレンランダム共重合体が好適で
ある。 これらのポリプロピレンには酸化防止剤を添加
することが好ましく酸化防止剤としては、フエノ
ール系、ホスフアイト化合物、アミン系、含硫黄
化合物等があげられる。これらの酸化防止剤は1
種または2種以上の併用でも良く、添加量はポリ
プロピレンの重量に基づいて0.001〜1重量%好
ましくは0.01〜0.5重量%である。 さらに必要に応じてポリプロピレンに一般に添
加されている透明化剤、帯電防止剤、滑剤、顔
料、螢光剤、殺菌剤、光安定剤、光劣化促進剤、
難燃化剤等の添加剤を透明性が著しく低下しない
範囲で配合することができる。 なお本発明において得られるポリプロピレンシ
ートはポリプロピレンフイルムも含み本発明によ
つて得られるフイルムは、衝撃強度が高く、腰が
強く、引裂強度のバランスに優れて透明であり、
Tダイフイルムや水冷インフレフイルムより衝撃
強度が高く、かつ腰が強くて透明であり、従来の
ロール圧延一軸配向フイルムより引裂強度のバラ
ンスが優れかつ衝撃強度が高く二軸延伸フイルム
に近似した優れたフイルムである。 以下に実施例及び比較例をもつて本発明をさら
に具体的に説明するが、例中において使用される
試験法及び判定法は次のとおりである。 くもり度;ASTM D1003−61Tに準処。 ステイフネス;ASTM D747−61Tに準処。 衝撃強度(20℃落錘衝撃試験) ;ASTM D1709に準処 結晶配向軸;理学電気(株)社製 DF3型、Cu
−Kα線(Niフイルター入り)、透
過法でX線写真撮影。 引裂強度;JIS Z−1702準処。 熱成形金型への忠実性;熱成形後の容器を成
形金型と比較して視覚で金型への忠
実性を判断した。これは成形品が歪
を残さずに成形できるか歪を判断す
るものである。 〇;良好、△;稍不良、×;不良。 実施例 1〜4 メルトフローインデツクス1.3g/10mm、融点
146℃、エチレン含有量2.1重量%のプロピレン−
エチレンランダム共重合体(昭和油化(株)製、商品
名;シヨウアロマー)をコートハンガー型T−ダ
イを備えた40mm押出機を用いて、樹脂温度を240
℃で押出し、70℃の温水を通したチルロール表面
に密着させ、厚さ1.0mm、巾300mmの原反シートを
作成した。 次にこのシートを90℃に予熱し、155℃にロー
ル表面温度を設定した150φ×350mmLの1対のロ
ール間で線圧60Kg/cmで第1表に示した圧延倍率
になるように引取方向に第1段圧延した。 さらに得られた該シートを125℃にロール表面
温度を設定した150φ×350mmLの1対のロール間
で線圧80Kg/cmで第1表に示した圧延倍率になる
ように引取方向に第2段圧延し、厚さ0.5mm、巾
298mmのシートを得た。 またこのシートの特性の結晶配向軸、曇り度、
ステイフネス、衝撃強度、引裂強度を測定した結
果及びこのシートをロール連続熱成形機(浅野研
究所製FLX−02型、オーブン形式、両面赤外線
加熱方式)で圧空成形を行い、開口径75mm、底部
径60mm、深さ40mmのカツプ容器を作成した結果は
第1表に示すとおりである。 第1表から明らかなようにシート特性におい
て、衝撃強度が高く腰の強い方向性が少ない透明
シートであり、かつ圧空成形された容器は真円度
が良く形状は金型に忠実に成形された透明性に優
れたものであつた。 比較例 1 実施例1において第1段圧延のロール表面温度
を140℃に設定したほかは実施例1と全く同様に
行つた。 その結果は第1表に示したごとくシートの結晶
配向軸はc軸配向の一軸配向シートであり、本発
明で得られるシートに比べたシート特性が劣り、
熱成形時の送りチエーンにシートが縦裂して良く
噛み込まれず、また成形した容器の開口は楕円で
成形金型に不忠実なものであつた。 比較例 2 実施例1において第2段圧延のロール表面温度
を155℃に設定したほかは実施例1と全く同様に
行つたが、得られたシートは全く透明性の悪いも
のであつた。 比較例 3 実施例1において第1段圧延のロール表面温度
を180℃に設定して圧延を行つたが、圧延ロール
にシートが付着し融解して良好なシートが得られ
なかつた。 実施例 5 実施例1において使用したプロピレン−エチレ
ンランダム共重合体のかわりにメルトフローイン
デツクス1.20g/10mm、融点168℃のプロピレン
単重合体を用い、第1段圧延のロール表面温度を
175℃、第2段圧延のロール表面温度145℃にした
ほかは実施例1と全く同様に行つた。得られたシ
ート特性の結果は第1表に示した如く、物性、熱
成形に優れたものであつた。 比較例 4 実施例1において、第1段圧延の圧延倍率を
2.80倍にしたほかは実施例1と全く同様に行つ
た。結果は第1表に示した如くシートの結晶配向
軸はc軸配向の一軸配向シートであり、本発明で
得られたシートに比べ物性、熱成形性に著しく劣
るものであつた。 比較例 5 実施例1において第1段圧延の圧延倍率を1.30
倍、第2段圧延の圧延倍率を2.00倍にしたほかは
実施例1と全く同様に行つた。得られたシートの
物性、熱成形性の結果は第1表に示した如く典型
的な一軸配向シートであつた。
【表】
実施例 6
実施例1においてTダイのスリツト間隔とチル
ロール速度を変え圧延前のシートを厚さ0.1mm、
巾300mmの原反シートに作成したほかは実施例1
と全く同様に行い、厚さ0.05mm、巾297mmのフイ
ルムを得た。 このフイルムの物性は第2表に示した如く、一
軸配向の圧延フイルムより透明性、衝撃強度が高
く、かつタテ、ヨコの引裂強度バランスが優れて
いる。 比較例 6 実施例6において、第1段圧延のロール表面温
度130℃で行なつたほかは実施例6と全く同様に
行なつた。 結果は第2表に示すとおりである。
ロール速度を変え圧延前のシートを厚さ0.1mm、
巾300mmの原反シートに作成したほかは実施例1
と全く同様に行い、厚さ0.05mm、巾297mmのフイ
ルムを得た。 このフイルムの物性は第2表に示した如く、一
軸配向の圧延フイルムより透明性、衝撃強度が高
く、かつタテ、ヨコの引裂強度バランスが優れて
いる。 比較例 6 実施例6において、第1段圧延のロール表面温
度130℃で行なつたほかは実施例6と全く同様に
行なつた。 結果は第2表に示すとおりである。
Claims (1)
- 1 シートの温度が120℃以下のポリプロピレン
原反シートを、ポリプロピレンの融点から融点以
上30℃を越えない温度の圧延ロールにより引取方
向で1.3〜2.5倍に圧延し、さらにポリプロピレン
の融点より低い温度の圧延ロールにより引取方向
で1.05〜1.8倍に圧延することを特徴とするポリ
プロピレンシートの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10966579A JPS5633924A (en) | 1979-08-30 | 1979-08-30 | Method of producing polypropylene sheet |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10966579A JPS5633924A (en) | 1979-08-30 | 1979-08-30 | Method of producing polypropylene sheet |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5633924A JPS5633924A (en) | 1981-04-04 |
JPS6114928B2 true JPS6114928B2 (ja) | 1986-04-21 |
Family
ID=14516053
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10966579A Granted JPS5633924A (en) | 1979-08-30 | 1979-08-30 | Method of producing polypropylene sheet |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5633924A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH026395U (ja) * | 1988-06-25 | 1990-01-17 |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB8424062D0 (en) * | 1984-09-24 | 1984-10-31 | Mackley M R | Oriented polymer films |
GB8607519D0 (en) * | 1986-03-26 | 1986-05-21 | Mackley M R | Polymer films & tapes |
JP5339350B2 (ja) | 2009-01-23 | 2013-11-13 | サンアロマー株式会社 | 結晶性樹脂フィルムまたはシートの製造方法および製造装置 |
-
1979
- 1979-08-30 JP JP10966579A patent/JPS5633924A/ja active Granted
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH026395U (ja) * | 1988-06-25 | 1990-01-17 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5633924A (en) | 1981-04-04 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP0614748B1 (en) | Method for producing thermoplastic resin sheet or film | |
EP0496260B1 (en) | Process for production of polypropylene sheets or films | |
PL339633A1 (en) | Polypropylene composition for obtaining a polypropylene film oriented in solid state | |
GB2039249A (en) | Stretching ethylene-vinyl-alcohol copolymer film | |
JP2008062524A (ja) | 熱成形シート積層用フィルム | |
KR20010024575A (ko) | 높은 수증기 전달률을 갖는 이축배향된 폴리에틸렌 필름 | |
EP0176177B1 (en) | Thermoplastic sheet preparation method | |
JPS6311968B2 (ja) | ||
JPS6114928B2 (ja) | ||
US4256687A (en) | Process for producing molded articles | |
KR20040099865A (ko) | 캘린더가 가능한 투명 필름 및 시트용 폴리프로필렌계조성물 및 이를 이용한 폴리프로필렌 투명 필름 및 시트의제조방법 | |
JPS6316256B2 (ja) | ||
JPS61130018A (ja) | ポリプロピレンシ−トおよびその製造方法 | |
JPH10272747A (ja) | 積層ストレッチシュリンクフイルム | |
JPH0257009B2 (ja) | ||
EP1587661A2 (en) | Multilayer shrink film with polystyrene and plyethylene layers | |
KR100544398B1 (ko) | 캘린더가 가능한 데코시트용 폴리프로필렌계 조성물 및이를 이용한 폴리프로필렌 필름 및 시이트의 제조방법 | |
JP3639327B2 (ja) | 容器の製造方法 | |
JPH08258129A (ja) | ポリプロピレンシートおよび容器 | |
JP3438958B2 (ja) | 積層シート | |
JP4538123B2 (ja) | プロピレン重合体シート熱成形品 | |
JPH0139898B2 (ja) | ||
JPS58185224A (ja) | 包装用ポリプロピレンシ−トの製造方法 | |
JP3550557B2 (ja) | ポリプロピレン系熱成形シート積層用フィルム | |
JP3534531B2 (ja) | 積層シート |