JPS6114313Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本案は磁性ドラムや励磁線輪を、固定された継
鉄内に配置して全閉形とした渦電流接手の冷却構
造に関するものである。

（従来技術） 一般に周囲雰囲気の悪い条件下で使用される渦
電流接手は内部を保護する必要から全閉構造を採
用している。第２図はこのような従来の構造を示
すもので、１は中心部に貫通孔２をそなえ放射方
向の断面をコ字状に形成して環状の溝３をはさん
で外周脚１ａと内周脚１ｂをそなえた継鉄、４は
環状の溝３の開口部、５は前記溝３内に固着され
た励磁線輪、６は前記継鉄１の貫通孔２に軸受７
を介して回転自在に支承された被動軸、８は前記
被動軸６の内側端部に嵌合固着された支持体で、
開口部４内に一方の継鉄面たとえば内周脚１ｂの
内面と細隙を隔てて配置し、歯車状に誘導突子９
ａをもつた誘導子９を設けている。１０は図示し
ない駆動電動機のブラケツトで、前記継鉄１の外
周脚１ａの端面に嵌合固着し、このブラケツトと
継鉄で全閉構造を外枠を構成している。１１は前
記ブラケツト１０に軸受１２を介して前記被動軸
６と同心に設けた駆動軸、１３は前記駆動軸１１
の端部に嵌合固着されている支持体で、誘導突子
９ａと継鉄の外周脚内面との間にそれぞれ細隙を
介して配置した円筒状の磁性ドラム１４を設けて
いる。

駆動軸１１を図示しない駆動電動機で定速回転
させ、励磁線輪５を励磁すると、誘導子９による
磁束の変化によつて磁性ドラム１４に渦電流を生
じ、そのトルクによつて誘導子９を回転させ、被
動軸６にトルクを伝達する。

（解決しようとする問題点） このような従来の渦電流接手においては、全体
を継鉄１とブラケツト１０で覆つて全閉構造とし
ているため、渦電流損失によつて発生する磁性ド
ラムの熱は空隙を介して継鉄１に伝達され、継鉄
外面で自然放散によつて冷却され、冷却効果が小
さく、また継鉄外面を他の通風装置で冷却する場
合は別個に通風装置を必要とし、装置が大形とな
るなどの欠点があつた。

（問題点を解決するための手段） 本案はこのような欠点を解決するため、従来の
ように継鉄１をブラケツト１０に結合させて全閉
構造とするかわりに、駆動軸に取りつけた支持体
を継鉄外径より大径にし、継鉄の外周脚１ａの側
端と、前記支持体の大径部の一方側面とを対向さ
せて、それぞれ突部とラビリンス溝を設けて細隙
を介して嵌合させることにより全閉構造とし、支
持体大径部の他方側面にフアンブレードを設けて
継鉄外周面に通風させるようにしてある。

（実施例） 第１図は本案の実施例を示すもので、第２図と
同一部分には同一の符号を付しており、１５は継
鉄１の外周脚１ａ端に設けた環状の突部、１６は
支持体１３を継鉄外周より大径にし、この大径部
の一方側面に前記突部と対向させて設けた環状の
ラビリンス溝である。前記突部１５は細隙を介し
てラビリンス溝１６に嵌合させ、この細隙は全閉
構造を構成するギヤツプと長さをそなえている。
１７は支持体１３の大径部の他方側面に設けたフ
アンブレード、１８は前記大径部の外周を蔽い継
鉄１の外周面との間に、継鉄外周面に向つて開口
する通風口１９を形成させたカバーで、継鉄１の
外周脚１ａを支持して突部１５が振れないように
している。２０は吸気口である。

（作 用） したがつて、渦電流接手部分は外枠を構成する
継鉄１と支持体１３によつてラビリンス溝の細隙
を介して全閉構造を形成しており、駆動軸１１に
より支持体１３が回転すると、フアンブレード１
７によりカバー１８の通風口１９から継鉄１の外
周面に冷却空気が流れる。このため励磁線輪５を
励磁して磁性ドラム１４に渦電流を発生させる
と、その損失熱は支持体１３および空隙を介して
継鉄１にそれぞれ伝達され、支持体１３の熱は大
径部のフアンブレード１７で熱放散されるととも
に、空隙を介して継鉄１に伝達された熱および励
磁線輪５などから発生する熱はカバー１８との間
の軸方向に開いた通風口１９から継鉄表面を流れ
る冷却空気によつて有効に冷却される。また、継
鉄１の外周面に冷却フインを設けるようにすると
さらに冷却効果を増すことができる。

なお、本案は磁性ドラム１４を支持体８に、誘
導子９を支持体１３に設けた渦電流接手において
も同様に実施することができる。

（本案の効果） このような本案は、駆動軸に取りつけた支持体
を外枠を構成させた継鉄より大径にし、この大径
部の一方側面と継鉄とに設けた突部とラビリンス
溝を細隙を介して嵌合させて全閉構造とし、支持
体の前記大径部の他方側面に継鉄外周に通風する
フアンブレードをそなえ、大径部外周を蔽い継鉄
端を支持して継鉄外周面に向つて開口する通風口
をそなえたカバーを設けてあるから、簡単な構造
で接手内部を充分な全閉構造とすることができ、
支持体が全閉構造を構成して熱放散を行うととも
に、別個に駆動装置を設けないフアンによつて継
鉄外表面を通風冷却して接手内部の磁性ドラムお
よび励磁線輪を効率よく冷却することができ、駆
動側の支持体にフアンブレードを設けることによ
り、被動軸が低速で発熱の大きいときにも有効な
冷却を行い、全体を小形化しうる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案の実施例を示す上半部側断面図、
第２図は従来例を示す上半部側断面図である。 １は継鉄、２は貫通孔、３は溝、４は開口部、
５は励磁線輪、６は被動軸、７は軸受、８は支持
体、９は誘導子、１０はブラケツト、１１は駆動
軸、１２は軸受、１３は支持体、１４は磁性ドラ
ム、１５は突部、１６はラビリンス溝、１７はフ
アンブレード、１８はカバー、１９は通風口であ
る。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中心部に貫通孔２をそなえ放射方向の断面をコ
   字状に形成して環状の溝３を有する継鉄１と、前
   記溝３内に固着された環状の励磁線輪５と、前記
   継鉄１に軸受７を介して回転自在に支承された被
   動軸６と、前記被動軸６に固着された支持体８
   と、前記被動軸６と同心に配設された駆動軸１１
   に固着された支持体１３と、前記支持体８，１３
   のそれぞれ一方に固着され溝３の開口部に空隙を
   介して配置された磁性ドラム１４と誘導子９をそ
   なえた渦電流接手において、支持体１３を継鉄１
   より大径にし、この大径部の一方側面と前記継鉄
   １の外周側端に、一方に環状の突部１５と他方に
   この突部を全閉構造の細隙を介して嵌合させるラ
   ビリンス溝１６を設け、支持体１３の前記大径部
   の他方側面にフアンブレード１７をそなえ、この
   大径部外周を蔽い継鉄端部を支持するカバー１８
   と、このカバー１８に継鉄外周面に向つて開口す
   る通風口１９を設けたことを特徴とする渦電流接
   手の冷却装置。