JPS6113985Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はシングルフオトンの放射性核種を用
いる放射型断層撮影装置に関する。

放射型断層撮影装置は、体内に分布している放
射性同位元素（以下RIという）のある断層面に
おける濃度の分布像をコンピユータを用いて構成
するものである。すなわち、予め被写体（患者）
にRIを薬物として取り込ませ、特定臓器に集積
したときに、これから発する放射線を体外の放射
線検出器により検出し、データを採集して、この
データをコンピユータ処理することにより、前記
臓器を横切る断層面におけるRIの濃度の分布像
を構成して、その特定臓器の診断に役立てようと
するものである。

この放射型断層撮影装置のうち、シングルフオ
トンの放射性核種を用いシンチレーシヨンカメラ
検出器を患者の周囲に回転させてデータを採集す
るタイプのものが従来から知られているが、従来
のものでは検出器の放射線入射面側に主に平行穴
コリメータ（時にはフアンビームコリメータ）を
配置して放射線入射方向を規制するようにしてい
る。

本考案は、この従来の平行穴コリメータ（また
はフアンビームコリメータ）に代えてスリツトホ
ールコリメータを用いることにより空間分解能を
向上させた放射型断層撮影装置を提供することを
目的とする。

以下本考案の一実施例について図面を参照しな
がら説明する。本考案によるスリツトホールコリ
メータ１は第１図に示すように、概略中空三角柱
状に形成されて、その両端面（図では左前面及び
右後面）が閉塞されて、その一側面（図では上
面）のみが開口している放射線遮蔽体である外側
壁１１の１頂辺部（図では下方の頂辺部）に細長
いスリツトホール１２を設けたものからなる。そ
してこのスリツトホール１２の長手方向に略直角
に複数枚の放射線遮蔽体でなる隔壁１３が外側壁
１１の内部に配設される。上記のスリツトホール
１２は上部開口部の略中央部上に位置している。

このスリツトホールコリメータ１は、第２図に
示すようにシンチレーシヨンカメラ検出器２の放
射線入射面に取り付けられる。このシンチレーシ
ヨンカメラ検出器２は、アンガー型またはオート
フルオロスコープ型などの、放射線入射位置を２
次元的に検出できるものであつて、図示しない回
転駆動機構によつて保持され、被写体３の体軸Ｏ
付近を回転中心軸として、被写体３の周囲にステ
ツプ状または連続的に回転するようになつてい
る。前記スリツトホールコリメータ１は、スリツ
トホール１２の長手方向が、この回転中心軸と平
行になるようにして配置されている。このスリツ
トホールコリメータ１とシンチレーシヨンカメラ
検出器２の組は１組または複数組（図では２組）
用いられ、同一円周を同時に回転するよう保持さ
れる。

被写体３の体内から発せられる放射線４は点線
で示すようにスリツトホール１２でいつたん集束
したのち拡散してシンチレーシヨンカメラ検出器
２の放射線入射面に達する。この放射線は隔壁１
３により体軸Ｏに略直角なもののみとされてい
る。そのため被写体３の体軸Ｏに直角なある厚さ
（隔壁１３の間隔に対応している）の断層面毎に
その入射位置がシンチレーシヨンカメラ検出器２
によつて検出されることになる。

したがつてシンチレーシヨンカメラ検出器２が
１回転（検出器２を１個用いた場合、第２図のよ
うに２個の場合は1/2回転でよい）するとこのシ
ンチレーシヨンカメラ検出器２から各断層面毎の
全てのデータが得られる。このデータはスリツト
ホール１２を中心とするフアンビームデータであ
るから、フアンビームデータから平行ビームデー
タへ並べ換え、あるいはフアンビームダイレクト
コンボリユーシヨン法を適用したアルゴリズムに
よつてコンピユータ処理し、被写体３の体内RI
濃度分布像を各断層面毎に構成することができ
る。

以上説明したよう本考案によれば、１層分の放
射線のシンチレーシヨンカメラ検出器２に対する
入射状態を見てみると、第２図の点線４で示すよ
うにスリツトホール１２を焦点として被写体３の
像が拡大されるので、平行穴コリメータ等の他の
コリメータを用いた場合に比して、空間分解能が
向上する。またそのため被写体３が小さいもので
ある場合には特に有効であり、従来の平行穴コリ
メータを用いては困難であつた小さな被写体の
RI濃度分布像をも構成することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係るスリツトホー
ルコリメータの概略的な斜視図、第２図は第１図
のスリツトホールコリメータを適用した放射型断
層撮影装置の一実施例の模式図である。 １……スリツトホールコリメータ、１１……外
側壁、１２……スリツトホール、１３……隔壁、
２……シンチレーシヨンカメラ検出器、３……被
写体（患者）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シンチレーシヨンカメラ検出器を、被写体の周
   囲に、前記被写体の体軸が回転中心軸と略一致す
   るようにして、回転させ、この検出器から得たデ
   ータをコンピユータ処理することによつて被写体
   内の特定断層面における放射性同位元素の濃度分
   布像を構成する放射型断層撮影装置において、放
   射線遮蔽体でなる外側壁と、この外側壁に設けら
   れた、前記回転中心軸に略平行で且つ前記シンチ
   レーシヨンカメラ検出器の放射線入射面の略中央
   部上の所定距離だけ離れた場所に位置する前記回
   転中心軸方向に細長いスリツトホールと、複数の
   断層面を規定するよう前記外側壁の内部に前記回
   転中心軸に略直角に設けられた放射線遮蔽体でな
   る隔壁とからなるスリツトホールコリメータを、
   前記シンチレーシヨンカメラ検出器の放射線入射
   面に配置したことを特徴とする放射型断層撮影装
   置。