JP2005114739A - 核医学診断装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】吸収補正の精度を向上すること、画像化のためのガンマ線の収集動作と並行して吸収補正のためのデータ収集動作を行うこと。
【解決手段】被検体に投与された放射性同位元素から放射されるガンマ線を検出するための光電子増倍管を備えるメイン検出器15,17と、ガンマ線を放出する線源23と、線源から放出され被検体を透過したガンマ線を検出する半導体検出器25と、メイン検出器の出力と半導体検出器の出力とに基づいて放射性同位元素の体内分布を画像化するプロセッサ63と、メイン検出器に対して半導体検出器を移動させるものであり、メイン検出器の検出面の法線方向に沿って半導体検出器を移動するスライドアーム29とを具備する。
【選択図】図1
【解決手段】被検体に投与された放射性同位元素から放射されるガンマ線を検出するための光電子増倍管を備えるメイン検出器15,17と、ガンマ線を放出する線源23と、線源から放出され被検体を透過したガンマ線を検出する半導体検出器25と、メイン検出器の出力と半導体検出器の出力とに基づいて放射性同位元素の体内分布を画像化するプロセッサ63と、メイン検出器に対して半導体検出器を移動させるものであり、メイン検出器の検出面の法線方向に沿って半導体検出器を移動するスライドアーム29とを具備する。
【選択図】図1
Description
本発明は、被検体に投与された放射性同位元素から放射されるガンマ線を検出し、放射性同位元素の体内分布を画像化する核医学診断装置に関する。
核医学診断装置は、シングルフォトン核種を用いて放射性同位元素の崩壊時の一個のガンマ線の検出を行い、この検出データに基づいて2次元的なガンマ線蓄積画像をえることを特徴としたシングルフォトンカメラと、ポジトロン核種を用いて陽電子が消滅する際に反対方向に一対のガンマ線を放出することを利用し、放出場所を特定することにより2次元的なガンマ線の蓄積画像を得ることを特徴としたポジトロンカメラとに分類される。
また、近年、複数の角度でガンマ線を検出し、それに基づいて断層像を再構成する断層イメージングの技術(ECT(emission computed tomography))が実用化されている。このECTは、シングルフォトンECT(SPECT)と、ポジトロンECT(PET)とに大別される。いずれのECTでも、検出器が被検体の周囲を回転する回転型のものが主流を占めている。このようなECTでは、分布画像の画素毎のカウントの定量性を確保するために、散乱線補正や吸収補正が不可欠とされる。
後者は、被検体を透過したガンマ線を検出することが必要であり、これにはメイン検出器が流用される。つまり、面線源やライン線源が被検体を挟んでメイン検出器に対向する位置に配置される。そして、線源から放射され被検体を透過したガンマ線がメイン検出器で検出される。このときのメイン検出器の出力に対して散乱線補正やクロストーク補正が行われ、この結果に基づいて吸収補正が行われる。このような吸収補正には次のような問題点がある。
(1)メイン検出器の多くはシンチレータと光電子増倍管(PMT)とを組み合わせた方式でガンマ線を検出するというもので、この方式はエネルギー分解能が低く、したがって散乱線補正やクロストーク補正の精度には限界があり、吸収補正の精度は低くならざるをえなかった。
(2)被検体を透過したガンマ線の検出にメイン検出器が流用されるので、この検出動作を、画像化のためのガンマ線の収集動作の前に、あるいは後に行うか、収集動作中に時分割して行っていた。
(3)メイン検出器はエネルギー分解能が低いため、実際に画像化のために生体に投与される放射性同位元素からのガンマ線に近傍するエネルギーのガンマ線を使って、吸収補正を行うことはできなかった。
(4)メイン検出器が被検体に最近接する軌道を描きながら吸収補正のデータを収集することはできなかった。
本発明の目的は、吸収補正の精度を向上すること、画像化のためのガンマ線の収集動作と並行して吸収補正のためのデータ収集動作を行うことを可能にする核医学診断装置を提供することである。
本発明の第1局面は、被検体に投与された放射性同位元素から放射されるガンマ線を検出するための光電子増倍管を備えるメイン検出器と、ガンマ線を放出する線源と、前記線源から放出され、前記被検体を透過したガンマ線を検出する半導体検出器と、前記メイン検出器の出力と前記半導体検出器の出力とに基づいて前記放射性同位元素の体内分布を画像化する処理部と、前記メイン検出器に対して前記半導体検出器を移動させるものであり、前記メイン検出器の検出面の法線方向に沿って前記半導体検出器を移動する移動機構とを具備したことを特徴とする。
本発明の第2局面は、被検体に投与された放射性同位元素から放射されるガンマ線を検出するための光電子増倍管を備えるメイン検出器と、ガンマ線を放出する線源と、前記線源から放出され、前記被検体を透過したガンマ線を検出する半導体検出器と、前記メイン検出器の出力と前記半導体検出器の出力とに基づいて前記放射性同位元素の体内分布を画像化する処理部と、前記メイン検出器に対して前記半導体検出器を移動させるものであり、前記メイン検出器の検出面の法線に直交する方向に沿って前記半導体検出器を移動する移動機構とを具備したことを特徴とする。
本発明の第2局面は、被検体に投与された放射性同位元素から放射されるガンマ線を検出するための光電子増倍管を備えるメイン検出器と、ガンマ線を放出する線源と、前記線源から放出され、前記被検体を透過したガンマ線を検出する半導体検出器と、前記メイン検出器の出力と前記半導体検出器の出力とに基づいて前記放射性同位元素の体内分布を画像化する処理部と、前記メイン検出器に対して前記半導体検出器を移動させるものであり、前記メイン検出器の検出面の法線に直交する方向に沿って前記半導体検出器を移動する移動機構とを具備したことを特徴とする。
本発明によれば、吸収補正の精度を向上すること、画像化のためのガンマ線の収集動作と並行して吸収補正のためのデータ収集動作を行うことができる。
以下、本発明による核医学診断装置の一実施形態を図面を参照して説明する。なお、核医学診断装置には、シングルフォトンカメラ、ポジトロンカメラ、SPECT、PET等が含まれる。ここでは、これらを兼用できる回転型2検出器タイプを一例として説明するが、他のタイプの採用を否定するものではない。
図1に本実施形態による核医学診断装置の架台部の斜視図を示し、図2に図1の側面図を示す。図3(a)に図1のメイン検出器の検出面の法線上から見た図を示し、図3(b)に図1のメイン検出器の側面図を示す。
架台11の回転板13には、アーム19,21を介して2つのメイン検出器15,17が、被検体Pを挟んで互いに検出面が対向した状態で支持されており、回転板13の回転によりメイン検出器15,17は被検体Pの周囲を回転できるようになっている。2つのメイン検出器15,17のガンマ線入射側には、ガンマ線入射方向を検出面に略垂直な方向だけに制限するコリメータが設けられている。架台11は被検体Pの体軸に沿って設けられたレール上を移動することにより、被検体Pに体軸に対して平行に移動できる。
ここで説明の便宜上、回転板13の回転軸をY軸(被検体Pの体軸と平行な方向)、2つのメイン検出器15,17の検出面の法線と平行にZ軸、Y−Z面に直交するようにX軸とした直交3軸の回転座標系を規定するものとする。この場合、X−Y面はメイン検出器15,17の検出面と平行になる。また、後述するように、面線源23の放射面や半導体検出器25の検出面は矩形であり、これらの短軸はY軸と平行になり、長軸はZ軸と平行になる。また、メイン検出器15,17の間に配置される被検体Pの体軸は、Y軸と略平行になる。また、半導体検出器25の検出面のY軸方向の長さ(短軸の長さ)は、メイン検出器15,17の検出面のY軸方向の長さよりも短くなっている。
アーム19,21は、メイン検出器15,17が独立して被検体Pに対して接近及び離間できるように、Z軸と平行にスライド自在に回転板13に取り付けられる。
実際に被検体Pを透過したガンマ線を検出して、吸収補正のためのデータ(吸収補正データ)を収集するために、架台11の回転板13には、スライドアーム27,29を介して、ガンマ線を放射するための面線源23と、面線源23から放射され、被検体Pを透過したガンマ線を検出するための半導体検出器25とが、それぞれの放射面と検出面とがメイン検出器15,17の検出面と垂直なY−Z面と平行になり、そして放射面と検出面とが被検体Pを挟んで対向した状態を維持したままでY軸と平行に移動可能に支持される。つまり、面線源23からのガンマ線の放射方向が、コリメータを通過してメイン検出器15,17で検出されるガンマ線の入射方向に対して、交差する、好ましくは直交するように、面線源23が設けられ、またこの面線源23に対峙する向きに半導体検出器25が設けられる。
これら面線源23と半導体検出器25とは、メイン検出器15,17の自由なスライドを疎外することがないように、図3に示すように、メイン検出器15,17及びアーム19left,19right ,21left,21right の外側に設けられる。
面線源23としては、被検体に投与される放射性同位元素から放射されるイメージングのためのガンマ線のエネルギーとは異なるエネルギーのガンマ線を放射する複数の線源24の稠密な2次元配列構造が採用される。ただし、吸収補正の精度を向上させるには、イメージングのためのガンマ線と同じ又はそれに非常に近いエネルギーのガンマ線で吸収補正データを収集することが好ましい。本発明のような半導体検出器のエネルギー分解能は、従来のシンチレータと光電子増倍管(PMT)とを組み合わせた方式のそれに比べて著しく高く、エネルギースペクトラム解析は、面線源23からのガンマ線成分だけを高精度で且つ容易に弁別することを可能とする。したがって、イメージングのためのガンマ線に非常に近いエネルギーのガンマ線の線源24で面線源23を構成し、吸収補正精度を向上させることが可能となり得る。
図4(a)に、半導体検出器25のX−Z面に関する断面図を示し、同図(b)に半導体検出器25の半導体素子の配列を示す。半導体検出器25は、例えばCdZnTeのn個の半導体素子31がZ軸と平行に一列に稠密に配列され、この列がY軸と平行にm列稠密に配列されたZ軸方向に長い全体矩形(例えば長さ約30cm〜50cm、幅2cm〜5cm)の2次元の配列構造を有する。半導体素子31の面線源23側には、検出面に略垂直な方向から入射するガンマ線だけを通過させて、散乱線の入射を低減するための鉛等の平行孔型コリメータ35が設けられる。半導体素子31それぞれには、プリアンプとアナログディジタルコンバータとからなるセット33が1つづつ電気的に接続され、ガンマ線がある半導体素子31に入射すると、当該半導体素子31に対応するアナログディジタルコンバータからそのエネルギーに応じたディジタル信号が出力されるようになっている。これら半導体素子31等は、ノイズの原因となる外乱ガンマ線の側面や背面からの入射を防止するために鉛等の遮蔽ケース37に収容される。
図5にX−Z断面を示すように、ガンマ線の放射方向を放射面に略垂直な方向だけに制限し、面線源23から放射されたガンマ線が斜め方向からメイン検出器15,17に入射することを防止し、且つ被検体Pの被爆量を極力抑えるために、鉛等の平行スリット41、または/及び図6に示すように鉛等の方形筒状の遮蔽ウインドウ43が面線源23の放射面に設けられる。また、面線源23からのガンマ線の漏洩を防止するために、面線源23は、鉛等の遮蔽ケース55に収容される。
架台11には、不使用時に面線源23を保管するための格納庫47が設けられる。面線源23をスライドアーム27から取り外し、格納庫47に収めるようにしてもよいし、図2に示すようにスライドアーム27のスライドに伴ってそのまま格納庫47に収めるようにしてもよいし、図7(b)に示すように軸51を中心に面線源23をスライドアーム27に折り畳み、そしてスライドアーム27を回転軸53を中心として略90°回転することにより格納庫47に収めるようにしてもよい。なお、図示しないが、半導体検出器25を格納する格納庫も架台11に設けられる。
図8に示すように、不使用時における面線源23からのガンマ線の不要な漏洩を防止するために、不使用時には面線源23の遮蔽ケース55を鉛等の遮蔽板45で蓋して内部を密閉できるようになっている。また、これに代えて、図7(a)に示すように、架台11の格納庫49の対応部分にこの遮蔽板45を張り付けるようにしてもよい。
図9に、本実施形態に係る核医学診断装置のブロック図を示す。この核医学診断装置は、システムコントローラ61を制御中枢として次のように構成されている。移動機構67は、面線源23と半導体検出器25とを互いに対向した状態を保ったままでY軸と平行に直線的に移動するために必要とされる構造、駆動源及びロータリエンコーダ等の位置センサ等を有している。回転機構75は、回転板13を連続的又は5°等の一定角度毎に断続的に回転するために必要とされる構造、駆動源及びロータリエンコーダ等の角度センサを有している。
例えばSPECT撮影では、回転板13は5°等の所定角度毎に断続的に停止、回転を繰り返す。この回転に同期して、回転が停止している期間、被検体Pに投与された放射性同位元素から放射されたガンマ線は、メイン検出器15,17で検出される。プロセッサ63は、例えば被検体Pの周囲1周分に相当するメイン検出器15,17に出力信号に基づいて断層像データを再構成する。この断層像データは、ディスプレイ65に表示される。
このようなSPECT撮影に対してリアルタイム(同時進行)で、吸収補正データの収集が行われる。面線源23と半導体検出器25とは、メイン検出器15,17と回転板13を共有しているので、メイン検出器15,17の回転、停止に完全に同期して、被検体Pの周囲を回転し、また停止する。回転が停止している期間又はそれより短い所定期間をかけて、面線源23及び半導体検出器25は被検体Pに対して、オペレータにより指定された例えば心臓等の目的部位を含む任意の範囲を移動する。回転期間中は面線源23及び半導体検出器25は移動しない。次の停止期間では、面線源23及び半導体検出器25は当該範囲を逆向きに移動する。
面線源23及び半導体検出器25が移動している期間、半導体検出器25では面線源23から放射され、被検体Pを透過したガンマ線の検出が繰り返される。ガンマ線はその入射位置に存在する1つの半導体素子31のみに入射する。ガンマ線がある半導体素子31に入射すると、当該半導体素子31に対応するアナログディジタルコンバータから、そのガンマ線のエネルギーに応じたレベルで1つのディジタル信号が出力される。つまり、ガンマ線の入射位置は、そのガンマ線入射により信号を出力する半導体素子31の位置(X,Y)と、半導体検出器25の位置(Y)とにより容易に特定できる。
エネルギースペクトラム収集部69は、半導体検出器25から信号が出力される毎に、半導体検出器25からの出力信号のレベルに対応するエネルギーチャンネル(CH)、位置(XY)、及び半導体検出器25(回転板13)の回転角度(θ)に対応する計数値C(CH,XY,θ)を1つ増加する。このような計数動作は、面線源23及び半導体検出器25が移動している期間、継続される。これにより、位置(XY)毎、さらに半導体検出器25(回転板13)の回転角度(θ)毎に、エネルギースペクトラムが収集される。
エネルギースペクトラム解析部71は、エネルギースペクトラムを個々に解析し、台形近似を利用したTEW(triple energy window)法等により散乱線成分を補正し、またクロストーク補正を行う。 吸収補正データ作成部73は、補正後のエネルギースペクトラムに基づいて吸収補正データを作成する。この吸収補正データは、システムコントローラ61を介して、プロセッサ63に転送される。
プロセッサ63では、メイン検出器15,17の出力信号を吸収補正データに基づいて吸収補正し、吸収補正された信号に基づいて、投与された放射性同位元素の生体内の断層分布としての断層像データを再構成する。
図10に示すように、半導体検出方式のエネルギー分解能は、従来のシンチレータと光電子増倍管(PMT)とを組み合わせたシンチレーション方式のそれに比べて著しく高く、したがって人体でガンマ線が散乱しエネルギーシフトを起したような場合でも、ホトピークを中心に十分狭いエネルギーウインド(例えば99mTcの場合、半導体検出器25は5%のエネルギー分解能を有するとするとホトピークを中心に約±5%のエネルギーウインドを設定する)を設定してやることにより従来のシンチレーション方式の検出器では得ることができない精度の良い散乱線成分の本質的除去が可能で、面線源23を用いても十分精度の良い吸収補正が可能で、半導体検出器25の持つ計数率特性の良さを含め感度の高い吸収補正のための収集が可能である。
これらを総合し、被検体の被爆量が少なく、かつ短時間に吸収補正のため収集が可能で、面線源23の線量の設計によっては通常のSPECT収集と同時に行なえる特徴の他、通常のSPECT収集時間の数分の1の吸収補正のための収集時間で補正のための収集が終わり、更に通常の収集に対する面線源からのクロストーク成分を減らすことも可能となる。なお、十分吸収補正のための収集時間が通常収集時間と比較し短いなら、吸収補正のための収集と通常収集を時分割で行ない、両者の収集精度を上げることも可能である。
またこの吸収補正システム(面線源23、半導体検出器25、その他移動機構等を含む)が物理的に架台11に設置されているため、SPECTの連続又はSTEPあるいは、回転半径固定/最近接軌道、頭部SPECT/全身(心臓)SPECTどの場合でも吸収補正のための収集を行なうことが可能、また同補正のための収集においてTEWで代表される散乱線補正を本半導体検出器ユニットあるいはSPECT収集に用いられる検出器に適用してやることにより更に理想的な定量的解析が可能な補正を実現することが可能である。
本発明の効果をまとめると次の通りである。
(1)従来の吸収補正では、本来SPECTとして使用するメイン検出器を利用し吸収補正を行なうことに起因する様々な問題があったが、吸収補正用の専用検出器として半導体検出器を用いるため小型でかつ本来のSPECT収集に対する影響が少なくかつ同時にSPECT/吸収補正を実施することが可能である。
(2)従来のSPECT装置に簡単に取付けることが可能である。
(3)半導体検出器のエネルギー分解能が極めて高いため吸収補正の精度が向上する。
(4)面線源の前側に鉛製ウインドあるいはコリメータを設置することにより、通常のSPECT収集に面線源からの散乱線の飛び込みの影響が減る他、被検体の被爆量が減る。
(5)本発明では頭部SPECTでも心臓SPECTあるいは他のSPECTでも同じ方法で吸収補正を行なうことが可能である。
(6)SPECT収集モードが連続収集あるいはSTEP収集、最近接軌道収集であっても吸収補正を行なうことが可能となる。
(7)吸収補正を行わないときは、面線源ならび半導体検出器を被検体から退避させて、面線源を遮蔽しあるいは取り外すことにより極めて簡便かつ被爆に対する安全性を確保することが可能となる。
なお、本実施形態は次のように変形可能である。図11に示すように、メイン検出器15,17が架台11に内蔵されたタイプにも、吸収補正システム(面線源23、半導体検出器25、その他移動機構等を含む)を適用することができる。この場合、架台11の回転部に固定されたレール71に面線源23が移動可能に取り付けられ、図示しないが反対側にも半導体検出器25が同様のレールに取り付けられる。このレール71の一端側に面線源23の格納庫47が設けられる。
また、上述の説明では、面線源23及び半導体検出器25はZ方向に長く、Y方向に移動可能に設けているが、Y方向に長く、Z方向に移動可能に設けてもよいし、図12に示すように、一方のメイン検出器15の検出面と被検体Pとの間に面線源23をX方向に長く、メイン検出器の検出面に沿ってY方向に移動可能に設けてもよい。
また、上述の説明では、同じ大きさの面線源23と半導体検出器25とを平行に向き合わせ、パラレルなガンマ線を検出するようにしたが、図13に示すように、面線源23’の放射面を半導体検出器25の検出面よりZ方向に短くし、これに合わせて半導体検出器25にファンビームコリメータ73を取り付けるようにしてもよい。このようなファンビーム状にガンマ線を検出する方式は、小児、小動物、頭部等の比較的サイズの小さい対象に対して、半導体検出器25の空間分解能を向上させる点で好適である。この場合、スライドアーム27に対し面線源23と小さい面線源23’とを交換可能とし、半導体検出器25に対しパラレルコリメータとファンビームコリメータ73とを交換可能とすることにより、対象の大きさに応じていずれの方式も適用できる。
また、3つのメイン検出器が3角形に配置されたSPECT専用器でも、吸収補正システム(面線源23、半導体検出器25、その他移動機構等を含む)を適用することができる。この場合、図14に示すように、3角の頂点で隣り合うメイン検出器75,77の間に矩形の面線源23をY方向に沿って配置し、面線源23に対向するメイン検出器79の検出面に沿って半導体検出器25が移動可能に設けられる。
また、上述の説明では、半導体検出器25の出力に基づいて吸収補正データを作成するようにしているが、図15に示すように、ガンマ線の計数値が2次元で取得され、また角度毎に取得されているので、半導体検出器25の出力に基づいて角度毎にガンマ線の透過画像を生成することも可能である。同様に、半導体検出器25の出力に基づいて断層像を再構成することも可能である。
また、面線源23としては、図16(a),(b)に示すように、放射ガンマ線のエネルギーの相違する複数種類、例えば57Coと 241Amの2種の面線源241 ,242 を長軸に沿って交互に配置したり、2種の面線源241 ,242 を短軸に沿って並列するようにしてもよい。
また、面線源23を、被検体内の放射線同位元素とは異なるエネルギーのガンマ線を放出するようにし、半導体検出器25の出力に所定のウインドウ処理を施して被検体内の放射線同位元素から放出されたガンマ線の計数値(エミッション計数値)と、面線源23から放出されたガンマ線の計数値(トランスミッション計数値)とをそれぞれ求めても良い。この半導体検出器25の出力に基づくエミッション計数値をメイン検出器15の計数値に加算して、被検体内の放射性同位元素の分布像を求めることにより、良好な画像を得ることができる。このように半導体検出器25の出力に基づくエミッション計数値とメイン検出器15の計数値とに基づいて、被検体内の放射性同位元素の分布像を求める方法は、図12のように半導体検出器25がメイン検出器15の検出面全面を移動する場合に有効である。なお、吸収補正は、トランスミッション計数値を用いて、半導体検出器25の出力に基づく計数値とメイン検出器15の計数値都の加算値を補正すればよい。また、加算前にそれぞれの計数値をトランスミッション計数値を用いて補正してもよい。
また、図17(a),(b)に示すように、半導体素子31を長軸方向(Z軸方向)に沿って一定のスペース(デッドスペース)を隔てて離散的に配列して半導体検出器25を構成してもよいし、また同様に図18(a),(b)に示すように、線源24を長軸方向(Z軸方向)に沿って一定のスペース(デッドスペース)を隔てて離散的に配列して面線源23を構成してもよし。この場合、半導体検出器25や面線源23の移動方向(短軸方向(Y軸方向))に直交する向き(長軸方向(Z軸方向))と平行に、上記デッドスペースの距離だけ往復移動する機構を介してアームに半導体検出器25や面線源23を設け、吸収補正データ収集期間中には半導体検出器25や面線源23をZ軸方向に揺動しながらY方向に沿って移動させることにより、線源24を稠密に連続的に配置した場合と同様の機能を達成することができる。その他本発明は上述した実施形態に限定されることなく、種々変形して実施可能である。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
11…架台、13…回転板、15,17…メイン検出器、19,21…アーム、23…面線源、25…半導体検出器、27,29…スライドアーム。
Claims (2)
- 被検体に投与された放射性同位元素から放射されるガンマ線を検出するための光電子増倍管を備えるメイン検出器と、
ガンマ線を放出する線源と、
前記線源から放出され、前記被検体を透過したガンマ線を検出する半導体検出器と、
前記メイン検出器の出力と前記半導体検出器の出力とに基づいて前記放射性同位元素の体内分布を画像化する処理部と、
前記メイン検出器に対して前記半導体検出器を移動させるものであり、前記メイン検出器の検出面の法線方向に沿って前記半導体検出器を移動する移動機構とを具備したことを特徴とする核医学診断装置。 - 被検体に投与された放射性同位元素から放射されるガンマ線を検出するための光電子増倍管を備えるメイン検出器と、
ガンマ線を放出する線源と、
前記線源から放出され、前記被検体を透過したガンマ線を検出する半導体検出器と、
前記メイン検出器の出力と前記半導体検出器の出力とに基づいて前記放射性同位元素の体内分布を画像化する処理部と、
前記メイン検出器に対して前記半導体検出器を移動させるものであり、前記メイン検出器の検出面の法線に直交する方向に沿って前記半導体検出器を移動する移動機構とを具備したことを特徴とする核医学診断装置。
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JP2010510489A (ja) * | 2006-11-16 | 2010-04-02 | コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ | 折り畳み式の核医学ガントリ |
JP2011027601A (ja) * | 2009-07-27 | 2011-02-10 | Dainippon Printing Co Ltd | 放射線画像処理装置、放射線画像処理方法及び放射線画像処理プログラム |
JP2015222193A (ja) * | 2014-05-22 | 2015-12-10 | 株式会社島津製作所 | 放射線測定装置 |
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2004
- 2004-12-10 JP JP2004358919A patent/JP4071765B2/ja not_active Expired - Fee Related
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