JPS6113547Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は炉外の装入台上にある材料を炉内に装
入するだけでなく、炉内にある材料を炉外の装入
台まで逆送できるようにしたことを特徴とする可
逆式ドツグ付の装入装置に関する。

従来のフロントチヤージ型ウオーキング式加熱
炉はプツシヤー式の装入機を使用し、装入テーブ
ル上に搬送されてきた材料をエントリースキツド
上にプツシングして可動ビームで炉内へと搬入し
ていた。

従来のプツシヤー式装入機を第５図に示してい
る。本図によつて従来から行なわれてきた材料装
入方法を説明すれば次のとおりである。

すなわち、装入側ローラーテーブル２８上に搬
送されてきた材料Ｍはプツシヤー２９のプツシン
グヘツド（フインガー）３０によつてエントリー
スキツド２７上の適当な位置（炉外に突き出した
可動ビーム２２′で受けとれる位置）までプツシ
ングした後、可動ビーム２２′の前進運動（上昇
→前進→下降→始点復帰）によつて炉内方向へと
順次搬送する。可動ビーム２２′はサポート２
３′および可動フレーム２４′に支えられる駆動ロ
ーラ２５で上下駆動される前後運動は他のアクチ
ユエータで駆動されるが省略している。

上記の如く、従来のプツシヤー式装入機は加熱
炉２０の装入扉２１を材料厚み分の高さと可動ビ
ームの上昇量との合計高さ以上常時開放する必要
があつた。また炉外に突き出している可動ビーム
２２′のため、加熱炉前面壁下に可動ビーム開口
３１を備えねばならなかつた。

さらにプツシヤー２９のプツシングヘツド（フ
インガー）３０は材料Ｍを押す方向にのみ力を出
しうる構造となつており、炉内にある材料を炉外
に引き出す必要が生じた場合、特殊治具を使用
し、手動操作により難行していた。

前記で明らかなように、従来のプツシヤー式装
入機は加熱炉装入側の開口面積を大きくし、炉の
熱効率を悪くする原因となつていたばかりでな
く、炉外から炉内へ材料を装入するだけで、炉内
の材料を炉外へ引き出す作業が円滑に行なえない
欠点を有していた。

上記の問題に対処した前後進する装入腕に昇降
機能を付加して行なういわゆるチルチングチヤー
ジヤーと呼ばれる装入機（図示していない）もあ
るがこのチルチングチヤージヤーは炉外にある材
料を炉内まで一定量上昇させて移載した後、パス
ライン（P.Lから）から一定量下降して始点に復
帰するから上昇および下降を行なう行程量だけ余
分に装入扉を開放することになり、開口面積を大
きくすることになり、開口時間を可及的短縮する
ことで熱損失を少しでも低減させている。

また上記チルチングチヤージヤーは装入側ロー
ラーテーブル２８上に搬送されてきた材料が斜に
なつていることもあるから、修正作業を行なつた
後、装入腕を上昇→前進→下降→始点復帰させる
ため、各工程が複雑となり装入作業が急ピツチの
場合、時間的な問題を生ずることになり、さらに
昇降機能と前後進機能を複合して備えているため
保守、点検整備要素を多くする欠点を有してい
た。

本案は上記の如き欠点を有利に解消したもので
あり、その要旨とするところは加熱炉において炉
長方向へ進退自在とした材料装入装置における装
入腕の先端に略Ｖ字状のドツグを軸着し該ドツグ
をドツグ操作軸に連結し回動可能とし材料を加熱
炉内へ装入あるいは炉前へ逆送させるごとくなし
たことを特徴とする加熱炉の材料装入装置であ
る。

即ち本案は昇降機能を有しないで炉外の装入台
上にある材料を可逆式ドツグの前進動作により炉
内の固定ゲーム上に移載するだけでなく、炉内の
固定ビーム上にある材料でも遠隔操作によつて可
逆式ドツグの向きを変え後進動作により炉外の装
入台上へ移載すると共に材料の装入作業かまたは
抽出作業を実施ていないときは、装入扉をほとん
ど完全に閉止させられるようにしたこと、および
ラツクピニオン等機械的同期機構をもつアクチユ
エータ操作の可逆式ドツグ付装入腕を主に構成し
たことを特徴とするウオーキング式加熱炉におけ
る装入装置である。

次に本考案の詳細を以下図面に示す実施例装置
によつて説明する。

第１図は本考案装入装置の正面（側面）図であ
り、炉外の装入台上にある材料を炉内へ装入する
直前の状態を示している。この状態までの作業は
材料台１８上に加熱炉２０の内部材料配列と近似
的に同じく置かれた一群の装入材料Ｍ（他の材料
置場から材料台１８上への材料移載はクレーンに
よる図示していない。）の中から加熱炉２０へ装
入すべき材料単位（１本かまたは複数本づつ）ご
と、材料台１８上の材料を長さ方向の位置と平行
度を保ちながら搬送装置（クレーン等）の吊具１
９によつて装入台１７上へ移載する。装入腕８は
ドツグ１の押し側がパスライン（P.L）上に出て
おり、装入台１７上の材料Ｍを押せる状態にして
いる。装入腕８は複数の上部案内輪１４および下
部案内輪１５にガイドされ、アクチユエータ等の
駆動源１２と連結金具１１で連接されている。装
入腕８はその下部にラツク１０を備えたピニオン
９とかみあわせ同期軸１３（第３図参照）で結合
させておくことによつて複数本の装入腕８の機械
的同期をとつている（電気的な同期または油圧的
な同期等をとる場合、ピニオン９、ラツク１０お
よび同期軸１３による機械的な同期をとらないこ
ともできる。）。

加熱炉２０内に材料Ｍの装入スペースがあり、
可動ビーム２２がパスライン（P.L）以下にあ
り、装入扉２１の所定開放となり、搬送装置（ク
レーン等）の吊具１９が退去状態となる等装入台
１７上の材料Ｍの装入条件が満足されれば材料Ｍ
は装入指令信号によつて第１図中、仮想線で示す
ように加熱炉２０内の適正位置、すなわち可動ビ
ーム２２が材料Ｍを受けとれる位置の固定ビーム
３２上まで移載される。

第２図は本考案装入装置の正面（側面）図であ
り、炉内の固定ビーム上にある材料を炉外へとり
出す場合の直前の状態を示している。炉内材料Ｍ
は可動ビーム２２によつて逆送可能範囲で装入扉
２１近くまで移載されたものである。装腕８はド
ツグ１の引き側をパスライン（P.L）上に出すこ
とにより固定ビーム３２上の材料Ｍを引き出せる
状態にしている。

装入台１７上にスペースがあり、可動ビーム２
２がパスライン（P.L）以下にあり、装入扉２１
が所定開放となる等固定ビーム３２上の材料Ｍの
炉外への引出条件が満足されれば材料Ｍは引出し
指令信号によつて第２図中仮想線で示すように装
入台１７上の適正位置、すなわち搬送装置（クレ
ーン等）の吊具１９で材料Ｍが払い出せる位置ま
で移載される。

第３図は本考案装入装置の平面図であり、複数
の装入腕が各々、装入腕駆動源（アクチユエー
タ）１２で駆動される状態を例示している。装入
腕８は前記した如くピニオンラツクを介し同期軸
１３によつて機械的に同期される状態を例示して
いるが、電気的同期または油圧的同期等がとれる
場合はピニオンラツクを介した同期軸１３は略す
こともできるし、同期軸１３をとる場合の装入腕
駆動源（アクチユエータ）１２は出力等設計条件
を満足することによつて１組とすることもできる
し、必要に応じて１組以上複数組とすることもで
きる。

第４図ａは本考案装入装置のドツグ部を示す詳
細な側面図でありドツグ１がパスライン（P.L）
以下にドツグ操作源（アクチユエータ、モータ
等）４によつてリモートコントロールでセツトさ
れている状態を示している。

前記の状態においてはパスライン（P.L）上の
材料を押すことも、引くこともしない。すなわち
材料の下を自由に通過することができることから
ドツグ１の起立についての位置およびタイミング
を自動制御することによつて第４図ｂまたは第４
図ｃの如き任意の移載手段を選択することができ
る。

ドツグ１はドツグ回転軸７で支えられ、ストツ
パ５と６の間を揺動しうる構造となつている。ド
ツグ１はドツグ操作ピン２を介し、ドツグ操作金
具３に連接され、ドツグ操作源（アクチユエー
タ、モータ等）４によつて、第４図ａの中立状
態、第４図ｂの押し状態および第４図ｃの引き状
態に制御しうるようになつている。装入台１７は
固定スキツド３２と同一パスライン（P.L）を形
成しているから材料Ｍを炉外から炉内まで装入す
る場合も、また逆に材料Ｍを炉内から炉外まで引
き出す場合でも連続した道床条件を満足してい
る。

可動ビーム２２は炉外には出さない構成として
いることから可動ビーム２２のための炉壁部開口
はとくべつに不要である（第５図可動ビーム開口
３１参照）。

装入腕８が加熱炉２０内に出入りするために必
要な開口２６は必要であるが装入腕８が炉外にあ
る場合、装入扉２１はほとんど完全閉止できるか
ら炉内からのガス噴出および炉外からの外気侵入
はほとんど完全に遮断できる。

装入台１７は固定スキツド３２と前記した如
く、連続した道床を形成しているが、装入台１７
は位置が固定されており、装入扉２１で完全閉止
する際の支障とならないようにすることができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は本考案装置の側面図、第３図
は本考案装置の平面図、第４図ａ，ｂ，ｃ，ｄは
本考案装置の作動状態図、第５図は従来装置の側
面図である。 １……ドツグ、２……ドツグ操作ピン、３……
ドツグ操作金具、４……ドツグ操作源（アクチユ
エータ、モータ等）、５……ドツグの引き操作時
ストツパー、６……ドツグの押し操作時ストツパ
ー、７……ドツグ回転軸、８……装入腕、９……
ピニオン、１０……ラツク、１１……連結金具、
１２……装入腕駆動源（アクチユエータ、モータ
等）、１３……同期軸、１４……装入腕上部案内
輪、１５……装入腕下部案内輪、１６……案内輪
取付フレーム、１７……装入台、１８……材料
台、１９……搬送装置（クレーン等）の吊具、２
０……加熱炉、２１……装入扉、２２……可動ビ
ーム、２３……同上サポート、２４……可動フレ
ーム、２５……駆動ローラー、２６……装入腕通
過口、２７……エントリースキツド、２８……装
入側ローラーテーブル、２９……プツシヤー、３
０……プツシングヘツド（フインガー）、３１…
…可動ビーム開口、３２……炉内固定ビーム、Ｍ
……装入材料、P.L……パスライン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 加熱炉において炉長方向へ進退自在とした材料
   装入装置における装入腕の先端に略Ｖ字状のドツ
   グを軸着し該ドツグをドツグ操作軸に連結し回動
   可能とし材料を加熱炉内へ装入あるいは炉前へ逆
   送されるごとくなしたことを特徴とする加熱炉の
   材料装入装置。