JPS6113201Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は材料の送り途上の材料の長さに対応し
て重錘の重量を漸減し一サイクルごとに加工領域
に材料を供給する装置に関する。

従来、重錘の自重を介して材料を加工領域に送
る方式においては、材料の送り途上の材料の長さ
とは無関係に不変の重量を維持した重錘を用いて
いるため、材料が短かくなるにしたがつて材料の
静止状態においては材料に対する負荷が大きくな
り材料が撓んだり、また、材料がチヤツクから解
放されストツパに当接する際の衝撃はストツパの
破損と材料のはねかえりを招き、製品寸法に大き
な影響を与えることがある。また、重錘が支柱に
懸垂され相当の落差をもつて落下し、対物もしく
は人と接触事故の危険がありそのために落下スト
ロークの周囲には安全カバーが設置されているも
のがある。本考案では上記の欠点を除去すること
を目的とするもので材料の送り途上の材料の長さ
に対応して重錘の重量が規則的に減少し円滑に供
給すると共に重錘の落差を小さくし上記の危険を
防止したことにある。

以下、本考案について実施図に基づき説明す
る。

１は工作機械２の主軸３と同一軸線上にかつ主
軸後方の材料の送り軌道上に配置された材料供給
装置で材料の末端を支持し重錘の落下にともなう
索体の懸引により一サイクルごとに材料を加工領
域に押出す方式を具備している。さらに詳細に説
明すると、材料支持具である材送管４内に軸方向
に移動自在で先端に回転自在に受座を設けた送り
棒５が装備され、送り棒５には送り棒５を材料の
送り方向に引張る索体６と、送り棒５を原位置に
引戻す索体７を結ぶ尾片５ａが材送管４より外部
もしくは内部に設けられている。送り棒５を材料
の送り方向に引張る索体６の一端を尾片５ａに結
んだ索体６の他端は材料の送り前進側に設けたロ
ール８に懸架され反転して材料の送り後方に伸び
てロール９に懸架され重錘収納箱１０の係止部１
０ａに結ばれている。他方、送り棒５を原位置に
戻す索体７の一端を尾片５ａに結んだ索体７の他
端は材料の送り後方側に設けたロール１１に懸架
され反転して材料の送り前進方向に伸びて材料の
送り前進側に設けた巻戻しリール１２に結ばれて
いる。重錘収納箱１０には索体６を懸架した動滑
車１３に懸垂された重錘１４が収められて材料の
長さに応じた材料の送り荷重に相当する重量の重
錘１４が用いられている。材料の送り荷重をＱと
すると、これに要する張力ＰはＱ＝Ｐよりこれを
動滑車の原理に当てはめて、動滑車１３は材料の
送り荷重Ｑに対して（Ｐ＝Ｗ／２）の関係に立つて重 錘収納箱１０内に定滑車１５と交互に水平に組合
せて各々複数個配置されている。各動滑車１３に
懸垂された重錘１４の相互の重量は材料の長さに
対応する荷重と等しい重量順に配列されている。
したがつて材料が短かく成るにしたがつて送り棒
の推力は軽減される。１６は重錘収納箱１０の上
部に設けられ重錘１４の昇り上限を規整するスト
ツパ。

次にその作用効果について説明する。

材料は送り棒５に押されて一サイクルごとに加
工領域に供給されるが、送り棒５が前進し棒材を
送り出さなくなつた状態ではすべての重錘１４が
重錘収納箱１０の底面に接地している。新らた
に、新規の材料の材送管４内に装着するために、
巻戻しリール１２を介して索体７を巻取り送り棒
５を原位置に後退させなければならない。この送
り棒が後退し索体６，７の引戻しと同時に最も軽
い重錘１４が重錘収納箱１０の接地面から引き揚
げられ重錘収納箱１０のストツパ１６に接する
と、次々に重錘１４の軽い順に動き出しすべての
重錘１４がストツパ１６に接する。この索体の巻
戻し時には巻戻しリール１２はラチエツト方式に
より逆回転が阻止され送り棒５は停止される。送
り棒５が原位置に復帰し棒材が材送管４内に装着
され棒材の末端が送り棒５の受座に保持され材料
の送り準備が完了すると、巻戻しリール１２のラ
チエツトをはずし自由にすると、まずはじめに最
も重い重錘１４が下がりだし重錘１４が重錘収納
箱１０の接地面に接する。この間、他の重錘１４
はストツパ１６に規整され静止しているが重錘１
４が底面に接することにより同様に次に重い重錘
が動きだしすべての重錘１４が次々に段階的に下
り送り棒５の前進が阻止される状態まで下がる。
このように重錘の降下は段階的であり棒材の長さ
すなわち重量に対応して材料の送り出しの推力を
軽減することができる。したがつて棒材の送り長
さの定寸を決める材送ストツパの衝撃を緩和する
ことができしかも重錘は落差の小さい収納箱に収
まつているので落下時の安全が図れる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の重錘を用いた棒材供給装置の
実施図。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 重錘を用いて材料を一サイクルごとに加工領域
   に供給する装置において、複数の動滑車１３の
   各々に異なる重量の重錘１４が懸架され、各々の
   動滑車１３は定滑車１５を介して索体７により互
   いに連結され、索体７の一端は材料の送り部に他
   端は固定部に各々取付けられ、各々の重錘１４は
   材料の長さにより変化する送り込みに対する抵抗
   に対応する重量を有し、各々の動滑車１３はスト
   ツパ１６によつて上方への移動が制限されると共
   に重錘１４が重錘収納箱１０底面に当接すること
   により下方への移動が制限され、各々の動滑車１
   ３の上下移動幅は材料の送りに伴う索体７の総走
   行量より小であることを特長とする工作機械にお
   ける重錘を用いた材料供給装置。