JP2001354196A - 重量物空中搬送装置 - Google Patents
重量物空中搬送装置Info
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Abstract
囲の空間で自在に搬送でき、ワイヤ張力とワイヤ巻取り
動力の軽減も可能にする重量物空中搬送装置を提供す
る。 【解決手段】 木材などの重量物6を吊り下げても十分
な浮力を有する気球1を設け、この気球1を地上の少な
くとも4点の位置から軽量高張力ワイヤ2によって係留
し、この気球1のワイヤ2による係留位置に、各ワイヤ
2を巻き取る巻取機3を各々配置する。これらのワイヤ
巻取機3を駆動するサーボモータ5と、このサーボモー
タ5を制御する数値制御装置4とを設け、このワイヤ巻
取機3を駆動するサーボモータ5を数値制御装置4で同
時駆動制御する。
Description
物を吊り下げても十分な浮力を有する気球を空中に係留
し、その気球により木材などの重量物を吊り下げて、現
在地点から目的の搬送先へ移動させる気球を用いた重量
物空中搬送装置に関する。
気球の牽引ロープを、手動操作式巻取機でロープの出入
り量を調整しながら、重量物を現在地点から目的の搬送
先へ移動させる技術が報告されている。例えば、特開昭
57−4452号公報に開示されているように、主ロー
プと少なくとも2本の副ロープとにより互いに離れた3
点で係留され浮上した気球に、懸垂杆を水平に懸架さ
せ、この懸垂杆に巻揚装置を懸架し、この巻揚装置から
係止装置を懸垂させて、この係止装置に搬送物を接続し
て吊り上げ移送させるようにしてなる作業装置が提案さ
れていた。さらに、この気球には、岩石あるいは水袋等
の重量体による重錘が取り付けられていた。
公報に開示されているように、1個の十分な浮力を有す
る気球を地上の3点の位置から繋留索によって繋留し、
前記3点の位置に数値制御式自動索条巻取機を各々配し
て、前記繋留索を出入可能とすると共に気流などの外乱
による気球の振れを防ぐため繋留索の緩み感知装置を備
え、前記気球を空中の所定位置に静止させるようにした
気球繋留方法も提案されている。この場合、繋留索を常
時緊張させ、気球に取り付けた撮影カメラ等の静止やそ
の他位置制御を目的としたものであった。
4452号公報に開示されたものでは、気球に吊り下げ
た搬送物の移動操作は手動操作式であり、移動範囲も繋
留位置の係留ロープの3点で囲まれた範囲内であり、搬
送可能範囲が狭いものであった。さらに、気球の浮力調
整は、搬送物にあわせて自動的に調節するものではな
く、係留ロープの巻取り動力の軽減を可能にしたもので
もない。
開示されているものでは、地上の3点の位置に数値制御
式自動索条巻取機を各々配して、気球の繋留索を出入可
能にし搬送物の位置制御機能を備えているが、この場合
3点で係留して気球の静止状態を維持させるものであ
り、気球による重量物等の搬送を目的としたものではな
いので、搬送可能範囲は狭いもとなる。
みて成されたもので、木材などの重量物を吊り下げた気
球を広い範囲の空間で自在に搬送でき、ワイヤ張力とワ
イヤ巻取り動力の軽減も可能にする重量物空中搬送装置
を提供することを目的とする。
重量物を吊り下げても十分な浮力を有する気球を設け、
この気球を地上の少なくとも4点の位置から軽量高張力
ワイヤによって係留し、この気球のワイヤによる係留位
置に、上記各ワイヤを巻き取る巻取機を各々配置し、こ
れらのワイヤ巻取機を駆動するサーボモータと、このサ
ーボモータを制御する数値制御装置とを設け、このワイ
ヤ巻取機を駆動するサーボモータを数値制御装置で同時
駆動制御する重量物空中搬送装置である。
げる重量に見合った分を重量バランス弁により自動排水
し予め定めた残存浮力を有した後、この重量バランス弁
を閉じるようにしたものである。また、気流などの外乱
による浮力変動の影響を防ぐため、遠隔操作で上記水袋
の排水口を閉じ残存浮力を保ち、ワイヤ張力とワイヤ巻
取動力の軽減を可能にした浮力調整装置を備える。さら
に、気球の下部に重量物吊り範囲を拡大できる遠隔操作
式ワイヤ巻取機を設けたものである。
した袋であり、具体的には気体としてヘリウムガスを用
いることができる。また、ワイヤは、スチール製ワイヤ
の外、より軽量で、スチール製ワイヤに近い引張り強度
を持つワイヤが好ましく、具体的には商品名ケブラー等
と金属線を撚り合わせたものや、このケブラー等で形成
した軽量高張力ワイヤを用いることができる。
ーボモータを制御する数値制御装置は、移動先までの移
動量と移動速度を数値化し移動先へ向かって正確に演算
をしながらサーボアンプへ指令値を送信し、サーボモー
タを制御するものである。この数値制御装置は、高機能
機種になると4軸以上の同時制御を可能とする。
力が小さい場合は不要であるが、気球が大型で木材など
の重量物の搬送用に用いられる場合は、気球の下部に水
袋を備え、吊り下げる重量に見合った分を重量バランス
弁により自動排水し、予め定めた残存浮力を備えること
ができる。これにより、ワイヤ張力とワイヤ巻取り動力
の軽減になる。
中搬送装置の実施の形態について、図面を基にして説明
する。図1はこの発明の一実施形態の重量物空中搬送装
置を示し、図示する様に、搬送物である木材などの重量
物6を吊り下げても十分な浮力を有する気球1を設け、
この気球1を地上の4点の位置から軽量高張力ワイヤ2
によって係留する。気球1には、ヘリウムガスが充填さ
れている。この4点の係留位置にはワイヤ巻取機3を各
々配置し、ワイヤ2を出し入れ可能にすると共に、これ
らのワイヤ巻取機3を、数値制御装置4で制御されるサ
ーボモータ5でワイヤ巻取機3を駆動する。なお、各サ
ーボモータ5は、数値制御装置4と制御用ケーブル4a
で接続されている。
値制御装置4により、4点に配置したサーボモータ5で
駆動されるワイヤ巻取機3を同時制御することによっ
て、気球1で吊り下げた木材などの重量物6を広い空間
で移動自在(停止,上下,前後・左右,斜行等の移動)に
搬送することができる。
置7を、図2を基にして示す。この水バランス式浮力調
整装置7は、中心の全荷重吊り下げ棒8が気球1の浮力に
より、貯水袋9内の水10と吊り下げる木材などの重量物6
を合わせた全荷重を受け止める。全荷重吊り下げ棒8に
は、ばね11を内蔵した重量バランス弁機構20が設け
られている。重量バランス弁機構20は、貯水袋9内に
開口した開口部12を有し、全荷重吊り下げ棒8が挿通
された本体22と、予め設定した残存浮上力(気球1の
浮力に対して、重量物6と貯水袋9内の水10、その他
の荷重との差)が得られた状態で排水開口部12が閉じ
られるように設定されたばね11を備えている。ばね1
1は、本体22内で重量物6による荷重がけられるよう
に設置され、本体22の排水開口部12と全荷重吊り下
げ棒8の排水口13とが連通及び閉鎖可能に設けられて
いる。全荷重吊り下げ棒8の排水口13は、下端部の排
水口15に連通し、下端部の排水口15には、本体22
の側面に設けられた排水阻止装置24が位置している。
体22にかかる荷重が、ばね11の支え力より大きい場
合は、ばね11を水バランス式浮力調整装置7の本体2
2が押し下げ、水バランス式浮力調整装置7の排水開口
部12と中心の全荷重吊り下げ棒8の排水口13が連通
し、貯水袋9から水10が排水される。そして、排水が
進み、水バランス式浮力調整装置7にかかる荷重とばね
11の支え力とが同一になると、排水口13に対して本
体22がばね11の反発力により上昇し、排水口13と
排水開口部12とが一致しなくなり、排水は止まる。
重がばね11の支え力より小さい場合は、排水口13が
閉じられたままとなっており、貯水袋9の注水口14か
ら注水の必要がある。このような状況は、木材などの重
量物6を地上の台車の上に降ろす時に発生する。ここ
で、注水量の加減は、排水口13から排水が始まること
で察知できる。注水後は、遠隔操作で排水阻止装置24
を作動させ、排水口15を閉じることができる。
球1の吊り下げ重量が30,000N(ニュートン)であり残存浮上
力を5,000Nに設定した場合、空荷時の水袋の重量は25,
000N必要である。ここで、木材などの重量物6の重量が
20,000Nの場合、上記機構により吊り上げ時に自動的に
20,000Nの水を排水することになる。
阻止装置24は、気球1で吊り下げた木材などの重量物
6が移動開始や停止動作の際、その他気流の流れの変化
などで振られた結果、吊り下げ重量が変動する場合の排
水を止めるものである。これにより、負荷荷重の変動の
度に排水が行なわれことを防ぎ、残存浮上力を予め定め
た設定値に保つ。
メカ的な例を示すが、気球1を用いた重量物空中搬送装
置の、予め設定した残存浮上力を得るものであれば、電
気的制御を行う電磁弁機構を用いても良く、排水構造
や、重量バランス弁の構造も適宜設定可能である。
使用方法に付いて図3〜図6を基にして説明する。ま
ず、数値制御装置4による同時制御は、例えば図3に示
すように、サーボモータ付ワイヤ巻取機3A,3Bを、
2軸同時水平化移動制御すると、ワイヤ巻取機3Aのワ
イヤ2を緩めながら一方のワイヤ巻取機3Bのワイヤ2
が巻取られ、気球1が図上のaの位置から順次bを経て
cの位置まで水平移動する。
量物6を吊り下げる遠隔操作式のワイヤ巻上機18を備
えても良い。これにより、4台のワイヤ巻取機3をワイ
ヤ2の許容引張り力で巻き上げても、重量物6が谷間V
等の低い位置にあるため気球1を地上まで誘導すること
ができない場合などに、吊り下げワイヤ26を延ばして
重量物6をフック28に引っ掛けて搬送することができ
る。
6に示すように、所定の4個所でワイヤ2を巻き取り可
能に備え、気球1は4本のワイヤ2により所定の高度で
浮遊するとともに、例えば重量物6である木材の切り出
しにおいては、各モータ5を駆動して各ワイヤ2を巻き
取りまたは繰り出して所定の位置まで搬送させる。これ
により、道路のない場所でも木材等の重量物6はフック
28により吊り下げられて、搬出可能となり、搬出口で
待機しているトラック30に積み込むことができる。
配置台数を4台としたので、木材などの重量物6の搬送
範囲を大きくとることができ、さらに、4個所以上に設
置しても良い。また、軽量高張力ワイヤ2を用いたの
で、大きな空間で気球1を係留した場合も、ワイヤ2の
重量が嵩み搬送重量が削減されるのを防ぐことができ
る。
取機3の巻取り制御を数値制御装置4により行っている
ので、4台のワイヤ巻取機3の制御を正確に行うことが
でき、手動操作による誤操作を防止することができる。
また、数値制御装置4は、気球の移動先を一定間隔の量
を累積しながら変更することができ、戻る位置の固定化
等のプログラムが組みやすく、危険エリアの回避インタ
ーロックが組める等、反復作業は人より勝るものであ
る。さらに、オペレータによる移動先の修正が必要な場
合は、手動介入も可能である。
ので、山にある川から水を容易に手に入れることが可能
であり、水を山に排水しても害にならない。
などの重量物を大きな空間で移動自在に搬送することが
でき、地上を進むときの障害物の多さに比べ搬送経路と
して制約が少ない。特に、植林された木の伐採等におい
ては、植樹された場所が急斜面であっても、容易に木材
等の重量物の搬出が可能となる。しかも搬出作業は、安
全で安価、かつ迅速に木材などの重量物を大きな空間で
自在に移動できる。
ことにより、簡単な機構でワイヤにかかる負担を軽く
し、位置制御を容易にすることができる。
斜視図である。
ス式浮力調整装置の正面図(a)と水バランス式浮力調
整装置の拡大縦断面図(b)である。
を示す概略図である。
状態を示す概略図である。
上機を示す正面図である。
を示す斜視図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 搬送物を吊り下げても十分な浮力を有
する気球を、地上の少なくとも4点の位置からワイヤに
よって係留し、この気球のワイヤによる係留位置に、上
記各ワイヤを巻き取る巻取機を各々配置し、これらのワ
イヤ巻取機を駆動するモータと、このモータを制御する
制御装置とを設け、上記各ワイヤ巻取機を制御して上記
搬送物を空中で移動可能としたことを特徴とする重量物
空中搬送装置。 - 【請求項2】 上記気球はその下部に水の注水と排水
が可能な袋を備え、この袋の水量を調節して浮力調整可
能としたことを特徴とする請求項1記載の重量物空中搬
送装置。 - 【請求項3】 上記袋は、注水と排水が可能に設けら
れた浮力調整装置を備え、この浮力調整装置は、搬送物
を吊り下げる際にその重量と釣り合う浮力になるまで排
水する重量バランス弁と、この重量バランス弁からの排
水を止める排水阻止装置を設けたことを特徴とする請求
項2記載の重量物空中搬送装置である。 - 【請求項4】 上記気球は、その下部に搬送物を吊り下
げる遠隔操作式ワイヤ巻取機を備えたことを特徴とする
請求項1,2又は3記載の重量物空中搬送装置。
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