JPS6113051B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、スクリユーアースオーガーにより予
じめ矢板挿入孔を掘削し、その内部へ銅矢板を油
圧ジヤツキ機構により圧入する矢板杭打方法の改
良に関するものである。

従前から、矢板打込工事に於ける騒音や振動を
防止するために、スクリユーアースオーガーによ
つて予じめ矢板挿入孔を掘削し、その内部へジヤ
ツキ機構により矢板を圧入する工法が広く採用さ
れている。

而して、この種の杭打機にあつては、一般にベ
ースマシーンの自重と、打込済み矢板をアンカー
として利用することにより、矢板圧入時の反力が
受止められている。

然し乍ら、上述の如き方法では、ジヤツキ機構
の矢板圧入力を増強させると、ベースマシーンが
浮き上るか或はアンカー用の矢板が抜け上り、加
え得る矢板圧入力に限度があつて杭打作業の能率
が悪く、その上長尺矢板の場合には、円滑に矢板
の圧入ができないという欠点があつた。

一方、出願人は先きに、ベースマシーンに反力
受け用のアースオーガースクリユーを別途に装備
し、これによつて矢板圧入時の反力を受止める方
式の杭圧入機を開発し、特願昭50−93383号とし
て公開した。

然し乍ら、反力受け用のアースオーガースクリ
ユーを別途に装備することは、杭圧入機自体が大
型となる他に、固定用アースオーガースクリユー
の打込みに多くの時間を必要とする上、更に広い
作業スペースを必要とし、作業能率が悪く且つ狭
隘な場所では施工ができないという欠点があつ
た。

本発明は、矢板杭打工事に於ける上述の如き欠
点を除去し、矢板圧入時の反力を、打込済み矢板
と地中へ貫入させたスクリユーとによつて受止
め、矢板圧入力を増強してもベースマシーンが浮
き上らないようにすると共に、アンカー用のスク
リユーによつて矢板挿入孔を予堀するようにし
て、作業能率を著しく向上させ得る矢板杭打方法
の提供を第一の目的とするものである。

又、本発明は、打込矢板と予堀される矢板挿入
孔の中心が、矢板打込線イに並行な直線上に来る
ようにして、ベースマシーン１を後退させ、リー
ドマスト４を左右へ僅かに偏位させるだけで連続
的に矢板杭の打込みができ、作業スペースを最小
限に押え得る矢板杭打工法の提供を第２の目的と
するものである。

以下、第１図乃至第３図に示す本発明の一実施
例に基づいて、その詳細を説明する。

第１図は、本発明の実施に使用する矢板杭打機
の側面概要図であり、第２図は、第１図Ａ―Ａ視
に於ける拡大断面概略図である。図に於いて１は
ベースマシーン、２は支持フレーム、３はキヤツ
チフオーク、４はリードマストである。リードマ
スト４は鋼板を円筒状に加工して成るものであ
り、地面と垂直にベースマシーン１により支持さ
れ、その内周面４ａに沿つて、スクリユーアース
オーガー５が昇降自在に装着されている。リード
マスト４の下方部内周面４ａには、環状のスクリ
ユーアガイド体４ｂが固定されており、該スクリ
ユーガイド体４ｂによつてスクリユー５ｂが支持
され、スクリユーアースオーガー５の自重及びス
クリユー回動による推進力によつて地中へ嵌挿さ
れて行く。尚、７はアースオーガー５ａの引上用
ウインチ、８は引上ワイヤーである。

リードマスト４の下方前部には、矢板圧入装置
９が回動自在に装着されており、該矢板圧入装置
９は、油圧モータ１０の回動によりギヤー装置１
０′を介して、リードマスト４を支軸として任意
の方向へ回動できる。矢板圧入装置９は、第２図
に示す如く上方が開放された四角状の外部枠体９
ａの中に、矢板保持ケース９ｂを上下方向に摺動
自在に装着して成るものであり、該矢板保持ケー
ス９ｂの上面に外部枠体９ａ内に固定した圧入シ
リンダー装置１５のロツド先端を固定し、該圧入
シリンダー装置１５によつて下方へ押圧されるよ
うになつてい。なお、本実施例に於いては、圧入
シリンダー装置１５として２本の油圧ピストンを
使用している。

矢板保持ケース９ｂ内には、矢板１３との接当
側に刻面を形成し背部側を斜面としたチヤツク体
１４ａと、チヤツク体１４ａの背面斜面と噛合う
傾斜面を形成した楔体１４ｂが第２図の如く配設
されており、該楔体１４ｂを矢板保持ケース９ｂ
の上部内壁に固定した２本のチヤツクシリンダー
装置１４にて下方へ押圧することによつて、矢板
１３を挾圧保持する構成となつている。

矢板１３は吊込ワイヤー１２によつて引上げら
れ前記外部筒体９ａの上方より矢板保持ケース９
ｂ内へ挿入されて、チヤツク体１４ａによつて挾
圧保持される。更にチヤツクシリンダー装置１４
によつて矢板１３を保持した矢板保持ケース９ｂ
は、前記圧入シリンダー装置によつて下方へ押圧
され、外部筒体９ａの内周面に沿つて摺動する。

１６は、矢板圧入装置９に下端部が左右に僅少
量移動しうるように支持されたアンカーチヤツク
装置であつて、ピストンロツド１６ａの先端に支
持ピン１６ｃを介してチヤツク体１６ｂが固着さ
れており、ロツド１６ａの伸長により打込済み矢
板１３′の上端部を挾持するように構成されて
い。尚、第１図に於いて１８は矢板吊上用ウイン
チである。第３図は、本発明による矢板打込方法
の概要を示すものであり、矢板１３の打込みに当
つては、先ずベースマシーン１の中心軸ロを矢板
列の中心軸イと合致させ、リードマスト４を地面
に対して垂直に支持する。

次に、矢板列の中心軸イから略矢板の耳片と等
しい間隔ｌの位置に、第１番の矢板挿入孔Ａをス
クリユーアースオーガー５によつて穿孔し、該矢
板挿入孔Ａの穿設後ベースマシーン１を略矢板一
枚幅Ｓだけ後退させ、矢板挿入孔Ａと対向する側
に矢板挿入孔Ｂを穿孔する。

矢板挿入孔Ｂの穿設後、ベースマシーン１を略
矢板一枚幅Ｓだけ後退させ、且つスクリユーアー
スオーガー５の中心を矢板挿入孔Ｃの中心と一致
させる。その後矢板１３を吊込みワイヤー１２で
吊上げて矢板圧入装置９内を挿通させ、その下端
部を矢板挿入孔Ａへ臨ましめて所定の位置に立込
み、チヤツクシリンダー装置１４を作動して矢板
保持ケース９ｂにより矢印１３を保持固定する。
尚、この時油圧モータ１０を駆動して矢板圧入装
置９を回動させ、矢板１３の打込み位置を微調整
する。

矢板１３の立込完了後、スクリユーアースオー
ガー５により第３番目の矢板挿入孔Ｃを掘削し、
スクリユー５ｂを地中へ嵌挿した状態に保持して
これをベースマシーン１のアンカーとして利用
し、圧入シリンダー装置１５とチヤツクシリンダ
ー装置１４を交互に操作して最初の矢板１３′を
圧入する。

第一枚目の矢板１３′の圧入が完了すれば、ス
クリユーアースオーガー５を引上げ、ベースマシ
ーン１を略矢板一枚幅Ｓだけ後退させ、リードマ
スト４を第４番目の矢板挿入孔Ｄ上へ移動させ
る。その後２枚目の矢板１３を吊上げて矢板圧入
装置９内を挿通させ、矢板圧入装置９により位置
調整を行ないつつその下端部を矢板挿入孔Ｂ内の
所定の位置へ立込み、チヤツクシリンダー装置１
４により矢板１３を挾圧保持する。

次に、スクリユー５ｂを地中へ嵌挿させて矢板
挿入孔Ｄを穿孔し、穿孔完了後も前記スクリユー
５ｂをそのまま地中に残すと共に、打込済みの矢
板１３′へアンカーチヤツク装置１６のチヤツク
体１６ｂを固着させ、打込済みの矢板１３′とス
クリユー５ｂとの両方でベースマシーン１のアン
カーを取る。その後圧入シンンダー装置１５とチ
ヤツクシリンダー装置１４とを交互に作動させて
矢板１３の圧入を行ない、圧入の完了後矢板一枚
幅Ｓだけベースマシーン１を後退させる。

上述の如き操作を繰り返すことにより、矢板１
３を連続的に打込んで行く。尚、第１図及ぼ第２
図においては、スクリユー５ｂと矢板圧入装置９
とアンカーチヤツク装置１６との相互間隔は、所
定の矢板幅に適合するよう固定されているが、相
互間隔を調整できるようにして任意の幅の矢板を
使用可能にしたり、矢板の挿入位置をより細かく
調整し得るようにもできることは勿論である。

本発明は上述の通り、打込済みの矢板１３′と
地中へ貫入させたスクリユー５ｂとによつて、矢
板圧入時の反力を受止めるようにしたから、矢板
圧入装置９の圧入力を増強してもベースマシーン
１の浮き上りを生ずることがなく、迅速かつ円滑
に矢板１３の圧入ができ、作業能率の著しい向上
を図り得ると共に長尺矢板でも円滑に圧入するこ
とができる。

又、本発明に於いては、アンカー用として地中
へ貫入させたスクリユー５ｂにより矢板挿入孔
Ｃ，Ｄ……等が予堀されるようになつており、こ
れによつても作業能率が大幅に向上する。

更に、打込矢板１３と予堀した矢板挿入孔の中
心が、矢板打込線イに並行な直線ハ，ハ′上に来
るようになつており、ベースマシーン１を後退さ
せてリードマスト４を左右に僅かに偏位させるだ
けで、矢板杭の打込みができ、幅広の作業スペー
スを必要とすることもなく、狭隘な場所でも連続
的且つ能率よく矢板杭の打込みを行なうことがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の実施に使用される矢板杭打
機の側面図であり、第２図は、第１図Ａ―Ａ視に
於ける拡大断面概要図である。第３図は、本発明
による杭打方法の実施を示す説明図である。 １はベースマシーン、４はリードマスト、５は
スクリユーアースオーガー、５ａはアースオーガ
ー、５ｂはスクリユー、９は矢板圧入装置、９ａ
は外部筒体、９ｂは矢板保持ケース、１３は矢
板、１３′は打込済み矢板、１４はチヤツクシリ
ンダー装置、１５は圧入シリンダー装置、１６は
アンカーチヤツク装置、１６ｂはチヤツク体、
Ａ，Ｂ，Ｃ，Ｄは矢板挿入孔、Ｓは矢板幅、イは
矢板打込中心線、ロはベースマシーンの中心線。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ベースマシーン１に支持されたリードマスト
   ４内のスクリユーアースオーガー５により、矢板
   打込線イから一定距離ｌの位置に掘削した矢板挿
   入孔Ｂ内へ矢板１３の下端部を立込み、リードマ
   スト４の下方部に装着した矢板圧入装置９により
   該矢板１３を挾圧保持し、その後矢板圧入装置９
   に装備したアンカーチヤツク装置１６を打込済み
   矢板１３′の上端部へ固着させると共に、矢板挿
   入孔Ｂと略矢板幅Ｓ離れた位置に矢板挿入孔Ｄを
   穿設してスクリユー５ｂを貫入状態に保持し、該
   スクリユー５ｂと打込済み矢板１３′とを反力受
   けとして矢板圧入装置９により矢板１３の圧入を
   行ない、矢板圧入後ベースマシーン１を略矢板幅
   Ｓ後退させると共にリードマスト４を横方向へ偏
   位させ、打込済み矢板１３′と矢板挿入孔Ｄを予
   堀したスクリユー４ｂとにより矢板圧入反力を受
   止めつつ矢板１３を連続的に圧入することを特徴
   とする矢板杭打方法。