JPS6112213Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は犬糞等の汚物の拾い取りに用いる用具
に関するものである。

本考案の目的は、犬を散歩させる時等において
犬がした糞等の汚物を手を汚さずにワンタツチで
簡単確実に拾い取りし得る簡便な用具を提供する
ことにある。

本考案に係る用具の構成の特徴は、図面に実施
例を示す如く、少なくとも一端に開口部２を有す
る筒状ケース１の内部に、少なくとも一部が弾性
材から形成された汚物把み取り用部材３を滑動自
在に収容してなり、前記汚物把み取り用部材３が
前記滑動によつて前記ケース開口部２に出入自在
であつて実質上くの字形に曲折形成された互いに
対向する一対の把み爪片部分５，５を先端部に有
しており、前記一対の把み爪片部分５，５が前記
弾性材の弾性によつて互いに前記ケースの開口部
２の内幅より開き加減に付勢されており、前記一
対の把み爪片部分５，５が前記ケースの開口部２
への出入により開き閉じされるようにしてなるこ
とにある。

以下本考案に係る用具を図示の実施例について
より詳細に説明する。

図示の用具は、主要には、筒状ケース１と、こ
れに滑動自在に収容の汚物把み取り用部材３とを
もつて構成されている。

筒状ケース１は、筒状をなす四周側壁と上部蓋
壁とを有し、下端部のみを開口させて開口部２を
形成した横断面形状が略々長方形の四辺形である
筒箱状のものとして形成されている。この筒状ケ
ース１の大きさ寸法は拾い取りすべき犬糞等の汚
物の大きさ等に鑑みて適当に設定され、その形成
素材は例えば硬質合成樹脂等のなるべく丈夫で軽
量の適当な素材であるものとされる。なお、この
筒状ケース１は、上記の上部蓋壁をないものとす
ることで下端部だけでなく上端部にも開口部を有
するものとしてもよい。

またその上記の横断面形状も好ましくは略々長
方形の四辺形であるが、これ以外にも惰円形や更
に極端には円形等の適当な形状にすることができ
る。

一方、把み取り用部材３は、上記筒状ケース１
の幅の広い側の対向側壁の幅に略々対応する幅を
有するところの、適当な弾性材からなる適当に薄
く硬く丈夫な弾性を有する一枚の板材を曲折成形
することによつて形成されている。即ちこの把み
取り用部材３は、上記弾性を有する一枚の板材
を、その中央部において上記筒状ケース１の対向
側壁間の間隔、即ち内幅に対応させて横断面逆Ｕ
字状に２つ折り状に湾曲曲折させることによつて
形成した湾曲上部４を有するものとしてある。そ
してこの把み取り用部材３は、更に上記湾曲上部
４に連なつて対向させた板材の両片部を、それら
の中間部又はやや下寄り部分で夫々外側に向つて
開き状に斜め下向きに曲折させると共に、更にそ
のように曲折させた両片部の下部を、それらの下
端の先端部付近で夫々内側に向つて斜め下向きに
曲折させることによつて湾曲上部３よりも外側に
膨むように横断面形状が略々くの字形に曲折形成
された互いに対向する一対の把み爪片部分５，５
を下部の先端部に有するものとしてある、なお、
この把み取り用部材３を形成する弾性材として
は、硬質合成樹脂をはじめ金属その他の適当に硬
く丈夫で弾性を有するものであれば、種々適当な
材料を用いることができる。また下部の先端の一
対の把み爪片部分５，５の横断面形状は、略々く
の字形に曲折形成されていれば、これが明確な折
目をもたない滑らかな湾曲状に曲折形成されてい
てもよいものであつて、例えば滑らかな円弧状に
湾曲したものとして曲折形成されていてもよいも
のである。

上述のようにして湾曲上部４によつて互いに一
体的に連なつた略々くの字形の一対の把み爪片部
分５，５を下部の先端部に有するものとして弾性
を有する板材をもつて曲折形成された把み取り用
部材３は、その湾曲上部４の側を筒状ケース１の
下端の開口部２から嵌挿することにより、筒状ケ
ース１の内部に略々適合状態に上下滑動自在に収
容するものとしてある。

しかして把み取り用部材３は、筒状ケース１の
内部における筒状ケース１に沿つた上下滑動にお
いて、ほぼ全体的に筒状ケース１の内部に没入し
た状態と、その一部である下部の先端部が筒状ケ
ース１の下端の開口部２から下に突出した状態を
とり得るようになつており、このようにして下部
の先端部の一対の把み爪片部分５，５が筒状ケー
ス１の下端の開口部２に出入自在になつている。

ここにおいて、とくに、把み取り用部材３は、
その下部の先端部の一対の把み爪片部分５，５
が、筒状ケース１の対向側壁の間の間隔としての
内幅に対応した筒状ケース１の下端の開口部２の
内幅よりも外側に向つて互いに開き加減に付勢さ
れているものとしてある。即ち把み取り用部材３
は、その湾曲上部３を筒状ケース１の対向側壁の
間の間隔としての内幅よりも外側に向つて開き加
減の湾曲曲折度に曲折成形するか、又はこの湾曲
上部３の湾曲曲折度に関係なく、その下部の先端
部の一対の把み爪片部分５，５の夫々を、それら
の湾曲上部３へ連なる外側への曲折部において、
それ以外の部分が筒状ケース１の下端の開口部２
の内幅よりも互いに広く外側に向つて膨らみ開か
れるような開き加減に形成することにより、いず
れにしてもそれらの形成素材である弾性を有する
板材によるところの自体の弾性によつて下部の先
端部に形成の把み爪片部分５，５が互いに離反す
る方向に筒状ケース１の下端の開口部２の内幅よ
りも外側に向つて開き加減に付勢されたものとし
て形成してある。

これによつて、把み取り用部材３は、筒状ケー
ス１に対する出没の上下滑動において、その下部
の先端部の一対の把み爪片部分５，５が筒状ケー
ス１の下端の開口部２から下に突出されたときは
それらの先端が互いに拾い取りすべき犬糞等の汚
物よりも広い間隔に離反した状態に開く一方、筒
状ケース１の下端の開口部２に上に向つて引込ま
れたときはそれらの先端が互いにほぼ接するよう
な近接状態に閉じるものとしてある。なおここ
で、一対の把み爪片部分５，５は、筒状ケース１
の開口部２に引込まれるとき、それらの先端が互
いに近接状態に閉じられさえすれば、必ずしもそ
の開口部２からケース１の内部に完全に没入され
るものとする必要はなく、少なくともその一部が
没入されるものとすればよいものである。

以上の構成において、好ましくは、上記の把み
取り用部材３の筒状ケース１に対する抜け止めと
上下滑動の操作案内のための滑動操作案内手段６
が設けられる。その手段６は、例えば、少なくと
も把み取り用部材３の所定の滑動ストロークに対
応した長さでその滑動方向に対応する上下方向に
のびる案内スロツト７を筒状ケース１の一側壁に
形成し、このスロツト７にこれに沿つて滑動自在
につまみ状ノブ等の適当な形状の操作子として形
成した滑動子８を外側から内側に向けて嵌装し、
この滑動子８を把み取り用部材４の側部の中間部
等に固定取付けしてなされるものとされる。また
これ以外にも、その滑動操作案内手段６は、例え
ば、把み取り用部材３の上部等の適所に棒状や板
状その他の適当な引き押し操作手段を取付けて、
これを筒状ケース１の上部から上方に突出させて
なるようなものとする等にでき、その他適当な構
成のものにできる。またそのような手段６とは別
に、例えば、筒状ケース１の内面の側壁等の適所
に適当数の凸条や溝条からなる案内条を設け、こ
の案内条に係合する切欠部や突起部からなる係合
部を把み取り用部材３に設けることにより、それ
らによつて把み取り用部材３が案内されて所定の
滑動作用が安定的になされるようにする等のこと
が必要に応じて可能である。またこの構成用具
は、携帯や保管に便なように、例えば筒状ケース
１の上部等の適所に適当な吊具９や取手を設ける
等のことが必要に応じてなされ得る。

かくして以上の構成の用具によれば、第１図及
び第２図に示されるように、把み取り用部材３を
下降させて先端部の一対の把み爪片部分５，５を
筒状ケース１の下端の開口部２から突出させ開い
た状態で、筒状ケース１を手で把持し、地面等の
面Ｆ上にある犬糞等の汚物１０に対し、その汚物
１０を間に位置させるような形で開いた一対の把
み爪片部分５，５の先端を向け、そのまま筒状ケ
ース１を面Ｆに向けて押し付けるように押圧する
だけの操作によつて汚物１０を即座にワンタツチ
で確実に拾い取ることができる。即ち、筒状ケー
ス１を面Ｆに向けて押圧すれば、第３図に示され
るように、一対の把み爪片部分５，５が、それら
の先端を面Ｆに接して押圧されることによつて、
筒状ケース１の下端の開口部２から内方に向けて
押し込まれ、このように押し込まれると同時にそ
れらの先端を近接する状態に閉じられるので、そ
れらの先端で汚物１０が面Ｆ上からすくい取られ
るような形で把み取られて筒状ケース１の内部に
引込まれることとなり、このようにして面Ｆ上に
ある汚物１０を、これに向けての筒状ケース１の
押し操作だけでワンタツチで確実に拾い取りでき
るものである。

従つてこの用具によれば、とくに犬を散歩させ
る時等において携帯することで、犬がした糞の厄
介な拾い取りを、片手操作だけで手を汚さずに即
座にワンタツチで楽に確実にでき、非常に便利で
あり、その他同様にして犬糞に類するような種々
の汚物の拾い取り掃除にも適用することができて
至極簡便なものである。

またこの用具によれば、上記の使用操作におい
て、合成樹脂薄膜製袋等の適当な汚物パツク用袋
１１を第２図と第３図に仮想線で示すように裏返
し状に筒状ケース１の下端の開口部２側から被装
し、その袋１１の底部を一対の把み爪片部分５，
５の間から内部に押し込んでおくようにすること
で、その袋１１を介して用具自体をも汚すことな
く汚物１０を袋１１の中に収め取りするような形
で把み取りすることができ、把み取つた後は、用
具を上下逆転させて一対の把み爪片部分５，５を
突出させ開いた状態で袋１１を反転させて抜き取
るような操作によつて汚物１０を袋１１にパツク
した状態で取り出し、所望の放棄場所に拾てるよ
うな使用ができるものである。これにより汚物の
拾い取りから放棄まで一貫して手及び用具自体を
も完全に汚すことのない操作使用ができるもので
ある。この場合、袋１１は複数枚を重ね合わせに
して用具に被装しておくものとすることができ
る。このようにすれば一回の汚物の拾い取り操作
の都度に袋１１を被装するような手間がはぶけ、
汚物の一回の拾い取り操作毎に一枚の袋と共にパ
ツク状態で取り出すようにして袋の重ね被装枚数
に応じて手を汚さず連続的に順次繰返し拾い取操
作することができて便利である。

なお以上の用具の構成において、把み取り用部
材３は必ずしもその全体を弾性材から形成する必
要がないものであつて、先端部の一対の把み爪片
部分５，５が筒状ケース１の開口部２の内幅より
開き加減に付勢されるに足るだけのものとして少
なくとも一部に弾性材を適用して形成すればよい
ものである。即ち、例えば、把み取り用部材３
は、図示の実施施例における湾曲上部３に相当す
る上部を弾性を有さない材料で貼当形状のものと
して形成し、これに一対の把み爪片部分５，５を
弾性材からなるものとして取付けてなるものとし
たり、或は逆に上部を弾性材からなるものとし
て、これに弾性を有さない材料からなる一対の把
み爪片部分５，５を取付けて形成するものとした
り、さらには弾性を有さない材料から形成された
一対の把み爪片部分５，５′を拡張付勢するよう
な圧縮コイルばねその他のばねのような形で弾性
材を上部とは別に付加的に有してなるものとした
りする等に構成することが可能である。

以上の説明の通り、本考案になる用具は、犬糞
等の汚物を手を汚さずにワンタツチで簡単に確実
に拾い取りできるものであつて、構成が簡単で実
用上非常に便利なものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る用具の一実施例を示すもの
で、第１図は開き状態における斜視図、第２図は
その縦断面図、第３図はその閉じ状態における縦
断面図である。 １……筒状ケース、２……開口部、３……汚物
把み取り用部材、５……把み爪片部分、６……滑
動操作案内手段、９……吊具、１０……汚物、１
１……汚物パツク用袋。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 少なくとも一端に開口部２を有する筒状ケース
   １の内部に、少なくとも一部が弾性材から形成さ
   れた汚物把み取り用部材３を滑動自在に収容して
   なり、前記汚物把み取り用部材３が前記滑動によ
   つて前記ケースの開口部２に出入自在であつて
   略々くの字形に曲折形成された互いに対向する一
   対の把み爪片部分５，５を先端部に有しており、
   前記一対の把み爪片部分５，５が前記弾性材の弾
   性によつて互いに前記ケースの開口部２の内幅よ
   りも開き加減に付勢されており、前記一対の把み
   爪片部分５，５が前記ケースの開口部２への出入
   により開き閉じされるようにしてなることを特徴
   とする犬糞等の汚物拾い取り用具。