JPS6112118B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は自動車用空気圧縮機、特に同圧縮機の
シリンダヘツドに関している。

自動車用空気圧縮機は空気ブレーキを装備した
車両に多年にわたり用いられている。この型の空
気圧縮機においては、比較的高い吐出空気温度が
圧縮機内にカーボンを形成させるという問題が生
じる。シリンダヘツド特にカーボン形成が極めて
有害となる圧縮機の弁装置付近の空気温度を低下
させるため、多数の異なつた構造が提案されてい
る。

本発明の目的は、空気圧縮機のシリンダヘツド
内の圧縮空気収容空所と冷却液収容空所との間の
熱伝達面積を増大させると共に、圧縮空気を有効
且つ最大限に冷却できるようにすることにある。

それ故、本発明によると、内部に少なくとも一
つのシリンダを形成するハウジングと、上記シリ
ンダ内に摺動自在に嵌装されたピストンと、内部
に冷却液収容空所及び圧縮空気収容空所を有する
上記ハウジングのためのヘツド組立体と、上記シ
リンダと上記圧縮空気収容空所との間の連通を制
御する弁装置とを包含し、上記ヘツド組立体が上
部壁と、下部壁と、上記上部及び下部壁を相互に
連結し、周囲空気に連通する外面を有する外周壁
とを含んでいるものにおいて、上記上部及び下部
壁を連結する内周壁の少なくとも一部分が上記外
周壁に対して横方向に延び、上記圧縮空気収容空
所が上記横方向に延びた内周壁部分の上側に位置
し、上記冷却液収容空所が上記横方向に延びた内
周壁部分の下側に位置していることを特徴とする
空気圧縮機が提供される。

上記構成によると、冷却液収容空所が圧縮空気
収容空所の下側にあつて、内周壁の表面積を大き
くとることができ、又、圧縮空気収容空所からの
熱は外周壁を介して周囲空気へ放散されると同時
に、内周壁部分を介して冷却液へ放散され、従つ
て圧縮空気を有効且つ最大限に冷却することがで
きる。又、冷却液収容空所は、温度勾配が最大で
あるシリンダの壁の直ぐ上側に位置することがで
きるので、冷却液による冷却効果を最大とするこ
とができる。

本発明の一実施例を添付図面を参照して詳細に
説明する。

第１図において、総括的に符号１０で示されて
いる空気圧縮機はシリンダヘツド１２とシリンダ
ブロツク１４とを含む。シリンダブロツク１４は
ピストン１８を摺動自在に収容する一つ又はそれ
以上のシリンダ又はシリンダボア１６を具えてい
る。クランクシヤフト２０はブロツク１４内に回
転自在に装架され、ピストン１８は当業技術者に
周知の適宜な態様でクランクシヤフト２０に連結
されている。クランクシヤフト２０は圧縮機１０
を装着している車両のエンジン（図示しない）に
よつて回転せしめられる。シリンダヘツド又はヘ
ツド組立体１２は各ピストン１８のための弁座２
２と弁部材２４とを含む。ばね２６が各弁部材２
４を弁座２２に弾性的に密封係合せしめて、所定
の圧力レベルが発生するまでビストン１８の上部
に形成される可変容積室からシリンダヘツド１２
への連通を阻止している。弁座２２と弁部材２４
は一般に圧縮機吐出弁装置と呼ばれる。ピストン
１８の下降行程時大気空気がシリンダ内に吸入さ
れてピストンの上昇行程時に圧縮される。

第２図及び第３図において、シリンダヘツド１
２は上部壁２８、下部壁３０及び同上部及び下部
壁２８と３０を相互に連結する外周壁３２を含
む。又、総括的に符号３４で示されている内周壁
は上部及び下部壁２８と３０を相互に連結し、外
周壁３２の内面３８と協働して総括的に符号４０
で示されている圧縮空気収容空所を限界する外面
３６を具えている。第２図に示されているよう
に、圧縮空気収容空所４０は圧縮機吐出弁部材２
４の一方上に位置する第１部分４２、他の圧縮機
吐出弁部材２４上に位置する第２部分４４及び空
気吐出口４８に連通する第３部分４６を含み、吐
出口４８は圧縮空気収容空所４０を車両上に支持
されている適宜の貯蔵器（図示しない）に連通し
ている。第３図に最も明瞭に示されているよう
に、内周壁３４は又上部壁２８の内面５２と協働
してそれらの間に室を限界する外周壁３２に対し
て横方向に延びた部分５０を含む、上記室は圧縮
空気収容空所４０の各部分４２，４４と４６を連
結する。内周壁３４は外周壁３２と協働して圧縮
空気収容空所４０の部分４２，４４と４６をそれ
ぞれ限界する部分５４，５６と５８を含む。内周
壁３４はさらに圧縮空気収容空所４０の他の部分
６２を限界して同空所の表面積を増大させる凹み
６０を具えている。

内周壁３４の内面６４は下部壁３０と協働して
総括的に符号６６で示されている冷却液収容空所
を限界する。結果として、冷却液収容空所６６は
全体的に圧縮空気収容空所４０の内側でその下方
に限界される。冷却液収容空所６６は車両のラジ
エータに連結される入口及び出口を形成するポー
ト６８，７０と７２を具えていので、冷却液は冷
却液収容空所６６を通して循環される。

圧縮空気収容空所４０全体的に外周壁３２の内
面３８、上部壁２８の内面５２及び内周壁３４の
外面３６間に限界されていることに注目された
い。もちろん、外周壁３２及び上部壁２８の外面
は全て大気空気にさらされている。その結果、圧
縮空気収容空所４０内の圧縮空気から壁２８と３
２を介して周囲空気へ熱が伝達される。一方、内
周壁３４の比較的広い表面積が圧縮空気収容空所
４０内の圧縮空気と空所６６内の冷却液とにさら
されるように内周壁３４が設置されている。熱伝
達即ち空所４０内の圧縮空気が冷却される率は両
空所４０と６６内の流体にさらされる内周壁３４
の表面積に依存し、壁３４は圧縮空気収容空所４
０と冷却液収容空所６６との間で熱伝達が最大と
なるように設けられている。空所４０内の圧縮空
気の付加の冷却は上述したように周知空気への熱
伝達により提供される。冷却液収容空所６６は全
体的に下部壁３０と内周壁３４の内面６４との間
に限界されているので、ポート６８，７０と７２
によつて占められる面積を除き冷却液収容空所６
６の周壁の僅かな部分がシリンダヘツド１２の外
周壁３２によつて限界されていることに注目され
たい。もちろん、下部壁３０の外面７４はシリン
ダブロツク１４の上端縁に隣接して配置される。
図面に示されているように、壁３０の大部分が空
所６６内の冷却液にさらされている。下部壁３０
によつて限界される空所４０の部分４２，４４と
４６の面積は下部壁３０の内面によつて限界され
る冷却液収容空所６６の面積よりも遥かに小さい
ことが明らかである。その結果、シリンダボア１
６の最上端部の大部分は冷却液収容空所６６内の
冷却液にさらされている。温度勾配はシリンダボ
ア１６と冷却液収容空所６６との間で最も大きく
なるので、熱伝達はこれらの間で最大となり、シ
リンダボア１６及び吐出弁部材２４の冷却が効果
的に且つ確実に行われる。一方、空所４０内の圧
縮空気の冷却は空所４０内の圧縮空気と冷却液収
容空所６６内の冷却液との間の熱伝達及び空所４
０と周囲空気との間の熱伝達により確実に行われ
る。従来技術のシリンダヘツドにおいては、圧縮
空気吐出空所が一般的に冷却液ジヤケツトで囲ま
れているので、熱伝達は全体的に圧縮空気と冷却
液との間でのみ行われていた。本発明において
は、熱伝達は圧縮空気と冷却液との間ばかりでな
く圧縮空気と周囲空気との間でも行われるので、
冷却効果が相当増大する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の原理を具体化したシリンダヘ
ツドを含む自動車用空気圧縮機の側面図で、部分
的に断面で示したもの、第２図は第１図の線２−
２に沿つた断面図、第３図は第２図の線３−３に
沿つた断面図である。 図面において、符号１０は空気圧縮機、１２は
シリンダヘツド、１４はシリンダブロツク、１６
はシリンダボア、１８はピストン、２０はクラン
クシヤフト、２２は弁座、２４は弁部材、２８は
上部壁、３０は下部壁、３２は外周壁、３４は内
周壁、３６は内周壁の外面、４０は圧縮空気収容
空所、４２，４４，４６，６２は圧縮空気収容空
所の部分、４８は空気吐出口、５０は横方向に延
びた部分、５４，５６，５８は内周壁の部分、６
０は凹み、６４は内周壁の内面、６６は冷却液収
容空所、６８，７０，７２はポートを示す。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 内部に少なくとも一つのシリンダを形成する
   ハウジングと、上記シリンダ内に摺動自在に嵌装
   されたピストンと、内部に冷却液収容空所及び圧
   縮空気収容空所を有する上記ハウジングのための
   ヘツド組立体と、上記シリンダと上記圧縮空気収
   容空所との間の連通を制御する弁装置とを包含
   し、上記ヘツド組立体が上部壁と、下部壁と、上
   記上部及び下部壁を相互に連結し、周囲空気に連
   通する外面を有する外周壁とを含んでいるものに
   おいて、上記上部及び下部壁２８，３０を連結す
   る内周壁３４の少なくとも一部分５０が上記外周
   壁３２に対して横方向に延び、上記圧縮空気収容
   空所４０が上記横方向に延びた内周壁部分５０の
   上側に位置し、上記冷却液収容空所６６が上記横
   方向に延びた内周壁部分５０の下側に位置してい
   ることを特徴とする空気圧縮機。 ２ 上記冷却液収容空所６６が上記外周壁３２の
   少なくとも一部分によつて形成され、少なくとも
   一つの入口及び少なくとも一つの出口６８，７
   ０，７２が上記外周壁３２の上記部分内に設けら
   れて冷却液を上記冷却液収容空所６６に連通させ
   ていることを特徴とする特許請求の範囲第１項記
   載の空気圧縮機。 ３ 上記上部壁２８の少なくとも一部分が上記内
   周壁３４及び上記外周壁３２と協働して上記圧縮
   空気収容空所４０を形成することにより、同圧縮
   空気収容空所４０内の圧縮空気から上記上部壁２
   ８を通して熱を伝達させるようにしたことを特徴
   とする特許請求の範囲第１項又は第２項記載の空
   気圧縮機。 ４ 上記弁装置２２，２４が上記下部壁３０の部
   分内に配置され、上記下部壁３０の上記部分が上
   記上部壁２８、上記外周壁３２及び上記内周壁３
   ４と協働して上記圧縮空気収容空所４０を形成し
   ていることを特徴とする特許請求の範囲第３項記
   載の空気圧縮機。 ５ 上記下部壁３０の残部が上記外周壁３２及び
   上記内周壁３４と協働しそ上記冷却液収容空所６
   ６を形成していることを特徴とする特許請求の範
   囲第４項記載の空気圧縮機。 ６ 上記シリンダ１６の壁が上記冷却液収容空所
   ６６を形成している上記下部壁３０の面と反対側
   の上記下部壁の残部の面７４に係合することを特
   徴とする特許請求の範囲第５項記載の空気圧縮
   機。 ７ 上記内周壁３４が少なくとも一つの凹み６０
   を具えて同内周壁３４の表面積を増大させている
   ことを特徴とする特許請求の範囲第１項ないし第
   ６項のいずれか１項に記載の空気圧縮機。