JPS61119274A - 血液浄化器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 く利用分野〉 本発明は、中空糸膜の束を内蔵した血液浄化器に関する
ものである。更に詳しくは、該中空糸膜がより均一に分
散された状態で内蔵された血液浄化器に関するものであ
る。

〈従来技術〉 腎不全患者の血液を浄化し、余剰の水分を除去するため
に、血液透析器が使用されている。これは容器の中に透
析膜例えば中空糸膜を多数本収納し、その中空内部に患
者の血液を流し、外部即ち中空糸膜間に透析液を流して
、中空糸膜を介して透析によって、血液中の老廃物を除
去し、電解質濃度を調整すると共に、中空系膜内外に圧
力差を与え、限外濾過によって血液中の余剰の水分を除
去するものである。また限外濾過のみによって、多量の
水分と共に老廃物などを除去し、抜きすぎた水分を電解
質などの必要成分とともに、補給する方法（血液濾過）
も実状に応じて適用されている。ざらに、血液中から血
漿を分離し或いは、その血漿の中から特定の有害成分を
除去して、自己免疫疾患などを治療するために、中空糸
膜を使用することも臨床的に試みられている。

このように、血液処理用の中空糸膜は、目的に応じて物
質を選択的に透過しなければならない。

その性能は、中空糸膜の素材、ポロシティ（孔の大きさ
、数など）膜厚などによって決定される。

しかし、それだけではなく、多数本の中空糸膜を如何に
集束して有効に作用させるかが、性能を決定するポイン
トになる。例えば透析に際して中空糸膜どうしが長さ方
向に沿って接触すると、透析［□お、□１．□、、８□
、。

ず、ある特定の流路を形成することになり、この流れの
作用にあずからないところでは、透析が殆ど行われなく
、効率は低下する。いわゆる透析液側の物質濃度勾配に
よる境膜物質移動係数が低下する状態となる。透析のド
ライビングフォースは中空糸膜の両側の濃度差であるか
ら透析液が中空糸膜の間を均等に流れて境膜抵抗を出来
るだけ減少させ、血液側との濃度差を増大させるように
、中空糸膜を収納し又、中空糸膜自体の形状を工夫する
ことが必要である。

しかるに、従来一般には、中空糸膜の糸束を容器に収納
するに際し、特別の工夫がなされていなく、中空糸の容
器断面内での分布は成り行きにまかされ、不均一なもの
になる可能性が大であった。

特に透析液の入口部即ち透析器の端部での中空糸の分布
の粗密が実際には、大きくなっている。この為に透析器
全体としての透析効率としては理想的な状態からは程遠
いものとなっており、未だ十分改善の余地を残している
。

また透析器端部、特に樹脂で中空糸を固定した　　　　
、１隔壁において中空系を開口せしめた面である血液側
での中空糸の分布状態が不均一で処理する血液量の各中
空糸中への分配に不均一が生じやすく、改善が望まれて
いた。更に血流速度の遅い部分では、血液の凝固性が増
大し易く、透析中の部分的血液凝固ひいては透析終了後
の血液残留という好ましくない結果をひきおこしていた
。

〈発明の目的及び構成〉 本発明はこのような観点に立って、中空糸両端部での中
空糸の分布が均一である事により、血液処理効率が良好
でかつバラツキが小さく又、中空糸中又は、中空糸開口
部付近での血液凝固性、使用後の血液残留度の少ない透
析器を提供することを目的として鋭意検討した結果到達
したものである。

即ち本発明は、中空糸束、容器、血液導入部。

血液導出部及び該中空糸束の両端部を樹脂により該容器
内に固定せしめた隔壁を少くとも有した血液浄化器にお
いて、該隔壁における中空糸束の軸方向に垂直な断面の
少なくとも１面における中空糸の分布が下記式（Ｉ） σ／マ≦０．１　　　　　　・・・・・・（Ｉ）［但し
、又は譲歩なくとも１面において該中空糸が存在する任
意の２０ケ所における４ｍｍ２の面積中に存在する中空
糸数の平均値であり、σは該中空糸数の標準偏差を示す
。］ を満たしたことを特徴とする血液浄化器である。

以下本発明についてさらに詳細に説明する。即ちその特
徴とするところは、中空糸開口部での中空糸分布が均一
な事であり、又その好ましい具体的手段の実施態様例と
して、中空糸長手方向にフィン部を有する中空糸を一定
の範囲の均一な充填状態で容器中に収納することが挙げ
られる。

本発明に言う隔壁における中空系束の軸方向に垂直な断
面であって前記式（Ｉ＞を満足する少なくとも１面は、
該中空糸束の両端部を樹脂により固定した隔壁において
中空糸が存在している部分であればいずれの面であって
もよい。血液を中空糸内部に流通させる形式の血液浄化
器においては、譲歩なくとも１面が血液導入部側の隔壁
におけるものであることが好ましく、特に血液導入部面
して該中空系を開口せしめた面であることが望ましい。

また透析液の導入口を具備した透析型の血液浄化器にお
いては、該受なくとも１面が透析液導入口に近い隔壁に
おけるものであることが好ましい。

また前記（Ｉ）における又は、かかる少なくとも１面に
おいて該中空糸が存在する任意の２０ケ所における４ｍ
ｍ２の面積中に存在する中空糸数Ｘの平均値を表わすも
のであり、σは該中空糸数Ｘの標準偏差を表わす。該中
空糸数Ｘの測定は、該隔壁部において必要に応じて切断
することにより露出せしめた所定の面における該中空糸
が存在する部分について一般にスケール入りの光学顕微
鏡によって行われる。

１本の中空糸の断面が顕微鏡の４ｍｍ２の面積のスケー
ルにより分割される時は、その内側の部分が中空糸全体
の何割かを算出し、スケール内の中空糸本数を合計する
。その為Ｘは、整数ではなく、一般に小数となる。中空
糸及び接着剤の切断面について任意の２０ケ所について
Ｘを測定し、その平均値を又と標準偏差値σがσ／又≦
０．１の関係を満たす時には、前述の如く透析効率が良
好で使用後の残血も少なくすぐれた透析器となる。一方
、この範囲を外れた場合には、中空糸の密集部分や中空
糸の殆ど存在しない空隙部分が局在し、血液及び透析液
の偏流が発生し易い状態になる。特にσ／マ≦０．０５
が満足される場合には、血液残留度が非常に少なくなる
等の優れた効果が得られる。

このようなすぐれた血液浄化器を製造する一つの方法と
して、中空系長手方向にフィン部を有する中空糸膜を一
定の充填率以上で容器に収納する方法がある。ここで充
填率とは、異形中空糸の外周部のフィンがない場合の外
径（小基準の断面積の全中空糸の合計が容器断面積に対
して占める割合である。Ｎを中空糸本数、ｄをフィンの
ない部分の中空系平均外径、Ｄを中空糸を収納する容器
の平均内径とすると、充填率はＮｄ　２　／Ｄ２　Ｘ　
１０Ｇ（％）で表わされる。

フィン付異形中空糸は、例えば特開昭４８−７５４８１
　。

特開昭５６−１４８９０７．特開昭５８−１６９５１０
等にみられるように公知である。しかし、このようなフ
ィン付中空糸の束を充填率３０％以上で容器に充填する
ことにより、フィン部による中空糸間の隔離効果が作用
し、中空糸束を樹脂で固定した場合にその配列分布が著
しくすぐれたものが得られることがわかった。充填率が
３０％未満では中空糸を収納する容器に対し、中空糸の
糸束の１（太さ）が小さすぎ、部分的に中空糸の存在し
ない疎の部分が出来てしまい、血液浄化器としての機能
が低下して好ましくない。また充填率は高いのは、本発
明の目的からは好ましいが、一般に円筒状の容器の中に
大量の中空糸を挿入する作業方法が極めて困難となり、
工業的には実際的ではなく、７０％以下が好ましい。

フィン付異形中空糸の形状、サイズについては特に限定
されるものではないが、フィンの数は１〜１０．更には
２〜７が好ましく、中空糸寸法はフィンのない部分での
外径（ｄ　＞が２００〜３００μフインのない部分の膜
厚は１０〜４０μ、フィンの高さは１０〜６０μである
ものが隔壁部における分布状態が良好で好ましい。フィ
ンの根元の巾は狭いのが望ましいが、中空糸の紡糸原液
が口金から吐出された後、原液の表面張力で根元部分は
広くなる傾向を示し、一般には１０〜５０μが適当であ
る。

本発明の対象となる中空糸膜の素材としては、セルロー
ス、セルロースエステル、ポリアミド。

ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート、ポリメチル
メタアクリレート、ポリオレフィン及びこれらの共重合
体、他の物との混合物などである。

また隔壁として用いられる樹脂は、血液浄化器の隔壁に
通常用いられるいかなるものであってもよいが、例えば
、ポリウレタン樹脂、シリコン樹脂等が好ましい。

尚、本発明の血液浄化器において、容器、血液導入出部
の形状や素材は特に限定されるものではなく、さらに透
析液の導入出口等を有していてもよい。

〈発明の効果〉 本発明に基づき、隔壁部の中空糸を開口させた切断面等
において、前記式（Ｉ）を満たすように中空糸束を分布
せしめた中空糸型血液浄化器は、浄化器端部での中空系
の分布が均一であることにより、血液処理効率が良好で
かつ各浄化器間の透析効率のバラツキが小さく出来る。

また中空糸中又は、中空糸開口部付近での血液凝固性、
使用後の血液残留度の少ない透析器を与えることができ
る。　更に、中空糸を多数本集束し、容器内に充填した
場合、密着した糸の間に微小の空間が出来、この部分へ
の接着剤樹脂の浸透が妨げられて、未接着空間ができや
すいが、本発明に示した如く、例えば、中空糸の長手方
向に延長されたフィンをもった中空糸を使用することに
より、糸の分布を均一にし、少くとも中空糸の密着を防
ぐことにより、上述の接着剤樹脂の浸透を妨げる未接着
空間が形成されにくくなる。尚これら上記の効果は、比
較的充填率の低い場合においても充分に得られるもので
ある。

以下、本発明の内容、効果について実施例によ［り説明
するが、本発明はこれによって特に限定されるものでは
ない。

実施例及び比較例 セルロースジアセテート１００部に対し、ポリエチレン
グリコール（分子＠　３０Ｇ）を５０部加えたものどを
混合し、その混合物を２３０℃で溶融し、３ケと６ケの
フィン付の中空用口金及び通常のフィンのない円環状口
金から紡出し３ケ及び６ケのフィンを有する形状の中空
糸及びフィンを有しない形状の円形中空糸を製造した。

この３種類の中空糸はいづれも中空糸の内径は２００μ
、膜厚さは２５μでフィン部を有する中空糸ではフィン
の高さが３５μであった。これらの中空糸をさらに鹸化
反応の処理を行なって中空糸状透析膜とした。

以上の如くにして得られた３種類の中空糸を同一寸法の
容器内に第１表に示す４填率で充填し、透析器として組
み立てた。　ｉｎ　ＶｉｔｒＯで透析性能を測定し、又
豚血を用いて透析器中を潅流させ、返血後、透析器中に
残留した血液量を測定した。更に組立後の透析器台５０
本について隔壁部での中空　　　　、１糸間の未接着部
分の微小空間によるリーク（管板リークと称する）の発
生する本数をチェックし、それらのデータを表１に示す
。

リークの発生は透析液側に水を充填し、血液側を０．５
にの空気圧をかけ、気泡の発生の有無で判定した。

尚尿素クリアランスの測定は、昭和５７年９月の日本人
工臓器学会ダイアライザー性能評価基準に折性能が向上
し、血液潅流後の白液の残留が少ない。更に、隔壁部接
着副管板部での微小空間によるリークの発生率が少ない
ことがわかる。

（以下余白） 表１

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、中空糸束、容器、血液導入部、血液導出部及び該中
   空糸束の両端部を樹脂により該容器内に固定せしめた隔
   壁を少くとも有した血液浄化器において、該隔壁におけ
   る中空糸束の軸方向に垂直な断面の少なくとも１面にお
   ける中空糸の分布が下記式（ I ） σ／＠ｘ＠≦０．１・・・・・・（ I ） ［但し、＠ｘ＠は該少なくとも１面において該中空糸が
   存在する任意の２０ケ所における４ｍｍ＾２の面積中に
   存在する中空糸数の平均値であり、σは該中空糸数の標
   準偏差を示す。］ を満たしたことを特徴とする血液浄化器。 ２、該中空糸束が、長手方向に延長されたフィンを有し
   た選択透過性異形中空糸であることを特徴とする特許請
   求の範囲第１項記載血液浄化器。 ３、該少なくとも１面が、血液導入部の隔壁におけるも
   のであることを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の
   血液浄化器。 ４、該少なくとも１面が、血液導入部側の隔壁の中空糸
   束を開口せしめた面であることを特徴とする特許請求の
   範囲第１項記載の血液浄化器。