JP2543232B2 - 中空糸型血液処理装置およびその製造方法 - Google Patents
中空糸型血液処理装置およびその製造方法Info
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- JP2543232B2 JP2543232B2 JP2169250A JP16925090A JP2543232B2 JP 2543232 B2 JP2543232 B2 JP 2543232B2 JP 2169250 A JP2169250 A JP 2169250A JP 16925090 A JP16925090 A JP 16925090A JP 2543232 B2 JP2543232 B2 JP 2543232B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (発明の利用分野) 本発明は、中空糸型血液処理装置およびその製造方法
に関するものである。詳しく述べると、中空糸束の中心
部における物質移動処理液の流れが充分確保されてなる
人工腎臓、人工肺等の中空糸型血液処理装置およびその
製造方法に関するものである。
に関するものである。詳しく述べると、中空糸束の中心
部における物質移動処理液の流れが充分確保されてなる
人工腎臓、人工肺等の中空糸型血液処理装置およびその
製造方法に関するものである。
(従来の技術) 従来より中空糸型血液処理装置は、人工腎臓、人工肝
臓、血漿分離装置、人工肺等として広く使用されてきて
いる。このような中空糸型血液処理装置は、例えば人工
腎臓を例にとって説明すると、両端にそれぞれ血液流入
口ポートおよび血液流出口ポートを、また側壁部にそれ
ぞれ透析液流入口および透析液流出口を備え円筒状本体
内に多数の中空糸を収納し、該中空糸の両端に設けられ
た隔壁により該中空糸を前記円筒状本体に固定するとと
もに、前記中空糸を前記各ポートと連通させてなるもの
である。しかして、前記のごとき中空糸型血液処理装置
においては、血液流入口ポートおよび血液流出口ポート
とは色分け等による違いはあったが、内部形状について
は同一のものが使用されている。
臓、血漿分離装置、人工肺等として広く使用されてきて
いる。このような中空糸型血液処理装置は、例えば人工
腎臓を例にとって説明すると、両端にそれぞれ血液流入
口ポートおよび血液流出口ポートを、また側壁部にそれ
ぞれ透析液流入口および透析液流出口を備え円筒状本体
内に多数の中空糸を収納し、該中空糸の両端に設けられ
た隔壁により該中空糸を前記円筒状本体に固定するとと
もに、前記中空糸を前記各ポートと連通させてなるもの
である。しかして、前記のごとき中空糸型血液処理装置
においては、血液流入口ポートおよび血液流出口ポート
とは色分け等による違いはあったが、内部形状について
は同一のものが使用されている。
このような中空糸型血液処理装置は、中空糸膜を介し
て処理されるべき血液中の老廃物(例えば人工透析の場
合には、血液中の尿素等の代謝産物)を拡散の原理によ
って、処理流体側(例えば人工透析の場合には、透析液
側)に移行させる機能を有している。
て処理されるべき血液中の老廃物(例えば人工透析の場
合には、血液中の尿素等の代謝産物)を拡散の原理によ
って、処理流体側(例えば人工透析の場合には、透析液
側)に移行させる機能を有している。
(発明が解決しようとする課題) この拡散現象において律速となるのは、主に膜自身の
抵抗と膜の両側[血液側と透析液側(人工腎臓の場
合)]に生じる境膜抵抗である。しかして、従来の中空
糸型血液処理装置は、中空糸をできるだけ均一に分散し
てハウジング内に収納することを主服として形成されて
いる。このため、例えば人工腎臓を例にとって説明する
と、中空糸束の外周縁部から流入してくる透析液は、外
周部の中空糸に対しては高い流速で接触して物質移動が
行なわれるが、一方、中心部付近の中空糸に対しては低
い流速を形成する傾向となる。すなわち、外周縁部の中
空糸の透析液側の境膜抵抗は小さい傾向を示すが、中心
部の透析液側の境膜抵抗は大きくなり、本来の膜が有し
ている拡散能力を引き出すことができないことが多い。
抵抗と膜の両側[血液側と透析液側(人工腎臓の場
合)]に生じる境膜抵抗である。しかして、従来の中空
糸型血液処理装置は、中空糸をできるだけ均一に分散し
てハウジング内に収納することを主服として形成されて
いる。このため、例えば人工腎臓を例にとって説明する
と、中空糸束の外周縁部から流入してくる透析液は、外
周部の中空糸に対しては高い流速で接触して物質移動が
行なわれるが、一方、中心部付近の中空糸に対しては低
い流速を形成する傾向となる。すなわち、外周縁部の中
空糸の透析液側の境膜抵抗は小さい傾向を示すが、中心
部の透析液側の境膜抵抗は大きくなり、本来の膜が有し
ている拡散能力を引き出すことができないことが多い。
したがって、本発明の目的は、改良された血液処理装
置およびその製造方法を提供することにある。本発明の
他の目的は、中空糸束の中心部における物質移動処理液
の流れが充分確保されてなる人工腎臓、人工肺等の中空
糸型血液処理装置およびその製造方法を提供することに
ある。
置およびその製造方法を提供することにある。本発明の
他の目的は、中空糸束の中心部における物質移動処理液
の流れが充分確保されてなる人工腎臓、人工肺等の中空
糸型血液処理装置およびその製造方法を提供することに
ある。
(課題を解決するための手段) これらの諸目的は、両端にそれぞれ血液流入口ポート
および血液流出口ポートを備えかつ側壁部に物質移動流
体流入口および物質移動流体流出口を備えた円筒状本体
と、該円筒状本体内に収容されるとともに、その両端を
隔壁により該円筒状本体に固定されかつその両端部が前
記両ポートに連通してなる多数の中空糸とよりなる中空
糸型血液処理装置において、該中空糸の前記隔壁におけ
る中心部の充填率が前記隔壁における外周部の充填率よ
りも疎であることを特徴とする中空糸型血液処理装置で
ある。
および血液流出口ポートを備えかつ側壁部に物質移動流
体流入口および物質移動流体流出口を備えた円筒状本体
と、該円筒状本体内に収容されるとともに、その両端を
隔壁により該円筒状本体に固定されかつその両端部が前
記両ポートに連通してなる多数の中空糸とよりなる中空
糸型血液処理装置において、該中空糸の前記隔壁におけ
る中心部の充填率が前記隔壁における外周部の充填率よ
りも疎であることを特徴とする中空糸型血液処理装置で
ある。
本発明はまた、式I 充填比率=B/A (I) [ただし、式中AおよびBは、それぞれ次式 A={(π(0.5d)2×nA] /(D/6)2π}×100(%) B={(π(0.5d)2×nB] /[(0.5)2π−(D/6)2π]}×100(%) (ただし、式中、 Dは隔壁断面における中空糸束の占める円の直径(c
m)、 dは中空糸の外径(cm)、 nAは中心部の中空糸本数、 nBは外周部の中空糸本数、 である)で表わされる中心部充填率および外周部充填率
である]で表わされる充填比率B/Aが1.1〜1.5の範囲で
あり、かつ中心部充填率が20〜50%の範囲である中空糸
型血液処理装置である。本発明はさらに、式Iで表わさ
れる充填比率B/Aが1.2〜1.4であり、かつ中心部充填率
Aが30〜40%である中空糸型血液処理装置である。本発
明はまた、血液処理装置が人工腎臓である中空糸型血液
処理装置である。
m)、 dは中空糸の外径(cm)、 nAは中心部の中空糸本数、 nBは外周部の中空糸本数、 である)で表わされる中心部充填率および外周部充填率
である]で表わされる充填比率B/Aが1.1〜1.5の範囲で
あり、かつ中心部充填率が20〜50%の範囲である中空糸
型血液処理装置である。本発明はさらに、式Iで表わさ
れる充填比率B/Aが1.2〜1.4であり、かつ中心部充填率
Aが30〜40%である中空糸型血液処理装置である。本発
明はまた、血液処理装置が人工腎臓である中空糸型血液
処理装置である。
これらの諸目的は、両端にそれぞれ血液流入口ポート
および血液流出口ポートを備えかつ側壁部に物質移動流
体流入口および物質移動流体流出口を備えた円筒状本体
と、該円筒状本体内に収容されるとともに、その両端を
隔壁により該円筒状本体に固定されかつその両端部が前
記両ポートに連通してなる多数の中空糸とよりなる中空
糸型血液処理装置の製造方法において、中心部の該中空
糸には水溶性の繊維の混在量を多くし、外周部の該中空
糸には水溶性の繊維の混在量を少なくするか、水溶性の
繊維を混在させないでなる中空糸束を用いて前記円筒状
本体にその両端の隔壁において固定し、ついで水または
水溶液を流通させて溶解し、流去させることを特徴とす
る該中空糸の前記隔壁における中心部の充填率が前記隔
壁における外周部の充填率よりも疎であることを特徴と
する中空糸型血液処理装置の製造方法によっても達成さ
れる。
および血液流出口ポートを備えかつ側壁部に物質移動流
体流入口および物質移動流体流出口を備えた円筒状本体
と、該円筒状本体内に収容されるとともに、その両端を
隔壁により該円筒状本体に固定されかつその両端部が前
記両ポートに連通してなる多数の中空糸とよりなる中空
糸型血液処理装置の製造方法において、中心部の該中空
糸には水溶性の繊維の混在量を多くし、外周部の該中空
糸には水溶性の繊維の混在量を少なくするか、水溶性の
繊維を混在させないでなる中空糸束を用いて前記円筒状
本体にその両端の隔壁において固定し、ついで水または
水溶液を流通させて溶解し、流去させることを特徴とす
る該中空糸の前記隔壁における中心部の充填率が前記隔
壁における外周部の充填率よりも疎であることを特徴と
する中空糸型血液処理装置の製造方法によっても達成さ
れる。
本発明はまた、中心部を形成する中空糸束にのみ水溶
性繊維を混在させてなる中空糸型血液処理装置の製造方
法である。
性繊維を混在させてなる中空糸型血液処理装置の製造方
法である。
(作用) 本発明における中空糸型血液処理装置とは、人工腎
臓、人工肝臓、血漿分離装置、人工肺等をいう。したが
って、つぎに図面を参照しながら人工腎臓を例にとっ
て、本発明による中空糸型血液処理装置について説明す
る。
臓、人工肝臓、血漿分離装置、人工肺等をいう。したが
って、つぎに図面を参照しながら人工腎臓を例にとっ
て、本発明による中空糸型血液処理装置について説明す
る。
第1図は、本発明による中空糸型人工腎臓を示すもの
である。すなわち、人工腎臓1は、相対する端部付近に
透析液流入口2および透析液流出口3を備えた筒状本体
4よりなり、該筒状本体4内には中空糸束5が内蔵さ
れ、その両端は、例えばポリウレタン等のポッティング
剤で形成される隔壁6,7が該筒状本体4に固定されてシ
ールされている。該筒状本体4の両開口端には、血液流
入口8および血液流出口9をそれぞれ備えたヘッダー1
0,11がそれぞれねじリング12,13により固定されてい
る。
である。すなわち、人工腎臓1は、相対する端部付近に
透析液流入口2および透析液流出口3を備えた筒状本体
4よりなり、該筒状本体4内には中空糸束5が内蔵さ
れ、その両端は、例えばポリウレタン等のポッティング
剤で形成される隔壁6,7が該筒状本体4に固定されてシ
ールされている。該筒状本体4の両開口端には、血液流
入口8および血液流出口9をそれぞれ備えたヘッダー1
0,11がそれぞれねじリング12,13により固定されてい
る。
しかして、前記隔壁6,7のII−II線に沿う断面をとっ
て説明すると、第2図に示すように、隔壁6(または
7)における中空糸の中心部aにおける中心部充填率A
と中空糸の中心部bにおける外周充填率Bとの充填比率
B/Aが1.1〜1.5の範囲であることが好ましく、特に1.2〜
1.4の範囲であることが好ましい。すなわち、充填比率
が1.1未満では、ほとんどその効果が発現できず、一方
1.5を越えると、主として中心部に血液が流通して同様
に効果の発現が認められないからである。
て説明すると、第2図に示すように、隔壁6(または
7)における中空糸の中心部aにおける中心部充填率A
と中空糸の中心部bにおける外周充填率Bとの充填比率
B/Aが1.1〜1.5の範囲であることが好ましく、特に1.2〜
1.4の範囲であることが好ましい。すなわち、充填比率
が1.1未満では、ほとんどその効果が発現できず、一方
1.5を越えると、主として中心部に血液が流通して同様
に効果の発現が認められないからである。
なお、ここに、中心部充填率Aは、次式 A={(π(0.5d)2×nA] /(D/6)2π}×100(%) で表わされ、また外周部充填率Bは、次式 B={(π(0.5d)2×nB] /[(0.5)2π−(D/6)2π]}×100(%) で表わされる(ただし、式中、 Dは隔壁断面における中空糸束の占める円の直径(c
m)、 dは中空糸の外径(cm) nAは中心部の中空糸本数、 nBは外周部の中空糸本数、 である。) また、中心部充填率Aは20〜50%の範囲であることが
好ましく、特に30〜40%の範囲であることが好ましい。
すなわち、中心部充填率Aが20%未満では、目的に反し
て中心部に偏流が発生して目的を達し得ず、一方、50%
を越える場合には中心部の疎充填効果が発現せず、従来
品との差があまりないからである。
m)、 dは中空糸の外径(cm) nAは中心部の中空糸本数、 nBは外周部の中空糸本数、 である。) また、中心部充填率Aは20〜50%の範囲であることが
好ましく、特に30〜40%の範囲であることが好ましい。
すなわち、中心部充填率Aが20%未満では、目的に反し
て中心部に偏流が発生して目的を達し得ず、一方、50%
を越える場合には中心部の疎充填効果が発現せず、従来
品との差があまりないからである。
なお、中空糸の材質については特に限定されることな
く、例えば人工腎臓の場合には、従来から使用されてい
る再生セルロース、ポリアクリロニトリル、ポリメチル
メタクリレート等であるが、通常は再生セルロースであ
る。
く、例えば人工腎臓の場合には、従来から使用されてい
る再生セルロース、ポリアクリロニトリル、ポリメチル
メタクリレート等であるが、通常は再生セルロースであ
る。
このような本発明の血液処理装置は種々の方法で製造
できるが、一例を挙げると、例えば次のようにして製造
される。すなわち、使用する中空糸に所定の充填率に相
当するだけの水溶性の繊維を混在させて中空糸束を形成
し、この中空糸束を円筒状本体内に収納し、ポリウレタ
ン樹脂等のポッティッグ剤を用いて常法により隔壁に固
定し、この隔壁部を切断して中空糸の両端面を該隔壁部
の端面に開口させてモジュールを形成し、ついで、透析
液流入口(または透析液流出口)より水または水溶液を
流入させ、透析液流出口(または透析液流入口)より排
出させることにより水溶性繊維を溶解させることにより
製造される。この場合、水溶性繊維がポッティング剤に
よって固定されている部位の当該繊維は、長期間にわた
って水と接液していても溶出することはない。その原因
は、当該繊維の分子間にポッティング剤が侵入し、固定
されるためと考えられる。すなわち、積極的に不溶化処
理を施す必要はなく、容易に本発明方法によりモジュー
ルを製造できるのである。
できるが、一例を挙げると、例えば次のようにして製造
される。すなわち、使用する中空糸に所定の充填率に相
当するだけの水溶性の繊維を混在させて中空糸束を形成
し、この中空糸束を円筒状本体内に収納し、ポリウレタ
ン樹脂等のポッティッグ剤を用いて常法により隔壁に固
定し、この隔壁部を切断して中空糸の両端面を該隔壁部
の端面に開口させてモジュールを形成し、ついで、透析
液流入口(または透析液流出口)より水または水溶液を
流入させ、透析液流出口(または透析液流入口)より排
出させることにより水溶性繊維を溶解させることにより
製造される。この場合、水溶性繊維がポッティング剤に
よって固定されている部位の当該繊維は、長期間にわた
って水と接液していても溶出することはない。その原因
は、当該繊維の分子間にポッティング剤が侵入し、固定
されるためと考えられる。すなわち、積極的に不溶化処
理を施す必要はなく、容易に本発明方法によりモジュー
ルを製造できるのである。
水溶性繊維としては、ポリビニルアルコール、ポリア
クリル酸、ポリアクリル酸塩、ポリアクリルアミド、ポ
リメタクリルアミド、カルボキシメチルセルロース等の
水溶性高分子の繊維があり、その形状は中空糸型でも中
実糸型でもよいが、通常は中実糸型である。また、水溶
性高分子として天然に産する水溶性高分子でもよい。
クリル酸、ポリアクリル酸塩、ポリアクリルアミド、ポ
リメタクリルアミド、カルボキシメチルセルロース等の
水溶性高分子の繊維があり、その形状は中空糸型でも中
実糸型でもよいが、通常は中実糸型である。また、水溶
性高分子として天然に産する水溶性高分子でもよい。
水溶性繊維の中空糸に対する混在量は、使用する中空
糸の充填等に相当するように、なすわち、充填率が小さ
い場合には水溶性繊維の混在量を多く、一方、充填率が
大きい場合には水溶性繊維の混在量を少なくする。した
がって、例えば中心部には相当する量の水溶性繊維を混
在させ、一方、外周部には水溶性繊維を全く混在させな
いかあるいは僅かに混在させて製造することができる。
糸の充填等に相当するように、なすわち、充填率が小さ
い場合には水溶性繊維の混在量を多く、一方、充填率が
大きい場合には水溶性繊維の混在量を少なくする。した
がって、例えば中心部には相当する量の水溶性繊維を混
在させ、一方、外周部には水溶性繊維を全く混在させな
いかあるいは僅かに混在させて製造することができる。
(実施例) つぎに、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明す
る。
る。
確認実験 水溶性繊維として、代表的なポリビニルアルコール、
ポリアクリル酸およびカルボキシメチルセルロースを用
いて以下の確認実験を行なった。
ポリアクリル酸およびカルボキシメチルセルロースを用
いて以下の確認実験を行なった。
(1)水溶性繊維(中実糸)束(約2000本)を、モジュ
ールの組立に用いるポリウレタン系ポッティング剤を用
いて、ポリプロピレン製のカップ内に立て、底部付近に
まで充填し、浸漬硬化させた。硬化後(約24時間後)、
ポッティング剤層を繊維に対して垂直に切断した。
ールの組立に用いるポリウレタン系ポッティング剤を用
いて、ポリプロピレン製のカップ内に立て、底部付近に
まで充填し、浸漬硬化させた。硬化後(約24時間後)、
ポッティング剤層を繊維に対して垂直に切断した。
(2)ついで、この切断片をモジュールの充填水に用い
る逆浸透水(RO水)に浸漬し、120℃で20分間の条件下
で蒸気滅菌した。RO水に浸漬した状態を保ちながら、60
℃のオーブン中に3分間放置した。
る逆浸透水(RO水)に浸漬し、120℃で20分間の条件下
で蒸気滅菌した。RO水に浸漬した状態を保ちながら、60
℃のオーブン中に3分間放置した。
(3)放置後の切断面をSEM(電子顕微鏡)を用い、当
該繊維−ウレタン固定部の観察を行なったが、水中に出
ていた部分の当該繊維は完全に溶解していたが、ウレタ
ン固定部にはウレタンが侵入し、膨潤等の変化は認めら
れなかった。
該繊維−ウレタン固定部の観察を行なったが、水中に出
ていた部分の当該繊維は完全に溶解していたが、ウレタ
ン固定部にはウレタンが侵入し、膨潤等の変化は認めら
れなかった。
実施例1〜3および比較例1 中空糸束を形成させる際に、予め中心部に相当する銅
アンモニア再生セルロース中空糸に所定量のポリビニル
アルコール製中実繊維を混在させるとともに、外周部に
相当する銅アンモニア再生セルロース中空糸にはポリビ
ニルアルコール中実繊維を混在させることなく中空糸束
を形成したのち、円筒状本体に収納し、両端をポリウレ
タン製ポッティング剤を用いて該中空糸束と筒状本体と
を固定し、ついでポッティング剤により形成された両端
の隔壁を切断して端面において中空糸を開口させ、所定
のヘッダー等を固着させて人工腎臓のモジュールを形成
させた。
アンモニア再生セルロース中空糸に所定量のポリビニル
アルコール製中実繊維を混在させるとともに、外周部に
相当する銅アンモニア再生セルロース中空糸にはポリビ
ニルアルコール中実繊維を混在させることなく中空糸束
を形成したのち、円筒状本体に収納し、両端をポリウレ
タン製ポッティング剤を用いて該中空糸束と筒状本体と
を固定し、ついでポッティング剤により形成された両端
の隔壁を切断して端面において中空糸を開口させ、所定
のヘッダー等を固着させて人工腎臓のモジュールを形成
させた。
このモジュールを滅菌前に逆浸透水を用いて洗浄し
た。このとき、ポリビニルアルコール繊維が溶解するま
で適当な量の逆浸透水を流通させた。また、このとき水
温を40℃以上にすれば、より早くポリビニルアルコール
繊維が逆浸透水中に溶解する。ついで、蒸気滅菌あるい
はガンマ線滅菌し、その性能をクレアチニンの拡散性能
を指標にして試験した。その結果を第1表に示す。
た。このとき、ポリビニルアルコール繊維が溶解するま
で適当な量の逆浸透水を流通させた。また、このとき水
温を40℃以上にすれば、より早くポリビニルアルコール
繊維が逆浸透水中に溶解する。ついで、蒸気滅菌あるい
はガンマ線滅菌し、その性能をクレアチニンの拡散性能
を指標にして試験した。その結果を第1表に示す。
なお、ここでクリアラスとは、次式で定義されるもの
をいう。
をいう。
QBi:血液側入口流量(ml/min) QBo:血液側出口流量(ml/min) CBi:血液入口側溶質濃度(mg/dl) CBo:血液出口側溶質濃度(mg/dl) QD:透析液流量(ml/min) CDi:透析液入口側溶質濃度(mg/dl) 実施例4〜10および比較例2 実施例1と同様の方法で組立製造したモジュールの性
能をクレアチニンクリアランスを指標にして試験した。
その結果を第2表に示す。
能をクレアチニンクリアランスを指標にして試験した。
その結果を第2表に示す。
(発明の効果) 以上述べたように、本発明は、両端にそれぞれ血液流
入口ポートおよび血液流出口ポートを備えかつ側壁部に
物質移動流体流入口および物質移動流体流出口を備えた
円筒状本体と、該円筒状本体内に収容されるとともにそ
の両端を隔壁により該円筒状本体に固定されかつその両
端部が前記両ポートに連通してなる多数の中空糸とより
中空糸型血液処理装置において、該中空糸の前記隔壁に
おける中心部の充填率が前記隔壁における外周部の充填
率よりも疎であることを特徴とする中空糸型血液処理装
置であるから、中心部の中空糸束への物質移動流体の流
れが充分確保され、境膜抵抗が小さくなり、性能の向上
が図られる。特に、中空糸の充填比率B/Aを1.1〜1.5、
望ましくは1.2〜1.4、中心部の中空糸充填率Aを20〜50
%、望ましくは30〜40%とすることによって、前記効果
は著しく増大する。
入口ポートおよび血液流出口ポートを備えかつ側壁部に
物質移動流体流入口および物質移動流体流出口を備えた
円筒状本体と、該円筒状本体内に収容されるとともにそ
の両端を隔壁により該円筒状本体に固定されかつその両
端部が前記両ポートに連通してなる多数の中空糸とより
中空糸型血液処理装置において、該中空糸の前記隔壁に
おける中心部の充填率が前記隔壁における外周部の充填
率よりも疎であることを特徴とする中空糸型血液処理装
置であるから、中心部の中空糸束への物質移動流体の流
れが充分確保され、境膜抵抗が小さくなり、性能の向上
が図られる。特に、中空糸の充填比率B/Aを1.1〜1.5、
望ましくは1.2〜1.4、中心部の中空糸充填率Aを20〜50
%、望ましくは30〜40%とすることによって、前記効果
は著しく増大する。
第1図は本発明による中空糸型人工腎臓の部分断面図で
あり、また第2図は第1図のII−II線に沿う断面図であ
る。 1……人工腎臓、4……筒状本体、5……中空糸束、 6,7……隔壁、8……血液流入口、9……血液流出口、 11,12……ヘッダー、a……中心部、b……外周部。
あり、また第2図は第1図のII−II線に沿う断面図であ
る。 1……人工腎臓、4……筒状本体、5……中空糸束、 6,7……隔壁、8……血液流入口、9……血液流出口、 11,12……ヘッダー、a……中心部、b……外周部。
Claims (2)
- 【請求項1】両端にそれぞれ血液流入口ポートおよび血
液流出口ポートを備えかつ側壁部に物質移動流体流入口
および物質移動流体流出口を備えた円筒状本体と、該円
筒状本体内に収容されるとともにその両端を隔壁により
該円筒状本体に固定されかつその両端部が前記両ポート
に連通してなる多数の中空糸とよりなる中空糸型血液処
理装置において、 該中空糸の前記隔壁における中心部の充填率が前記隔壁
における外周部の充填率よりも疎であることを特徴とす
る中空糸型血液処理装置。 - 【請求項2】両端にそれぞれ血液流入口ポートおよび血
液流出口ポートを備えかつ側壁部に物質移動流体流入口
および物質移動流体流出口を備えた円筒状本体と、該円
筒状本体内に収容されるとともにその両端を隔壁により
該円筒状本体に固定されかつその両端部が前記両ポート
に連通してなる多数の中空糸とよりなる中空糸型血液処
理装置の製造方法において、 中心部の該中空糸には水溶性の繊維の混在量を多くし、
外周部の該中空糸には水溶性の繊維の混在量を少なくす
るか、水溶性の繊維を混在させないでなる中空糸束を用
いて前記円筒状本体にその両端の隔壁において固定し、 ついで水または水溶液を流通させて溶解し、流去させる
ことを特徴とする該中空糸の前記隔壁における中心部の
充填率が前記隔壁における外周部の充填率よりも疎であ
ることを特徴とする中空糸型血液処理装置の製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2169250A JP2543232B2 (ja) | 1990-06-26 | 1990-06-26 | 中空糸型血液処理装置およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2169250A JP2543232B2 (ja) | 1990-06-26 | 1990-06-26 | 中空糸型血液処理装置およびその製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH0458959A JPH0458959A (ja) | 1992-02-25 |
JP2543232B2 true JP2543232B2 (ja) | 1996-10-16 |
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JP2169250A Expired - Fee Related JP2543232B2 (ja) | 1990-06-26 | 1990-06-26 | 中空糸型血液処理装置およびその製造方法 |
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-
1990
- 1990-06-26 JP JP2169250A patent/JP2543232B2/ja not_active Expired - Fee Related
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