JPS6111606Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、速度計における文字板照明用の色フ
イルタ付光導板に関し、殊に光導板のトータルカ
ウンタ窓に大小ふたつの色フイルタを選択的に嵌
着できるようにしたものである。

最近、車両用速度計においては、夜間の視認性
向上のため、文字板の速度目盛および数字を縁な
どの規定色に光輝させる文字板照明が行なわれる
ようになつてきている。

このような文字板照明の一例を、第１図および
第２図を参照して説明する。

光導板１が文字板２の裏面に配置され、文字板
は透過性有色樹脂例えばポリカーボネート等の半
透明体で縁色に有色された樹脂により成形され、
またその表面は速度目盛３および数字４を形象す
る部分を残して不透明処理例えば光を通さない暗
濁色に塗装又は印刷されている。

このような構成において、光導板１にその端部
から直接光源（図示せず）より光を照射し、これ
ら照射光が光導板内を反射して文字板２の裏面を
照射し、これら照射光がそれから文字板２の速度
目盛３および数字４を形象する部分のみを透過す
ることによりこれら速度目盛３および数字４が縁
などの規定色に光輝される。

しかして、このような車両用速度計において
は、一般に、積算計およびトリツプ積算計を内臓
し、そのトータルカウント数を表示するための窓
５，６が光導板１および文字板２に形成されてい
る。したがつて、従来の文字板照明においては、
光導板１内を通過してきた光の一部が光導板のト
ータルカウンタ窓の縁から洩れ、これら漏洩光が
それから文字板２のトータルカウンタ窓５，６を
通して文字板前面に洩光してしまうことがある。
これら漏洩光は、光源からの直接光であつて、文
字板１の速度目盛３および数字４を光輝させる照
明光の色とは異なるので、運転者にとつて非常に
目障りであるばかりかこれら照明光を打ち消して
しまい、したがつて夜間の視認性が悪化してしま
う問題があつた。

また、このように光導板および文字板の各トー
タルカウンタ窓を通して文字板前面に洩れた光は
前述したように光源からの直接光であるためかな
り強い光であり、この強い光が速度計の見返板を
介してフロントガラスに反射され運転者の視線に
入ると運転操作を妨げてしまうという問題もあつ
た。

このような従来の問題を解消するために、本出
願人等によつて、文字板を形成する有色樹脂と同
一色の樹脂製フイルタ（色フイルタ）を光導板の
トータルカウンタ窓の縁まわりに嵌着し、この色
フイルタにより光導板のトータルカウンタ窓の縁
から洩れる光を文字板の速度目盛および数字を形
象する部分を透過する照明光と同一色にしたもの
が開発されている。

その一例を第３ａ図および第３ｂ図を参照して
説明すると、光導板１は、第１図および第２図に
示した従来例と同様に、トータルカウンタ窓７，
８を有し、透過性有色樹脂により成形され表面が
速度目盛３および数字４を形象する部分を残しそ
て不透過処理されている文字板２の裏面に配置さ
れるものである。

この光導板１の各トータルカウンタ窓７，８の
縁まわりには色フイルタ９，１０が嵌着され、こ
れら色フイルタは文字板を形成する有色樹脂と同
一色の有色樹脂により成形されている。

このような色フイルタを光導板のトータルカウ
ンタ窓の縁まわりに嵌着した構成にすることによ
り、光導板のトータルカウンタ窓の縁から洩れる
光は文字板の速度目盛および数字を形象する部分
を透過する照明光と同一色となり、したがつてこ
のような照明光と同一色の漏洩光が文字板のトー
タルカウンタ窓を通して文字板前面に洩れても、
運転者にとつては何等目障りではなく、むしろ照
明効果を良くし視認性を高めることとなる。

また、このよつな色フイルタを通して光導板の
トータルカウンタ窓の縁から洩れる光は色フイル
タを透過する際に減衰されるので、たとえこれら
漏洩光が速度計の見返板を介してフロントガラス
に反射されても弱い光であり、運転操作に悪い影
響を与えることもない。

しかして、このような色フイルタ付光導板を装
備する速度計において、その内臓する走行距離積
算計には日本国内用として使用されるキロメート
ル表示のものと外国例えば米国への輸出用として
使用されるマイル表示のものとがあり、そのトー
タルカウンタ数は前者は７桁までおよび後者は６
桁まで表示できるようになつており、したがつて
それら光導板のトータルカウンタ窓の大きさにも
１桁分の大小の差があるもものである。

このような事情から、従来は、キロメートル表
示用およびマイル表示用のトータルカウンタ窓を
有する２種類の光導板をそれぞれ別個に成形して
おり、このため部品共通化などが図れないなどの
不都合がさつた。

本考案は、このような従来の不都合を解消する
ためになされたものであつて、光導板のトータル
カウンタ窓の構造を大小ふたつの色フイルタを選
択的に取付けることができるようなものにしたも
のである。

以下図面を参照して本考案の好適な一実施例に
ついて詳述する。

第４図に本考案にしたがつて形成した光導板１
のトータルカウンタ窓７の一例を示すように、該
トータルカウンタ窓の上下縁には第１段部１１ａ
〜１１ｄがまたその両側縁には第２段部１２ａ，
１２ｂが夫々図示するに形成されている。

これら第１段部１１ａ〜１１ｄはトータルカウ
ンタ窓７の縁まわりに選択的に嵌着される大小ふ
たつのフランジ嵌込共用の段部であり、第２段部
１２ａ、１２ｂは該大なる色フイルタの他のフラ
ンジ嵌込専用の段部である。

すなわち、第５ａ図に示すように大なる色フイ
ルタ９ａは第４図に示したトータルカウンタ窓７
の各段部１１ａ〜１１ｄおよび１２ａ，１２ｂに
嵌込まれるようなフランジ１２ａ〜１３ｄおよび
１４ａ，１４ｂを一体に有するような形状に成形
され、また第５ｂ図に示すように小なる色フイル
タ９ｂは該トータルカウンタ窓７の第１段部１１
ａ〜１１ｄに嵌込まれるようなフランジ１５ａ，
１５ｂを一体に有するような形状に成形されてい
る。この小なる色フイルタ９ｂの各フランジ１５
ａ，１５ｂは、それら両側部分１６ａ，１６ｂが
トータルカウンタ窓７の第１段部１１ａ〜１１ｄ
に嵌込まれたときにそれら両側部分を結合する部
分１６ｃが色フイルタ９ｂとトータルカウンタ窓
７との間の隙間をふさぐようにされている。

以上述べた如く、本考案によれば、色フイルタ
が嵌着される光導板のトータルカウンタ窓の縁ま
わりに大小ふたつの色フイルタのフランジ嵌込共
用の第１段部と該大なる色フイルタの他のフラン
ジ嵌込専用の第２段部とを形成しているので、こ
れら段部の形状にあわせて大小ふたつの色フイル
タにフランジを形成しておけば、１種類の光導板
のトータルカウンタ窓に大小ふたつの色フイルタ
を選択的に嵌着することができ、したがつて１種
類の光導板をキロメートル表示用又はマイル表示
用の積算計を内臓する速度計の文字板照明用の色
フイルタ付光導板として必要に応じて使用でき、
これにより部品共通化などが図れるなど実用上大
きな利点が得られる。

なお、本考案は上述した実施例に決して限定さ
れるものではなく、本考案の要旨を逸脱しないで
種々変形がなし得ることは勿論である。例えば、
光導板のトータルカウンタ窓の縁まわりに形成さ
れる第１および第２の段部の形成位置およびその
位置関係は必要に応じて適宜変形でき、この変形
にしたがつて色フイルタのフランジも変形される
ことは当然である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の車両用速度計を示す正面図、第
２図はその右側面図、第３ａ図はその色フイルタ
付光導板を示す正面図、第３ｂ図は該光導板のト
ータルカウンタ窓部分の縦断面図、第４図は本考
案にしたがつて形成した光導板のトータルカウン
タ窓の一例を示す斜視図、第５ａ図および第５ｂ
図は該トータルカウンタ窓の縁まわりに選択的に
嵌着される大小ふたつの色フイルタの斜視図であ
る。 １……光導板、２……文字板、７……トータル
カウンタ窓、９ａ，９ｂ……色フイルタ、１１ｃ
〜１１ｄ……第１段部、１２ａ，１２ｂ……第２
段部、１３ａ〜１３ｄ，１４ａ，１４ｂ……フラ
ンジ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 速度計における文字板の裏面に配設され光源か
   らの光を案内して該文字板の裏面に照射させる色
   フイルタ付光導板において、色フイルタが嵌着さ
   れる光導板のトータルカウンタ窓の縁まわりに大
   小ふたつの色フイルタのフランジ嵌込共用の第１
   段部と該大なる色フイルタの他のフランジ嵌込専
   用の第２段部とを形成したことを特徴とする速度
   計における文字板照明用の色フイルタ付光導板。