JPS6110447A - 複合積層体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は複合積層体に関し、詳しくは特に高温での制振
性能にすぐれる制振用複合積層体に関する。

（従来の技術） 従来、各種の機械装置、電気装置、構造物等から発生す
る騒音や振動を抑制し、又は防止するために、粘弾性を
有する樹脂又は樹脂組成物を制振材として金属板のよう
な基板間に積層介在させ、上記制振材の剪断変形による
内部摩擦を利用して、制振性能を発現させるようにした
制振用複合積層体が提案され、或いは実用化されている
。

このような複合積層体における制振材としての樹脂や樹
脂組成物としては、既に代表的な熱可塑性樹脂であるポ
リエチレンやポリプロピレンが知られているほか、特開
昭５４−４３２５１号公報や特開昭５４−４３２５２号
公報には、ポリイソブチレンを主成分とし、これにジエ
ン系炭化水素重合体又は環状オレフィン重合体と無機充
填剤とを配合してなる組成物が開示されている。しかし
、このような従来の制振材を用いる複合積層体は、いず
れもその割振性能が尚十分ではないうえに、特に、高温
での制振性能に劣る。

また、特開昭５７−３４９４９号公報には、エチレン・
酢酸ビニル共重合体からなる制振材を鋼板間に熱圧着し
てなる制振用複合積層体が記載されているが、上記公報
によれば、上記共重合体における酢酸ビニル成分含量が
２０重量％前後であるときに、常温での制振性能が極大
となり、より高温においては割振性能が急激に低下する
ことが示されており、従って、前記した複合積層体と同
様に高温での制振性能に劣り、例えば、エンジン等の周
辺部における高温用制振用複合積層体としては使用し難
い。

（発明が解決しようとする問題点） 本発明は、制振用複合積層体における上記した問題を解
決するためになされたものであって、特に、高温での割
振性能にすぐれる複合積層体を提供することを目的とす
る。

（発明の概要） 本発明による金属複合積層体は、酢酸ビニル成分含量が
３２〜４５重量％の範囲にあるエチレン・酢酸ビニル共
重合体であって、示差走査型熱量計による融点が５０〜
７０℃の範囲にあると共に、融解熱量が２０ジュール／
ｇ以上であるエチレン・酢酸ビニル共重合体からなる制
振材が基板に積層されてなることを特徴とする。

（問題点を解決するための手段及び作用）本発明による
制振用複合積層体においては、基板に積層する割振材と
して、酢酸ビニル成分含量が３２〜４５重量％の範囲に
あるエチレン・酢酸ビニル共重合体が用いられ、特に、
酢酸ビニル成分含量が３２〜４０重量％の範囲にある共
重合体が好ましく用いられる。エチレン・酢酸ビニル共
重合体における酢酸ビニル成分含量が３２重量％よりも
少ないときは、複合積層体の高温での制振性能の低下が
著しい。一方、酢酸ビニル成分の含量が４５重量％を越
えるときは、制振性能及び破断点強度が低下する。

また、上記エチレン・酢酸ビニル共重合体は、示差走査
型熱量計にて測定した融点が５０〜７０℃の範囲にあり
、且つ、融解熱量が２０ジュール／ｇ以上であることが
必要であり、特に、上記融点が６０〜７０℃の範囲にあ
り、融解熱量が２０〜４０ジュール／ｇの範囲にあるこ
とが好ましい。

共重合体の上記融点が７０℃よりも高い場合も、５０℃
より低い場合も、また、融解熱量が２０ジュール／ｇよ
り小さい場合も、いずれの場合も、複合積層体の高温に
おける制振性能が低下するようになるからである。

更に、本発明においては、複合積層体が特に高温での制
振性能にすぐれるように、上記エチレン・酢酸ビニル共
重合体は、常温における破断点強度が７０ｋｇ／ａＪ以
上、特に、１００〜３００ｋｇ／ｄのｔ［にあり、メル
トフローレート（ＡＳＴ）１口１２３８、条件Ｅ）が５
０ｇ／１０分以下、特に、０、１〜３ｇ／１０分の範囲
にあり、８０℃における損失係数（ｔａｎ　δ）が０．
６以上、特に、０．８〜１．０の範囲にあることが好ま
しい。尚、上記損失係数とはｖｉｂｒｏｎ法による周波
数１１０　Ｈ□、動的変位１．６×１０−３ｃｍでのｔ
ａｎ　δをいう。

本発明による複合積層体においては、制振材としての上
記エチレン・酢酸ビニル共重合体は、その変性物を含む
こととし、また、かかるエチレン・酢酸ビニル共重合体
からなる割振材は、必要に応じて種々の添加物を含有す
ることができる。上記エチレン・酢酸ビニル共重合体変
性物としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、メ
タクリル酸メチル、マレイン酸、無水マレイン酸、マレ
イン酸ジメチル、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラ
コン酸、ビシクロ（２，２，１）ヘプト−２−エン−５
，６−ジカルボン酸、その無水物等の不飽和カルボン酸
、又はその酸無水物、塩若しくはエステル等のような不
飽和カルボン酸誘導体をエチレン・酢酸ビニル共重合体
にグラフト共重合させた変性物を挙げることができる。

これらエチレン・酢酸ビニル共重合体変性物における上
記不飽和カルボン酸又はその誘導体成分の含量は、この
変性部に基づいて０．１〜５重量％の範囲が適当である
。

また、上記エチレン・酢酸ビニル共重合体からなる制振
材は、例えば、金属への接着性を改善するために、変性
ポリオレフィンを含有してもよい。

かかる変性ポリオレフィンとしては、例えば、前記した
ような不飽和カルボン酸又はその誘導体をポリオレフィ
ンにグラフト共重合させた共重合体を配合することがで
きる。ここに、上記ポリオレフィンとしては、例えば、
ポリエチレン、プロピレン、１−ブテン、１−ペンテン
、４−メチル−■−ペンテン、１−ヘキセン、１−オク
テン、１−デセン、１−ドデセン、１−テトラデセン、
１−へキサデセン、１−オクタデセン等の単独重合体及
びこれらの共重合体を挙げることができる。

これら変性ポリオレフィンにおける上記不飽和カルボン
酸又はその誘導体成分のグラフト割合は、上記ポリオレ
フィン１００重量部に対して、通常、０．１〜５重量部
、好ましくは０．２〜３重量部の範囲である。また、必
要に応じて、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体、
ポリイソブチレン、ブチルゴム、クロロプレンゴム、ポ
リスチレン等の重合体も配合することができる。上記の
ような変性ポリオレフィンや重合体のエチレン・酢酸ビ
ニル共重合体に対する配合量は、エチレン・酢酸ビニル
共重合体１００重量部に対して、通常、１０〜３０重量
部の範囲である。

更に、本発明による複合積層体においては、制振材の割
振性や剛性を向上させるために、エチレン・酢酸ビニル
共重合体に無機充填剤を配合することができる。かかる
無機充填剤としては、例えば、グラファイト、マイカ、
酸化チタン、亜鉛華、鉛粉、クレー、炭酸カルシウム、
炭酸マグネシウム、カーボンブラック等を例示すること
ができる。

このような無機充填剤の配合量は、上記エチレン・酢酸
ビニル共重合体１００重量部について、通常、１０〜４
００重量部、好ましくは１０〜２００重量部の範囲であ
る。

更に、必要に応じて、本発明においては、制振材に更に
耐熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、
滑剤等の添加剤を配合することもできる。

本発明による複合積層体は、上記のようなエチレン・酢
酸ビニル共重合体、その変性物又はその組成物からなる
制振材を基板、代表的には金属板に積層してなるが、こ
の複合積層体の構造及び形状は何ら制限されるものでは
なく、例えば、積層体の構造の例として、金属板／制振
材／金属板、金属板／制振材／金属板／制振材、金属ｉ
ｆｆ／制振材／金属板／制振材／金属板等の複合積層体
を挙げることができる。また、このような複合積層体は
何ら平板状である必要はなく、例えば、上記のような積
層体からなる管体状や湾曲板体状であっでもよい。

本発明による複合積層体において、上記のようなエチレ
ン・酢酸ビニル共重合体からなる制振材の厚みは特に制
限されないが、通常、０．０５〜０．５鶴、好ましくは
０．２〜０．５鰭であり、また、基板の厚みも、特に制
限されないが、通常、０．１〜２ｍｍ、好ましくは０．
２〜０．５龍の範囲である。

上記基板としては、代表的には鉄、鋼、銅、アルミニウ
ム、ステンレス鋼、真ちゅう等の金属板を例示すること
ができるが、これらに限定されるものではない。

本発明による複合積層体は、従来より知られている方法
によって製造することができる。例えば、前記エチレン
・酢酸ビニル共重合体からなる制振材のシートを基板間
に熱圧着したり、或いは適宜の接着剤を用いて、基板間
に接着することによって製造することができる。また、
基板上に溶融させた前記エチレン・酢酸ビニル共重合体
を押出し、その上に更に基板を圧着させてもよい。

（発明の効果） 以上のように、本発明による割振用複合積層体は、割振
材として前記したように酢酸ビニル成分含量が３２〜４
５重量％の範囲にあると共に、特定された融点と融解熱
量とを有するために、特に、高温、例えば、８０℃以上
の温度においてすぐれた制振性能を有し、例えば、自動
車、船舶等のエンジン周辺部における防音や防振等に使
用するのに好適である。

（実施例） 以下に実施例を挙げて、本発明による制振用複合積層体
を説明する。

実施例１ （制振材） 酸素分析法により求めた酢酸ビニル成分含量３３重量％
、示差走査型熱量計による融点６０℃、融解熱量３３ジ
ユール／ｇであるエチレン・酢酸ビニル共重合体（三井
ポリケミカル■製エバフレックス（登録商標）を割振材
として用いた。この共重合体はまた、常温における破断
点強度（ＡＳＴＭＤ−８８２に準拠）８５ｋｇ／ａＪ、
前記ｖｌｂｒｏｎ法による８５℃における損失係数（ｔ
ａｎ　δ）は０．８であった。

（複合積層体の製作及び制振性能の評価）鉄板／上記共
重合体／鉄板（厚み０．８　＋ｕ　／　０．１酊／　０
．８　ｆｌ）からなる複合積層体を製作し、その制振性
能を評価した。結果を表に示す。尚、共重合体と各鉄板
とは、４−メチル−１−ペンテン系重合体に無水マレイ
ン酸をグラフト重合させてなる１０μ厚みの接着剤フィ
ルムを介在させ、１９０℃の温度で熱圧着した。

制振性能の評価は、日本ゴム協会誌第５１巻第２２２頁
（１９７Ｂ）に記載されているように、二本品共振減衰
法の測定が可能な装置を製作し、８５℃で１００Ｈｚに
おける複合積層体の損失係数を求めた。試験片は、長さ
３００ｍ、幅３０婁霞、厚さ１．７２ｍの積層体とした
。

実施例２及び３ 表に示す酢酸ビニル成分含量のエチレン・酢酸ビニル共
重合体を割振材として用いた以外は、実施例１と同様に
して複合積層体を製作し、その制振性能を評価した。結
果を表に示す。

比較例１〜３ 表に示す酢酸ビニル成分含量のエチレン・酢酸ビニル共
重合体を制振材として用いた以外は、実施例１と同様に
して複合積層体を製作し、その割振性能を評価した。結
果を表に示す。

手続補正書く自発） 昭和５９年　９月２５日

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）酢酸ビニル成分含量が３２〜４５重量％の範囲に
   あるエチレン・酢酸ビニル共重合体であって、示差走査
   型熱量計による融点が５０〜７０℃の範囲にあると共に
   、融解熱量が２０ジュール／ｇ以上であるエチレン・酢
   酸ビニル共重合体からなる制振材が基板に積層されてな
   ることを特徴とする複合積層体。