JPS6110104Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は化粧カバーの下端部に対向させて油受
容器を備え付けた換気扇に関するものであり、そ
の目的は化粧カバーのベルマウスで受止めた油滴
は勿論、化粧カバーの表面に付着した油滴も確実
に捕集できて、油滴が壁面に伝わつたり或いは床
面に滴下したりすることがない換気扇を提供する
にある。

以下本考案の一実施例について図面を参照しな
がら説明する。１はモータ２によつて回転される
羽根３を矩形枠状の外枠４内で配設してなる換気
扇本体で、外枠４の室外側端部にはシヤツタ５が
開閉可能に設けられているとともにこの外枠４の
室内側端部に形成されたフランジ６にプラスチツ
ク製の化粧カバー７が着脱可能に装着されてい
る。以下、化粧カバー７について詳述するに、８
は羽根３の外周を囲繞する筒状に室外方向に向け
て突出された円筒状のベルマウスで、これの下半
部に油案内溝８ａが設けられ、且つ下端部に油流
入口９が略矩形状に穿設されている。１０，１０
は油流入口９の左右両側縁部から下方に向けて垂
下状に一体成形された案内壁で、これの前縁部は
化粧カバー７の裏面側に一体に連続し、且つ後縁
部は油流入口９の後縁部よりも若干後方に位置さ
れている。１１は化粧カバー７の下面部７ａの後
端部から下方に延設された垂下壁であり、これの
前面に上面が開放する横長な油受容器１２がその
油受容器１２に突設した爪１２ａを垂下壁１１の
係合孔１１ａに係合させることによつて着脱可能
に取着されている。そして、油受容器１２の前面
部は化粧カバー７の前面部７ｂと略面一状態とな
るように設定されている。一方、化粧カバー７の
前面部７ａの下端部には後方に陥ませて形成され
た傾斜壁部１３が設けられており、油受容器１２
の前面部の上端とその傾斜壁部１３との間に所定
の隙間を形成するとともにその傾斜壁部１３の下
端部が油受容器１２内に臨むようにしている。１
４は化粧カバー７の下面部７ａの略中央部に形成
された油流出口で、これは油流入口９の直下に対
向させて設けられていて左右の巾寸法を油流入口
９のそれより若干大に設定している。１５，１５
は油流出口１４の左右に位置して化粧カバー７の
下面部７ａから垂下状に突設された所定巾を有す
る突条部であり、これらは傾斜壁部１３の下端部
よりも所定長後方に位置されているとともに油流
出口１４と対向する各一端部に該油流出口１４の
周縁部に沿つて前方に指向する仕切部１５ａ，１
５ａを有しており、この仕切部１５ａ，１５ａの
対向間隔を案内壁１０の対向間隔よりも若干広く
設定している。また、突条部１５，１５の巾寸法
は化粧カバー７の前面部７ｂを油滴が流れ易い領
域Ａと対応するように設定されている。

次に以上のように構成した本実施例の作用につ
いて説明する。モータ２によつて羽根３が回転さ
れると排気風中の油煙がその羽根３に付着して油
滴となるが、その油滴は羽根３の回転遠心力によ
つて外方に飛ばされベルマウス８によつて受けら
れる。そして、このようにしてベルマウス８に付
着した油滴は該ベルマウス８の内面に沿つて流下
し油案内溝８ａに沿つて油流入口９内に導かれ
る。このようにして油流入口９内に流入した油滴
は、案内壁１０及び化粧カバー７の裏面側に沿つ
て矢印ａで示すように流下し、更に案内壁１０の
下端から滴下して仕切部１５ａを伝つて更に流下
し突条部１５の下縁部に溜まり、順に油受容器１
２内に滴下する。また、ベルマウス８に付着した
油滴が多い時には油案内溝８ａから化粧カバー７
の前面部７ｂ側に溢れるが、油滴が前面部７ｂ側
に溢れるのは前述した領域Ａ内にて発生する。そ
して、このようにして前面部７ｂに沿つて矢印ｂ
で示すように流下する油滴は傾斜壁部１３，化粧
カバー７の下面部７ａ及び突条部１５を順に伝つ
て突条部１５ａの下縁部に溜まり、そこから順に
油受容器１２内に滴下する。

このように本実施例によれば油流入口９内に入
つた油滴は案内壁１０及び化粧カバー７の裏面側
を伝つて油流出口１４に案内され、更に仕切部１
５ａを伝つて突条部１５の下端まで流下するか
ら、送風作用の影響を受けても油滴が飛散して油
受容器１２の外へ飛ばされることは確実に防止さ
れるものであり、また、化粧カバー７の前面部７
ｂを伝つた油滴が、傾斜壁部１３を伝つて油受容
器１２の内方に向けて流れるから、該化粧カバー
７の前面部７ｂを伝つた油滴が油受容器１２より
も前方に滴下することも防止され、更に化粧カバ
ー７の下面部７ａを伝つて後方に流れる油滴は突
条部１５によつてそれ以上後方へ伝つて流れるこ
とが阻止されるから垂下壁１１には油滴が伝わら
ず、垂下壁１１を油滴が伝わつて換気扇本体１を
取付けた壁面を汚損するようなことは確実に防止
される。即ち、上記したようにベルマウス８に付
着した油滴は矢印ａ又はｂで示すいずれかの経路
で油受容器１２内に捕集されることとなり、油滴
が周囲に飛散したり化粧カバー７を伝つて油受容
器１２の外へ出るようなことは全くなく、従つて
油滴が壁面を伝つたり或いは床面に滴下するよう
なことが確実に防止される。

その他、傾斜壁部１３を設けたから油受容器１
２を前方へ突出させることなく化粧カバー７前面
を滴下する油滴を有効に案内して捕集することが
できる。

本考案は以上説明したように、化粧カバーの下
端部の略全域と対向するように油受容器を設け、
ベルマウスの下部中央部に油流入口を設け、この
油流入口の左右側縁部に該油流入口に流入した油
滴を下方に案内する案内壁を垂下状に設け、前記
化粧カバーの前面下端部を後方に陥ませて前記油
受容器の前面部上端との間に所定の隙間を形成す
るようにして該化粧カバーの前面に沿つて流下す
る油滴を該油受容器に案内する傾斜壁部を設け、
前記化粧カバーの下面部に前記油流入口と対向す
るように油流出口を設け、この油流出口の左右両
側に位置して前記化粧カバーの下面部に油切り用
の突条部を設ける構成としたから、前記油流入口
に入つた油は前記案内壁及び前記化粧カバーの裏
面側を伝つて油流出口に案内され、更に前記突条
部を伝つて下端から油受容器内に流下することと
なつて送風作用の影響を受けても油滴が油受容器
の外へ飛ばされることを確実に防止できるもので
あり、また、前記化粧カバーの前面部を伝つた油
滴は、傾斜壁部に案内されて前記化粧カバーの下
端部の略全域と対向する油受容器内に導かれ、更
に前記化粧カバーの下面部を伝つて後方に流れる
油滴は突条部によつてそれ以上後方に伝つて流れ
ることが阻止されて油受容器に導かれることにな
り、従つて、ベルマウスに付着した油滴は勿論、
化粧カバーの前面に付着した油滴も全て油受容器
内に確実に捕集することができ、油滴が壁面を伝
つたり或いは床面に滴下したりすることのない換
気扇を提供できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであり、第
１図は縦断面図、第２図は油受容器を取外して示
す正面図、第３図は油受容器を取外して示す要部
の拡大正面図、第４図は第３図の−線に沿う
断面図、第５図は第３図の−線に沿う断面図
である。 図面中、１は換気扇本体、３は羽根、７は化粧
カバー、８はベルマウス、９は油流入口、１０は
案内壁、１２は油受容器、１３は傾斜壁部、１４
は油流出口、１５は突条部である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 換気扇本体の前面に羽根を囲繞するベルマウス
   を有する化粧カバーを設けたものにおいて、前記
   化粧カバーの下端部の略全域と対向するように設
   けられた油受容器と、前記ベルマウスの下部中央
   部に設けられた油流入口と、この油流入口の左右
   側縁部に垂下状に設けられ該油流入口に流入した
   油滴を下方に案内する案内壁と、前記化粧カバー
   の前面下端部を後方に陥ませて前記油受容器の前
   面部上端との間に所定の隙間を形成してなり前記
   化粧カバーの前面に沿つて流下する油滴を該油受
   容器内に向けて案内する傾斜壁部と、前記化粧カ
   バーの下面部に前記油流入口と対向するように設
   けられ該油流入口から前記化粧カバーの裏面部及
   び案内壁に沿つて流下する油滴を通過させる油流
   出口と、この油流出口の左右両側に位置して前記
   化粧カバーの下面部に垂下状に設けられた油切り
   用の突条部とを具備してなる換気扇。