JPS609610Y2 - 電子レンジの加熱室 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 最近オーブン機能付の電子レンジが出廻っている。

ところがこれらの電子レンジはステンレス酸の加熱室を
用いているため、肉などの調理をすると壁面に油がとび
ちり、それがこびり付きなかなか落ちないという問題が
ある。

この点従来のオーブンは、ガスオーブンでは汚れが目立
たず、また落としやすいホーロー製の加熱室が用いられ
、電気オーブンでは二重構造にし、内箱は丸洗いができ
るようになっている。

電子レンジの加熱室を二重構造にするのはスパークの問
題があり、不可能かとも思われるのでさておき、ホーロ
ー処理について考える。

加熱室をステンレスからホーロー製に変えると前述した
汚れの問題だけでなく、大幅なコストダウンにもなるの
であるが、現在のオーブン付電子レンジでは用いられて
いない。

そこで種々の問題が考えられるが、中でも大きな問題の
一つはパンチング穴である。

電子レンジの加熱室壁には室内に光や風を導入するため
のパンチング穴（小孔群）が設けられているのが普通で
ある。

第１図はその小孔群の例であり、φ４．５の穴があけら
れ、開口率５０％強である。

このような小孔群によって、電波は通さず、庫内灯など
の光や、マグネトロン冷却風などの風を通過せしめてい
た。

庫内灯はあれば便利という程度のものであるが、加熱室
壁に食品の発する蒸気が露結する事を防止するにはマグ
ネトロン冷却風を加熱室内に導入することはぜひとも必
要である。

さて、第１図に示すような小孔群を有する加熱室にホー
ローをかけると次のような問題が発生する。

第１は穴が目づまりを起すこと、第２はこの部分のホー
ローが非常に弱いことである。

目づまりは加熱前に目づまりした部分を細棒等で取り除
くことでなんとか防止できるが、強度については解決方
法がなかった。

つまり、良く知られるように、厚さ０．８〜１閣程の鉄
板にホーローをかけた場合、その端面及びその近辺はホ
ーローがうまく付いてない。

第１図に示す小孔群の場合、穴の側面及びその近辺は前
述の端面と同様にホーローが良く付かない。

すると、このように穴と穴とが近接した部分では、ホー
ローの良く付いた部分など全くなくなってしまう。

この場合にはさびが発生しやすい。また逆に表面張力の
ためか、穴と穴との間にホーローが必要以上に厚く付く
場合がある。

この場合には衝撃に弱く、割れが発生しやすい。

これを解決するために穴と穴の間隔を大きくすると開口
率が低下するし、穴径を大きくすると電波漏洩が加速度
的に大きくなる。

本考案は以上の問題を解決し、ホーロー製加熱室を有す
る電子レンジを実現せんとするものである。

以下図面により一実施例を説明する。

第２図は加熱室壁に設けられた小孔群を加熱室内側から
見た正面図である。

本実施例では穴は１３ｍＸ１３ＴｒｒＩＩＬの角穴でバ
ーリング加工が施されである。

穴と穴との間隔は５ＴＩｒＩＩＬとし、バーリングした
部分の先端は加熱室外側に向けである。

第３図は第２図のＡ−Ａ’断面である。

加熱室壁１にあけられた角穴群２の周囲には窓枠金具３
が加熱室壁１とスポット溶接され、加熱室外側に設けら
れる。

窓枠金具３の中央凹部には、周囲をシリコンゴム製のパ
ツキン４で被った窓がラス５を入れ、上から金網６で被
い、さらに上から止め金具７をかぶせ、タッピンビス８
で前記窓枠金具３に固定する。

窓枠金具３は加熱室壁１に溶接された状態で、いっしょ
にホーロー処理を施される。

以上の構成により強度の優れた小孔群を有するホーロー
製加熱室が実現できる。

前述したように鉄板の端面にはホーローが付きにくいが
、本実施例においては角穴はバーリング加工がしてあり
、かつそれが加熱室の外側に向っているので、加熱室内
の人の手の触れる恐れのある部分は端面より十分はなれ
ており、他の平面部と同様、ホーローとして十分な強度
を持ち得る。

電波漏洩に関しては金網６があるので問題ない。

金網６と接する部分の窓枠金具３にもホーローが付いて
いるので、両者の接続は直流的には不十分であるが、第
４図に見られるように、窓枠金具の金網と接する部分は
内側及び外側ともに絞り加工が施されており、十分な平
担度及び強度を有し、かつ金網は止め金具７によって上
から押しつけられるので窓枠金具と金網とは確実に接触
するので、その間の静電容量により、高周波的には接続
される。

窓枠金具と加熱室壁とは小孔群の周囲でスポット溶接さ
れているので、高周波的にも直流的にも接続されている
。

本実施例ではバッキング付のガラスが入れられているの
で電波及び風は通さず、光のみを通すが風を通すために
はガラス５及びバッキング４を取り去るだけで良い。

また本考案はホーロー処理を目的としたが、例えばアル
ミナイズド鋼板などにも有効である。

従来からオーブントースタ−などではアルミナイズド鋼
板製の加熱室が用いられていたが、これに小孔群を設け
ると、小孔の側面はアルミナが耐着してない部分となる
ので、この部分からさびが発生し、調理器としては使用
できないが、本実施例のようにバーリング加工を施せは
端面が見えなくなるので使用可能となる。

以上述べたように本考案によればホーロー製またはアル
ミナイズド鋼板製の加熱室が実現できるので、大幅なコ
ストダウンが図れるとともに、ステンレスを使わなくと
もすむのでニッケル等の貴重な資源を省くことになり、
広く社会に貢献するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の小孔群を示す正面図、第２図は本考案の
一実施例を示す小孔群の正面図、第３図は第２図におけ
るＡ−Ａ’断面図、第４図は窓枠金具の斜視図、第５図
は金網の斜視図、第６図は止め金具の斜視図である。 １・・・・・・加熱室壁、２・・・・・・角穴群、３・
・・・・・窓枠金具、４・・・・・・パツキン、６・・
・・・・金網、７・・・・・・止め金具。 第３図

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 壁面にバーリング加工を施された小孔群を有し、前記バ
   ーリング加工を施された小孔の先端を加熱室外部に向け
   る構成とした電子レンジの加熱室。