JPS60941Y2 - 粉末消火設備の自動停止装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は複数の防護区画を有する粉末消火設備において
、小防護区画への消火剤の放出を自動的に停止する装置
に関するものである。

社会の要求により大形化される建物又はプラントの設備
機器は、一旦火災になると重大な事故となり、経済的に
も大きな損失を被ることになるので、この事故を最小限
に押えるため大型化された消火設備が要求されている。

：しかし消火設備は建物すべてを消火するのではなく１
．危険な場所を対象として設備されるから、消火する対
象区画は同一の大きさではなく、一般には大きな区画や
小さな区画が防護区画として存在する。

例えば地下階に駐車場、機械室及び油庫がある場合、最
大防護室は駐車場となり、機械室や油庫は小さな防護室
となる。

ガス系の消火設備では、消火剤を小型の高圧容器に貯蔵
して数本又は数十本を設置じ、：最大防護室は貯蔵容器
の全量を放出して消火腰小さな防護室には貯蔵容器の＋
部を放出して消火する構造を採用腰これにより消火剤が
無駄に放出されないようにしている。

しかし粉末消火設備はガス系の消火設備と異なり、貯蔵
容器は最大防護室に必要な消火剤を１個の貯蔵容器に貯
蔵し、小さな防護室への放出も同じ貯蔵容器を使用する
ので、ガス系消火設備のように防護室に応じた消火剤の
放出は困難であり、小さな防護室にも最大防護室用の消
火剤が放出されるから非常に不経済であり、また消火剤
放出後の処理も困難となっている。

消防法では消火に使用する消火剤の量はその種別に応じ
て決められ、各防護室の最大容積又は最大面積を消火出
来る消火剤の量を貯蔵容器に貯蔵し、消火に必要な量を
３峨以内に放出するように決められている。

従って最大防護室の場合は貯蔵されたすべての消火剤を
３峨以内に放出して消火することになるから、どの防護
室の場合でも消火剤の放出後３峨で消火剤の放出を停止
しても消火は可能となる。

粉末消火設備は消火剤の貯蔵容器が加圧されて設定圧力
になると定圧弁が作動し、これを通過する圧力ガスが切
替弁を介して貯蔵容器の放出弁を開き、消火剤は放出弁
より選択弁を通って火災区画に放出される。

この初期放出からの放出継続時間が３峨以内となるが、
放出弁開放からの放出時間は配管の長短と配管径により
少し異なる。

消火剤の放出を停止するには貯蔵容器の放出弁を手動で
閉鎖するが、火災により困迷と火災区画から貯蔵容器ま
での距離により２，３分間は経過し、貯蔵容器内の消火
剤の全量が放出されることになる。

又消火剤の全量が放出されると導管中に残留した消火剤
を除去するための加圧ガスも放出されてしまい、導管を
クリーニングするために別の加圧ガスを必要とする。

本考案は防護区画を選択する選択弁の出口に圧カスーイ
ツチを取付け、この検知信号を限時継電器で約３Ｃ＄間
遅延させた後、貯蔵容器の放出弁を閉鎖する信号を切替
弁に与える構成となし、これにより粉末消火設備が作動
して消火剤を放出してから約３Ｃｅ後には消火剤の放出
を自動的に停止し、消火に必要とする消火剤の量を放出
するが余分な消火剤を放出せず、又導管をクリーニング
する加圧ガスを残すことに成功したのである。

図面の実施例において、１は加圧用窒素ガスを充填した
加圧容器で、口部の容器弁に連なる導管３に圧力調整器
４を設ける。

５は粉末消火剤の貯蔵容器て安全弁６を有し、加圧容器
の導管３は終端の清掃弁７を介して貯蔵容器５の側壁に
連結され、この貯蔵容器の底面から出る導管１０の始端
にシリンダ８にて操作される放出弁９を設け、導管１０
の終端から防護区画Ｉ〜■へ分岐する各導管１１にシリ
ンダ１２にて操作される選択弁１３を設ける。

１４は起動用ガスを充填した起動容器で、その容器弁１
５を開くソレノイド１６を備え、各容器弁に各選択弁の
操作シリンダ１２に連なる導管１７と不還弁１８を有す
る３つの導管１９を連結し、この導管１９を１本の導管
２０にまとめて加圧容器の容器弁２に連結する。

貯蔵容器５９側壁から出る導管２１に定圧弁２２とソレ
ノイド２４にて作動される切替弁２３を接続し、切替弁
の２つの出口と放出弁の操作シリンダ８の下部と上部を
それぞれ導管２５，２６にて連結する。

又選択弁１３の出口側に圧力スイッチ２７を取付けて消
火剤の放出を検知し、この検知信号を制御盤のリレー（
図示なし）により遅延させ、約３形の設定時間後にソレ
ノイド２４を付勢して切替弁２３を作動する。

なお導管２１からの分岐する導管２３に排気弁２９を入
れて防護区画への導管１０に連結し、この導管１０と清
掃弁７を導管３０にて連結する。

本考案装置の一実施例は以上の構成からなり、火災感知
器又は防護区画付近の押釦スイッチから制御盤へ信号が
入ると、制御盤は所定の起動容器のソレノイド１６へ信
号を送って容器弁１５を開き、起動容器１４は起動ガス
を導管１７と導管１９へ放出し、導管１７を流れる起動
ガスは操作シリンダ１２に入って選択弁１３を開放し、
導管１９を流れる起動ガスは容器弁２を開いて加圧容器
１の窒素ガスを導管３へ送出する。

この窒素ガスは圧力調整器４で設定圧力に減圧されたの
ち、清掃弁７より貯蔵容器５へ流入して内部の粉末消火
剤を攪拌しつつ加圧する。

この粉末消火剤の一部は導管２１に入り、その圧力が設
定値に達すると定圧弁２２が開くのて粉末消火剤の一部
は導管２１を流れて切替弁２３に達し、ここから導管２
５を経て操作シリンダ８の下部へ流入する。

この結果放出弁９が開放するのて貯蔵容器内の粉末消火
剤は導管１０を流れ、事前に開放している選択弁１３を
通って防護区画■へ放出される。

ここに消火剤は最大防護区画の消火に必要な量を貯蔵容
器に充填し、この貯蔵容器を働かせるのに必要な窒素ガ
スを用意しているから、放出弁を手動で止めない限り貯
蔵容器内の全消火剤が放出されることになる。

例えば最大防護区画に必要な消火剤を５００ｋｇとし、
小さな防護区画では２５０ｋｇの消火剤で十分であると
すれば、放出時間は３咀以内と決められているから、最
大防護区画は３＃で所要量の消火剤が放出されるが、小
さな防護区画では放出弁９を閉じない限り約６０′￥！
Ｊ）間にわたって消火剤が放出され、消火に必要な量の
２倍の消火剤が放出されることになる。

本実施例においては消火剤が選択弁１３を通って防護区
画■へ放出されると圧力スイッチ２７がそれを検知し、
この検知信号が制御盤のリレーで遅延されて約３■後に
ソレノイド２４を付勢し、このソレノイドは第２図に示
す如く切替弁２３を作動して導管２１と導管２６を接続
する。

この結果加圧された粉末消火剤の一部が操作シリンダ８
の上部へ流入して放出弁９を閉じるので、粉末消火剤の
放出は自動的に停止する。

なお貯蔵容器５が空になるまで排気弁２９を開いてこの
容器内に残存しているガスを導管２８より導管１０，１
１を経て放出し、その後清掃弁７を切替えて加圧容器１
の窒素ガスを導管３０へ送入し、導管１０から導管１１
へ窒素ガスを流して内部の粉末消火剤を除去する。

以上は本考案の一実施例を説明したもので、本考案はこ
の実施例に限定されることなく、考案の要旨内において
設計変更でき、例えば切替弁２３を操作するンレノイド
２４に代えてシリンダを用いてもよく、この場合は圧力
スイッチ２７の信号により圧力ガスをこのシリンダへ送
込んで切替弁２３を操作する。

本考案によるときは複数の防護区画を有する粉末消火設
備において、選択弁の出口側に圧力スイッチを取付けて
粉末消火剤の放出を検知し、粉末消火剤を貯蔵する貯蔵
容器の放出弁を開放、閉鎖する切替弁に電磁式又はガス
圧式作動部材を設け、圧力スイッチの検知信号を設定時
間後にこの作動部材に与えて放出弁を閉鎖するように構
成したから、粉末消火剤の放出を自動的に停止して消火
剤の無駄を無くすことができ、導管をクリーニングする
加圧ガスが残るので消火後の処理が簡単となり、これら
が相待って経済的かっ省力的な粉末消火設備を提出しう
る効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図は放出弁
の開放状態における実施例全体の系統図、第２図は放出
弁を閉鎖した際の関連部分の系統図である。 なお、Ｉ〜■は防護区画、５は貯蔵容器、９は放出弁、
２３は切替弁、２４は作動部材、２７は圧力スイッチで
ある。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 粉末消火剤の貯蔵容器から出る導管を分岐させて複数の
   防護区画へ導き、各分岐導管に設けた選択弁の出口側に
   圧力スイッチを取付け、貯蔵容器の放出弁を開放、閉鎖
   する切替弁に電磁式又はガス圧式作動部材を設け、圧力
   スイッチの検知信号を設定時間後にこの作動部材に与え
   て開放弁を閉鎖するように構成したことを特徴とする粉
   末消火設備の自動停止装置。