JPS609304Y2 - 吊下げ式軒樋受具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、軒先に沿って配設される軒樋を、軒先又はそ
の近傍等の固定部に対して吊下げ固定するための吊下げ
弐軒樋受具の改良に関する。

この種の吊下げ弐軒樋受具は、一般に軒樋の耳縁部を保
合保持する係止部と、この係止部を前記固定部に取付け
るための取付は具とを主要構成としている。

而して従来にあっては、前記係止部を軒樋耳縁部に対し
て強力に圧接することにより、軒樋の下方への不測の脱
落を防止していたが、外気温変動等に伴なって軒樋がそ
の長手方向に沿って伸縮応力を受けた場合、前記の強力
な圧接のために軒樋耳縁部と係止部との相対移動が不能
となって軒樋が変形したり、或いは、たとえ相対移動を
生じても前記の強力な圧接のために軒樋耳縁部が傷付け
られるといった不都合があった。

本考案はかかる実情に鑑みて、軒樋が不測に脱落するこ
とを確実に防止できる機能を有することは勿論のこと、
このように確実な脱落防止機能を発揮できながら、軒樋
伸縮時に耳縁部と係止部との相対移動をスムースに許容
して、軒樋の変形や耳縁部の損傷を良好に回避すること
のできる吊下げ弐軒樋受具を提供せんとすることを目的
とする。

本考案の吊下げ弐軒樋受具は、固定部への取付は具を付
設するとともに、軒樋の耳縁部に対して、樋長手方向で
の相対移動を許容する状態で係合可能な係止部を設けで
ある吊下式軒樋受具であって、前記係止部の上端に連な
る鉛直板部に対し、上下に相対摺動自在に取付けて、前
記係止部に係合している耳縁部に対して僅か内方側に離
間した位置に延設して耳縁部の内方側への移動に伴う不
測の離脱を阻止する係合離脱阻止片を阻止解除自在に設
けると共に、前記鉛直板部に対し前記阻止片の樋内方側
への弾性変形を規制して姿勢を安定化させる舌片を有す
る係止環を上下摺動自在に嵌合しである事を特徴とする
。

従って、係止部と係合離脱阻止片との協働作用によって
、耳縁部が、下方ならびに水平内外方向へ不測に脱落す
ることを確実に防止することができるのは勿論のこと、
このような確実な脱落防止機能を発揮するものでありな
がら、係止部、阻止片は、耳縁部を、その長手方向での
相対移動を許容する状態で係合すべく、係止部に係合し
ている耳縁部に対して阻止片を僅か内方側に離間した位
置に延設するものであるから、外気温変動等に起因して
軒樋がその長手方向に伸縮されんとした場合、軒樋はス
ムースに伸縮でき、故に従来見られた軒樋を変形させた
り、耳縁部を損傷させたりするといった不都合を、良好
に回避することができ、家屋の美観維持上極めて有利で
ある。

しかも、係止部により係合された耳縁部の離脱を阻止す
る阻止片に対し、その阻止片の樋内方側への弾性変形を
規制して姿勢を安定化させる舌片を有する係止環を鉛直
板部に上下摺動自在に嵌合しであるために、至って簡単
に前記阻止片の阻止作用解除操作及び姿勢安定化を行な
うことができ、軒樋に風等の外力が加わることによる耳
縁部の不測の離脱を確実に阻止できるに至った。

次に、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図、第２図において、１は、軒樋９の耳縁部１０に
対しその外周面に巻付は係合可能な円弧状の係止部であ
って、この係止部１に連なる鉛直板部２に対して、係止
部１に係合している耳縁部１０の不測の離脱を防止する
ための係合離脱阻止片３が取付けられている。

この阻止片３は、その上半部に固着したピン４を、前記
鉛直板部２に形成の縦方向長孔２ａに挿通係止すること
で、鉛直板部２に対腰上下に相対摺動自在となるよう構
成され、かつ阻止片３上半部と鉛直板部２とを包囲する
状態に押込み係止環５が套嵌されている。

阻止片３の下半部は、下方に行くにつれて軒樋９内方側
に近づく傾斜姿勢となっており、かつ係止部１に対し水
平内外方向で対向位置している。

係止部１の下側部分は耳縁部１０を載置支持して下方へ
の移動を規制する。

又、その横側部分は耳縁部１０の外方への移動を規制す
る。

阻止片３は耳縁部１０の内方への移動を規制する。

但し、阻止片３は板バネからなるものではあるが、耳縁
部１０に圧接しておらず、両者３，１０間には僅かな隙
間が生じている。

従って、耳縁部１０は、係止部１、阻止片３によって下
方および内外両方向での不測の脱落を防止されるもので
ありながら、外気温変動等に起因した軒樋９の伸縮時に
は、両者１．３に対し、難なくスムースに相対移動でき
る。

係止部１、阻止片３間への耳縁部１０の挿入嵌合は、第
３図の如く係止環５、阻止片３を鉛直板部２に対して上
動させ状態から耳縁部１０を両者１．３間に押込むと、
板バネである阻止片３は弾性変形して外方に逃げ、耳縁
部１０が係止部１に係合するに至った後元位置に復帰す
る。

次に阻止片３を長孔２ａに沿って押下げ、かつ係止環５
を押下げることでその舌片５ａにて阻止片３の内方側へ
の弾性変形を規制するものである。

尚、係止環５は第４図の如く、ピン４の頭部に対接しそ
の摩擦力で、不測の上昇を防止されている。

６は、軒樋９の開口部側を横切る状態に配設された帯板
状の部材で、この部材６の両端部の夫々に、前記の鉛直
板部２が一体的に連設されており、かつこの部材６の中
間部に、軒先等の固定部への取付は具７がナツト８を介
して取付けられている。

この実施例では帯板状部材６の両端部々に、軒樋９の両
側耳縁部１０，１０に対する係止部１゜１および阻止片
３，３を設けたものであるが、第５図のように帯板状部
材７の一端側は、単に折曲させた引掛部１′に構成して
も良い。

又、両鉛直板部２，２を、取付は具７付きの帯板状部材
６を介して一体連設することに代えて、図示は略すが、
各鉛直板部２，２夫々に取付は具７．７を各別に付設し
ても良きものである。

更に、画体止部１，１又は係止部１と引掛部１′とに両
耳縁部１０，１０を係合させるに当っては、軒樋９を一
旦弾性的に縮めた状態から係合させ復帰力を発現させる
ことで、弾性係合状態となすも良い。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る吊下げ弐軒樋受具の実施例を示腰第
１図は全体斜視図、第２図は要部拡大縦断正面図、第３
図はセット作業状態を示す縦断正面図、第４図は要部拡
大横断平面図、第５図は別実施例に係る全体縦断正面図
である。 １・・・・・・係止部、３・・・・・・係合離脱阻止片
、６・・・・・・横切り部材、７・・・・・・取付は具
、９・・・・・・軒樋、１０・・・・・・耳縁部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ■ 固定部への取付は具７を付設するとともに、軒樋９
   の耳縁部１０に対して、樋長手方向での相対移動を許容
   する状態で保合可能な係止部１を設けである吊下式軒樋
   受具であって、前記係止部１の上端に連なる鉛直板部２
   に対し、上下に相対摺動自在に取付けて、前記係止部１
   に係合している耳縁部１０に対して僅か内方側に離間し
   た位置に延設して耳縁部１０の内方側への移動に伴う不
   測の離脱を阻止する係合離脱阻止片３を阻止解除自在に
   設けると共に、前記鉛直板部２に対し前記阻止片３の樋
   内吉例への弾性変形を規制して姿勢を安定化させる舌片
   ５ａを有する係止環５を上下摺動自在に嵌合しである吊
   下げ式軒樋受具。 ■ 前記取付は具７は、軒樋９の開口部側を横切る部材
   ６に付設され、かつ前記係止部１および阻止片３がこの
   部材６の両端夫々に設けられている実用新案登録請求の
   範囲第■項に記載の吊下げ弐軒樋受具。 ■ 前記画体止部１，１は、軒樋９の両端耳縁部１０．
   １０が弾性的に係合するように構成されている実用新案
   登録請求の範囲第■項に記載の吊下げ弐軒樋受具。