JPS609254Y2 - 撚糸用アンチノ−ドリング - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、撚糸機に用いられる撚糸用アンチノードリン
グの改良に関するものであり、糸との接触箇所を多くし
て糸に対する接圧を小とし、溶融糸や糸毛羽の発生を少
なくし、糸品質を向上させることを目的としている。

従来、撚糸機に使用されているアンチノードリングとし
て、第１図に示されるように２個のアンチノードリング
１，１を機台への取付は部材２を介して２段に設けた２
段式アンチノードリングが考案されている。

しかし、上記の２段式アンチノードリングを用いた場合
には、スピンドル回転の高速化あるいは省電力化がある
程度可能となるが、アンチノードリング１，１の内周面
を、即ち２箇所の糸接触箇所を糸３が高速で周回するた
め、糸に対する接圧が高くなり、溶融糸を発生したり、
糸毛羽が発生したりして糸質を低下させるという欠点が
あった。

本考案は、上記欠点を除去するためになされたものであ
り、以下その一実施例を図面に基づいて説明する。

第２図、第３図は実施の１例を示しており、２．５ｍｍ
〜４．５ｒＩＩＭの素線直径ｄを有する素線４が、直径
１０−〜２００斜程度で、高さが５０問〜１２−程度で
あり、ピッチＰが素線４の素線直径ｄの２〜５倍のコイ
ルバネ状に捲回されて筒状体５とされている。

この筒状体５には、ピッチＰ１すなわちコイル間隔を一
定に保つため、機台への取付部材７が一体的に形成され
た保持材６が溶接、接着等により一体に固着されており
、かつ筒状体５の外周面の複数個所に、補強材８が当接
されて固着され、前記ピッチＰ１すなわちそれぞれのコ
イル間隔が変化しないように意図されている。

図示例の筒状体５は円筒形であるが、円筒形に限らず、
円錐状であってもよく、また素線４の断面形状は円形に
限られるものではなく、扁平形状、矩形状のものであっ
てもよい。

また図示例のものは、筒状体５が、左捲きのコイルバネ
状捲回体で形成されているが、右捲きのコイルバネ状捲
回体で筒状体５を形成してもよく、２撚用、Ｓ撚用とし
て使いわけると糸質向上に更に役立つものである。

本考案の撚糸用アンチノードリングによれば、筒状体５
がコイルバネ状に形成されているため、糸との接触箇所
が従来のものに比べ数倍以上となり、その結果、糸がバ
ルーニングを起して接触した場合、筒状体５と糸との接
触箇所が分散され、糸に対する接圧が著しく小さくなり
、しかも筒状体のピッチを素線直径の２〜５倍と小さく
設定しているため、糸がバルーニングを起して接触した
場合に、糸の各素線に対する接触角が小さくなり、糸が
素線によりしごかれるような作用がなくなり、上記接圧
が著しく小となることと相俟って溶融糸、糸毛羽の発生
を著しく少なくし、糸品質を大幅に向上させることがで
きる。

さらに、筒状体５を形成する各素線を保持材６および補
強材８に固着させ、各素線間のコイル間隔が変化しない
ようにしたため、糸のバルーン張力が変動しても筒状体
の形状は一定で安定しているので、バルーン形状が乱れ
ず安定した紡出状態を得ることができる。

また、このため、スピンドル回転数を大巾に上げること
が可能となり、生産性の向上が計れる等その実用効果は
大きいものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来のアンチノードリングを使用した紡出状
態を示す説明図、第２図は本考案の撚糸用アンチノード
リングの一実施例を示す正面図、第３図はその平面図で
ある。 ４・・・・・・素線、５・・・・・・筒状体、６・・・
・・・保持材、７・・・・・・取付部材、訃・・・・・
補強材、ｄ・・・・・・素線直径、Ｐ・・・・・・ピッ
チ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ２．５ｒｒｒ！ＩＬ〜４．５ｒｒＩ！Ｉｔの素線直径を
   有する素線が、ピッチが素線直径の２〜５倍となるよう
   にコイルバネ状に捲回されて円筒形９円錐形等の筒状体
   に形成され、前記筒状体にはコイル間隔が変化しないよ
   う機台への取付部材を有する保持材および補強材が固着
   されていることを特徴とする撚糸用アンチノードリング
   。