JPS607991Y2 - 自転車用シユーズの固定バンド - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は所要長さのバンド本体と、該本体の長さ方向一
端に取付けた締付具とから成る自転車用シューズの固定
バンドに関する。

一般にこの種の固定バンドは、バンド本体の基部に取付
けた締付具を、ペダル上に乗せたシューズの横外側に配
した状態で、バンド本体の前記基部に続く束縛部をペダ
ルの下側から上方に引上げて前記シューズの甲被外面に
対接させると共に、バンド本体の前記束縛部に続く締付
部を、前記締付具に差込み、この締付部によるバンド本
体の締付は及び前記締付具による締付部の係止によって
、前記シューズをペダルに固定するごとくしている。

所で前記シューズはその甲被が足先側が低くなるよう傾
斜しているので、前記バンド本体の締付は時バンド本体
の束縛部における足首側縁部が前記シューズの甲被外面
における傾斜高位部に当接して、前記束縛部の足先側縁
部が浮上り、換言すれば前記バンド本体の束縛部を甲被
外面に全面接触させることができず、前記バンド本体の
束縛部が前記シューズの甲被外面における傾斜面に沿っ
て滑り落ち易すく、これにより前記バンド本体の締付け
が弛み、前記シューズのペダルへの拘束が確実に行なえ
ない問題があった。

また前記の如くバンド本体の束縛部における足首側側縁
部だけがシューズの甲被外面に対接している場合、足の
甲が非常に痛く、前記バンド本体の締付けを強く行なう
ことができず、前記束縛部の滑り落ちがより一層生じ易
すいものであった。

そこで本考案は以上の如き問題点を解決すべく考案した
もので、バンド本体の締付けによりシューズをペダルに
固定する場合、このバンド本体の束縛部をシューズの甲
被外面に全面的に接触させることができ、これにより前
記バンド本体の締付けが不用意に弛むごとき恐れをなく
して、前記シューズのペダルへの拘束を確実に行なわせ
得る固定バンドを提供しようとするものである。

以下本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

図において附号１で全体的に示すバンド本体は、硬質合
成樹脂製の芯材１ａと、該芯材１ａの表面側に被覆させ
る透明な軟質合成樹脂製の被覆体１ｂとを用いて所要長
さの帯状に形成するもので、自転車用シューズの甲被外
面と接触して該シユーズを拘束する束縛部１１と、該束
縛部１１の長さ方向一端で後記する締付具２が取付けら
れる基部１２と、前記束縛部１１の長さ方向他端に続く
締付部１３とを備えている。

また附号２で全面的に示す締付具は、所要間隔を置いて
相対向する一対の側板３１，３１を、連結杆３２と連結
兼用の掛止杆３３とにより互に連結すると共に、この両
側板３１．３１間一端部に、軸方向に延びる多数の凹凸
条をもつ受ローラ−３４を軸架し、かつ前記両側板３１
．３１の他端部に、前記バンド本体１の締付部１３を押
え込む一対の押え体３５．３５を対向状に突設して、前
記バンド本体１の基部１２に取付けられる受体３を構成
する一方、平板状の板材を用い、該板材の中央部両側に
一対の相対向する軸受部４１，４１を形成すると共に、
この軸受部４１．４１を挟んで一端側に押圧操作部４２
を、他端側にノコ歯状の凹凸４４をもつバンド挿通孔４
３を形成して、前記バンド本体１の締付部１３を係止す
る係止体４を構成するのであり、斯く構成した受体３と
係止体４とを用い、該係止体４の軸受部４１゜４１を受
体３の側板３１，３１間に嵌込んだ状態で、軸杆５によ
り前記係止体４を受体３に揺動可能に枢着し、かつこの
軸杆５上に挿通させたコイルスプリング６の一端部を前
記受体３に、他端部を前記係止体４に当接させて、常時
は係止体４のバンド挿通孔４３側が受体３のローラー３
４側に附勢されるよう構成してなるものである。

しかして本考案は前記バンド本体１の束縛部１１におけ
る裏面側、即ち芯材１ａの外面側に長さ方向に延びる複
数本の凹凸条１４・・・を形成すると共に、この束縛部
１１の裏面にスポンジの如きクッション材７を添設し、
かつ前記束縛部１１を、前記基部１２と締付部１３とを
結ぶ直線に対し幅方向外方に向って円弧状に変位させる
のであり、また前記基部１２の最外端部を幅広とし、こ
の幅広部分中央にコ字形の切込みを設けて、取付部片１
５と当板部片１６とを形成Ｌ１この取付部片１５に前記
締付具２における受体３の掛止杆３３を対面させて、該
掛止杆３３から取付部片１５に亘るごとくコ字形金具８
を嵌込み、該金具８を止めピン８１により前記取付部片
１５に止着し、これにより前記締付具２をバンド本体１
の基部１２に取付けるのである。

本考案の固定バンドは以上の如く構成するもので、自転
車用シューズをペダルに固定する場合、バンド本体１の
基部１２に取付けた締付具２を、前記シューズの横外側
に配した状態で、前記バンド本体１の束縛部１１を前記
シューズの甲被外面に対接させると共に、このバンド本
体１の締付部１３を、前記締付具２における受体３の連
結杆３２とローラー３４との間から係止体４のバンド挿
通孔４３に差込むのである。

このとき、前記係止体４の操作部４２を押圧操作して、
係止体４をスプリング６に抗して揺動させるのであって
、これにより前記締付部１３を、連結杆３２とローラー
３４との間からバンド挿通孔４３に差込むことが容易に
行なえる。

斯くして前記操作部４２の押圧操作を放すことにより、
前記係止体４がスプリング６の弾性復元力をして揺動し
、この係止体４の凹凸４４を介して前記締付部１３をロ
ーラー３４に押付けて、この締付部１３を凹凸４４とロ
ーラー３４との間に係止するのであり、また斯かる状態
で前記締付部１３を引張ることは可能である。

即ち、前記締付部１３を引張ることにより、前記係止体
４による締付部１３のローラー３４側への押付けが弛め
られると共に、バンド本体１の締付けが行なわれて、前
記束縛部１１によるシューズの拘束が行なわれるのであ
る。

しかして前記バンド本体１の締付けに伴って前記束縛部
１１がシューズの甲被外面に全面的に接触し、即ち前記
束縛部１１は、基部１２と締付部１３とを結ぶ直線に対
し幅方向外方に変位しているので、バンド本体１による
シューズの締付は時、このバンド本体１の足先側側縁の
全周長さが足首側側縁の全周長さよりも短くなり、前記
シューズの甲被外面が足先に至る程低くなるように傾斜
しているも、前記束縛部１１の足先側側縁部がシューズ
の甲被外面から浮くようなことがなく、前記束縛部１１
が全面的に前記シューズの甲被外面に接触するのである
。

以上の如く締付完了後また前記締付部１３は、その先端
を前記受体３の押え体３５．３５間下方に差し通すので
あって、これによって前記凹凸４４とローラー３４とに
よる締付部１３の係止状態が維持されると共に、この締
付部１３の先端が前記基部１２側に押えられ、締付部１
３先端の跳ね上がりが防止されるのである。

尚本考案は既述実施例の如く、束縛部１１の裏面側に凹
凸条１４・・・を設けた場合、この束縛部１１の足先側
への滑り落ちをより一層確実に防止できる。

このとき、束縛部１１の裏面にクッション材７を添設す
ることにより、バンド本体１の締付けを強く行なうも足
の甲が痛くなるようなことがなく、また図例の如く前記
クッション材７の途中を一部切除して、この切除部にト
ークリップを位置させるごとくした場合、このトークリ
ップが足の甲に直接当るようなことがない。

また実施例の如く、締付具２が取付けられる基部１２に
当板部片１６を形成した場合、この当板部片１６により
締付具２が受けられ、締付具２が直接足に当るようなこ
とがない。

また実施例の如く、バンド本体１が合成樹脂により形成
されている場合、凹凸４４とローラー３４とによる締付
部１３の係止時に、該締付部１３の裏面に凹凸４４の歯
形が残ることになるので、第２図に示されたような締付
部１３の裏面を予じめ梨千地として前記歯形を隠すごと
くしてもよい。

また前記バンド本体１は合成樹脂により形成する外、茎
材により形成し、或は合成樹脂と茎材との複合材料によ
り形成してもよい。

以上説明した如く本考案による自転車用シューズの固定
バンドは、バンド本体のシューズ束縛部を、締付具を取
付ける基部と、締付具に差込む締付部とを結ぶ直線に対
し、幅方向外方に向って円弧状に変位させて、バンド本
体によるシューズのペダルへの締付は固定時、バンド本
体の足先側側縁の全周長さを足首側側縁の全周長さより
も短（なるごとくしているので、前記シューズの甲被外
面が足先に至る程低くなるよう傾斜しているも、前記束
縛部の足先側側縁部がシューズの甲被外面から浮くよう
なことがなく、この束縛部をシューズの甲被外面に全面
的に接触させることができるのである。

従って前記バンド本体によるシューズのペダルへの締付
は固定が確実に行なえ、かつこのバンド本体の締付けを
強く行なっても足の甲が痛くなるようなことがないので
ある。

しかも前記の如く束縛部をシューズの甲被外面に全面接
触させることにより、使用している内に束縛部がシュー
ズの甲被外面における傾斜に沿って足先側に滑り落ちる
ごとき恐れをなくし、前記バンド本体による締付は状態
を確実に維持させ得るに至ったのである。

また前記シューズ束縛部の裏面、即ちシューズの甲被外
面に接触する面に、束縛部の長さ方向に沿う複数本の凹
凸条を設けることにより、前記束縛部の足先側への滑り
落ちをより一層確実に防止せしめ得るのである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図はその正面
図、第２図は同底面図、第３図は第１図における■−■
線拡大断面図、第４図は同部分拡大平面図、第５図は第
４図における■−■線断面図、第６図は第４図における
ＶＩ−ＶＩ線断面図、第７図は使用状態を示す縦断正面
図、第８図は同縦断側面図である。 １・・・・・・バンド本体、１１・・・・・・束縛部、
１２・・・・・・基部、１３・・・・・・締付部、１４
・・・・・・凹凸条、２・・・・・・締付具。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）自転車用シューズをペダルに固定するための固定
   バンドであって、前記シューズの甲被外面と接触して、
   前記シューズを拘束するシューズ束縛部を備えたバンド
   本体の長さ方向一端に、締付具を取付けると共に、前記
   シューズ束縛部を、前記締付具を取付ける基部と、前記
   締付具に差込む締付部とを結ぶ直線に対し、幅方向外方
   に向って円弧状に変位させたことを特徴とする自転車用
   シューズの固定バンド。
2. （２）シューズ束縛部の甲被接触面に、前記束縛部の長
   さ方向に沿う複数本の凹凸条を設けたことを特徴とする
   第１項記載の自転車用シューズの固定バンド。