JPS607935Y2 - 車載用燃料タンクにおけるエバポ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は縦形フロート式油量検出筒にエバポ機能を具備
させた車載用燃料タンクにおけるエバポ装置に関する。

車載用燃料タンクにおける従来のエバポ装置は例えば第
１図Ａ、 Ｂ図に示す如く燃料タンク１上部にエバポ室
２を該タンク上部空間に設け、該エバポ室２からタンク
内液面上に向は複連の通気チューブ３を配管してタンク
内気化燃料をエバポ室内へ回収する構成とすると共に、
タンク内と外気との通気を図り、タンク内圧と外気圧と
の圧力差を可及的にバランスさせる構成としていた。

然るに斯る従来装置は車輌の急発進、急停止、急旋回時
にタンク内燃料が大きく波動した場合、燃料が通気チュ
ーブ３からエバポ室２に浸入したり、エバポチューブ４
内に入り込み燃料液がバルブ２ａ又はその先方に設けた
キャニスタ−等に浸入することによりエバポ機能を喪失
させる等の欠点があり、又構造的にエバポ室２の突設、
通気チューブ３の配管、若しくは図示しないがリザーバ
タンクの設置等で取付工数、工費の増加を招いており、
加えてこれら部品の設置でタンク上部スペースを多く占
有するので、限られたタンク収納スペースの有効利用上
大きな障害となっており、燃料タンク自身の有効面積を
削減する原因ともなった。

本考案は車載用燃料タンク内に垂設した縦形フロート式
油量検出筒にて上記エバポ室を構成すると共に、油量に
追随せるフロートの上下浮動に弁作用を具備させて、エ
バポ室への燃料流入を確実に阻止しつつ、タンク内圧と
外気圧とのバランスを一定に保持するようにしたエバポ
装置に関するもので、上記従来例に見られる機能上、構
造上の欠点を抜本的に解消することを目的とする。

以下その実施例を図面に基いて詳述する。

第２乃至第４図に示す如くガソリンタンク６内に筒体８
を垂設してタンク上壁部７外方に開口させ、該開口部１
０を蓋１１で密閉し、数差１１の鍔部１３と上記筒体８
の鍔部９とを重ね、同所ボルト１２で締め付して数差１
１と筒体８とをタンク上壁７に取付は固定する。

上記部間口部を密閉する蓋１１には採油用アウトレット
チューブ１４と油回収用リターンチューブ１５を貫装取
付けし、これを筒内底に向は垂設する。

筒体８の側部にはタンク内底部に近い位置に通油孔１６
を穿けてタンク内の燃料の流通を許容する構成とすると
共に、第２図に示す如く筒底壁上位又は下位に樹脂メツ
シュで構威されたフィルター１７を張設して筒底壁１８
との間に濾過室１９を形成し、該濾過室１９にはその頂
部から上記アウトレットチューブ１４の先端を臨ませて
、フィルター１７を通過した濾過室１９内の燃料を該ア
ウトレットチューブ１４により採油送出する構威とする
。

燃料タンク６は合成樹脂の成型品で形成され、筒体８底
部が位置するタンク内底面にその底壁３９自身を内側に
向は突出成型して筒体８の周囲を囲む突条から威る堰３
２を設け、該層の両自由端間で通油路３３を形成してタ
ンク内燃料の流通を許容する燃料貯留室３４を形成し、
採油筒下部からの採油の確実化を図った場合を示す。

第３図は具体例として堰３２を螺旋状に配して該層３２
の両自由端に囲いが二重になる部分を設けて、この間に
上記通油路３３を形成した場合を示す。

又筒体８内部を隔壁２３で仕切り、該隔壁２３を介し筒
上部にエバポ室２１を、該エバポ室下にフロート室２５
を構成する。

筒体８内にペーパチューブ２０を垂設し、その先端を上
記濾過室１９内に臨ませ、その上端を上記エバポ室２１
に開口させ、濾過室１９内にたまる気化燃料を該エバポ
室２１内に取り出す構成となす。

隔壁２３には単数又は複数の通気孔２４を穿けて隔壁下
に形成されたフロート室２５と連通させると共に、エバ
ポ室２１のタンク土壁に近い個所に通気孔４０を穿けて
タンク内上部空間と連通させる構成とし、他方蓋１１に
エバポチューブ２２を設けてエバポ室２１、エバポチュ
ーブ２２に連設した弁やキャニスタ−を介して外気との
通気を図り、タンク内圧と外気圧との圧力差を可及的に
減少させるべくバランスさせると共に、タンク内圧とフ
ロート室内圧とのバランスを得て、タンク内液面に追随
し適確に後記するフロートを上下させ液面を検出する構
威となす。

更に筒体８の上記エバポ室２１下に形成されたフロート
室２５には油量検出用フロート２７を内装する。

該フロート２７は上記チューブ類に貫装させこれを該フ
ロート２７の上下動のガイドに兼用させると共にその回
り止めを図る。

即ちフロート２７は通油孔１６を通じて下部フロート室
２５内に流入した燃料によりその液面に応じ上記チュー
ブ類に沿い上下動され、その上限で壁２３の通気孔２４
を密閉し、エバポ室２１内への燃料の流入を阻止する。

密閉効果を上げるため通気孔２４には弾性に富むゴム筒
等の開放弁２６を嵌め込み、フロート上面との密着を得
て完全密閉を図る。

同様に隔壁２３の周縁にはシーリングラバー２８を配し
、これを筒内周面に密着させ隔壁周囲からのエバポ室２
１内への燃料流入を阻止する。

尚フロート２７と共動する油量検出用可変抵抗の構造を
次に例示すれば、上記フロート室２７には図の如くフロ
ート２７と一体に上下動する電気接片３１を設け、他方
上記チューブ１４． １５．２０類の何れかを絶縁チュ
ーブで構威し、その長手に亘り抵抗線３２を巻装し、上
記接片３１の一部をこれに摺接させ、同時に他の何れか
のチューブ自身を導電材で構成する等してその長手に亘
ってアース用電気導体を構威し、上記接片３１の一部を
これに摺接させ、斯くしてタンク内より筒体８内に流入
した燃料によりその液面に応じフロート２７が上下動し
、同時に接片３１が電気抵抗構成チューブと電気導体構
成チューブとに摺接しつつ上下動し、上下動に応じた、
即ちタンク内燃料の増減に応じた抵抗値が設定される。

上記の如くフロート２７はタンク内油量の増減に応じ上
下に浮動し、油量の検出を行なうと同時に、油量が上限
に達しない場合にはエバポ室２１の通気孔２４は常時開
放された状態となってフロート室２５とエバポ室２１の
通気を許容し前記圧力バランスを図ると共に、燃料の液
面変化等に伴なてフロート２７が上限に達した場合には
フロート２７が隔壁２３に当たり、フロート上面で上記
通気孔２４を閉塞するのでエバポ室２１内への燃料流入
を確実に阻止する。

又油量の増減に拘らず油面ば常にフロートで押えられて
いるために、エバポ室２１内への燃料流入はより確実に
防止される。

斯くして上記フロート２７の弁作用により工バポ室２１
内への燃料流入を効果的に阻止しつつ、エバポ室２１と
エバポチューブ２２とを介してタンク内と外気との通気
のみが許容され前記圧力バランスを図る。

従って、第１図により説明した従来のエバポ装置の如く
車輛の急停止、急発進、急旋回時の燃料波動、偏動等に
起因する燃料吸込、これによ゛るエバポ機能の減退とい
った不具合が、これにより一掃されると共に、上述の如
くタンク内に垂設された縦形油量検出筒をエバポ装置と
して兼用しエバポ室２１とフロート室２５とを隔壁２３
で上下に仕切り、この間を通気孔２４で連通させると共
に通気孔４０でタンク内上部空間とエバポ室２１とを連
通させてタンク内と外気との圧力バランスを図る構成、
併せて油量検出用フロート２７に前記の如き弁作用を具
備させた構成等により、エバポ装置全体の機構の合理化
、簡素化が達成される。

同時にタンク上部空間の占有を大巾に縮減するので燃料
タンク収納スペースを効率的に使用でき、燃料タンク自
身の有効容積をも増加させることが可能となり、加えて
チューブ配管作業等の単純化を図り得る等、実用的価値
は極めて大なるものがある。

尚エバポ室２１とフロート室２５とを連通ずる通気孔２
４の数、形状、配置位置、大きさ等は実施に応じ適宜設
定可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図Ａ、 Ｂは従来の一般的な燃料タンクのエバポ装
置を説明する概略断面図、第２図及び第３図は本考案の
実施例に係るエバポ装置の内部構造を部分断面して示す
拡大斜面図、第４図は燃料タンクに対する同エバポ装置
の取付状態を一部切欠して説明するタンク概略側面図で
ある。 ６・・・・・・燃料タンク、８・・・・・・筒体、１４
・・・・・・アウトレットチューブ、１６・・・・・・
通油孔、２０・・・・・・ペーパーチューブ、２１・・
・・・・エバポ室、２３・・・・・・隔壁、２４・・・
・・・通気孔、２５・・・・・・フロート室、２７・・
・・・・フロート。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 燃料タンク内にその上壁から筒体を垂設し、該筒体内に
   油量検出用フロートを内装した車載用燃料タンクにおい
   て、上記筒体内のフロート上限に位置し隔壁を形成して
   該隔壁を境に筒体上部にエバポ室を同下部にフロート室
   を夫々構成し、上記隔壁にはフロート室と連通ずる通気
   孔を穿けると共に、上記エバポ室のタンク土壁に近い個
   所に通気孔を穿けて該エバポ室とタンク内上部空間と連
   通させる構成とし、フロートの上限にて上記隔壁通気孔
   をフロートにより密閉しエバポ室内への燃料の流入を阻
   止する構成となし、他方上記エバポ室内にエバポチュー
   ブを臨ませてタンク内圧と外気圧とのバランスを一定に
   保持する構成としたことを特徴とするエバポ装置。