JPS607889Y2 - 成形機のトツグル装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ダイカストマシンや射出成形板などの成形板
の型締装置に用いるトラブル装置に関するものである。

例えばダイカストマシンにおいては、第１図に示すよう
に、マシンベース１の両端部上に固定プラテン２及びエ
ンドプラテン３がそれぞれ固定され、両プラテン２，３
にタイバー４の両端部が取り付けられ、該タイバー４に
移動プラテン５が摺動可能に嵌合され、移動プラテン５
と固定プラテン２とにそれぞれ金型６，７が取り付けら
れ、移動プラテン５とエンドプラテン３との間に、金型
６．７を型締めするためのトラブル装置８が設けられ、
エンドプラテン３にはトラブル装置８を型締め駆動する
ためのシリンダ装置９が設けられる。

この種の成形板におけるトラブル装置８は、エンドプラ
テン３及び移動プラテン５間を繋ぐ複数の第１リンク群
１０と、該第１リンク群１０間を繋ぐ第２リンク群１１
とを具備しており、第２リンク群１１がシリンダ装置９
で押されて最伸長状態に近づいた時に、第１リンク群１
０が第２リンク群１１で押されて最伸長状態に近づくこ
とにより、大きな型締め力が発生する。

ところで、上記トラブル装置８の第１リンク群１８は、
通常、エンドプラテン３及び移動プラテン５にそれぞれ
一体に設けられる鋳鋼型のトラブルリンク取付は部１２
と、該トラブルリンク取付は部１２にドッグルピン１３
を介して回動可能に取り付けられるトラブルリンク１４
とを具備しているが、従来は、第２図に示すように、ト
ラブルリンク取付は部１２の外側端面とドッグルピン１
３の端面とにそれぞれ第１キー溝１５及び第２キー溝１
６を設け、トラブルリンク取付は部１２の外側端面にね
じ１７で固定されたプレート１８の内側面に、両キー溝
１５．１６に嵌合する突起１９をプレート１８と一体に
設けていたため、ドッグルピン１３とトラブルリンク１
４とが焼付きを起こした場合に、トラブルリンク１４の
回動に伴ってプレート１８上の突起１９がドッグルピン
１３と共に回動し、トラブルリンク取付は部１２の第１
キー溝１５の縁部が突起１９からの無理な力を受けて破
損してしまうことがあった。

このため、トラブルリンク取付は部１２を修理あるいは
交換する必要が生じ、この場合にトラブルリンク取付は
部１２と一体のエンドプラテン３や移動プラテン５をダ
イカストマシンから脱着させたり、交換したりする必要
が生じるため、作業が面倒となっていた他、修理に高い
費用を要していた。

本考案は、トラブルリンク取付は部自体の破損を回避で
きるようにして、焼付き等の修理を簡単かつ安価に行な
うことができるようにすることを目的とするもので、ト
ラブルリンク取付は部、ドッグルピン及びプレートと別
個のキーに、キー切断用の切欠きを設けることにより、
ドッグルピンとトラブルリンクとの焼付は時に、キーの
みの破損にとどめることができるようにするとともに、
キーの交換を簡単に行なえるようにしたことを特徴とす
る。

以下、図面を参照して本考案の一実施例を詳細に説明す
る。

なお、以下の説明において、第１図に示す装置と同一の
構成要素には同一の符号を用いることとする。

第３図において、１２はダイカストマシンのトラブル装
置８の一部をなすトラブルリンク取付は部で、該トラブ
ルリンク取付は部１２はエンドプラテン３または移動プ
ラテン５に一体に設けられている。

トラブルリンク取付は部１２には断面円形の穴２０が形
成されており、該穴２０にドッグルピン１３が挿入され
ている。

ここでは２本のトラブルリンク１４がドッグルピン１３
を介してトラブルリンク取付は部１２に回動可能に取付
けられており、トラブルリンク１４の内面にはドッグル
ピン１３とのすべりを良好にするためのブツシュ２１が
設けられている。

ドッグルピン１３は、ここではその両端部がトラブルリ
ンク取付は部１２の両方の外側端面１２Ａの外方に突出
するような寸法となっており、トラブルリンク取付は部
１２の外側端面１２Ａにねじ２２で取付けられたプレー
ト２３の内側面中央には、ドッグルピン１３の端部に嵌
合する窪み部２３Ａが形成されている。

ドッグルピン取付は部１２の外側端面１２Ａには第４図
に示すように、第１キー溝１５が形成され、ドッグルピ
ン１゛３の端面には第１キー溝１５と連通ずる第２キー
溝１６が形成され、プレート２３には、両キー溝１５，
１６と向い合って連通ずる第３キー溝２４が形成されて
いる。

これら第１キー溝１５、第２キー溝１６及び第３キー溝
２４は、プレート２３がトラブルリンク取付は部１２の
外側端面１２Ａに取り付けられたときに１つの溝を構成
するようになっている。

２５は第１キー溝１５、第２キー溝１６及び第３キー溝
２４に嵌合されるキーで、該キー２５には、キー切断用
の切欠き２６が設けられている。

ここでは、切欠き２５は、第２キー溝１６の両端縁部に
沿うようにキー２５の両側面に形成されている。

すなわち、キー２５の各側面には、２つの切欠き２６が
ほぼドッグルピン１３の直径の大きさだけ間隔をあけて
形成されている。

上記実施例において、トラブル機構８を作動させると、
ドッグルピン１３はキー２５を介してトラブルリンク取
付は部１２に固定されているため、トラブルリンク１４
のみがドッグルピン１３を中心として回動する。

万一、潤滑剤の不足等によってトラブルリンク１４の内
面に取付けたブツシュ２１とドッグルピン１３との間で
焼付きが起こった場合、トラブルリンク１４の回転に伴
ってドッグルピン１３にねじりモーメントが加わり、こ
のねじりモーメントの作用でドッグルピン１３からキー
２５を経てプレート２３やトラブルリンク取付は部１２
に外力が伝達されるが、キー２５には切欠き２６が形成
されているため、切欠き２６の箇所の内部応力が所定の
大きさに値したときに、キー２５がその箇所で破断され
、その後はキー２５の中央部分がドッグルピン１３と一
緒に回動することとなる。

したがって、トラブルリンク取付は部１２には無理な力
は加わらず、トラブルリンク取付は部１２の破損は回避
される。

破断したキー２５は、プレート２３を取り外すことによ
って簡単にキー溝１５．１６．２４等から取り除くこと
ができる。

以上一実施例につき説明したが、本考案は上記実施例の
みに限定されるものではなく、例えば次のような変形例
も包含する。

■ ドッグルピンの端面をトラブルリンク取付は部の外
側端面と同一平面上に位置させ、プレートの内側面に、
該プレートの軸心を通るように第三キー溝を設けるよう
にしてもよい。

■ キーにキー切断用の切欠きを設ける態様は上記実施
例のみに限られず、要は、キーの破断により、ドッグル
ピンがトラブルリンク取付は部及びプレートに対し回転
可能となるように設けてあればよい。

■ 本考案は上記実施例以外のリンク結合箇所に適用す
ることもでき、また、ダイカストマシン以外の成形機の
トラブル装置に適用することもできる。

以上の説明から明らかなように、本考案によれば、ドッ
グルピンとトラブルリンクとが焼付きを起こした場合に
、キーを破断させて、トラブルリンク取付は部及びプレ
ートに対しドッグルピンを回転自由にすることができる
ようになるから、焼付き時に、トラブルリンク取付は部
に無理な力が加わってトラブルリンク取付は部が破損す
るようなことはなくなる。

しかも、キーを簡単に交換できるから、修理作業が簡単
になり、安価に修理できることとなる。

【図面の簡単な説明】

第１図はダイカストマシンの基本構成を示す正面図、第
２図は従来技術を示すトラブル装置の要部分解斜視図、
第３図は本考案の一実施例を示すトラブル装置の要部断
面図、第４図は第３図に示す装置の要部分解斜視図であ
る。 １２・・・・・・トラブルリンク取付は部、１２Ａ・・
・・・・外側端面、１３・・・・・・ドッグルピン、１
４・・・・・・トラブルリンク、１５・・・・・・第１
キー溝、１６・・・・・・第２キー溝、２３・・・・・
・プレート、２３Ａ・・・・・・窪み部、２４・・・・
・・第３キー溝、２５・・・・・・キー ２６・・・・
・・切欠き。 嵌

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 成形板のトラブルリンク取付は部にドッグルピンを介し
   てトラブルリンクを回動可能に取り付け、前記トラブル
   リンク取付は部の外側端面に第１キー溝を設け、前記ド
   ッグルピンに前記第１キー溝と連通ずる第２キー溝を設
   け、前記トラブルリンク取付は部の外側端面に固定した
   プレートの内側面に、前記第１キー溝及び第２キー溝と
   連通ずる第３キー溝を設け、前記第１キー溝、第２キー
   溝及び第３キー溝にキーを嵌合させ、該キーに、キー切
   断用の切欠きを設けてなる成形板のトラブル装置。