JPS60744B2 - 偏向ヨーク - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は電子ビームの速度変調を行なうことにより、受
像管スクリーン上の画像の輪郭補正を行ない画質を改善
する方式において用いられる水平走査速度変調用の補助
偏向コイルの改善に関するものである。

一般に用いられている受像機に、速度変調による輪郭補
正を行ない画質を改善する場合、電磁偏向方式による速
度変調が実用的と考えられる。

この場合補正信号の周波数は２ＭＨＺから虫ＭＨ区を非
常に高いために、用いられる補助偏向コイルの両端の電
圧も高くなり速度変調補正に用いられる露力もかなり大
きくなる。このために、補助偏向コイルの効率を高める
ことが大きな課題となっている。第１図は、一般に用い
られているィンラィン型カラー受像管、偏向ヨーク、補
助マグネットの構造配置関係図である。１はカソード、
２は第１グリツド、３は第２グリツド、４は第３グリツ
ド、５は第４グリツドを示す。

６は偏向ヨークのコア、７は水平偏向コイル、８はピュ
リティ調整マグネット、９はコンパーゼンス補正用マグ
ネット、１０はマグネット保持臭を示す。

さらに第１図に示すスケールは、ネック端部からの距離
を表わしている。第２図には、速度変調用の空芯サドル
型の一対の補助偏向コイルを示しており、図に破線で示
した受像管ネック部に、垂直方向の磁界を発生させる様
に配置する。

この補助コイルは管軸方向に２０肌でネック周囲には３
仇岬の大きさをそれぞれ有している。この補助コイルに
２ＭＨＺの一定振幅交流電流を流し、コイルセンター位
置をネック部管軸方向に移動させた場合のスクリー上で
のビーム偏向量を第３図に示す。第３図から補助コイル
をカソード１に近づけるとビーム偏向量が急激に低下す
ることがわかる。この原因としては、磁束の一部がカソ
ードより、より後になりビームの偏向に有効な磁束が実
質的に減少するためと、２ＭＨＺの交番磁界であるため
に、電子銃の電極に渦電流が流れビーム偏向磁束が減少
するためとの２つの原因が考えられる。本発明は上記従
来技術に関し、次のような考察を施し、補助偏向コイル
の位置としては電子銃前方部でかつ水平偏向コイルより
手前の位置を選び空芯サドル型補助偏向コイルと主偏向
ヨークを一体にするものである。

すなわち、補助偏向コイル電極すなわち電子銃より前に
もつてくるとビーム偏向量は増加するので第３図におい
て少なくとも主電子レンズよりも前、すなわち、第３グ
リッド４よりも前に補助コイルを持ってくればよいが、
さらに前方に移動させると、偏向位置がスクリーン面に
近ずくため、またネック径が広がるために、ビーム偏向
量は減少する。

このために図３に示すように、ネック端部から８０〜９
０肌付近でビーム偏向量が最大になる。次に水平偏向コ
イル７と、補助偏向コイルとの結合の度合について調べ
る。第４図は、水平偏向コイル７に偏向電流を流し、第
２図の補助偏向コイルに発生する水平婦線パルス誘起電
圧を、補助コイル位置を管軸方向に変えて測定したグラ
フである。このグラフから、補助偏向コイルのセンター
位置が、水平偏向コイル７のカソード側端部（６７側）
付近に近づくと、誘起電圧が急増昇することがわかる。
この誘起電圧は補助偏向コイルの駆動出力回路に影響を
およ‘まし出力トランジスタに高耐圧のものを要求する
ことになる。またこの誘起電圧により補助偏向コイルに
電流が流れると主偏向磁界が乱されコンパーセンスズレ
、ピュリテイズレを生じる。以上の点を考慮すると、補
助偏向コイルの位置としては、電子銃前方部でかつ水平
偏向コイル７より手前の位置則ち図１で見るとネック端
部から約５０ｍ〜６７側の位置が、ビーム偏向感度が高
く、主偏向ヨークとの結合の少ない最適の位置であるこ
とがわかる。

次に、この最適位置に空芯サドル型補助偏向コイルを設
置し「かつ主偏向ヨークと一体構造にした実施例を第５
図に示す。

第５図において１１は偏向コイル閉口部ホルダー、１２
はトロイダル巻の垂直偏向コイル、１３はネック部ホル
ダー、１４は補助偏向コイルホルダー、１５は、補助偏
向コイルを示す。また第５図のＢ−Ｂ′断面に締付具を
取り付けた図を第６図に示す。また補助偏向コイル１４
の立体図を第７図に示す。この実施例では、従来の偏向
ヨークネック部ホルダー１３をやや長くして、その外周
に補助偏向コイルホルダー１４をかぶせている。

また補助偏向ヨークホルダー１４の外周に縦付ネジ１７
を備えた締付枠１６を取りつけることにより、偏向ヨー
クをネック部へ縦付固定している。第８図および第９図
に別の実施例を示す。

この実施例では、補助偏向コイル１５として可犠牲フィ
ルムにプリント印刷されたコイルを用いている。このフ
ィルムプリントを、二重構造にしてその間にスリットを
設けたネック部ホルダ１３のスリット部に挿入し、外周
に図６の偏向ヨーク縦付具１６，１７をかぶせてネック
部に固定している。なお締付枠１６に導電性金属を用い
る場合、渦電流による損失を少なくするために幅の狭い
バンド状のものが適当である。なお以上の実施例は、第
１図に示した一般の受像機用の受像管を用いた場合であ
るが、速度変調補正用の受像管としては、ネック長を若
干伸ばすことにより、電子銃前端部と水平偏向コイルネ
ック側端部との間の距離を大きくとることができ、第３
図のビーム偏向量が最大位置に補助偏向コイルをおくこ
とができ、かつ水平偏向コイルとの結合も少なくできる
ことは言うまでもない。

以上のように本発明は補助偏向コイル中心位置を水平偏
向コイル端部より少しカソード側に配置するものであり
、電子ビーム偏向量が比較的大きく、かつ水平偏向コイ
ルとの結合も実用上問題のない程度に少なくすることが
できる。

また、空芯コイルを用いているために磁性体による主偏
向磁界を乱す懸念が全くない。さらに、補助偏向コイル
と主偏向コイルとを一体構造にすると、位置関係が確実
になり、２つを分離した場合に比較して構造が簡単にな
り、その上、補助偏向コイルの管軸方向の長さを大きく
とることができコイルの偏向効率も良くなる。また空芯
サドル型補助偏向コイル部の外周に、縦付貝を取りつけ
ることにより、主偏向コイルと、補助偏向コイルと同時
に受像管ネック部に固定することができる。さらに補助
偏向コイルとして可鏡性フィルムにプリントされたコイ
ルを用いることにより、補助偏向コイルを薄くすること
ができ、量産に通した製造を行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は一般受像管のネック部の配置図、第２図は空芯
サドル型の一対の補助偏向コイルの略構成図、第３図は
コイル位置によるビーム偏向量変化特性図、第４図は水
平偏向コイルと補助偏向コイルの結合特性図、第５図は
本発明の一実施例の偏向ヨークの構成図、第６図は第５
図の一部断面図、第７図は第５図の構成要素である空心
サドル‐型補助偏向コイルの斜視図、第８図は可操性フ
ィルムにプリントした補助偏向コイルの斜視図Ｌ第９図
は本発明の他の実施例の偏向ヨークの構成図である。 ６・…・・主偏向ヨークのコア、７・・・・・・水平偏
向コイル、１１……偏向コイル関口部ホルダー、１２・
・・・・・垂直偏向コイル、１３・・・・・・ネック部
ホルダー、１４，１５・・・・・・補助偏向コイル。 第１図第２図 第３図 第４図 第５図 第６図 第７図 第８図 第９図

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 水平走査速度変調に用いる空芯サドル型の一対の補
   助偏向コイルと主偏向ヨークとを有し、前記補助偏向コ
   イルの中心位置を前記主偏向ヨークの水平偏向コイル端
   部より受像管カソード側に配置し、かつ前記補助偏向コ
   イルと主偏向ヨークとを一体構造にしたことを特徴とす
   る偏向ヨーク。 ２ 特許請求の範囲第１項において記載の補助偏向コイ
   ル配置部の外周に、偏向ヨーク締付具を取付けたことを
   特徴とする偏向ヨーク。 ３ 特許請求の範囲第１項または第２項において補助偏
   向コイルとして可撓性フイルムにプリントされたコイル
   を用いたことを特徴とする偏向ヨーク。