JPS606630Y2 - ギヤポンプの低圧潤滑装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、吸込ポートに流入する低圧油の吸込流エネ
ルギを利用して、当該低圧油を当該ギヤ軸周囲に流通さ
せるギヤポンプの低圧潤滑装置に関する。

吸込ポートをエンドカバーのリヤ側に開口させ、かつギ
ヤ軸の軸線に沿って形成したギヤポンプにおいては、そ
の吸込ポートに流入する低圧油を、エンドカバーに支持
されるギヤ軸の循環経路に導くためには、上記吸込流の
方向を変えなければならない。

しかし従来は、上記の方向転換について必ずしも適切な
処置が施されず、そのために一方のギヤ軸側の潤滑が十
分にできないという欠点があった。

この考案は、上記吸込流の方向転換をスムーズに行ない
、一方のギヤ軸の低圧潤滑を効果的になしうるようにし
ものである。

以下にはこれを図示の実施例について説明する。

当該ギヤポンプａは、ボディ１の両側をエンドカバー２
及びマウンテングフランジ３で塞ぐとともに、上記ボデ
ィ１には１対のギヤを内装している（ただし図面では一
方のギヤ４だけしか示していない）。

そしてこのギヤ４のギヤ軸５，６は、ブツシュ７．８を
介してエンドカバー２及びマウンテングフランジ３にそ
れぞれ支持されている。

前記エンドカバー２のリヤ側には吸込ポート９及び吐出
ポート１０の一端を開口させているが、これらポート９
．１０はそれぞれボディ１に形成した吸込室１１及び吐
出室１２に連通している。

したがって前記両ギヤが回転すると、油は吸込ポート９
及び吸込室１１を経由して両ギヤの歯溝の吸込まれる。

そしてこの歯溝に吸込まれた油はギヤの周囲を回って吐
出室１２及び吐出ポート１０から押し出される。

一方前記吸込ポート９の開口部近傍には、１対の凸部１
３．１４を設けているが、この凸部１３．１４は吸込ポ
ート９内を流れる油がこの凸部１３．１４の端面に激突
しうる関係にしている。

そしてこの凸部１３．１４には第１給油孔１５゜１６を
形成しているので、吸込ポート９内の油の一部は強制的
に第１給油孔１５，１６に流入させられる。

なお、上記第１給油孔１５．１６は、両者実質的に同一
なので、以下には一方の第１給油孔１５のみについて説
明する。

上記のようにしてなる第１給油孔１５は、前記ギヤ軸５
外端に接する凹部１７に連通しているが、この間におけ
る第１給油孔１５は第２図からも明らかなように、凸部
１３の開口部を上記凹部１７より外方に位置させ、そこ
に流入する油の方向転換を最小限にしている。

吸込ポート９から第１給油孔１５を経由して凹部１７に
導入された油は、前記ブツシュ７の内周軸方向に形成し
た凹溝１８内に押しこめられる。

凹溝１８内に押しこめられた油は、ギヤ４方向に移動し
つつ当該ギヤ軸５の潤滑を行う。

そして上記油がさらにギヤ４方向に移動すると、前記ブ
ツシュ７内端及びギヤ４側面に備えたプレッシャープレ
ート１９間の環状溝２０に達し、そこからプレッシャー
プレート１９の切欠部２１を経て吸込室１１に流出する
。

また前記吸込室１１内の油の流れ方向前方には、１対の
第２給油孔を設けているが、これら第２給油孔は、吸込
室１１から２方向に分岐し、それぞれ１対のギヤの軸端
に達している。

そして上記第２給油孔は、一方の給油孔２２しか図示し
ていないので、以下にはこの第２給油孔２２側について
説明する。

しかして吸込室１１に流入した油は、その流れ方向延長
上の第２給油孔２２に流入するとともに、ギヤ軸６の外
端に接する凹部２３に達する。

凹部２３に達した油は、前記ギヤ軸５側と同様に、ブツ
シュ３に形成の凹溝２４及びブツシュ８内端とプレッシ
ャープレート２５間に形成の環状溝２６を経由して、プ
レッシャープレート２５に形成した切欠部２７から吸込
室１１に戻るものである。

なお、図中符号２８．２９はアイソレーションプレート
、３０，３１は環状凹溝で、この環状凹溝３０，３１は
、ギヤ４の歯元から漏れる油を捕獲、その油を逃げ溝３
２．３３から吸込室１１に導くためのものである。

このように歯元からの漏れ油を、前記潤滑経路と別に吸
込室１１に戻すようにしたので、歯元から漏れる際に熱
を発生する油が潤滑経路に混入することがなく、ブツシ
ュ７．８に熱を与えることがない。

また上記環状凹溝は、ギヤ軸５，６に直接形成してもよ
い。

さらにまた、この考案はすべり軸受やころがり軸受のギ
ヤポンプにも適用しうろこと当然である。

以上の説明から明らかなように、請求の範囲第（１）項
記載の潤滑装置によれば、吸込ポートをエンドカバーの
リヤ軸に開口させたギヤポンプにおいても、その吸込流
のエネルギーを利用して、低圧油を確実に捕獲し、それ
を潤滑経路に導くことができる。

請求の範囲第（２）項記載の潤滑装置によれば、吸込油
の流れ方向を極端に変えることがないので、当該低圧油
はスムーズに第１給油孔を通り、より確実な潤滑が可能
である。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の１実施例を示すもので、第１図はエン
ドカバー側からの側面図、第２図は第１図■−■線断面
図、第３図は凸部を示す部分斜視図である。 ａ・・・・・・ギヤポンプ、２・・・・・・エンドカバ
ー、５゜６・・・・・・ギヤ軸、９・・・・・・吸込ポ
ート、１３，１４・・・・・・凸部、１５，１６・・・
・・・第１給油孔、２２・・・・・・第２給油孔。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）吸込ポートをエンドカバーのリヤ側に開口させ、
   かつギヤ軸の軸線に沿って形成するとともに、この吸込
   ポートに流入する低圧油の吸込流エネルギを利用して、
   当該低圧油をギヤ軸周囲に流通させるギヤポンプの低圧
   潤滑装置において、前記吸込ポート内にその吸込流が突
   きあたる関係にした凸部を設けるとともに、エンドカバ
   ー２に支持される一方のギヤ軸後端部に通じる第１給油
   孔を前記凸部に形成する一方、他方のギヤ軸後端には、
   前記吸込ポートからの吸込流をその流れに沿って誘導す
   る第２給油孔を介して導いてなるギヤポンプの低圧潤滑
   装置。
2. （２）前記凸部を前記一方のギヤ軸後端より外方に設け
   、前記第１給油孔が吸込流の方向転換を最小限にした前
   記請求の範囲第（１）項記載のギヤポンプの低圧潤滑装
   置。