JPS606602Y2 - 内燃機関の吸気装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、内燃機関の吸気装置に係り、特に、自動車用
エンジンに用いるに好適な、絞り弁が配設された吸気通
路を有する内燃機関の吸気装置の改良に関する。

一般に、内燃機関においては、その燃焼室に吸入される
吸気流に乱れを生じさせると燃焼が促進され、燃焼状態
が改善されることが知られている。

従って従来は、例えば、絞り弁が配設された吸気通路の
絞り弁の下流側に吸気に乱れを与える偏流板を設けたり
、或いは、同じく絞り弁の下流側に、該絞り弁の他に第
２の絞りを設け、該第２の絞りをバイパスするバイパス
通路を設けて、吸気乱れを発生させることが行なわれて
いる。

しかし、前者のように、偏流板を単独に使用したのでは
、該偏流板の存在により吸気通路の抵抗が増大するだけ
でなく、必ずしも十分な吸気乱れを与えることができな
いという問題点を有した。

一方後者においては専ら第２絞りとバイパス通路により
吸気乱れが形成されるものであるが、絞りではやはり十
分な吸気乱れを形成することができないという問題点を
有した。

本考案は、前記従来の欠点を解消するべくなされたもの
で、強い吸気乱れが形成できると共に、吸気損失の小さ
な内燃機関の吸気装置を提供することを目的とする。

本考案は、絞り弁が配設された吸気通路を有する内燃機
関の吸気装置において、絞り弁の下流側に、吸気に旋回
乱れを与える偏流板を設けると共に、絞り弁と前記偏流
板の中間と前記偏流板の下流側を連通ずる、前記偏流板
により形成された吸気乱れを強めるバイパス通路を設け
てなり、前記バイパス通路の偏流板下流側への開口部は
前記偏流板によって乱された吸気乱れの接線方向に開口
することにより、前記目的を達成したものである。

以下図面を参照して、本考案の実施例を詳細に説明する
。

本考案の第１実施例は、第１図に示す如く、燃料を気化
して混合気を形成するための混合気流量を調節する絞り
弁１２が配設された気化器１０と、該気化器１０で形成
された混合気をエンジンの各気筒に分配する吸気マニホ
ルド１４と、混合気をエンジン燃焼室１６に吸気バルブ
１８を介して導入するための、シリンダヘッド１９に形
成された吸気ポート２０と、を有して成る吸気通路を有
する内燃機関の吸気装置において、前記絞り弁１２の下
流側に、吸気に乱れを与える偏流板２２を設けると共に
、前記絞り弁１２と前記偏流板２２の中間の絞り弁直下
と前記偏流板２２下流側の吸気ポート２０の吸気バルブ
１８近傍を連通ずる、前記偏流板２２により形成された
吸気孔れを強めるバイパス通路２４とを設けたものであ
る。

図において、２６はエンジン燃焼室より排出される排気
ガスを合流させるための排気マニホルドであり、前記バ
イパス通路２４は該排気マニホルド２６の内部を挿通す
るようにされている。

前記偏流板２２は、例えば第２図に示すような４分の１
円状とされ、シリンダヘッド１９と吸気マニホルド１４
の接続部に配置されている。

又、前記バイパス通路２４の吸気ポート２０側開口部は
、同じく第２図に示す如く、偏流板２２によって形成さ
れた、第２図に矢印Ａで示す方向の吸気孔れを強めるべ
く、該吸気孔れＡの接線方向に開口されている。

以下作用を説明する。

エンジンの吸気行程において、吸気通路を流れる混合気
は、絞り弁１２を通過して、偏流板２２によって、第２
図に矢印Ａで示す方向の吸気孔れが形成される。

この際、偏流板２２によって吸気通路が絞られるため、
その前後に圧力差を生じる。

このために、絞り弁１２の直下と吸気ポート２０の吸気
バルブ１８近傍を結ぶバイパス通路２４にも吸気の流れ
が生じる。

偏流板２２によって吸気孔れが形成された混合気は吸気
ポート２０の吸気バルブ１８近傍において、バイパス通
路２４から流入するバイパス吸気によって更に強められ
、エンジン燃焼室１６内に吸入されて燃焼が改善される
。

又、本実施では、バイパス通路２４を排気マニホルド２
６のライザ下部を通過させるようにしであるため、バイ
パス通路２４を流れるバイパス吸気が加熱され、混合気
の霧化が向上される。

なお、吸気加熱が不要な場合には、必ずしもバイパス通
路２４を排気マニホルド２６を通過させる必要はない。

本考案の第２実施例を第３図に示す。

本実施例は、前記第１実施例に加えてバイパス通路２４
の途中に、更に、バイパス通路２４から噴出されるバイ
パス吸気の噴流を強めるための蓄圧室２８、及びバイパ
ス吸気が吸気マニホルド１４側に逆流するのを防止する
ための逆止弁３０を直列に設けたものである。

一般に、エンジンが軽負荷運転のときには、バルブオー
バーラツプ時及び吸気行程初期は、燃焼室１６内の圧力
が吸気ポート２０の圧力より高いが、本実施例において
は、この高い圧力が蓄圧室２８に蓄えられ、吸気行程の
中期に吸気ポート２０に放出されて、吸気孔れが更に増
加されるものである。

なお、設計によっては、蓄圧室２８或いは逆止弁３０の
いずれか一方を省略することも可能である。

なお前記実施例においては、いずれも、偏流板２２が４
分の１円状とされていたが、偏流板２２の形状はこれに
限定されず、例えば、第４図に示すような三日月状とす
ることも可能である。

又、前記実施例においては、いずれも、偏流板の角度が
固定されていたが、偏流板の角度を可変とし、使用状態
に応じて吸気孔れの強さを変えられるようにすることも
可能である。

以上説明したとおり、本考案によれば、偏流板によって
生じた吸気孔れが更にバイパス通路から噴出するバイパ
ス吸気により強められるため、非常に強い吸気孔れを形
成することができる。

又、偏流板によって生じる吸気損失が、バイパス通路に
より補われるため、吸気損失も過大となることがない等
の優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案に係る内燃機関の吸気装置の第１実施
例を示す断面図、第２図は、前記実施例における偏流板
の形状及びバイパス通路の開口部位置を示す線図、第３
図は、本考案に係る内燃機関の吸気装置の第２実施例を
示す断面図、第４図は、本考案に用いられる偏流板の変
形例を示す線図である。 １０・・・・・・気化器、１２・・・・・・絞り弁、１
４・・・・・・吸気マニホルド、１６・・・・・・燃焼
室、１８・・・・・・吸気バルブ、２０・・・・・・吸
気ポート、２２・・・・・・偏流板、２４・・・・・・
バイパス通路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 絞り弁が配設された吸気通路を有する内燃機関の吸気装
   置において、絞り弁の下流側に、吸気に旋回乱れを与え
   る偏流板を設けると共に、絞り弁と前記偏流板の中間と
   前記偏流板の下流側を連通ずる前記偏流板により形成さ
   れた吸気乱れを強めるバイパス通路を設けてなり、前記
   バイパス通路の偏流板下流側への開口部は前記偏流板に
   よって乱された吸気乱れの接線方向に開口されているこ
   とを特徴とする内燃機関の吸気装置。