JPS606406Y2 - 締付調節具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はズボン、スカート、ジャンパー等の胴回りや帽
子の被り口を拡縮調節するためにそれぞれの締付調節部
に取付けて使用される基帯なしタイプの締付調節具に関
するものである。

このタイプの締付調節具は係止体をレールの長さ方向に
間隔をおき係止体を固着したレールと、該レールに摺動
可能に嵌装したスライダーとから構成されている。

しかし、従来のレールはコードまたはバンドに各係止体
を間隔をおいて加締めにより止着したものであり（米国
特許第；Ｌ４４１゜３７７号、第２．７７０．０２４号
公報参照）、係止体の取付けが加締め１こよるため大変
面倒であるから、レールの製造能率が悪かった。

また、係止体の加締め具合や間隔保持の具合によってレ
ールの品質が一定に保持できなたった。

さらに、コードやバンドが係止体の加締めによってその
柔軟性が低下しこわばっているから、そのこわばりによ
りズボン等の締付調節部□に取付けた際、硬張りやしわ
が生じて該締付調節部の体裁が悪かった。

これは生地が薄い場合に特に目立つ傾向にあり、生地に
よって使用いかんが決められたり、また使用した製品の
商品価値が左右されることにもなるという不具合があっ
た。

そこで、本出願人は、前記従来の問題点を解決するため
研究した結果、柔軟性がある並列した３本の連結部材に
、これら跨がって係止体を射出または押出し成形により
間隔をおいて付着させるとともに、該係止体を互いに巾
方向中央部にて連結する連結部材の部分を縫付は固定部
位にしてなるレールを備えた締付調節具を開発し既に出
願している。

この締付調節具は係止体の取付強度および間隔を保持し
て極めて能率良く製造できるとともに、被着物表面に縫
着した場合連結部材のもつ柔軟性をいかにしてフィツト
させ、かつ各係止体を安定させて強固に取付けることが
できるという利点がある反面、レールはスライダーの円
滑な摺動に必要な長手方向の適度な硬さを失う傾向にあ
り、被着物表面の変形に伴い必要以上に戻れたり折曲っ
たりしてスライダーの摺動性が悪くなるおそれがあるこ
とが判明した。

本考案は、前記従来の問題点を解決するために創案され
たもので、柔軟性がある並列した２本の連結部材に、こ
れらに跨がって係止体を射出または押出し成形により間
隔をおいて付着させるとともに、該係止体の巾方向中央
部どうしを合成樹脂製連結帯を介し一体に連結してなる
レールを備えたことにより、本出願人の出願に係る前記
締付調節具の利点を確保するとともに、スライダーの円
滑な摺動性を確保できる締付調節具を提供することを目
的とするものである。

以下、本考案を図示する実施例により説明する。

Ａはレールで、柔軟性がある並列した２本の連結部材１
，２に、これらに跨がって複数個の係止体３とスライダ
ー止め４とスライダー嵌挿ガイド４′を射出または押出
し成形により一定間隔をおいて付着させるとともに、隣
合う係止体３，３；係止体３とスライダー止め４；係止
体３とスライダー嵌挿ガイド４′どうしを、これらの間
に射出成形しまたは押出し成形してなる合成樹脂製連結
帯５を介して一体に連結し、取付けに際しては各連結帯
５を縫付は固定部位としたものである。

係止体３は矩形のベース体６の表面の左右両側部にそれ
ぞれ２本のスライダー係合用突起７，７をレール長さ方
向に所定間隔をおいて設け、巾方向中央部に縫着用溝部
８を設けるとともに、裏面の左右両側部にスライダー案
内用突起９，９を設けたものである。

そして、該係止体３は前記連結部材１，２にベース体６
の左右両側部内を貫通させた状態で射出または押出し成
形による付着力により一体に止着され、隣合った他の係
止体３との間においてもスライダー係合用突起７，７の
レール長さ方向間隔が前記所定のものに保持されている
。

また連結部材１，２は紐の如き柔軟性がある紐状または
狭山の帯状のものである。

このようなレールＡは被着物Ｂの表面に各係止体３のス
ライダー案内用突起９を対接させた状態で縫糸１０を連
結帯５に通し、かつ縫着用溝部８に引掛けることにより
縫付けられる。

また、Ｃは合成樹脂製のスライダーで、レール案内溝（
図示せず）を有する胴体１１に、該レール案内溝と直交
する方向に摺動可能な可動体１２を設け、該可動体１２
にその摺動操作により前記レールＡの左右のスライダー
係合用突起７，７に係合可能な爪（図示せず）を設けた
ものである。

そして、該スライダーＣは前記被着物Ｂの設けられた取
付バンドＤに取付けられ、かつ前記レールＡにレール案
内溝において摺動自在に嵌装されて使用せられる。

以上の構成において、各係止体３が射出または押出し成
形による付着力で連結部材１，２に間隔をおいて止着さ
れるとともに連結帯５に止着されて、係止体３，３どう
しが該連結帯５を介して強固かつ一体に連結され、前記
連結部材１，２は該係止体３，３どうしの一体連結を補
強するとともに係止体３，３がレール長さ方向のまわり
に大きくずれるのを抑えている。

それでいて各係止体３．３間の連結部材部分１ａ、２ａ
および連結帯５には柔軟性が保たれている。

このためレールＡは被着物Ｂの表面にフィツトして硬張
りやしわ等を生じさせずに縫着でき、体裁が良い。

また、係止体列が崩れることがなく長期使用に耐える。

さらに、係止体列にはスライダーＣの円滑な摺動に必要
な適度な硬さがその長手方向に確保され、しかもレール
巾方向中央部にあってレール長さ方向に延びる連結帯５
での縫着により各係止体３のスライダー案内用突起９，
９被着物表面に対接させて係止体列を安定させ、その安
定性を連結帯５の左右両側に位置する連結部材１，２の
部分１ａ。

２ａでさらに高めているため、レールＡの安定性が良く
、従ってスライダーＣは円滑にかつ確実に摺動操作でき
る。

また、射出または押出し成形により係止体３を連結部材
１，２に付着させて極めて能率良く製造できる。

なお、レールＡの安定性をさらに高めるためには係止体
３，３間の間隔を該レールＡの柔軟性を悪くしないよう
にしてなるべく狭くすればよい。

以上の通り、本考案は柔軟性がある並列した２本の連結
部材に、これらに跨がって係止体を射出または押出し成
形により間隔をおいて付着させるとともに、該係止体の
巾方向中央部どうしを合成樹脂製連結帯を介し一体に連
結したレール構造であるため、係止体の取付強度および
間隔を正確に保持して極めて能率良く製造できるととも
に、被着物表面に縫着した場合連結部材のもつ柔軟性を
いかしてフィツトさせ、かつ各係止体を安定させて強固
に取付けることができる。

それでいてレールはその長手方向に適度な硬さを確保し
ているので、スライダーの摺動性も良好である。

【図面の簡単な説明】

第１図はジャンパーにおける締付調節具の取付は状態を
示す概要図、第２図、第３図は本考案の実施例を使用状
態で示す平面図、側面図、第４図は第２図のレール部分
を拡大した平面図、第５図、第６図、第７図、第８図は
第４図の■−■線、Ｖｌ−ＶＩ線、■−■線、■−■線
断面図である。 Ａ・・・・・・レール、Ｂ・・・・・・被着物、Ｃ・・
・・・・スライダー、Ｄ・・・・・・取付バンド、１，
２・・・・・・連結部材、１ａ、２ａ・・・・・・連結
部材の部分、３・・・・・・係止体、４・・・・・・ス
ライダー止め、４′・・・・・・スライダー嵌挿ガイド
、５・・・・・・連結帯、６・・・・・・ベース体、７
・・・・・・スライダー係合用突起、８・・・・・・縫
着用溝部、９・・・・・・スライダー案内用突起、１０
・・・・・・縫糸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 柔軟性がある並列した２本の連結部材に、これらに跨が
   って係止体を射出または押出し成形により間隔をおいて
   付着させるとともに、該係止体の巾方向中央部どうしを
   合成樹脂製連結帯を介し一体に連結してなるレールを備
   えたことを特徴とする締付調節具。