JPS60615Y2 - 冷蔵庫の蓄冷器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は冷却器に付設される冷蔵庫の蓄冷器に関する。

例えば、ホテル用の冷蔵庫にあっては、昼間のみコンプ
レッサを運転し、夜間は運転を停止し騒音の発生を防止
して、安眠の妨げにならないようにしている。

したがって、夜間には冷蔵庫に冷却作用がなくなるので
、近年、例えば塩化カリウム（ＫＣＩ）溶液などの蓄冷
剤を容器に封入して戒る蓄冷体を冷却器に伝熱的に付設
して、昼間のコンプレッサ運転時に蓄冷剤を凝固させ、
夜間には冷却器に代えて、凝固状態にある蓄冷剤により
庫内を冷却していた。

ところが、従来蓄冷体の容器は偏平箱状をなしており、
これの−面を介して冷却器に付設していたため、伝熱面
積が狭く、いきおい冷却効率が低下し、蓄冷剤を凝固さ
せるのに長時間かかるというのが実情であった。

本考案は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は
夜間などに騒音の発生を避けるべくコンプレッサの運転
を停止させておいても、庫内を蓄冷体により低温度に維
持できることは勿論、コンプレッサの運転時、蓄冷体の
蓄冷剤を短時間に高能率に凝固でき、夜間などのコンプ
レッサ運転停止時、蓄冷体による庫内冷却に迅速に対処
し得る冷蔵庫の蓄冷器を提供するにある。

以下本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。

１は内部に冷蔵室２を形成した冷蔵庫本体、３は冷蔵室
２を開閉する扉、４はコンプレッサ、５はコンデンサで
ある。

６は前記冷蔵室２の内部上方に配設した冷却器で、これ
は、例えば断面逆り字状に屈曲形成したアルミニューム
板に冷媒管を左右方向に蛇行させて敷設して戒っている
。

さて、７は後述する蓄冷体を収容する伝熱部材で、これ
は熱良導体のアルミニュームにより矩形状に形成された
基板８と、この基板８の上面に複数枚等間隔に並設した
矩形状のアルミニューム酸のフィン９とから構成されて
、基板８を介して冷却器６の上面に伝熱的に付設されて
いる。

１０は縦長なプラスチック製容器１０ａにＫＣＩ溶液な
どの蓄冷剤１１を封入して威る複数個の蓄冷体で１、こ
の蓄冷体１０を前記伝熱部材７の各フィン９の相互間及
び基板８上に密着させて介装している。

さて、コンプレッサ４を起動して冷却運転を開始すると
、冷却器６により冷蔵室２が冷却されて冷蔵温（３℃前
後）に維持されると同時に蓄冷体１０が基板８及びフィ
ン９を介して冷却されて蓄冷剤１１が凝固状態にされる
。

そして、就寝するに際しては、例えばタイマ（図示せず
）を操作してコンプレッサ４の運転を停止してタイマの
作動時間をへ時間前後といった平均的睡眠時間に合わせ
ておく。

すると、睡眠中はコンプレッサ４が運転されることがな
くコンプレッサ４の騒音が防止され安眠が妨げられるこ
とがない。

このコンプレッサ４の運転停止中においては、これまで
の運転により凝固された蓄冷剤１１が徐々に融解するこ
とによって冷蔵室２内が冷蔵温に維持される。

このように、睡眠中においてはコンプレッサ４の運転を
停止して安眠を妨げないようにし、これの運転停止中は
蓄冷体１０の蓄冷剤１１により冷蔵室２内を冷却して適
温に維持するものである。

ところで、蓄冷体１０の蓄冷剤１１を凝固するに要する
時間は冷却器６と蓄冷体１０とが接触する接触面積が大
きくなる程、短かくなる事情にある。

一方、蓄冷剤１１と［、て使用されるＫＣＩ溶液は、法
相−固相間で収縮−膨張するため、溶液を溜器１０ａ内
に注入するときは満杯とせず、やや少な目に入れる。

このことを考慮すると、冷却器６上に設置することを前
提とする本考案の蓄冷器にあっては、容器１０ａ上面と
ＫＣＩ溶液との間には空気層ができ、従って容器１０ａ
の上面から冷却してもＫＣＩ溶液に対する冷却効率は非
常に悪い。

以上の事情の下に本実施例では、冷却器６上に付設され
る基板８にフィン９を並設し、蓄冷体１０をフィン９相
互間に介装して容器１０ａの下面及び両側面の三面が伝
熱部材７に接触するようにしたものであり、この結果、
蓄冷剤１１は冷却器６により基板８の面積にフィン９の
面積を加えた広い面積の接触面を介して冷却されるので
、冷却能率を大幅に向上し得て蓄冷剤１１を急速に凝固
てき、しかも伝熱面積増大のためにフィン９上に基板８
と対向する伝熱板を設けて容器１０ａ上面からも冷却せ
んとするものに比べて、その伝熱板相当分だけ高価なア
ルミニウム材の使用量を少なくし、なおかつ蓄冷剤１１
の急速凝固に関し上記伝熱板を設けるものと遜色のない
高性能のものとすることができる。

したがって、就寝のためコンプレッサの運転を途中で停
止した場合にも、蓄冷剤１１はそれまでの運転によって
既に凝固を完了しているという状態が得られるので、不
意の運転停止にも十分対処できる。

尚、製氷や食品の冷凍保存も可能ならしめるために、フ
ィン上に伝熱板を形成して、この伝熱板上に製氷皿や食
品を載置するようにしてもよい。

本考案は以上説明したように、夜間などに安眠のため騒
音の発生を避けるべく、コンプレッサの運転を停止させ
ておいても、蓄冷体により庫内を冷却し得ることは勿論
、コンプレッサの運転時、蓄冷体の蓄冷剤を短時間に高
能率に凝固できて、夜間などのコンプレッサの運転停止
時に備えて、蓄冷体による庫内冷却に迅速に対処でき、
しかもその蓄冷剤の高能率凝固を伝熱部材の使用材料量
を少なくして達成できると共に、蓄冷体はフィン間に圧
入気味に嵌込むことで取着状態とすることも可能である
から、接着等が不要或は簡易な接着て済み組立てが簡単
になるといった実用的な冷蔵庫の蓄冷器を提供し得るも
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案の一実施例を示し、第１図は
全体の縦断側面図、第２図は要部の拡大分解斜視図であ
る。 図中、６は冷却器、７は伝熱部材、８は基板、９はフィ
ン、１０は蓄冷体、１１は蓄冷剤である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 庫内の冷却器上に付設される基板の上面に複数枚のフィ
   ンを並設して戒る熱良導体製の伝熱部材と、容器内に蓄
   冷剤を収納して戒り前記伝熱部材の前記フィン相互間に
   伝熱的に介装した複数個の蓄冷体とを具備して戒る冷蔵
   庫の蓄冷器。