JPH0248791Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 Ａ 考案の目的 (1) 産業上の利用分野 本考案は、冷蔵庫、特に一面が開放された直方
体状の断熱庫体内に、パネル状に形成されたエバ
ポレータが配設され、前記断熱庫体の開放端が開
閉自在の蓋で覆われるようにした形式の冷蔵庫に
関する。

(2) 従来の技術 従来、かかる冷蔵庫は断熱庫体内をほぼ均等な
温度に冷却するものであるが、飲食物によつては
必要冷却温度が異なるものがある。たとえば、氷
と清涼飲料水を収容する場合には、氷はより低い
温度に冷却される必要がある。

(3) 考案が解決しようとする課題 本考案は、上記事情に鑑みてなされたものであ
り、極めて簡単な構造により、断熱庫体内に冷凍
室と冷蔵室とを設けることができるようにした、
冷却効率の高い冷蔵庫を提供することを目的とす
る。

Ｂ 考案の構成 (1) 課題を解決するための手段 そして上記目的を達成するために、本考案によ
れば、一面が開放された直方体状の断熱庫体内
に、パネル状に形成されたエバポレータが配設さ
れ、前記断熱庫体の開放端が開閉自在の蓋で覆わ
れるようにした冷蔵庫において、前記エバポレー
タは、断熱庫体の一端壁内面及び一側壁内面にそ
れぞれ接する第１のＬ字状部と、同断熱庫体の他
端壁及び他側壁内面にそれぞれ接する第２のＬ字
状部と、同断熱庫体内を前記一端壁側の冷凍室及
び前記他端壁側の冷蔵室に区画するように前記両
Ｌ字状部間を一体に連結する中間板部とを有して
全体として、断熱庫体の開放端側よりみて略Ｓ字
状に形成され、前記中間板部の、前記冷蔵室側の
側面には断熱壁が取付けられ、前記第１のＬ字状
部には冷媒の入口が、また前記第２のＬ字状部に
は冷媒の出口がそれぞれ設けられる。

(2) 作用 断熱壁が臨む冷蔵室は第２のＬ字状部によつて
支障なく冷やされ、一方、中間板部が露出する冷
凍室は該中間板部及び第１のＬ字状部によつて、
該冷蔵室よりも冷たく冷やされるので、１個の断
熱庫体内を冷凍室と冷蔵室とに区分けして使用す
ることができる。

また斯かる冷凍室と冷蔵室との区分けに当たつ
ては、１枚のパネル状エバポレータを横断面Ｓ字
状に形成すると共に、その中間板部の一側に断熱
壁を単に装着するだけでよいから、該パネル状エ
バポレータ自体の形状が単純化され、またエバポ
レータ自身は、その一部を切り越こしたりせずに
単にＳ字状に折り曲げられるだけであるから、前
記第１及び第２のＬ字状部や中間板部には切欠き
部分が存在せず、そのため冷蔵室は第１のＬ字状
部の相隣なる比較的広い二面によつて、また冷凍
室は第１のＬ字状部の相隣なる比較的広い二面及
び中間板部全面によつて、それぞれ効果的に冷や
される。さらに冷凍室を冷やすためのエバポレー
タ平板部のうち特に前記中間板部は、外気に取り
囲まれる断熱庫体の内面には接していない上、冷
蔵室に断熱壁を介して隣接しているから、冷凍室
内に対する吸熱能力が極めて高い。

(3) 実施例 以下、図面により本考案の一実施例について説
明すると、先ず第１図において、この冷蔵庫１の
断熱庫体２は、上面が開放された直方体状に形成
されており、断熱庫体２の下部には、図示しない
保冷ユニツトおよび電源供給ユニツトを収容、支
持する取付枠３が固着される。断熱庫体２内に
は、パネル状に形成されたエバポレータ４が配設
されており、このエバポレータ４と前記保冷ユニ
ツトとの間で冷媒の循環が行なわれることによ
り、断熱庫体２内が冷却される。なお、第１図で
は、断熱庫体２の上面は開放されたままである
が、この開放端は、通常は開閉自在の蓋（図示せ
ず）によつて覆われる。

第２図を併せて参照して、エバポレータ４は、
断熱庫体２内を比較的狭い冷凍室５と比較的広い
冷蔵室６とに区画すべく、断熱庫体２の開放端側
よりみて略Ｓ字状に形成される。即ち、エバポレ
ータ４は、断熱庫体２の一端壁２ａ内面及び一側
壁２ｄ内面にそれぞれ接する第１のＬ字状部７
と、同断熱庫体２の他端壁２ｂ及び他側壁２ｃ内
面にそれぞれ接する第２のＬ字状部８と、同断熱
庫体２内を前記一端壁２ａ側の冷凍室５及び前記
他端壁２ｂ側の冷蔵室６に区画するように前記両
Ｌ字状部７，８間を一体に連結する中間板部１２
とより形成されており、前記中間板部１２の、前
記冷蔵室６側の側面には、冷凍室５及び冷蔵室６
間の熱の授受を極力抑えるための断熱壁１１が取
付けられている。前記第１のＬ字状部７には保冷
ユニツトからの冷媒の入口９が、また前記第２の
Ｌ字状部８には冷媒の出口１０がそれぞれ設けら
れる。而して、冷媒は入口９から第１のＬ字状部
７、中間板部１２および第２のＬ字状部８を経て
出口１０へと流通する。

次にこの実施例の作用について説明すると、エ
バポレータ４と保冷ユニツトとの間の冷媒の循環
に応じて、断熱庫体２内は冷却されるが、比較的
狭い冷凍室５の３つの側面を第１のＬ字状部７と
中間板部１２とで構成するので、冷凍室５の単位
容積当りのエバポレータ４の放冷面積は、第２の
Ｌ字状部８の２面だけで冷やすことになる冷蔵室
６の単位容積当りの放冷面積よりも大きい。この
ため、保冷ユニツトからの冷媒は冷凍室５でより
大量に放冷し、冷凍室５内の温度を、冷蔵室６よ
りも低い値にまで冷却する。また冷蔵室６および
冷凍室５間には断熱壁１１が設けられるので、両
室５，６間の温度差は維持される。したがつて、
比較的低温に保冷すべきもの、たとえば氷を冷凍
室５内に貯蔵し、それ程の低温を必要としないも
の、たとえば清涼飲料水を冷蔵室６に貯蔵するこ
とができる。

Ｃ 考案の効果 以上のように本考案によれば、一面が開放され
た直方体状の断熱庫体内に、パネル状に形成され
たエバポレータが配設された冷蔵庫において、前
記エバポレータは、断熱庫体の一端壁内面及び一
側壁内面にそれぞれ接する第１のＬ字状部と、同
断熱庫体の他端壁及び他側壁内面にそれぞれ接す
る第２のＬ字状部と、同断熱庫体内を前記一端壁
側の冷凍室及び前記他端壁側の冷蔵室に区画する
ように前記両Ｌ字状部間を一体に連結する中間板
部とを有して全体として、断熱庫体の開放端側よ
りみて略Ｓ字状に形成され、前記中間板部の、前
記冷蔵室側の側面には断熱壁が取付けられ、前記
第１のＬ字状部には冷媒の入口が、また前記第２
のＬ字状部には冷媒の出口がそれぞれ設けられる
ので、前記断熱壁が臨む冷蔵室を第２のＬ字状部
によつて支障なく冷やすことができる一方、前記
中間板部が露出する冷凍室を該中間板部及び第１
のＬ字状部によつて、該冷蔵室よりも冷たく冷や
すことができ、従つて１個の断熱庫体内を冷凍室
と冷蔵室とに区分けして使用することができて便
利である。

また斯かる冷凍室と冷蔵室との区分けに当たつ
ては、１枚のパネル状エバポレータを横断面Ｓ字
状に形成すると共に、その中間板部の一側に断熱
壁を単に装着するだけでよいから、該パネル状エ
バポレータ自体の形状が単純でその成形が頗る容
易であることは勿論、エバポレータの一部である
上記中間板部を、冷蔵室及び冷凍室間の隔壁部材
と、断熱壁の取付部材とにそれぞれ兼用すること
ができ、全体として構造が簡単でコストダウン及
び組立性の向上に大いに寄与することができる。
しかもエバポレータ自身は、その一部を切り越こ
したりせずに単にＳ字状に折り曲げられるだけで
あるから、前記第１及び第２のＬ字状部や中間板
部には切欠き部分が存在せず、従つて冷蔵室を第
１のＬ字状部の相隣なる比較的広い二面によつ
て、また冷凍室を第１のＬ字状部の相隣なる比較
的広い二面及び中間板部全面によつて、それぞれ
効果的に冷やすことができる。しかもまたその冷
凍室を冷やすためのエバポレータ平板部のうち特
に前記中間板部は、外気に取り囲まれる断熱庫体
の内面には接していない上、冷蔵室に断熱壁を介
して隣接しているから、冷凍室内に対する吸熱機
能が極めて高く、冷凍室を一層効率よく強力に冷
やすことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案を適用した冷蔵庫の斜視図、
第２図はエバポレータの斜視図である。 １……冷蔵庫、２……断熱庫体、２ａ……一端
壁、２ｂ……他端壁、２ｃ……他側壁、２ｄ……
一側壁、４……エバポレータ、５……冷凍室、６
……冷蔵室、７……第１のＬ字状部、８……第２
のＬ字状部、９……入口、１０……出口、１１…
…断熱壁、１２……中間板部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一面が開放された直方体状の断熱庫体２内に、
   パネル状に形成されたエバポレータ４が配設さ
   れ、前記断熱庫体２の開放端が開閉自在の蓋で覆
   われるようにした冷蔵庫において、前記エバポレ
   ータ４は、断熱庫体２の一端壁２ａ内面及び一側
   壁２ｄ内面にそれぞれ接する第１のＬ字状部７
   と、同断熱庫体２の他端壁２ｂ及び他側壁２ｃ内
   面にそれぞれ接する第２のＬ字状部８と、同断熱
   庫体２内を前記一端壁２ａ側の冷凍室５及び前記
   他端壁２ｂ側の冷蔵室６に区画するように前記両
   Ｌ字状部７，８間を一体に連結する中間板部１２
   とを有して全体として、断熱庫体２の開放端側よ
   りみて略Ｓ字状に形成され、前記中間板部１２
   の、前記冷蔵室８側の側面には断熱壁１１が取付
   けられ、前記第１のＬ字状部７には冷媒の入口９
   が、また前記第２のＬ字状部８には冷媒の出口１
   ０がそれぞれ設けられたことを特徴とする、冷蔵
   庫。