JPS6059650B2 - Ｖｔｒにおけるテ−プガイド装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はＶＴＲにおけるテープガイド装置に関するもの
であり、簡単な構成により動作の円滑なＶＴＲにおける
テープガイド装置を提供するものである。

一般に、ＶＨＳ方式のＶＴＲで記録されたテープ上の記
録跡は、第１図のようになる。

第１図において、１は磁気テープであり、該テープには
互いにアジマスの異なる２個の回転ヘッドにより記録跡
Ａｌ、Ｂ１、Ａ２、Ｂ２、Ａｓ、・・・・・・・・・・
・・・・・が形成されている。記録跡Ａｌ、Ａ２、・・
・・・・・・・・・・・・・は一方の回転ヘッドＡによ
るものであり、記録跡Ｂ１、Ｂ２、・・・・・・・・・
・・・・・・は他方の回転ヘッドＢによるものである。
矢印Ａはテープの記録時の走行方向を示し、又矢印Ｂは
回転ヘッドＡ、Ｂによる走査方向を示すものである。通
常の再生時には、上記テープ１を矢印Ａ方向へ記録時と
同じ速度で走行させ、又回転ヘッドＡ、Ｂも記録時と同
一速度で走行させ、しかも記録跡Ａｌ、Ａ２、・・・・
・・・・・・・・・・・は回転ヘッドＡで、記録跡Ｂ１
、Ｂ２、・・・・・・・・・・・・・・・は回転ヘッド
Ｂで走査し、回転ヘッドＡ、Ｂにより、記録信号を再生
していた。

ところで、テープ上に記録された特定の画面情報を捜す
ために、テープを高速走行させて再生画像を得る、所領
キューの場合には、テープを９倍速で走行させると回転
ヘッドＡ、Ｂによる走査跡がそれぞれ鎖線ａ、ｂで示す
ようになり、例えば回転ヘッドＡは記録跡Ａ６、Ｂ６、
Ａ７、Ｂ７、Ａ８、Ｂ８、Ａ９、Ｂ９、Ａ１０を順次走
査する。

この走査により回転ヘッドＡに記録跡Ｂ６、Ｂ７、Ｂ８
、Ｂ９のみが当つているときには、再生信号が得られず
、ノイズのみとなり、回転ヘッドＡからは第２図に示す
再生信号が得られる。第２図中、符号ａ６、ａ７、ａ８
、ａ９、ａ１０はそれぞれ上記記録跡Ａ６、Ａ７、Ａ８
、Ａ９、Ａ１０からのものである。上記のようにテープ
を高速走行させた場合には、テープ上の記録跡Ａｌ、Ｂ
１、と回転ヘッドＡ、Ｂによる走査跡ａ、ｂの方向が異
なり、再生信号中のノイズ成分が増すという欠点がある
。

上記の欠点を除去し、記録跡Ａｌ，Ｂｌ，・・・・と、
走査跡Ａ，ｂの方向を一致させるために、第３図に示す
如く、回転ヘッドＡ，Ｂの回転方向に対するテープの走
査方向を変えることが考えられる。

第３図において、１は前記したテープであり、該テープ
は回転ヘッドＡ，Ｂを備えた周知のヘッドドラム２の周
面に約１８０をに亘つて繞らされている。上記ヘッドド
ラム２の上側３には上記回転ヘッドＡ，Ｂが取付けられ
、該回転ヘッドと共に回転し、下側４は基板等に固定さ
れている。符号５は上記ヘッドドラム２の下側に固定さ
れたリードガイドであり、通常の再生時にはテープ１は
その一縁が上記リードガイド５に軽く押付けられた状態
で矢印Ａ方向に走行する。６，７はテープガイドであり
、前記ヘッドドラム２におけるテープ１の進入側及び離
脱側で前記基板に固定されている。

これらのテープガイド６，７は円柱状に形成され、テー
プ１の軸方向への移動を制限する鍔部６ａ，６ｂ，７ａ
，７ｂを有し、鍔部６ａ，７ａによりテープ１がリード
ガイド５に押付けられる。このテープガイド６を、上記
テープ１の一縁が第３図のようにわずかに離れるように
（鍔部６ｂでテープ１の一縁を押圧する如く）移動する
と、前記の如くテープ１の走行方向が変わる。上記第３
図について説明したようにして、テープ１上の記録跡Ａ
ｌ，Ｂｌを走査跡Ａ，ｂに一致させることができる。第
４図は回転ヘッドＡに関し、高速走行時の走査跡ａに記
録跡Ａ１が一致した状態を示すものである。このとき、
テープ１の走行方向を変えていかなければ走査跡ａは鎖
線ａ″のようになる。上記第４図のように、走査跡ａが
記録跡Ａ１より短くなると、再生画面の一部が欠ける。

又、通常再生時における記録跡Ａ１を走査するのと同じ
時間で上記の短い走査跡ａを走査するように、回転ヘッ
ドＡの速度を制御する必要がある。上記説明は回転ヘッ
ドＡについてのものであるが回転ヘッドＢについても略
々同様のことがいえる。

又、上記説明では、テープ１を矢印Ａ方向に高速走行さ
せて再生画面を得る場合であるが、テープ１を矢印Ａと
は逆のＣ方向に高速走行させて再生画面を得る場合には
、第５図に示す如く、テープ１上の前記した記録跡Ａｌ
，Ｂｌ，に対する前記回転ヘッドＡ，Ｂの走査跡が鎖線
で示す如く傾き、テープを矢印Ａ方向に高速走行させた
場合と略々同様にしてＳ／Ｎの悪い再生信号が再生され
る。

この記録跡Ａｌ，Ｂｌ，・・を上記走査跡に合せるには
、第６図に示す如く、前記第３図で説明したテープガイ
ド７をその軸方向に移動して鍔部７ｂによりテープ１の
一縁を押圧し、該一縁をリードガイド５から離すように
すればよい。

尚、第６図において、第３図と同一符号は同効部材を示
すものである。ところで、上記のようにテープガイド６
，７を第３図又は第６図に示す如く軸方向に移動し、テ
ープ１の一縁をリードガイド５から離すようにして、前
記記録跡Ａｌ，Ｂｌ，・・・・の方向を回転ヘッドＡ，
Ｂの走査跡の方向に一致させようとすると、次のような
欠点を生ずる。

（１）テープ１が仮にテープの幅方向へは曲らない（剛
体）ものであるとすると、テープ１はリードガイド５か
ら完全に離れ、又はリードガイド５に触れていたとして
も、このときには鍔部７ａ，６ａがテープ１の他縁から
離れた状態となり、テープ１の軸方向への移動を制限す
ることができず、テープ１の走行が不安定になる。この
不安定は現実のテープ１においても生ずる。（２）現実
のテープ１では、ヘッドドラム２の上側３と下側４との
段差により、リードガイド５に近づく方向へのだれを生
じ（直線性を失い）、該テープのリードガイド５に近い
ところは該リードガイドに触れてしまう。このテープ１
のだれにより、テープ１上の記録跡Ａｌ，Ｂｌ，・・・
・もわずかに曲り、回転ヘッドＡ，Ｂの走査跡と一致し
ないところを生じ、再生信号のＳ／Ｎが悪くなる。この
ような欠点を除去するものとして、第７図に示すものが
考えられる。

第７図において、第３図及び第６図と同一符号は同効の
ものを示す。第７図では、テープガイド６がその軸方向
に移動され、鍔部６ｂによりテープ１の一縁が押圧され
て該一縁はリードガイド５から離れ、前記した記録跡Ａ
ｌ，Ｂｌ，・・・・の方向が回転ヘッドＡ，Ｂの走査跡
の方向と一致している。又、テープガイド７はその軸方
向にわずかに移動され、鍔部７ａによつてテープ１の他
縁が押圧され、該テープの一縁がリードガイド５に触れ
るところを越えて充分に圧接される。上記鍔部７ａによ
るテープ１の他縁の押圧により、テープ１はリードガイ
ド５における該テープが触れるところＺを支点としてわ
ずかに第７図において反時計方向へ回動される力を受け
、テープ１におけるリードガイド５から離れて、だれよ
うとする部分が修正され、テープ１の直線性が良くなる
。又、テープ１は鍔部７ａによつてリードガイド５に略
一点ではあるが圧接されるので、幅方向への移動も制限
され、テープ１の走行は安定したものとなる。上記テー
プ１の直線性が良くなることにより、前記したＳ／Ｎの
劣化を改善することができる。本発明は、上記のように
軸方向への移動が軽くでき、しかも構成の簡単なテープ
ガイド装置を提供するものである。

以下、本発明の一実施例を第８図乃至第１０図について
詳細に説明する。

第８図はＶＴＲにおける本発明に関連したところのみを
示すものである。

第８図において、２は前記したヘッドドラムであり、周
知の如く基板（図示せず）に取付けらている。１は前記
した磁気テープであり、周知のカセット８に収納されて
いて、周知の如く傾斜ガイドボール９，１０及び垂直ガ
イドボール１１，１２が移動するのに伴なつてカセット
１から引出され、図示の如く上記ヘッドドラム２の周面
に繞らされる。

垂直ガイドボール１１，１２はテープ引出し位置におい
て、■溝を有するストッパ１３，１４に当接され、その
位置に保持される。１５，１６はインピーダンスローラ
、１７は全幅の消去ヘッド、１８，１９はＣＴＬｌオー
ディオ用のヘッド、２０はキヤプスタン、２１はピンチ
ローラ、２２はテンションピン、２３はテープガイドで
あり、これらは周知のものである。

２４，２５は後述するテープガイドであり、２６，２７
を支点として前記基板に回動自在に設けられたアーム２
８，２９に植設されている。

上記垂直ガイドボール（テープガイド）１１，１２は第
９図にボール１２について例示する如く構成され、前記
ストッパ１４に圧接される。

第９図において、３０は前記の如くテープ１をカセット
８から引出すときに上記ボール１２を移動させる周知の
アーム（図示せず）に関連した基体であり、上記アーム
と略々共に移動される。３１は上記基体３０に固定され
たボールホルダーであり、該ホルダには軸３２が摺動可
能に挿通されている。

このホルダ３１には上記軸３２と同心に雌ねじ３３が設
けられ、該雌ねじには雄ねじ３４が螺合されている。こ
の雄ねじ３４にも上記軸３２を摺動自在に挿通する孔が
穿設され、又上部には凹部３５が形成されている。３６
，３７は上記軸３２に固定された鍔であり、これらの鍔
３６，３７の間には軸３２に回転自在に取付けられたガ
イドローラ３８が配設されている。

又、上記鍔３７の下面には上記凹部３５に遊嵌された凸
部３９が形成されている。前記のボール１２は上記軸３
２、ローラ３８、ホルダ３１等により構成されている。
尚、４０はねじ３４の回り止め用のねじである。前記の
ストッパ１４はねじにより前記基板に固定されたフレー
ム４１に固定され、又ストッパ１４には前記したＶ溝４
２，４３が形成され、これらのＶ溝４２，４３にはホル
ダ３１が基体３０の移動によつて圧接されている。

上記ストッパ１４には軸３２の上端が当接され得る微動
片４４が一体に形成され、該微動片４４の軸３２方向の
位置はねじ４５により調整できるようになつている。符
号６０は軸３２に固定された鍔であり、該鍔と上記ホル
ダ３１との間には押圧ばね６１が介在されている。符号
４６はアームであり、４７を支点として前記基板に回動
自在に取付けられ、その一端部は軸３２の下端に当接さ
れ得るように配置されている。

このアーム４６にはピン４８が植設され、該ピンにはレ
バー４９の長孔が遊嵌されている。このレバー４９は電
磁プランジャ５０の作動杆に結合され、該作動杆と上記
ピン４８との間には牽引ばね５１が張られている。５２
はレバー４９の戻し用のばねである。

前記第８図で説明したテープガイド２４，２５は、第１
０図にテープガイド２４について示す如く、前記アーム
２８に植設され、該アームには紙面に向う方向にピン５
３が植設され、又牽引ばね５８により付勢されている。

５４は摺動レバーであり、電磁プランジャ５５によりば
ね５６に抗して牽引される。このレバー５４には枝部５
７が設けられ、戻りばね５６によりレバー５４が戻つた
状態にあるときには、枝部５７によりピン５３が押圧さ
れ、テープガイド２４は第８図の如くテープ１のテープ
バス（走行路）から外れた位置にあり、電磁プランジャ
５５が作動したときには、枝部５７がピン５３より逃げ
、アーム２８がばね５８によつて回動され、ストッパ５
９に圧接されて、テープガイド２４がテープバスに至る
ように構成されている。上記垂直ガイドボール１２は、
鍔３７を回すことにより凸部３９に嵌合された凹部３５
を有する雄ねじ３４が回り、ホルダ３１に対する鍔３６
，３７の軸３２方向の位置が可変され、通常の記録・再
生時におけるボール１２の位置が定まり、この位置がね
じ４０により固定される。

又、プランジャ５０の励磁により、軸３２は微動片４４
に圧接される如くボール１２が上昇する。上記ボール１
２は、テープ１を矢印Ａ方向へ高速走行（キュー）させ
る場合の、第７図で説明したテープガイド６に相当し、
ボール１１はテープ１を矢印Ａとは逆方向に高速走行（
レビュー）させる場合の、第７図で説明したテープガイ
ド７に相当する。

又、テープガイド２４はキュー時における前記第７図で
説明したテープガイド７に相当し、テープガイド２５は
テープガイド６に相当する。上記第８図乃至第１０図に
ついて説明したＶＴＲでは、キューのときにはボール１
２の電磁プランジャ５０と、テープガイド２４の電磁プ
ランジャ５５とを励磁する。

この励磁によりボール．１２が上昇してその鍔３７によ
りテープ１の一縁が押圧され、該一縁が前記リードガイ
ドから離れ、テープ１上の記録跡の方向が回転ヘッドの
走査跡と略々一致するようになる。又、電磁プランジャ
５５の励磁によりテープガイド２４がテープ．１の走行
路に至り、予め通常のテープ走行時よりも低い位置に設
定されているテープガイド２４の上側の鍔によりテープ
１の他縁が押圧される。ボール１１におけるボール１２
の符号３７に該当する鍔は、テープの通常の走行時には
テープ１の一・縁から離れた位置にあるので、上記した
テープガイド２４の上側の鍔によりテープ１の他縁が押
圧されることにより、テープ１の一縁は上記リードガイ
ドに触れる位置より更に圧接され、前記したテープ１の
直線性が得られる。又、レビューのときには、ボール１
１の電磁プランジャとテープガイド２５の電磁プランジ
ャとが励磁され、ボール１１によつてテープ１の一縁が
押圧され、テープガイド２４によつてテープ１の他縁が
押圧され、テープ１は直線性の良好な状態でその記録跡
が回転ヘッドの走査跡の方向に一致される。

本発明は叙上のように、カセット８からテープ１を引出
してヘッドドラム２の周面へ繞らせるテープガイド６，
７を備え、該テープガイドの軸方向の位置を可変して該
テープガイドの鍔部６ａ，６ｂ，７ａ，７ｂによりテー
プ１の幅方向の走行位置を変え、テープ１の通常の記録
（又は再生）時とは異なる速度でテープ１を走行させた
場合でもノイズの少い再生信号が得られるようにしたＶ
ＴＲにおいて、上記テープガイド６，７として、テープ
引出位置に保持されるボールホルダ３１と、該ホルダに
摺動自在に取付けられ、上記鍔部を構成する鍔３６，３
７が固定された軸３２と、該軸を所定位置に圧接するば
ね６１とを備え、該ばねに抗して上記軸３２を付勢する
プランジャ５０等の手段と、該手段により付勢された上
記軸３２が当接され、該軸を他の所定位置に定める微動
片４４等の位置決め部材とにより構成されているので、
簡単な構成により動作の確実なテープガイド装置が得ら
れる。

尚、上記実施例では、テープのキュー、レビューについ
て説明したが、スチール又はスローにも実施てきる。

又、軸３２を移動する動力は電磁プランジャ５０に限ら
ず、モータ等から得ることもてきる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第７図は本発明の説明に用いるものであり、第
１図はテープパターン図、第２図は信号波形図、第３図
はヘッドドラム近傍の展開図、第４図及び第５図はテー
プパターン図、第６図及び第７図はヘッドドラム近傍の
展開図、第８図〜第１０図は本発明の一実施例のものて
あり、第８図は平面図、第９図は要部の断面図、第１０
図は要部の平面図である。 １：テープ、２：ヘツドドラム、６，７：テープガイド
、６ａ，６ｂ，７ａ，７ｂ：鍔部、１１，１２：ガイド
ポール、３２：軸、３６，３鍔、６１：ばね。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ カセットからテープを引出してヘッドドラムの周面
   へ繞らせるテープガイドを備え、該テープガイドの軸方
   向の位置を可変して該テープガイドの鍔部によりテープ
   の幅方向の走行位置を変え、テープの通常の記録（又は
   再生）時とは異なる速度でテープを走行させた場合でも
   ノイズの少ない再生信号が得られるようにしたＶＴＲに
   おいて、上記テープガイドとして、テープ引出位置に保
   持されるポールホルダと、該ホルダに摺動自在に取付け
   られ、上記鍔部を構成する鍔が固定された軸と、該軸を
   、所定位置に圧接するばねとを備え、該ばねに抗して上
   記軸を付勢する手段と、該手段により付勢された上記軸
   が当接され、該軸を他の所定位置に定める位置決め部材
   とにより構成されたＶＴＲにおけるテープガイド装置。