JPS6058827B2 - 凝集反応用赤血球 - Google Patents

凝集反応用赤血球

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JPS6058827B2
JPS6058827B2 JP52089570A JP8957077A JPS6058827B2 JP S6058827 B2 JPS6058827 B2 JP S6058827B2 JP 52089570 A JP52089570 A JP 52089570A JP 8957077 A JP8957077 A JP 8957077A JP S6058827 B2 JPS6058827 B2 JP S6058827B2
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virus
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宝務 伊藤
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
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Takeda Chemical Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、凝集反応用赤血球に関する。
さらに詳しくは、本発明は、赤血球凝集性の種々のウィ
ルスHA抗原に対し赤血球が天然状態で保有している広
い範囲に及ぶ種類のレセプター(受容体)の活性を保持
させるように改善された貯蔵安定性を有するHA反応用
の凍結乾燥赤血球を提供するものである。 天然の鳥類
赤血球を使用するウィルス氾反応を応用するウィルス特
異抗原および特異抗体の定量ならびにウィルス性伝染病
の血清学的診断法が確立されている。
この方法は技法が簡易で判定が容易、短時間内に判定可
能、比較的高感度である、再現性が高い、経費が少なく
てすむ、広範囲の調査に適しているなどの種々の利点か
ら繁用されている。 しカルながら、新鮮赤血球ではウ
ィルス特異 氾抗原に対する被凝集能力が時間の経過と
ともにきわめて速かに消失する(7日以内)のでHAテ
スト、HAI(赤血球凝集阻止)テストなどを実際に行
なう病院、診療所、研究所などにおいて試験の度ごとに
新鮮赤血球を調製する必要があり、この難点を解決する
ために本願出願人によりCoで着色後ホルマリンなどで
固定した赤血球を蒸留水に浮遊させて凍結乾燥した、長
期貯蔵可能でしかも使用に際し洗滌操作や赤血球濃度調
製することなしに、直ちに使用できる赤血球製剤か開発
されている(特開昭48−26913)。
しかし、このようにして単に蒸留水に浮遊した赤血球を
真空凍結乾燥する場合、ときとして、赤血球が吸引孔か
ら飛散する場合がある。凍結乾燥工程におけるこのよう
な赤血球飛散を防止する目的で吸引孔に綿やガーゼなど
を挿入して吸引速度が緩徐になるように調節する方法が
構じられていた。このような条件での真空凍結乾燥では
HA反応用の赤血球製剤を工業生産レベルでしかも均質
な状態で製造する方”法として必ずしも満足できるもの
ではなかつた。しかし、凍結乾燥工程における赤血球飛
散を防止する目的で種々の塩類化合物などを添加すると
氾反応用凍結乾燥赤血球製剤の品質が劣悪化する。たと
えば、赤血球の反応パターンを鮮明にす・る目的てCo
処理により着色した桜実赤色(カルボキシヘモグロビン
の色)は種々の塩類化合物などと化学反応を惹起して暗
褐色不鮮明な色調に変化する。また、中心的に重要なウ
ィルス特異HA抗原に対する反応すなわち、被凝集性の
低下ならびに凝集反応パターンの劣悪化をまねき、また
或る場合には赤血球が非特異的に凝集して反応用プレー
トの穴(WeIl)の底部に1ボタン状物ョを形成しな
くなる。このような被凝集性の劣悪化はトガウイルス群
,オルソミクソウィルス群およびバラミクソウィルス群
のいずれの場合にも認められるが、特にトガウイルスに
属する風疹ウィルスh抗原に対する被凝集能力の劣悪化
が最も顕著である。したがつて、ウィルスHA反応用凍
結乾燥赤血球を工業生産するには、凍結乾燥過程におけ
る赤血球の飛散を防止するとともに、種々のウィルスH
A抗原に対する被凝集性を損傷せず、かつまた、カルボ
キシヘモグロビンの色調に変化を与えない凍結乾燥法の
確立が必要である。本発明者は、鋭意研究した結果、意
外にも赤血球を特定量のグルコースを含有する水浮遊液
として凍結乾燥することにより上記諸問題を一挙に解決
しうることを見出し、さらに研究を進めて本発明を完成
した。すなわち、本発明は、ウィルス特異HA抗原によ
り凝集されうる鳥類赤血球を一酸化炭素ガス処理して着
色し、固定したのち、約1〜3鍾量/容,量パーセント
のグルコースを含有する水浮遊液として凍結乾燥せしめ
た凝集反応用赤血球てある。
本発明においては、ウィルス特異HA抗原により凝集さ
れうる鳥類赤血球のいずれを用いてもよい。このような
鳥類の代表例としては、たとえばj二ワトリ,ガチヨウ
,アヒル,七面鳥,ウズラなどが挙げられる。これら鳥
類の赤血球は有核赤血球であるため、咄乳動物の赤血球
に比し反応液中ての沈降速度が比較的速くそれだけ結果
判定までに要する時間が短縮できる。さらに、鳥類赤血
球3は固定することにより新鮮赤血球よりも沈降速度が
さらに速くなる傾向がある。また鳥類赤血球は啼乳動物
の赤血球に比し、被検血清中に存在する非特異的反応物
質に対する反応性が低いこともその利点としてあげられ
る。これらの鳥類赤血球の4中でも特に卿化後招時間以
内の給飼していないニワトリ初生ヒナ赤血球は成鳥赤血
球に比し、HA反応系において個体差がないばかりでな
く、種々のウィルス弘抗原に対する感受性が広範囲に及
んでおり、かつ試験結果の判定を混乱させる非特異的反
応物質に対しては惑受性が低い利点をもつている。本発
明においては、上記した鳥類赤血球がまず一酸化炭素ガ
ス処理により着色される。
この一酸化炭素ガス処理にさいしては、赤血球を等張塩
類溶液に浮遊せしめて赤血球がカルボキシヘモグロビン
の桜実赤色に着色されるまて一酸化炭素ガスをバブリン
グするのがよい。また、適当量の一酸ノ化炭素ガスをバ
ブリングした赤血球浮遊液にホルマリンを加え密栓して
両者混合の状態において赤血球を処理するようにしても
よい。かくして着色された赤血球の固定処理は、一般に
赤血球の固定に利用される固定剤たとえばホルマリン,
グルタアルデヒドなどのいずれを用いて行なつてもよい
。たとえばホルマリンを用いる場合は、約1〜20%の
ホルムアルデヒドを含有し赤血球と等張の塩濃度を有す
るホルマリンを用いて約2〜40℃好ましくは約3TC
で赤血球を処理するのがよい。このようにして固定され
た赤血球は、水洗により付着している固定剤および塩類
などを除去したのち、約1〜3鍾量/容量パーセントの
グルコースを含有する水浮遊液として凍結乾燥される。
このグルコースの濃度が3唾量/″容量パーセントを越
えると溶解困難でかつ高粘度のためパイアルへの分注も
困難となる。1重量/容量パーセント未満ては凍結乾燥
工程における赤血球飛散防止能力が不充分となる。
また2重量/容量パーセント以下では錠剤型の凍結乾燥
品が得られない。とりわけ好ましいグルコース濃度は約
2〜2唾量/容量パーセントであり、5重量/容量パー
セント程度が最も好ましい。この赤血球浮遊液における
赤血球は、たとえは8哩個/mlの赤血球遠心沈渣物と
して約1〜3喀量パーセント、とりわけ約5〜2喀量パ
ーセントの濃度で浮遊させておくのが好ましい。本発明
においては、上記した赤血球の水浮遊液にさらに約0.
1〜1.鍾量/容量パーセントの血清アルブミンを含有
させることにより、その効果とりわけ凍結乾燥工程にお
ける赤血球飛散防止効果および得られる凍結乾燥品の好
剤型(錠剤型)が一層増強される。
この血清アルブミンは、ヒト,ウシ,ウサギ,ニワトリ
由来のものなどのいずれを用いてもよいが、とりわけウ
シ血清アルブミンを使用するのが好都合てある。最も好
ましい血清アルブミン濃度は約0.2%重量/容量パー
セント程度てある。工業的生産の観点とりわけ得られる
凍結乾燥赤血球を単なる蒸留水添加で再生して直ちに各
種反応系希釈液に浮遊させて反応させる点から、約5重
量/容量パーセントのグルコースと約0.2%重量/容
量パーセントの牛血清アルブミンを含有する約1喀量パ
ーセントの赤血球浮遊液として凍結乾燥するのが最も有
利である。なお、上記記載から明らかなように、本発明
における赤血球の水浮遊液は塩類などを含まないもので
ある。凍結乾燥にさいしては、まず急速予備凍結し、つ
いで真空凍結乾燥するのが好ましい。
この急速予備凍結は、たとえはドライアイスとメタノー
ルまたはアセトンの混合物にバイアルを浸漬することに
よつて達成される。次いでこれらのバイアルを予め−4
0′C〜−50′Cに冷却した凍結乾燥機のチャンバー
内の棚に入れ、24時間から絽時間にわたつて真空凍結
乾燥する。次いで真空状態またはチッソガスを充填した
のち封栓する。本発明によれば、凍結乾燥工程における
赤血球の飛散を防止し、錠剤型の凍結乾燥品を得ること
ができ、さらにウィルス弘抗原に対する感度についてい
えば、凍結乾燥赤血球の作製が困難とされている風疹ウ
ィルスHA抗原に対しても、またオルソミクソ,バラミ
クソおよび風しんウィルスと同じトガウイルス群に分類
されている日本脳炎ウィルスHA抗原に対しても天然の
新鮮赤血球が示す被凝集性と同等の感度を示し、またカ
ルボキシヘモグ七ピンの色調も変化させない。
かくして得られる本発明の凝集反応用赤血球はきわめて
安定であり、密栓して氷点以上10′C以下で保存した
場合、2年間にわたつて上述の各種ウィルス群の弘抗原
に対するもとの被凝集性を保持し、カルボキシヘモグロ
ビンの真紅美麗な色調も変化しない。
各種ウィルスたとえばインフルエンザ,日本脳炎,風し
んウィルスなどの弘反応用希釈液はそれぞれ組成やPH
を異にしているが、本発明の凝集反応用赤血球はこれら
のすべてのウィルスHA反応および狂M反応において明
瞭な反応像を示した。
なお、グルコース以外の糖類や塩類などを含有する赤血
球浮遊液として凍結乾燥した場合は凍結乾燥品の改善効
果が得られないだけでなく、各種ウィルスHA抗原とり
わけ風疹ウィルスHA抗原に対する被凝集性の冷悪化な
らびにカルボキシヘモグロビンの色調変化をもたらした
本発明の凝集反応用赤血球の保存にさいしてはたとえば
約0〜10℃の氷室内で保存するのが好ましい。
使用にさいしては、単にこれを蒸留水または各種HA抗
原用希釈液に直接再浮遊せしめたのち、新鮮赤血球と全
く同様に使用することがてきる。本発明の凝集反応用赤
血球は、各種ウィルスたとえばトガウイルス群(たとえ
ば風疹、日本脳炎、デング、黄熱など)、オルソミクソ
ウィルス群(たとえばインフルエンザなど)、バラミク
ソウィルス群(たとえばムンプス,センダイウイルスな
ど)などの任意のウィルスとりわけトガウイルス群のH
Aテスト、H,AIテストなどに有利に使用することが
できる。
以下に、本発明の効果を実施例によりさらに具体的に説
明する。
実験例1 0.3m1(7)ACD※0を入れた5m1の注射器を
用い給餌してない1日齢ニワトリヒナの胸骨上部から腹
部に向つて針を入れ心臓を穿刺し、1〜277!lの血
液を全採血する。
個々のヒナ血液を1000m1容量のボトル内に集める
。約2倍量のDGV※2)を加えてガーゼ4枚で濾過す
る。1500回転/分で5分間遠心後、上清を捨て、さ
らに3回約20倍量の・DGV※2ゝで洗う。
最後の遠心は1500回転/分で1紛間行い、血球沈渣
の9倍量の−PBS※3)を加えて10%浮遊液とする
。上記10%赤血球浮遊液の瓶の底部にガラス管の先端
部(直径約1mt)を入れそこから一酸化炭素・ガスの
気泡を1分間約100個の割合で10分間放出させる。
これにより赤血球は桜実赤色を呈す。ついで、この赤血
球浮遊液に振盪下局方ホルマリンを2倍濃度の−PBS
※3)と等量に混合した混合物の0.2皓容を徐々に添
加したのち、密栓してノ4℃に7日間保持する。次いで
上清液をデカンテーシヨンにより除く。
かくして固定された赤血球に約2@容の滅菌蒸留水を加
えて固定赤血球を再浮遊させ、150旧転/分で5分間
遠心分離して上澄を除く、この水洗処理を10回反復し
て固定赤血球を洗滌し、赤血球に付着した塩類を除去す
る。※1ACDはAcid−Citrate−Dext
rOseの略でその組成は下記のとおりである。
クエン酸ナトリウム(NaaC6H5O7・2H20)
1.26yクエン酸H.C.H,O,・Yl2O4.O
yブドウ糖(無水)11.0ダ※2DGVはDextr
Ose−Gelatin−VerOnalの略でその組
成は下記のとおりである。
5×ベロナール緩衝液200m1 CaC1。
(無水)0.02yMgS04.7H200.12y ゼラチン0.6y ブドウ糖(無水)10y 蒸留水で全量1000m1とする。
※3 −PBSの組成は下記のとおりである。
NaCl8.OyKCIO.2yKH 2PO4O.29Na2 HPO4・2H2014.4ダ 蒸留水で全量を1000m1とする。
上記のようにして固定した赤血球を1喀量%および下記
第1表に示す添加物を含有する水浮遊液を調製し、凍結
乾燥用バイアル(10m1容)に2m1ずつ分注し、ド
ライアイスとメタノールの混合物に浸漬して急速予備凍
結し、ついであらかじめ−40℃に冷却した真空凍結乾
燥機のチャンバー内に入れ、−50℃で5時間、−50
〜 +20℃で7時間、+20℃で9時間の温度推移で
凍結乾燥した。
乾燥終了後バイアル内にチッソガスを充填したのち封栓
した。かくして得られた凍結乾燥赤血球の比較結果は第
1表に示すとおりであつた。
夕実験例2 実験例1記載のサンプルNO8を4℃の氷室内2ケ年に
わたつて保存した。
2年保存後も色λ剤型に変化なく、その各種ウィルスH
A抗原にする感度をそれぞれ常法により測定した結果C
フ第2表に示すとおりであつた。
θ実験例3 実験例1記載の操作により固定した1日齢二トリヒナ赤
血球を1喧量%および下記第3表↓二す添加剤を含有す
る水浮遊液を調製し、凍結取用バイアル(10m1容)
に2m1ずつ分注し、ドライアイスとメタノールの混合
物に浸漬して急速予備凍結し、ついであらかじめ−40
℃に冷却した真空凍結乾燥機のチャンバー内に入れ、−
50℃で5時間、−50℃〜+20℃で7時間、+20
℃で9時間の温度推移て凍結乾燥した。
乾燥終了後バイアス内にチッソガスを充填したのち封栓
した。かくして得られた凍結乾燥赤血球を実験例1と同
様にして比較した結果は第3表に示すとおりであつた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ウィルス特異HA抗原により凝集されうる鳥類赤血
    球を一酸化炭素ガス処理して着色し、固定したのち、約
    1〜30重量/容量パーセントのグルコースを含有する
    水浮遊液として凍結乾燥せしめた凝集反応用赤血球。 2 水浮遊液がさらに約0.1〜1.0重量/容量パー
    セントの血清アルブミンを含有してなる特許請求の範囲
    第1項記載の赤血球。
JP52089570A 1977-07-25 1977-07-25 凝集反応用赤血球 Expired JPS6058827B2 (ja)

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JPS5423119A JPS5423119A (en) 1979-02-21
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JPS58131913A (ja) * 1982-01-29 1983-08-06 Green Cross Corp:The 赤血球凍結乾燥物およびその製造方法
JPS58131566A (ja) * 1982-04-28 1983-08-05 Green Cross Corp:The 赤血球凍結乾燥物
JPS63179256A (ja) * 1987-01-20 1988-07-23 Yamanouchi Pharmaceut Co Ltd コレラ菌凝集反応用固定赤血球および該赤血球を使用するエルト−ル型コレラ菌の鑑別方法
JP5172218B2 (ja) * 2006-06-12 2013-03-27 宝務 伊藤 表面にウイルスレセプターを安定的に保持した固定化赤血球、その製造法およびその用途
WO2007145179A1 (ja) * 2006-06-12 2007-12-21 Homu Ito 表面にウイルスレセプターを安定的に保持した固定化赤血球、その製造法およびその用途

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