JPS605848Y2 - 化粧料皿等の容器の蓋の開閉機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、比較的簡易な容器の蓋の開閉機構、特にパレ
ット型の化粧料容器において扁平なケース内に複数をセ
ット収容して使用するおしろい、シャドー、口紅その他
の化粧料皿等の小容器の蓋の開閉機構に関する。

数種の化粧料皿をケース内にセット収容せるパレット型
化粧料用器にあたっては、従来より、内部の化粧料皿に
は蓋を設けなくてもよいという考え方が支配的であった
が、化粧料皿に蓋がないと、外ケースの蓋を開けたとき
に使わないものも含めて全ての化粧料が露出することに
なり、粉ぼこり等が入り易くて化粧料が汚れ易く、また
他の化粧料が手に付着する等の欠点があるため、最近で
は内部の化粧料皿にもそれぞれ蓋を付設することが要求
されている。

このようなパレット型化粧料容器の内容器である小さな
化粧料皿の蓋は開閉操作が容易であること、特に指先で
開閉操作できる簡単な構造であることが必要である。

本考案は、上記に鑑みて、パレット型化粧料容器の内部
に収容する化粧料皿等の主として小容器の蓋の開閉機構
として、構造簡単で開閉操作が行ない易くしかも製作容
易なものを提供すべく考案したものである。

次に本考案の実施例を図面に基いて説明する。

図中、１０は化粧料皿等として使用する小容器ａを構成
する角皿状の容体、２０は容体１０の開口縁部１１に載
接し容体開口部を被蔽する角板状の蓋であり、何れも通
常合成樹脂の成形体よりなる。

しかして、容体１０には開口縁部１１の後側になる一側
に側方（後方）への突出縁１２が延設されるとともに、
該突出縁１２の端部近くにその幅方向の長孔状をなしか
つ上下方向に貫通する係合孔１３が設けられている。

前記の係合孔１３は、肉厚の下部側はど漸次幅方向に拡
がった形状、例えば図のごとく保合孔の幅方向両側面１
４．１５が傾斜状をなす断面路アＩＪＲ状に形成されて
いる。

また、図の場合、係合孔１３の容体外方側縁を構成する
突出縁１２の端部１６は、蓋２０の載接面より若干高く
肉盛状に形成され、その上部内側に係合孔１３の容体内
方側の側面１４と同角度の傾斜面１７が前記側面１４と
の間に所定の間隔を存するよう形成されている。

この突出縁１２の端部１６の下部には、該部の補強と後
述する蓋開閉作用の案内を兼ねる垂下縁１６′が延設さ
れ、該垂下縁１６′の下端部内側がアール面状に形成さ
れている。

前記垂下縁１６′は図のごとく突出縁１２の両測部垂下
縁との連続状に形成しておくのが補強上より好ましい。

なお、前記係合孔１３の容体内方側の側面１４や傾斜面
１７を丸みのある曲面状に形成したり、前記垂下縁１６
′を省略することも可能である。

他方、蓋２０には、その周縁部における上記突出縁１２
との対応個所である後側部に側方（後方）への主として
板状の突出部２１が長孔状の係合孔１３に嵌挿し得る幅
で延設されており、この突出部２１が係合孔１３に対し
抜き挿し自在に嵌挿され、容体１０と蓋２０とが連接さ
れる。

前記突出部２１の端部には所定の閉蓋状態にあるとき係
合孔１３に嵌入保合する下面側への係合突縁２２が設け
られている。

従って蓋２０は係合孔１３との嵌合部分を中心に回動さ
せることにより開閉できるのであるが、特に蓋２０を開
くときには突出部２１を係合孔１３に挿し込むようにし
て係合突縁２２を係合孔１３から下方へ抜き出しつつ回
動させ、また蓋２０を閉じるときには突出部２１を係合
孔１３から引出すようにして係合突縁２２を係合孔１３
に嵌入せしめつつ回動させるようになっている。

前記の係合突縁２２は、その内側面２３が突出部２１の
下面に対し略直角をなしかつ外側面２４が係合孔１３の
容体外方側の側面に相応する傾斜状をなすように形成さ
れて、下部の最大厚が係合孔１３の最小幅より僅かに大
なるよう設定されており、蓋２０を前記外側面が略垂角
となる角度にしたとき、係合孔１３に対して当該係合突
縁２２を上方から嵌入できかつ上方へ抜脱できるが、前
記以外の角度特に閉蓋状態にあるときは係合突縁２２が
係合孔１３から上方へ抜脱しないように設けられている
。

また前記係合突縁２２の内側面２３が突出部２１の下面
に対し略直角であるため、保合孔１３の容体内方側の側
面１４との間に角度差による間隙を保有し、これが突出
部２１を係合孔１３に嵌挿し得る角度になるまでの蓋２
０の回動を許容する。

もちろん係合突縁２２と係合孔１３との間に前記回動を
許容できる余裕があれば、必ずしも前記内側面２３を突
出部２１の下面に対し略直角に形成する必要はない。

さらに前記係合突縁２２の外側面２４は図のごとく突出
部２１の上面からアール面状に連続形成しておくのが望
ましく、上述した容体１０における突出縁１２の端部１
６の垂下縁１６′による案内構造と相まって、係合孔１
３に対する突出部２１の挿し込みおよび引き出し作用、
つまり蓋２０の開閉操作を引掛りなく一層円滑に行なえ
ることになる。

なお、図示する実施例の場合、容体１０の開口縁部１１
の前部を除く両側部には突出縁１２の端部１６から連続
した突縁１８が設けられ、蓋２０がこの突縁１８の内側
に嵌合して開口縁部１１に載接するようになっている。

２５は蓋２０の前端部に設けた開閉操作用の切欠である
。

上記の構成を有する小容器ａは、例えば第４図のごとく
パレット型化粧料容器の化粧料皿として、扁平な角盤状
のケース３０内に収容して使用するものであり、この場
合、小容器ａの容体１０を接着手段等によりケース３０
の本体底面に固定して設けておくこともできるが、図示
するようにケース３０の本体底面と容体１０の底部との
一方にはゴム磁石等の磁石４０を、他方には鉄板その他
の磁石により付着される性質を持つ金属、磁石等の磁性
材料５０を付設しておき、磁力によって脱着可能に取付
けるのが望ましい。

即ち、この場合空になった化粧料皿を新しいものと入れ
替えて使用できるほか、化粧料皿の組合せや配列を季節
および好みに応じて任意に変更調整できることになる。

さらに、上記のようなパレット型化粧料容器においては
、化粧料皿となる小容器ａの幅を、図のように大きいも
のが小さいものの２倍もしくはそれ以上の数倍になるよ
うに設定しておくと、大きい化粧料皿と２個もしくは数
個の小さい化粧料皿と入れ替えでき好ましい。

またケース３０の本体には必要に応じてブラシ収容部、
パフ収容部を設けることができる。

しかして、上記のようにして使用する小容器ａにおいて
、蓋２０を開けるときは、Ｍ２Ｏの先端をつまんで上方
へ回動させつつ後縁に縁故した突山部２１を容体１０側
の突出縁１２に有する保合孔１３に挿し込むようにして
、その端部の係合突縁２２を係合孔１３から下方へ抜き
出し、そのまま蓋２０の両側後端を突出縁１２に摺接係
合させてさらに突出部２１の下面が係合孔１３の容体内
方側の側面１４に当接しかつ上面が突出縁１２の端部１
６の上部内側に当接する位置まで回動させればよく、通
常のヒンジ構造と殆んど変らない簡単な操作で所定の角
度に開くことができる。

このときの蓋２０の開き角度は上記突出部２１の上下面
が当接する係合孔１３の側面１４と端部１６の上部内側
とがなす角度によって定まるので、前記側面１４と端部
１６の上部内側の傾斜角や位置等を考慮することにより
所望の開き角度が得られる。

また、上記のように開いた蓋２０を閉じるときは、上記
とは逆に先すＭ２Ｏを突出部２１の上面が係合孔１３の
容体外方側の下部側面に当接する位置まで回動させると
ともに、突出部２１を係合孔１３から引出すようにして
係合突縁２２を係合孔１３に嵌入せしめつつさらに回動
させればよく、係合突縁２２が係合孔１３に対し嵌入保
合して抜脱が阻止された状態で開口縁部１に載接し、所
定の閉蓋状態を容易に得ることができる。

このように本考案は、構造が簡単で開閉操作が非常に行
ない易く、特に指先だけで容易に開閉操作できるもので
ある。

のみならず、本考案の構成によれば、容体１０および蓋
２０を各々一体成形でき、開閉機構のための他の部材を
必要とせず、製作容易にしてコスト安価な容器を提供で
きる。

従って本考案は、第４図に示すようにパレット型化粧料
容器において外ケース３０内にセット収容して使用する
化粧料皿等の小容器として特に好適に実施でき、この場
合、外ケース３０を開いたときの化粧料の保護を良好に
なすとともに各化粧料皿の開閉操作が行ない易い便利な
ものとなる。

特に蓋２０が透明体で形成してあれば、内部の化粧料を
透視でき、一層使い易いものとなる。

なお、本考案は、上述したごときパレット型化粧料容器
における化粧料皿等として使用する小容器に限らず、簡
易コンパクトその他の容器においても同様に実施可能で
あり、さらに容器形態その他の構造も、実用新案登録請
求の範囲を逸脱しない限り種々変更して実施できる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例を示すものであり、第１図は斜視図
、第２図は蓋と容体を分離した斜視図、第３図は第２図
■−■線における拡大断面図、第４図はパレット型化粧
料容器における化粧料皿等としての実施例を示す一部欠
截斜視図である。 ａ・・・・・・小容器、１０・・・・・・容体、１１・
・・・・・開口縁部、１２・・・・・・突出縁、１３・
・・・・・係合孔、２０・・・・・・蓋、２１・・・・
・・突出部、２２・・・・・・係合突縁、３０・・・・
・・ケース、４０・・・・・・磁石、５０・・・・・・
磁性材料。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 容体の開口縁部の一側に側方への突出縁を延設する
   とともに、該突出部の一部に上下方向に貫通しかつ少な
   くとも肉厚の下部が拡がった係合孔を設け、他方前記容
   体の開口縁部に載接する蓋には周縁部における突出縁と
   の対応個所に側方への突出部に延設し、該突出部を前記
   係合孔に対し抜き挿し自在に嵌挿するとともに、該突出
   部の端部に閉蓋状態にあるとき係合孔に嵌入保合する下
   面側への係合突縁を設け、突出部を係合孔に対し挿し込
   むようにして、また突出部を係合孔から引出すようにし
   て蓋を開閉できるようにしたことを特徴とする化粧料皿
   等の容器の蓋の開閉機構。 ２ 係合突縁の最大厚が保合孔の最小幅より僅かに拡大
   形成され、通常時の抜脱が阻止された実用新案登録請求
   の範囲第１項記載の化粧料皿等の容器の蓋の開閉機構。