JPH0713602Y2 - コンパクトケース - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、構造が簡単なコンパクトケースに関するもの
である。

〔従来の技術〕

従来より、化粧料を収納する器体と蓋体を、繰り返し曲
げに強いポリプロピレン（P.P.）等の合成樹脂で成形
し、ヒンジによって開閉自在に連結した構成が提案され
ている。この構成の場合、器体と蓋体を一体に成形でき
るため、安価なコンパクトケースが提供できるものとな
っていた。

また、コンパクトケースには器体と蓋体を閉じた状態で
保持する係合機構が不可欠であり、更にその保持状態を
任意で解除できる開蓋機構が設けられていた。器体と蓋
体を一体成形したコンパクトケースにも実開昭62-20056
4号公報、及び実開昭63-15909号公報に於いて開蓋機構
を一体成形した構成が提案されている。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、この開蓋機構は押しボタンをヒンジを介して一
体成形し、その後押しボタンを折り畳んで組み立てると
いう工程が必要となっていた。更にこの構成は押しボタ
ンを収納するスペースが必要となってしまうためコンパ
クトケースが大型化してしまう欠点を有していた。

〔課題を解決する為の手段〕

化粧料１を収納した器体４と蓋体５が開閉自在に蝶着
し、器体４の先端面に係合部８を突設し、蓋体５の先端
面に器体４の係合部８と係合し、蓋体５を閉じた状態で
保持するフック９を垂下した構成に於いて、前記器体４
の先端部分には、外側壁に沿ってスリット状の上下に貫
通した貫通孔12を穿設して、先端面に内方向に屈曲可能
な薄肉部13を構成する。この薄肉部13の外側壁には係合
部８を設け、この係合部８の下方には押圧部14を設け
る。本考案は以上構成のコンパクトケースである。

〔作用〕

蓋体５が閉じていると、器体４の先端面の係合部８と蓋
休５のフック９が係合して、蓋体５が閉じた状態で保持
されている。ここで、器体４の先端面の押圧部14を押圧
すると、器体４の先端面の薄肉部13が内方向に屈曲す
る。その結果、薄肉部13に設けられた係合部８が後方に
後退し、蓋体５のフック９との係合が解除され、蓋体５
が開放可能となる。

〔実施例〕

化粧料１は、合成樹脂、薄肉金属板等により、底の浅い
皿状に成形された中皿２に充填されている。

ケース本体３は、器体４及び蓋体５より構成され、繰り
返し曲げに強いポリプロピレン（P.P.）等の合成樹脂で
一体に成形されている。この器体４の後端には、主ヒン
ジ７を介して蓋体５が開閉自在に連結している。

器体４の上面には、中皿２が納置される収納凹所６が刻
設されている。この収納凹所６には、前面壁11のほぼ中
央に前面壁11に沿って下面に貫通したクリット状の貫通
孔12が穿設されている。また、前面壁11のほぼ中央は、
前方にむけ切削されている。その結果、器体４の前面壁
11の中央に、内方向に屈曲可能な薄肉部13を構成してい
る。尚、貫通孔12を収納凹所６の前面壁11にかかるよう
に穿設すれば、貫通孔12の穿設と同時に薄肉部13を構成
出来る。また、貫通孔12を収納凹所６の底面に設けず、
器体４の収納凹所６の前方に、先端の外側壁に沿ってス
リット状に上下に貫通して穿設し、この貫通孔12の前方
に薄肉部13を構成しても良い。

この薄肉部13の外側壁上部には、係合部８を突設してい
る。また、この係合部８の下方の外側壁には、押圧部14
を突設している。

また、蓋体５の先端には、器体４の先端面に設けられた
係合部８に係合して蓋体５を閉じた状態で保持するフッ
ク９が垂下している。その結果、押圧部14を押圧する
と、薄肉部13が内方向に屈曲し、係合部８が内方向に後
退し、蓋体５のフック９との係合が解除するよう構成し
ている。

尚、本考案実施例に於いては、ケース本体３全体を一体
に成形した安価なコンパクトケースについて説明した
が、蓋体５の下面にパフ収納所15を刻設し、器体４の上
面にパフ16を載置出来るよう構成しても良い。また、パ
フ収納所15の天井面に鏡17を貼着しても良い。

〔考案の効果〕

本考案は以上の様に、器体４の先端の外側壁に沿って上
下に貫通した貫通孔12を穿設して先端面に薄肉部13を構
成し、この薄肉部13に蓋体５のフック９が係合する係合
部８及び押圧部14を設け、押圧部14を押圧する事により
薄肉部13を内方向に湾曲させ、係合部８を後退させ蓋体
５のフック９との係合を解除して蓋体５を開放可能にす
るようになっている。従って、本考案の開蓋機構は、貫
通孔12を上下に穿設するだけで構成できるため、組み立
て等の後行程なしに器体４と一体成形することができ
る。

また、貫通孔12は中皿２を収納する収納凹所６と連続し
て、しかもある程度重複して穿設する事も可能であるた
め、押しボタンを収納するスペースをほとんどとらない
ものとなっている。

更に、蓋体５も一体成形した場合、成形の都合上、蓋体
５を開いた状態で成形しなければならないため、主ヒン
ジ７には開こうとする内部応力を有している。従って、
押圧部14を押圧して蓋体５の係合を解除すると、この内
部応力により蓋体５が僅かに開き、蓋体５が開き易くな
るという効果も有している。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案実施例の部分断面斜視図。第２図は、
開蓋操作時の側断面図。第３図は、蓋体を別パーツとし
た実施例の側断面図。第４図は、貫通孔を収納凹所とは
別個に設けた実施例の側断面図。 １〜化粧料、４〜器体、５〜蓋体、８〜係合部、９〜フ
ック、12〜貫通孔、13〜薄肉部、14〜押圧部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】化粧料（１）を収納した器体（４）と蓋体
   （５）が開閉自在に蝶着し、器体（４）の先端面に係合
   部（８）を突設し、蓋体（５）の先端面に器体（４）の
   係合部（８）と係合し、蓋体（５）を閉じた状態で保持
   するフック（９）を垂下した構成に於いて、 前記器体（４）の先端部分に外側壁に沿ってスリット状
   の上下に貫通した貫通孔（12）を穿設して、先端面に内
   方向に屈曲可能な薄肉部（13）を構成し、該薄肉部（1
   3）の外側壁に係合部（８）を設け、該係合部（８）の
   下方に押圧部（14）を設け、押圧部（14）を押圧する事
   により薄肉部（13）が内方向に屈曲し、係合部（８）が
   後退し係合部（８）とフック（９）の係合を解除させる
   事を特徴とすコンパクトケース。