JPS6056673B2 - リクレ−シヨン的車輛用座席支持装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、オートバイその他同様のリクレーシヨン的車
輔に用いられる座席を弾性的に支持するための座席支持
装置に関するものである。

従来既知のオートバイのようなリクレーシヨン的車輛の
多くにおいては、車輛座席は車輛フレームに剛性的に支
持され、座席自身、すなわち、座席内に設けられたばね
によつて運転者または乗車者を弾性的に支持しているに
すぎない。

かかる構成は十分に円滑な乗心地を与えるにはしばしば
不適当てある。従来既知のオートバイにおいても座席を
弾性的に支持する装置を具えるものが幾らか知られてい
るが、しかし、従来の支持装置は種々の欠点を有するこ
とが知られている。

例えば、座席を弾性的に支持する既知の方法では、片持
支持されたほぼ水平に延在するブラケットの後端に座席
を取り付．け、ブラケットの前端を車輛フレームに枢着
し、ブラケットをその長さ方向の中間位置で垂直に延び
るコイルばね装置によつて支持し、このばね装置によつ
て座席を弾性的に支持するようにしている。かかる構成
では、例えば、座席がその前側に！位置する枢支点の周
りに回動可能であるから、座席の垂直方向の振動中に、
座席の後方部分が座席の前方部分に比べ大きく垂直方向
に動く欠点がある。この欠点は２人乗りのため十分に長
くした座席の場合に顕著に生ずる。座席の前方部分が乗
車く者の乗心地を良くするに十分な垂直運動を有するよ
う座席を支持する場合には、後方部分の動き量が望まし
くないものとなる。従来既知の座席支持装置の他の欠点
として、座席を支持するばねの弾性を容易に有効に調整
するための装置が設けられていないことである。

従来装置において、座席補助支持装置を具えるものがあ
るが、かかる補助支持装置は乗車者の重量の変化に合わ
せて補償するよう調整することができす、また、補助支
持装置の取り付け及び取り外しが容易でない。かように
、従来装置においては種々に異なる重量の乗車者または
二人乗りに合わせて補償するようばねの弾性作用を調整
するため）の便宜かつ容易に調整可能の装置を具えるも
のがなかつた。本発明の目的は、座席の前方及び後方部
分を実質的に一様に垂直運動させるとともに異なる重量
の乗車者または二人乗りに対してばね力を調整し・得る
調整可能の弾性座席支持構造を有するオートバイその他
同様のリクレーシヨン車輛用座席支持装置を提供しよう
とするにある。

本発明による座席支持装置は、座席の下側に位置し、か
つ座席の下側に位置する枢支点の周りに・回動可能の複
数個の実質的に平行に回動可能の回動腕を具え、これに
より座席を実質的に一様に垂直運動させるよう支持する
。座席支持装置には、また、座席の垂直方向運動を制御
する緩衝装置と、座席を弾性的に支持するためのはね装
置とを設け、このはね装置の下端を回動可能に支持して
ばね装置が垂直をなす位置から実質的に後方に傾斜した
位置にまで変化する複数個の位置の何れかにばね装置を
動かし得るようにする。垂直位置において、ばね装置は
座席を堅く、しかも弾性的に支持し、他方、実質的に傾
斜した位置において、ばね装置は機械的利点を減じて、
柔らかい乗心地を与える。本発明による座席支持装置の
特有の利点は、座席の前方及び後方部分が実質的に同じ
方向に移動するよう座席を支持する点にある。

この結果として、゛車輛に従来のものに比べ遥かに長い
座席を設けることができ、これにより座席上に二人の乗
車者が腰掛ける二人乗りに際して乗車者の乗心地を向上
させることができる。本発明による座席支持装置の他の
重大な利点として、座席の後方部分を支持するばね装置
を容易に適当に調整して第２の乗車者に対し附加的弾性
支持を与え、または異なる重量の乗車者に合わせて補償
することができる。

本明細書においては、本発明の座席支持装置をオートバ
イの座席を支持するために使用する場合について説明し
ているが、本発明は任意の形式のリクレーシヨン的車輛
において同様の座席を支持するために同様に有利に実施
することができる。

本発明を図面に示す好適実施例につき説明する。第１乃
至第３図はオートバイ座席Ｓを弾性的に支持する本発明
による座席支持装置Ａを示す。

座席支持装置Ａを実質的に平行なリンク装置により構成
し、このリンク装置の一対の回動可能の腕１０，１１を
座席ＳとオートバイＭに固着された剛性のフレーム１３
間に延長して座席Ｓを支持するとともに座席Ｓの垂直方
向の動きを制限する。座席支持装置には更に後部ばね装
置１４を設けて座席Ｓを弾性的に支持する。図示の例で
はまた前部ばね装置１２を設けているが、この前部ばね
装置１２は必らずしも必要でない。オートバイの座席Ｓ
を剛性の座席支持枠１６（第５図参照）によつて直接に
支持し、この支持一枠１６を一対の彎曲した長さ方向に
延びる枠部材１８，２０と横方向に延びる前後座席支持
棒２２，２４とて構成し、これらの前後の支持棒の両端
を枠部材１８，２０に夫々剛性的に連結する。

第２図に示すように、剛性座席支持枠１６の前端を前部
ばね装置１２及ひ対の横方向に離間した前方に傾斜した
回動腕１０によつて支持する。これらの回動腕１０の上
端に横方向に延びる管３０の両端を夫々挿入し得る孔を
設け、これにより管３０を回動腕１０の両端によつて剛
性的に支持し得るようにする。管３０に軸３２を挿通し
、座席支持枠部材１８，２０の前端に形成した孔内に設
けたブシユ３４に軸３２の両端を夫々挿入して支承する
。管３０上に一対の上方及び前方に延びる取付用ブラケ
ット３６を僅かな間隔で離間させて支持し、これにより
前部ばね装置１２の上端を取り付け得るようにする。第
３図に示すように、前部ばね装置１２には一部を中空に
した内側円筒軸３８をオートバイＭのフレームＦに溶接
した外側円筒軸４０内に摺動可能に挿入して設ける。

内側円筒軸３８の孔４４内にコイルばね４２を設ける。
コイルばね４２の下端を剛性的に支持し（図示せす）、
上端を孔４４の底に対して当てる。かようにして内側円
筒軸３８を外側円筒軸４０内に軸線方向に往復動し得る
よう弾性的に支持する。リンク４６を中空内側円筒軸３
８の上端に枢着し、リンク４６の上端に孔４８を設けて
着脱可能のピン５６（第１図参照）を挿入し得るように
し、このピン５６をブラケット３６に形成した孔５２に
も挿入し得るようにし、これによりピン５０を取り外し
て座席を第３図に示す位置に上昇して手入れ等を容易に
行ない得るようにする。しかし、ピン５０が不意に外れ
るのを防止するため、ピン５０に形成した孔に鎖錠キー
５４を挿入する。一対の回動腕１０を前方に傾斜させ、
下端をフーム１３に回動可能に支持する。

特に、回動腕１０の下端に枢支ピン５６，５８を取り付
け、これらのピンを剛性支持リンク６４，６６の上方延
長端に取り付けた整列ブシユ６０，６２内に挿入する。
リンク６４，６６を横方向に延びる管６８に剛固に取り
付けて支持する。管６８の両端を支持リンク７０，７２
によつて支持する。第１乃至３図に示すように、支持リ
ンク７０，７２をオートバイＭのフレームＦにボルトに
よつて連結する。管６８の位置を正しく合わせまたは調
整し得るようにするため、支持リンク７０，７２にボル
ト７０を挿入するための孔を溝孔７４とする。座席支持
枠１６を一対の横方向に離間した後方回動腕１１と後部
ばね装置１４とによつても支持する。一対の後方回動腕
１１を座席支持枠１６にその長さ方向の中間点て連結す
るため座席支持枠部材１８及び２０の長さ方向の中間点
にブシユ８４を夫々取り付けて軸８６の両端を支持し得
るようにする。軸８６を管８８に挿通し、この管８８の
両端近くを回動腕１１に固着する。回動腕１１の下端を
横方向に延びる管９０の両端にそれぞれ固着し、フレー
ム１３のフエンダーブラケツト９２の両端に設けた孔９
６及ひ管９０に軸９４を挿通し、これにより管９０をフ
エンダーブラケツト９２に回動可能に連結する。フエン
ダーブラケツト９２をオートバイＭのフエンダーにボル
トにより取り付ける。ｊ 一対の平行に離間した回動腕
１１の夫々に長さ方向に延びる溝孔１００を形成し、こ
れらの溝孔内に後部ばね装置１４の横軸９８の両端を受
け得るようにする。

各溝孔１００に複数個の切欠１０２を設けて軸９８を複
数個の位置に調整して位置させ得るようにする。後部ば
ね装置１４を構成する一対のほぼ垂直に互に平行に延び
るコイルばね１０４及び１０６の一端を横軸９８に取り
付け、他端を下方横軸１０８に取り付ける。

下方横軸１０８の両端をフレーム１３の一対の平行に離
間した支持ブラケット１１２に設けた溝孔１１０内に摺
動可能に挿入する。支持ブラケット１１２の終端にブシ
ユを夫々設け、これに軸９４を挿入することによつて支
持ブラケット１１２をフエンダーブラケツト９２によつ
て支持することができる。各支持ブラケットの前端を管
６８に剛固に支持する。第１及び２図は上述した座席支
持装置の２個の正常作動位置を示す。

第１図は相当の重量が座席Ｓにかかつた場合の座席の位
置を示し、第２図は座席Ｓが上方に持ち上がつた場合の
状態を示す。また、第１及び２図に示すように、本発明
の座席支持装置にはその一側に緩衝装置１１５を支持ブ
ラケット１１２と回動腕１１との間に連結して設けて回
動腕１１の動きを緩衝し、これにより座席Ｓの垂直方向
の振動を制限する。緩衝装置１１５には下方回動リンク
１１４を設け、このリンクを下方横軸１０８の一端に回
動可能に連結し、これがため支持ブラケット１１２の溝
些１１０によつて摺動可能に支持する。緩衝装置１１５
には更に上方回動リンク１１６を設け、このリンクを後
部ばね装置１４の軸９８に回動可能に連結し、これがた
め溝孔１００に沿つて動き得るよう支持する。回動リン
ク１１４及び１１６をこれらのリンクの相対的回動運動
を遅らせる形式の既知の適当．な摩擦緩衝装置１１８に
よつて互に連結し、種々の重量の乗者に対して調整する
ことにより座席の垂直運動を種々の方法で遅らせて乗り
心地を円滑かつ良好にし得るようにする。摩擦緩衝装置
１１８の代りに油一空気ダンパーその他種々のダンパ、
一のような他の同様の市販の既知の適当な緩衝装置を用
いることもできる。コイルばね１０４及び１０６の上端
を連結する軸９８を溝孔１００内に移動して複数個の切
欠１０２の一個に位置させることによつて後部ばね装・
置１４の位置を種々に変化させることができる。

第２図はコイルばね１０４及び１０６が実質的に垂直に
なるよう位置させたばね装置１４を示し、これによりば
ねが比較的堅い乗心地を与え、相当の重量を支持するこ
とができる。かかる相対的位置にばねを位置させること
によつて、座席支持装置は運転者及び相乗者の両方の重
量に対して容易に補償することができる。他方、座席の
乗心地を柔かくし、または軽い重量を支持させる場合に
は、軸９８を前述したよりも後方の切欠に移し（第４図
参照）、これによりばね１０４及び１０６を後方に傾斜
させ、機械的利益を減じて座席に対する弾性支持を少な
くするようにすることができ″る。座席Ｓの下側に位置
するオートバイの部品に手を入れることを希望する場合
には、ピン５０を外して座席を前部ばね装置から切り離
し、軸１０８を第３図に示すように溝孔１１０内に後方
に動かすことができる。

これにより座席Ｓを第３図に示すように手入れ等を容易
にするに便利な位置に上昇させることができる。上述し
たように、本発明の座席支持装置は、オートバイ等のよ
うなリクレーシヨン用車輛の座席を支持するための装置
として、座席をほぼ一様に垂直に往復動させることがで
き、また、相乗者または種々の重量の乗車者に対し補償
し得るよう座席の弾性支持力を容易に調整し得る装置を
提供することができる。

本発明はまた緩衝装置の使用を容易にし、これにより座
席の垂直方向の動きの加速性を制御することができるこ
とにより運転者に対し、従来に比べ遥かに円滑かつ心地
良い乗心地を与えることができる。本発明による座席支
持装置は、また、車輛の手入れを容易にする位置に座席
を上昇させる装置をも提供するものてある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による座席支持装置によつて支持された
オートバイの座席を示す側面図、第２図はオートバイの
座席を第１図に示すよりも高い位置で支持する状態を示
す第１図と同様の側面図、第３図はオートバイ座席を最
も高い位置て示す第１及び２図と同様の部分断面側面図
、第４図は第３図に示すオートバイ座席の後方部分を支
持する後部ばね装置を第３図より更に後方に傾斜させた
位置て示す部分断面側面図、第５図は第１ないし４図に
示す本発明による座席支持装置の構成部材のいくつかの
分解斜視図てある。 Ｓ・・・・・・座席、Ａ・・・・・・座席支持装置、Ｍ
・・・・・・オートバイ、Ｆ・・・・・・フレーム、１
０，１１・・・・・・回動腕、１２・・・・・・前部ば
ね装置、１３・・・・フレーム、１４・・・・後部ばね
装置、１６・・・・剛性座席支持枠、１８，２０・・・
・・枠部材、２２，２４・・・・・・座席支持棒、３０
・・・・・・管、３２・・・・・・軸、３４・・・・・
・ブシユ、３６・・・・・・取付ブラケット、３８・・
・・・・内側円筒軸、４０・・・・・・外側円筒軸、４
２・・・・コイルばね、４４・・・・・・孔、４６・・
・・・リンク、４８・・・・・・孔、５０・・・ゼン、
５２・・・・・・孔、５４・・・・・・キー、５６，５
８・・・・・・枢支ピン、６０，６２・・・・・・ブシ
ユ、６４，６６・・・・・剛性支持リンク、６８・・・
・・・管、７０，７２・・・・・・支持リンク、７４・
・・・・溝孔、７６・・・・・・ボルト、８４・・・・
・・ブシユ、８６，８８・・・・・・軸、９０・・・・
・・管、９２・・・・・・フエンダーブラケツト、９４
・・・・・軸、９６・・・・・・孔、９８・・・・・・
横軸、１００・・・・・・溝孔、１０２・・・・・切欠
、１０４，１０６・・・・・・コイルばね、１０８・・
・・・・下方横軸、１１０・・・・・溝孔、１１２・・
・・・・支持ブラケット、１１４・・・・・・リンク、
１１５・・・・・緩衝装置、１１６・・・・・・リンク
、１１８・・・・・緩衝装置。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 少なくとも一対の離間した回動腕を具え、これら回
   動腕の前方腕及び後方腕の夫々の上端が座席に回動可能
   に連結され、下端が車輌に回動可能に連結され、前記腕
   の夫々が前方及び上方に傾斜されて前記座席をほぼ垂直
   に動き得るよう支持するよう構成され、前記後方腕が長
   さ方向に延びる溝孔を有し、また、前記座席を弾性的に
   支持するためのばね装置を具え、このばね装置の下端が
   前記前方腕及び前記後方腕の前記下端間の中間位置で前
   記車輌によつて回動可能に支持され、前記ばね装置の上
   端が前記長さ方向溝孔によつて位置を調整可能に支持さ
   れ、これにより前記座席を前記ばね装置によつて弾性的
   に支持するばね装置の実質的垂直位置とばね装置が後方
   に延長してその上端が前記後方腕の下端近くで支承され
   てばね装置による座席の弾性支持が減少される位置との
   間にばね装置を移動可能とし、更に又、前記車輌によつ
   て剛性的に支持される第２ばね装置を具え、前記座席の
   前端を弾性的に支持するよう前記第２ばね装置が座席の
   前端に連結されていることを特徴とする座席を弾性的に
   支持するためのリクレーシヨン的車輌用座席支持装置。 ２ 前記溝孔が前記ばね装置の上端を係脱自在に受ける
   複数個の切欠を有することを特徴とする特許請求の範囲
   第１項に記載の座席支持装置。３ 前記車輌に取り付け
   可能の支持フレームを具え、前記回動腕が前記フレーム
   に回動可能に連結されてフレームにより支持され、前記
   ばね装置の下端を前後方向に移動し得るよう摺動可能に
   支持するための溝孔を前記フレームが有することを特徴
   とする特許請求の範囲第１項に記載の座席支持装置。 ４ 前記座席の垂直方向運動を制限するための緩衝装置
   を具え、この緩衝装置の一端を前記車輌に連結可能とし
   、他端を前記後方腕に連結し、前記緩衝装置が一対の回
   動可能に連結されたリンクを具え、リンクが回動可能に
   結合され、リンク間の相対的回動運動を緩衝するための
   装置を設けてなることを特徴とする特許請求の範囲第１
   項に記載の座席支持装置。 ５ 前記車輌がオートバイであり、前記第２ばね装置が
   前記座席前端を弾性的に支持するよう座席前端に解放可
   能に連結されていることを特徴とする特許請求の範囲第
   １項に記載の座席支持装置。 ６ 前記溝孔が前記ばね装置の上端を係脱可能に受ける
   ため複数個の切欠を有することを特徴とする特許請求の
   範囲第５項に記載の座席支持装置。 ７ 前記フレームが前記ばね装置の下端を前方及び後方
   に移動し得るよう摺動可能に支持する装置を具えること
   を特徴とする特許請求の範囲第５項に記載の座席支持装
   置。 ８ 前記座席の垂直運動を制限するため前記フレームと
   前記座席との間に作動的に連結された緩衝装置を具える
   ことを特徴とする特許請求の範囲第５項に記載の座席支
   持装置。 ９ 前記緩衝装置が一対の回動可能に連結されたリンク
   を具え、一方のリンクが前記フレームによつて回動可能
   に支持され、他方のリンクが前記ばね装置に作動的に連
   結され、リンクが回動可能に結合され、リンクの相対的
   回動運動を緩衝するための装置を具えることを特徴とす
   る特許請求の範囲第８項に記載の座席支持装置。