JPS6054112B2 - 滴状凝縮面の形成方法 - Google Patents

滴状凝縮面の形成方法

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JPS6054112B2
JPS6054112B2 JP1667582A JP1667582A JPS6054112B2 JP S6054112 B2 JPS6054112 B2 JP S6054112B2 JP 1667582 A JP1667582 A JP 1667582A JP 1667582 A JP1667582 A JP 1667582A JP S6054112 B2 JPS6054112 B2 JP S6054112B2
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condensation
polymer
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condensing
droplet
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利彦 阿部
雅樹 大内
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National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
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Agency of Industrial Science and Technology
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、熱交換効率の優れた凝縮面の形成方法に関し
、さらに詳しくは、凝縮器等の金属表面に凝縮液と親和
性のない高分子化合物(ポリマー)の薄膜を形成させる
ことにより、長期間安定な滴状凝縮を持続しうる熱伝達
特性の優れた凝縮形熱交換器の滴状凝縮面の形成方法に
関するものである。
飽和又は過熱蒸気が、その飽和温度よりも低い温度に保
たれた表面に接触すると、蒸気はその表面に潜熱を放出
して凝縮液化する。
この凝縮を定常的に進行させ、連続した熱の流れを形成
させた凝縮熱伝達は、凝縮面における凝縮の状況によつ
て、その熱伝達効率が大きく異なることが知られている
。凝縮の状況は、凝縮生成液が凝縮面を膜状に覆う膜状
凝縮と凝縮面に滴状となつて凝縮する滴状凝縮に大別さ
れるが、同一条件においては、滴状凝縮の熱伝達率は膜
状凝縮よりも10ないし数1皓大きいことも知られてい
る。従つて、熱交換効率の点からみる限りでは、滴状凝
縮により凝縮熱伝達を行わせることが極めて望ましい。
滴状凝縮は、例えば脂肪族やチオアルコールのような不
純物が蒸気または凝縮表面に存在すると小さな滴状をな
して面上に凝縮するが、この滴状凝縮を持続させるため
にプロモーターとして凝縮面に、例えば油脂などを塗布
することが提案されたが、いずれも凝縮液によつて洗い
流されてしまうので、その効果は短期間であることが多
く、長期間にわたつて滴状凝縮を持続することは実質的
・に困難であつた。従つて、凝縮形熱交換器は、滴状凝
縮が優れた熱伝達特性を有することがわかつていながら
も、滴状凝縮を持続させる実用的方法がないため、効率
の悪い膜状凝縮の熱伝達係数を用いて凝縮器等の設計が
なされ実用に供されている。本発明者らは、凝縮形の熱
交換器等の上記のような現状において、熱交換効率の優
れた滴状凝縮を長期間安定に行わせる方法について鋭意
研究を重ねた結果、極めて効果的かつ実用性の優れた凝
縮面の形成方法を見い出した。
すなわち、本発明は、蒸気凝縮液と親和性をもたないポ
リマー又は該ポリマーを形成しうるモノマーもしくはそ
れらの溶液を真空条件下で気化させ、凝縮形熱交換器の
金属凝縮面にポリマーのち密な薄い被膜を形成させるこ
とを特徴とする凝縮形熱交換器の滴状凝縮面の形成方法
を提供するものである。本発明の対象とする熱交換器は
蒸気を凝縮させる形式のもので、それらの凝縮器として
は、その使用目的、用途により多種多様の形状、構造の
ものがあるが、一般的には複数の管や隔壁によつて区切
られた両空間の一方を蒸気が流れ、他方の空間をその蒸
気の飽和温度以下の冷却流体が流れる方式、構造のもの
で、工業的には、例えば原子力又は火力発電プラントに
おける復水器が代表的であり、発電プラントをボイラ、
過熱器、タービンなどというように熱交換器単体として
見れば、復水器は最も大きな構造物である。
また、化学工業における蒸留塔類は各種成分の分離除去
、回収を行うとともに蒸気の凝縮潜熱を加熱の熱源とし
て有効利用され、各種の蒸気の条件に適合した構造及び
規模のものが採用されている。これらの熱交換器類は、
高い熱交換効率を得るために、熱伝導性の優れた耐食性
金属を材料としてつくられている。
また、熱交換面積を増大させるために、粗面ないし凹凸
面を形成させることも通常行われている。このような凝
縮形熱交換器は、前記のように蒸気原動所を有する発電
プラント、大型船舶などにおける復水器や化学工業にお
ける各種蒸留器などのほか、化学工業、醸造業などにお
いて一定温度の加熱や火気を嫌う工程が避けられない、
加熱を必要とする場合などに、例えば飽和蒸気圧をコン
トロールすることにより、その凝縮潜熱を所望温度の安
定な加熱に効果的に利用することができる。
このように凝縮形熱交換は省エネルギーばかりでなく、
熱交換器を小形化できるので省資源の観点からも極めて
望ましい熱源としての高い利用性を有する。このような
凝縮形熱交換器は、水蒸気のみならず有機溶剤や混合溶
剤蒸気の凝縮にも使用され、放出された熱を有効に利用
することができるので本発明はこれらのすべての凝縮形
熱交換器を包括的に対象とするものであるが、よりよき
理解のために以下水蒸気凝縮の場合について主として説
明する。
本発明によれば、熱伝導性のよい金属製の凝縮形熱交換
器の金属表面に、凝縮させる水蒸気の凝縮水と親和性を
もたない疎水性高分子化合物の薄くかつち密な被膜を強
固に付着形成させる効果的方法が提供される。
耐水性及び耐熱性を有する高分子化合物(材料)は数多
く知られているが、金属に強固に付着する高分子材料は
種類が少なく、また熱抵抗が無視できる程度の厚さ、例
えば1μm以下の薄膜を金属表面に強固に被着形成させ
る方法は開発されていない。
さらに通常、凝縮器は複雑な形状をしており、その金属
全表面に実質的に均一な高分子材料の薄層を形成させる
ことは極めて困難である。本発明者らは、高分子材料を
金属表面に被覆形成させる方法として蒸着法に着目し、
低真空度で可及的薄い被膜を形成させる方法について種
々検計した結果、ポリマー(高分子材料)の溶液又は該
ポリマーを金属表面で容易かつ急速に形成しうる、例え
ばシアノアクリレートなどのモノマーもしくはその溶液
を用いて低真中で気化させることにより、気化雰囲気中
に置かれた複雑な形状の金属表面にポリマーの均一な被
膜を形成させうることを知つた。この事実は、溶液の減
圧蒸留や金属蒸着技術からは予測できなかつたものであ
り、全く意外であつた。本発明の方法において、凝縮器
の金属表面に形成させるポリマーとしては、例えば耐水
性の耐熱性高分子化合物としてポリカーボネート、ポリ
アクリル系樹脂、ポリウレタン、ポリエステル、エポキ
シ樹脂、ポリシアノアクリレートなどを挙げることがで
きる。
これらのポリマーは金属に対して強い付着力を有し、極
めて望ましいものてある。凝縮液が水以外の場合も、そ
れに対し親和性を有しないで、かつ、金属付着性及び耐
熱性のポリマーの中から適宜選択して使用することがで
きる。これらのポリマーは、2種以上を組み合わせて使
用してよい。ポリマーを溶解させる溶剤としては、それ
らを溶解しうるものであれば特に制限されない。本発明
の方法においては、ポリマーの溶液は、真空条件下に気
化させるが、その真空度は、溶液濃度及び真空系の温度
とともに金属表面に付着形成させるポリマーの被膜形成
に影響し、特に真空度が大きいほど、また系の温度が高
いほどポリマーの気化蒸着速度が大きく短時間に皮膜が
形成されるので、所望の膜厚皮膜を得るにはそれらの条
件及び蒸着時間が組合せ選択される。
凝縮器の金属全表面に、ち密で強固に付着した均一な膜
厚の層を形成させるには、室温あるいはそれ以下の気化
可能温度及び高真空条件が望ましいが、ポリマー溶液の
場合、あまり低温では長時間を要し、工業的に望ましく
ないので、通常好ましくは緩和された加熱条件、例えば
40〜100℃程度が採用され、また真空度は10−1
〜10−4ミリバール程度の範囲が好適てある。また、
凝縮器の金属表面に形成させるポリマーの膜厚は、熱交
換効率の低下を考慮するときは薄いほどよいが、その寿
命などの実用性を考慮するときは、0.01〜2μmの
範囲が好ましい。
本発明の方法により?造された凝縮形熱交換器の凝縮面
は、熱交換において蒸気が滴状凝縮し、安定なかつ極め
て高い熱交換効率が長期間にわたつて得られるので、従
来の凝縮形熱交換器に比べてはるかに優れ、工業的に高
い実用的価値を有する熱交換器を提供する。本発明の滴
状凝縮面の形成方法は、以下のような利点を有する。
(1)気化量の調整が容易である。
すなわち、耐熱性ポリマーを気化させるには、通常数1
00℃、あるいはそれ以上の温度に加熱する必要がある
が、本発明においては、室温ないし数1CfCの加熱で
よく、該材料の溶液の気化量は真空度、温度及び溶液濃
度を選択することにより容易にコントロールすることが
できる。(2)複雑な形状の凝縮面にも均一な厚さの薄
い被膜が形成できる。
すなわち、ポリマーをそのまま気化させて均一な蒸着層
を得るには被蒸着物の表面形状に沿つた蒸発熱源を準備
することが必要であるが、本発明のポリマー溶液の気化
蒸気はそのような厄介な操作を必要としない。本発明の
方法によつて得られたポリマー被覆凝縮面は、蒸気の滴
状凝縮が長期間安定に確保され、また被膜は、基材金属
に対する付着力が強く、耐剥離性及び機械的強度も優れ
ている。以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説
明する。実施例1 シアノアクリレートを3重量倍のアセトンに溶解し、こ
れを真空容器中に入れ、その上方1.4cff1離れた
位置に、エメリー紙#1000で表面を研摩した鋼板を
保持した。
2(3Cの室温条件で、ロータリーポンプを用いて真空
容器中を約5刈0−2mbarに減圧し、1Cケ間蒸着
させた。
銅板を取り出し乾燥したのち、蒸着膜の厚さを光学的方
法で測定したところ、約0.01μmの均一な被膜が形
成されていることが確認された。
実施例2シアノアクリレートを希釈することなく用い、
実施例1と同じ条件で操作して、銅板表面に厚さ約0.
04μmの均一なポリシアノアクリレートの被膜が得ら
れた。
実施例3 熱容量の大きな金属製真空容器を用い、その温度を45
℃に保つ以外は実施例2と同様にして、銅板表面に約0
.14μmのポリシアノアクリレートの均一な被膜を形
成させた。
実施例4 実施例2において、温度を6(代)に保つ以外は同様に
操作し、銅板表面に厚さ約1.1μmのポリシアノアク
リレートの均一な被膜を形成させた。
上記実施例1〜4で得られた蒸着膜被覆銅板を、水蒸気
による凝縮試験に供したところ、いずれも良好な滴状凝
縮が長期にわたつて得られ、優れた熱交換効率を示した
。実施例5 ポリカーボネート樹脂をクロロホルムに溶解した粘ちよ
うな溶液を90′Cに保つ以外は実施例3と同様に操作
し、銅板表面に厚さ約0.01μmの均一Lなポリカー
ボネート樹脂の蒸着膜が得られた。
実施例6アルキド樹脂塗料(ポリエステル塗料)を80
′Cに保つ以外は実施例3と同様に操作し、銅板表面に
厚さ約0.05μmのアルキド樹脂の均一な蒸着膜門が
得られた。
実施例5及び6で形成された樹脂被覆銅板をそれぞれ凝
縮試験に供し、水蒸気凝縮形熱交換器の凝縮面として優
れた性能を有することが認められた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 蒸気凝縮液と親和性をもたないポリマー又は該ポリ
    マーを形成しうるモノマーもしくはそれらの溶液を真空
    条件下で気化させ、凝縮形熱交換器の金属凝縮面にポリ
    マーのち密な薄い被膜を形成させることを特徴とする凝
    縮形熱交換器の滴状凝縮面の形成方法。
JP1667582A 1982-02-03 1982-02-03 滴状凝縮面の形成方法 Expired JPS6054112B2 (ja)

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JPS58133875A JPS58133875A (ja) 1983-08-09
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IT1296155B1 (it) * 1996-04-05 1999-06-09 Varian Spa Rotore di pompa turbomolecolare

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