JPS6053509B2 - テレビジヨン受像機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 テレビジョン受像機で画像を映出させる場合、輝度の
高い部分では受像管のビーム電流が増加するためのビー
ムのスポットサイズが大きくなり鮮鋭度が低下してしま
う。

特に第１図Ａに示すように水平方向の輪部部分１や同図
Ｂに示すように線の部分２では、本来の映像信号は第２
図Ａに示すように黒レベルと白レベルの間で急峻に変化
するが、受像機の伝送系の周波数特性のため高域成分が
減衰するので、信号は同図Ｂに示すようになま つて水
平方向の鮮鋭度は一層低下してしまう。 そこで、鮮鋭
度の低下を補償する方法として、第２図Ｂの映像信号５
０から同図ｃに示すような２次微分信号ＳＢを得、これ
を信号５０に加えて同図Ｄに示すような立上り及び立下
りの急峻な映像信号Ｓｃを得、これを受像管に供給する
方法がある。 しカルながら、この方法では、信号のピ
ークの部分でビーム電流がより増加するので、ビームの
スポットサイズは一層大きくなり、そのため鮮鋭度はそ
れ程改善されない。

また、別な方法として、第３図Ａの映像信号５０をそ
のまま受像管に供給するとともに、この映像信号５０を
微分して同図Ｂに示すような信号ＳＡを得、これを例え
ば主偏向コイルとは別に設けた補助偏向コイルに供給し
て水平偏向磁界を同図ｃに示すように補正し、これによ
りスクリーン上でのビームの走査速度を同図Ｄに示すよ
うに変調する方法がある。

この方法によれば、区…口゛ａでは’ビームの走査速度
が早くなつてスクリーン上の対応する点の発光量は減少
し、区間′ルではビームの走査速度が遅くなつてスクリ
ーン上の対応する点の発光量は増加するので、ビームの
スポットサイズを考慮するとスクリーン上の水平方向の
発光・量は第３図Ｅに示すように変化し水平方向の鮮鋭
度が改善される。しかしながら、この方法によるときは
、図から明らかなように、スクリーン上の発光部分の巾
が映像信号ＳＯの時間幅に対応せず細くなつてしまうと
いう欠点がある。

この発明は、この点にかんがみ、映像信号の波形を補正
することにより、第３図に示すような方法の欠点をなく
すようにしたものである。第４図はその一例で、１０は
映像増幅器、１１は受像管で、受像管１１において、１
２はカソード、１３は水平及び垂直の偏向手段、１４は
これと別の走査速度変調用偏向手段である。

この走査速度変調用偏向手段１４は、例えば管１１のネ
ック部内に２枚の静電偏向板を水平方向に対向して配置
して構成することができる。そして、映像増幅器１０を
通じて取り出されるもとの映像信号Ｓ！（第６図Ａ）を
第１の遅延回路１５に供給して一定時間τだけ遅延させ
た信号ＳＯ（同図Ｂ）を得る。

ここで、時間τは、例えばもとの映像信号Ｓ！が黒レベ
ルから白レベルに変化するときの立上りの時間に等しく
する。この信号ＳＯをさらに第２の遅延回路１６に供給
して同様に一定時間τだけ遅延させて、もとの映像信号
Ｓ，に対して２τ遅延した信号Ｓ。（同図Ｃ）を得る。
そして、減算器１７において、もとの映像信号Ｓ１から
これに対して２τ遅延した信号Ｓ。を減算し、信号ＳＯ
の立上り部及び立下り部において互に逆の極性を呈する
差信号ＳＢ（同図Ｄ）を得る。この差信号ＳＥは極性反
転回路１８を有する同極性化回路１９に供給して、信号
ＳＥのうちの信一号ＳＯの立下り部における部分を極性
反転して同極性化された信号Ｓｐ（同図Ｅ）を得る。

そして、第１の遅延回路１５から得られる、もとの映像
信号Ｓ，に対してｆだけ遅延した信号ＳＯをローパスフ
ィルタ２１に供給して、立上り部及．び立下り部がなだ
らかにされた信号Ｓ。

″（同図Ｆ）を得、これを加算器２２に供給し、一方、
同極性化回路１９の抵抗器２０の可変抵抗器として、そ
の可動子より上述の信号Ｓｐを分圧した適当なレベルの
信号ＳＯ（同図Ｇ）を得、これを加一算器２２に供給し
、加算器２２において信号Ｓ。″に対して信号ＳＯを加
算する。このようにして、加算器２２より、もとの映像
信号Ｓ！に比べて従つて遅延した信号ＳＯに比べて白信
号の幅が広くされた信号Ｓｐ（同図Ｈ）を得、これを映
像出力信号として、受像管１１の制御電極例えばカソー
ド１２に供給して電子ビームを密度変調する。

また、この映像出力信号Ｓｐを走査速度変調回路として
の微分回路２３に供給して微分し、映像出力信号Ｓｐの
立上り部及び立下り部において互いに極性が逆の信号Ｓ
ｖ（同図■）を得、この信号Ｓｖを走査速度変調用信号
として受像管１１のｊ上述した走査速度変調用偏向手段
１４の互いに対向する２枚の静電偏向板間に供給して、
受像管１１のスクリーン上における電子ビームの走査速
度を変調する。

このようにすれば、スクリーン上での水平方向の発光分
布は第６図Ｊの線５で示すようになり、発光部分の幅が
映像信号ＳＯの立上りの中間点から立下りの中間点まで
の時間に対応するものとなつて、第３図に示した方法の
ように細くなつてしまうことはない。

なお、走査速度変調用信号は、映像出力信号Ｓ２の１次
微分信号のみから形成することなく、１次微分信号に対
して２次以上の高次の微分信号を適当な極性及びレベル
で合成してもよい。

走査速度変調用偏向手段１４は、第５図に示すように受
像管１１の電子銃の例えば集束電極を特殊に形成するこ
とにより構成することもできる。

即ち、第５図は管１１のネック部内の電子銃を示すもの
で、カソード３０、制御電極３１、加速電極３２、第１
陽極３３、集束電極３４及び第２陽極３５が順次同じ軸
心上に配列されている。そして、集束電極３４を、１つ
の円筒体をその中間部において水平面と直交するも管軸
と斜めに交わる平面によつて切断したような形状を有す
るように分割された２個の電極部３４Ａ及び３４Ｂにて
構成し、電極部３４Ａ及び３４Ｂにはそれぞれ零Ｖない
し数ＫＶの集束電圧を供給するとともに、これに重畳し
て両電極部３４Ａ及び３４Ｂ間に上述の走査速度変調用
信号Ｓｖを供給する。従つて、集束電極３４の位置で信
号Ｓｖによつて水平方向の電界が発生し、これによりビ
ーム３６が水平方向に偏向されてスクリーン上において
ビーム３６の走査速度が変調される。また、水平偏向コ
イルを走査速度変調用偏向手段に兼用させ、水平偏向信
号に対して上述の走査速度変調用信号を合成したものを
これに供給してもよい。

上述のように、この発明によれば、映像信号の波形を補
正することにより、鮮鋭度を改善しうるとともに、発光
部分の幅が細くなることのないようにすることができる
。

なお、この発明はカラーテレビジョン受像機にも適用で
きるもので、この場合には輝度信号を上述の映像信号と
して扱えばよい。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第３図はこの発明の説明のための図、第４図は
この発明の一例の系統図、第５図は走査速度変調用偏向
手段の一例の断面図、第６図はこの発明の説明のための
波形図である。 １０は映像増幅器、１１は受像管、１５及び１６は遅延
回路、１９は同極性化回路、２１はローパスフィルタ、
２３は微分回路である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ もとの映像信号を一定時間遅延させる第１の遅延素
   子と、この遅延した映像信号と更に上記第１の遅延素子
   とほゞ同一の時間遅延させる第２の遅延素子と、上記も
   との映像信号から、上記第２の遅延素子を介して遅延し
   た映像信号を差引く信号減算器と、該減算器の出力の負
   極性成分を反転してこの正極性成分と加算する同極性化
   回路と、この出力を上記第１の遅延素子の出力に加算し
   て白信号の幅が拡大された映像信号を得る加算器と、こ
   の出力を受像管の制御電極に加える映像信号路の夫々を
   設けるとともに、上記加算器の出力を電子ビームの走査
   速度変調回路に供給し、この出力を走査速度変調用偏向
   手段に供給して受像管のスクリーン上における電子ビー
   ムの走査速度を変調するようにしたテレビジョン受像機
   。