JPS6052725B2 - 海息付着生物防除剤 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、海息付着生物防除剤に関する。

さらに詳しくはこの発明は、一般式 Ｒ２＞ＮＨ （Ｒ゛、Ｒ”は炭素原子数５〜１８の飽和または不飽和
の直鎖状炭化水素基を意味する）で表わされる第二級脂
肪族アミンまたはその塩の１種または２種以上を有効成
分として含有する海息付着生物防除剤に関する。

海水を利用する火力発電所や諸工場では、その冷却水系
統に海息生物（イガイことにムラサキイガイ；フジツボ
リヒドロムシリコケムシ；ホヤ等）が付着してその機能
を低下させている。

中でも、ムラサキイガイは重り合つて付着し、その成長
速度も早い。その為に一番下部に付着したムラサキイガ
イは栄養分や酸素の摂取が充分に行なえず死滅する。ム
ラサキイガイは死滅により壁面に付着していた足糸が弱
くなり、水圧等によつて脱落し、冷却チューブの閉塞を
引き起し、海水の通水を妨げその機能を低下させる。・
今回、このような問題を解決するものとして、前記の
一般式で示される第二級脂肪族アミンまたはその塩が前
記のような海息付着生物の成長を著しく抑制することを
見い出した。

従来より第二級脂肪族アミンは、バクテリア、・カビ、
藻類に対する活性があることが知られているが、海息生
物であるイガイ、フジツボ、ヒドロムシ、コケムシ、ボ
ア等は、菌類や藻類とはその生活機能も著しく異つてお
り、この発明の発明者等が知る限り前記のような海息付
着生物に対する第二級脂肪族アミンまたはその塩の生理
作用は全く知られていない。

この発明に用いる第二級脂肪族アミンまたはその一塩基
酸塩を海息付着生物の付着成長時に、少量海水系統に添
加することにより、その成長を抑制し付着を防止しうる
。

この発明の海息付着生物防除剤に用いる第二級脂肪族ア
ミンの具体例としてはジｎ−ヘキシルアミン、ジｎ−オ
クチルアミン、ジｎ−ラウリルアミン、ジｎ−ステアリ
ルアミン等が挙げられる。

また上記の一般式のＲ１，Ｒ２は互いに異なつていても
よい。更にこの発明に用い得る第二級脂肪族アミンの塩
としては、上記のような第二級脂肪族アミンの、塩酸、
硝酸、亜硝酸、硫酸、リン酸、酢酸、蟻酸等との酸付加
塩が挙げられる。

この発明に係る第二級脂肪族アミンまたはその塩の添加
量は、一般に海水の流量に対し０．０３〜３ｐｐｍを１
日１〜２４Ｂ１間注入すればよい。

この添加量は、化合物の種類により海息付着生物に対す
る生理活性の強弱があるので、多少の増減がある。また
海息付着生物の発生量が特別多い場合は、増量すること
が望まれる。この発明に用いる第二級脂肪族アミンまた
はその塩は、水、メタノール、エタノール、ジメチルホ
ルムアミド、メチルセロソルブ等で希釈して使用するの
が好ましい。

次に実施例を挙げてこの発明を説明する。実施例１ 内径１０−、長さ２ｍの塩ビパイプに、試験網を入れた
テストプラントを用い、ムラサキイガイの付着期に３０
日間海水を一過式に通水（通水量約５トン／時）し、各
薬剤をケミカルボンプで注入して、その時の付着生物（
ムラサキイガイ、フジツボ、ヒドロムシ、コケムシ）量
をブランクと比較した。

結果は次表の通りてある。上表の通り、この発明に係る
薬剤の添加により各々の海息付着生物の成長を抑制し、
またその時の付着個数も減少せしめた。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 一般式 ▲数式、化学式、表等があります▼ （Ｒ＾１、Ｒ＾２は炭素原子数５〜１８の飽和または不
   飽和の直鎖状炭化水素基を意味する）で表わされる第二
   級脂肪族アミンまたはその塩の１種または２種以上を有
   効成分として含有する海息付着生物防除剤。 ２ 第二級脂肪族アミンがジｎ−ヘキシルアミン、ジｎ
   −オクチルアミン、ジｎ−ラウリルアミンまたはジｎ−
   ステアリルアミンである特許請求の範囲第１項記載の防
   除剤。 ３ 海息付着生物がイガイ、フジツボ、ヒドロムシまた
   はコケムシである特許請求の範囲第１項または第２項に
   記載の防除剤。 ４ 海息付着生物がイガイである特許請求の範囲第１項
   または第２項記載の防除剤。 ５ 海水冷却水系統に添加して用いる特許請求の範囲第
   １項または第２項記載の防除剤。