JPS6049970B2 - 磁気記録再生装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は磁気記録再生装置に関し、特に再生・用磁
気ヘッドとして磁気抵抗効果素子を用いる磁気記録再生
装置に関するものである。

第１図は従来のこの種の装置を示す回路図であり、図
において１は磁気抵抗効果素子、２はバイアス磁界発生
用コイル、３は磁気抵抗効果素子１に一定の電流を供給
する定電流源、４は磁気抵相効果素子１の抵抗変化に基
づく電圧変化を増幅する増幅器、５はコイル２に電流を
供給するバイアス電源、６は抵抗、７は出力端子である
。

第２図は第１図に示した装置の磁気抵抗効果素子１とコ
イル２との部分を拡大して示す斜視図であり、図におい
て１１は基板、１２は絶縁層、１３は磁気テープ、１４
は磁気抵抗効果素子１の端子である。

従来の装置は以上のように構成され、第３図ａに示すよ
うに信号が記録された磁気テープ１３からの漏洩磁界Ｈ
ｓが磁気抵抗効果素子１に入ると、この磁界Ｈｓの強度
に依存して磁気抵抗効果素子１の磁化Ｍの向きが変化す
る。

一方磁気抵抗効果素子１には定電流源３から端子４を介
して一定電流１が流れており、この電流１の向きは不変
で磁化Ｍの向きとなす角度θが磁気テープ１３からの磁
界Ｈｓの強度によつて変化する。このときいわゆる磁気
抵抗効果によつて磁気抵抗効果素子１のＩの方向の抵抗
値は角度θに依存して変化するので、結局電流１が流れ
ている磁気抵抗効果素子１の両端子間の電圧は角度θを
変える磁界Ｈｓの強度に依存して変化することになり、
この電圧から記録信号が再生できる。しかるに角度θと
磁気抵抗効果素子１の抵抗値の変化分δρとの関係は第
３図ｂに示すようにδρ＝ΔρＣＯＳ２θという式（こ
こでΔρは角度θが９００のときと０θのときの磁気抵
抗効果素子１の抵抗値の差である）で表わされ、さらに
角度θは！磁界Ｈｓの強度に比例しないので、磁気抵抗
効果素子１の抵抗値は磁界Ｈｓの強度に比例しない。

従つて磁気抵抗効果素子１の両端子間の電圧の波形は磁
気テープ１３からの信号磁界Ｈｓの波形に対して歪んだ
ものになるという欠点があつた。 ５この欠点を少しで
も改良するために行われている従来の方法は、コイル２
にバイアス電源５から直流電流を供給して直流バイアス
磁界を磁気抵抗効果素子１に印加し、第３図ｂに示した
曲線の比較的直線に近い０＝４５３の位置に磁化Ｍの向
きを４あらかじめ設定しておく方法である。しかしこの
方法では、歪みのない信号を再生できるのは信号磁界Ｈ
ｓの強度がθ＝４５をの近傍の直線とみなせる比較的狭
い範囲内にあるときのみで、再生しうる信号のダイナミ
ックレンジは非常に狭い。従つてこの方法によつて上述
の欠点はほとんど解消されない。この発明は従来の装置
における上述の欠点を除７去し、信号磁界の振幅が大き
い場合でも歪みなく再生できる装置を得ることを目的と
するものである。

この発明は、信号磁界よりもある程度高い周波数を有す
る交流のバイアス磁界を磁気テープ１３クからの信号磁
界に重畳し、このとき、磁気抵抗効果素子１の抵抗値が
あらかじめ設定された一定値になる時点を検出し、それ
らの時点から再生信号を得るようにしたものである。

すなわち信号磁界をＬ（ｔ）、交流バイアス磁７界をＦ
，（ｔ）とすれば、磁気抵抗効果素子１の抵抗値が一定
値となるのはＦｓ（ｔ）＋Ｆ，（ｔ）＝ー定となる時点
であり、この式からそれらの時点におけるＦｓ（ｔ）の
値はＦ，（ｔ）の値から求められる。

しかもＦｓ（ｔ）よりもＦｂ（ｔ）の方が周波数を必要
な程度に高く選んであるので、検出された各時点におけ
るＦｂ（ｔ）の値から信号磁界Ｆｓ（ｔ）が再生できる
。これはバイアス磁界を発生するためにコイルに供給す
る電流の値を、検出された各時点において読みとること
によつて行われる。あるいは交流バイアス磁界Ｆ，（ｔ
）として鋸歯形波又は三角波等を用いれば、磁気抵抗効
果素子１の抵抗値が一定となる各時点を検出することに
より信号磁界Ｆ８（ｔ）によるパルス幅変調信号または
パルス位相変調信号が得られるので、これを復調して再
生信号を得ることもできる。

第４図はこの発明の一実施例を示すブロック結線図であ
り、図において第１図と同一符号は同一部分を示し、２
１は磁気抵抗効果素子１に交流バイアス磁界を印加する
ためのコイル２に電流を供給する交流バイアス電源、２
２は基準電圧発生回路、２３は増幅器４の出力電圧と基
準電圧発生回路２２から印加される基準電圧とを比較し
て両者が一致した時点にサンプルパルスを発生する電圧
比較回路、２４はコイル２の電流を電圧に変換する電流
一電圧変換回路で、例えばコイル２の電流路に抵抗を挿
入し、その両端に生じる電圧を出力とする回路であり、
以下ではこの電流一電圧変換川路２４の出力をコイル電
圧と称する。２５は電圧比較回路２３にサンプルパルス
が出力された時点におけるコイル電圧の値をサンプリン
グして、次のサンプルパルスが来るまで保持するサンプ
ルホールド回路、２６はコイル電圧と同期したパルスを
発生する同位相パルス発生回路、２７は同位相パルス発
生回路２６の出力パルスのパルス幅の期間だけサンプル
ホールド回路２５の出力を出力端子２７ａに通過させる
ゲート回路、２８はパルス振幅変調信号を復調するロー
パスフィルタである。

第５図は第４図の装置の主要部分における波形を示す波
形図であり、この第５図を参照して第４図の装置の動作
を説明する。

第５図においてａは信号磁界の強度、ｂはコイル２の電
流波形を示し、またｂは交流バイアス磁界強度の波形と
等しい。

従つて磁気抵抗効果素子１に印加される磁界は信号磁界
ａと交流バイアス磁界ｂとが重畳された第５図Ｃ−１の
波形になる。なおこの磁界強度波形Ｃ−１の包絡線Ｃ−
２はいうまでもなく信号磁界ａの波形と等しい。磁一気
抵抗効果素子１の両端の電圧は点線で示した第５図Ｃ−
３に示すように波形Ｃ−１に対して歪んだ波形となる。
またこの実施例では交流バイアス磁界は上述の角θが４
５実となる磁界強度を基準にして振動しており、このθ
＝４５磁の磁界強度を第５図ＣにＳで示してある。さら
に信号磁界の強度のダイナミックレンジは上記のレベル
Ｓ以下であるものとする。基準電圧発生回路２２の基準
電圧は、磁気抵抗効果素子１に印加される磁界の強度が
上記のレベルＳであるとき増幅器４の出力として得られ
る電圧値に設定されており、第５図Ｃ一３の電圧が増幅
器４で増幅された電圧と上記基準電圧とが比較され、増
幅器４の出力電圧がこの基準電圧と一致した時点に第５
図ｄに示すようなサンプルパルスが電圧比較回路２３の
出力に発生する。このサンプルパルスによつてサンプル
ホールド回路２５においてコイル電圧の各時点の値がサ
ンプリングされ保持されるので、サンプルホールド回路
の出力は第５図ｅの実線で示すような波形となる。一方
同位相パルス発生回路２６はコイル電圧が正および負の
尖頭値をとる時点に一定のパルス幅のパルスを出力し、
このパルスのパルス幅の時間だけゲート回路２７は第５
図ｅのサンプルホールドされた電圧を出力し、ゲート回
路２４の出力には第５図ｆに示すパルス振幅変調された
信号が得られる。この第５図ｆの信号からローパスフィ
ルタ２８によつて第５図ａの信号磁界の波形が再生され
る。なおこの場合第５図ａの信号磁界に対して再生信号
の極性が反転しているが、これは極性反転回路を最終出
力段、またはゲート回路２７とローパスフィルタ２８と
の間、またはサンプルホールド回路２５とゲート回路２
７との間のいずれかに挿入すれば同極性の再生信号が得
られる。以上説明した実施例は、交流バイアス磁界を発
生させるコイル２の電流の波形やその精度に依存するこ
となく、精度の良い再生信号を得ることができるのが特
徴である。

従つてコイル２の電流は完全な正弦波である必要はなく
歪んだ正弦波でもよいし、また三角波のようなものであ
つてもよい。また上記実施例では基準電圧発生回路２３
の基準電圧をＯ＝４５での磁界に対応する電圧としたが
、必ずしもこの値に限定される必要はない。なお上記実
施例ではコイル２の電流値から信号を再生したが、この
発明はこれに限らす増幅器４の出力電圧が基準電圧と一
致する時点から直接に再生信号を得ることもできる。例
えば第５図ｄに示したサンプルパルスは元信号によつて
位相変調された信号になつているので、コイル２の電流
波形が正弦波や鋸歯形波などの波形精度が良いものを用
いると、この位相変調された信号から公知の復調回路を
用いて精度の良い信号を再生することができる。この場
合は第４図の電流一電圧変換回゛路２牡サンプルホール
ド回路２５、同位相パルス発生回路２６、およびゲート
回路２７が不要になり、回路を簡単なものにすることが
できる利点がある。また第５図ｅに示したサンプルホー
ルドされた・出力電圧からローパスフィルタによつて高
調波成分を除去することによつても再生信号を得ること
ができる。

この場合も第４図の回路よりは簡単な回路て済む。また
この発明は以上の実施例に限定されるものノではなく、
幾多の変化した設計が可能である。

例えば磁気抵抗効果素子１の出力電圧が大きい場合は増
幅器４は省略してもよい。この発明は以上説明したよう
に、ダイナミックレンジの広い信号を歪みなく再生でき
るという効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は磁気抵抗効果素子を用いた従来の磁気記録再生
装置を示ず回路図、第２図は第１図の装置の再生ヘッド
部を拡大して示す斜視図、第３図は磁気抵抗効果の原理
およびその特性の説明図、第４図はこの発明の一実施例
を示すブロック結線図、第５図は第４図の装置の主要部
分における信号波形を示す波形図である。 図において１は磁気抵抗効果素子、２はバイアス用コイ
ル、３は定電流源、４は増幅器、６は抵抗、７は出力端
子、２１は交流バイアス電源、２２は基準電圧発生回路
、２３は電圧比較回路、２４は電流一電圧変換回路、２
５はサンプルホールド回路、２６は同位相パルス発生回
路、２７はゲート回路、２８はローパスフィルタである
。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 磁気抵抗効果素子とこれにバイアス磁界を印加する
   バイアス用コイルとを有する再生ヘッド、上記バイアス
   用コイルに交流電流を供給する交流バイアス電源、上記
   磁気抵抗効果素子の抵抗値があらかじめ定められた一定
   値になる時点を検出する抵抗比較回路、この抵抗比較回
   路により検出された各時点から元信号を再生する再生回
   路を備えたことを特徴とする磁気記録再生装置。 ２ 再生回路は、抵抗比較回路により検出された各時点
   におけるバイアス用コイルの電流値を検出することを特
   徴とする特許請求の範囲第１項記載の磁気記録再生装置
   。 ３ 抵抗比較回路は磁気抵抗効果素子の抵抗値があらか
   じめ定められた一定値になる時点にパルス幅の狭にサン
   プルパルスを出力し、再生回路はバイアス用コイルの電
   流を電圧に変換する電流−電圧変換回路と、この回路の
   出力電圧を上記サンプルパルスによつてサンプリングし
   保持するサンプルホールド回路と、このサンプルホール
   ド回路の出力から元信号の成分を検出する回路とを備え
   たことを特徴とする特許請求の範囲第２項記載の磁気記
   録再生装置。 ４ 抵抗比較回路は磁気抵抗効果素子の抵抗値があらか
   じめ定められた一定値になる時点に一定パルス幅のパル
   スを出力し、再生回路は上記抵抗比較回路の出力パルス
   から元信号を再生するパルス位相変調信号復調回路を備
   えたことを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の磁気
   記録再生装置。 ５ サンプルホールド回路の出力から元信号成分を検出
   する回路は、電流−電圧変換回路の出力電圧の正および
   負のピーク時に一定パルス幅のパルスを出力する同位相
   パルス発生回路と、この同位相パルス発生回路の出力パ
   ルスのパルス幅だけサンプルホールド回路の出力電圧を
   通過させるゲート回路と、このゲート回路の出力のパル
   ス振幅変調信号を復調するローパスフィルタとを備えた
   ことを特徴とする特許請求の範囲第３項記載の磁気記録
   再生装置。 ６ サンプルホールド回路の出力から元信号の成分を検
   出する回路はローパスフィルタであることを特徴とする
   特許請求の範囲第３項記載の磁気記録再生装置。 ７ 抵抗比較回路は磁気抵抗効果素子に一定電流を流す
   定電流源と、上記磁気抵抗効果素子の両端子間の電圧を
   増幅する増幅器と、この増幅器の出力電圧を基準電圧と
   比較して両者が一致する時点を検出する電圧比較回路と
   を備えたことを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の
   磁気記録再生装置。