JPS604970Y2 - 締付調節具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、例えばズボンやスカートのウェストを調節
する際などに使用され、重ね合した調節部の一方に取付
ける調節レールに、他方に止着するスライダーを係合し
、且つ調節レール上に保護カバーを覆い被せである締付
調節具に関するもので、その目的は、ズボンやスカート
その他の被着物に使用した状態に於いて、調節部の重ね
合した部分より外方に露出する保護カバーがずれ動くこ
となく固定され、保護カバーが調節レールによって傷め
られることの無い締付調節具を提供することにある。

従来、ズボンやスカートのウェストを調節するものとし
て、ウェストの一部を重ね合わせ、その重ね具合を調節
するものがある。

それは、重ね部の一方に止歯を有する調節レールを止着
し、他方に爪片を有するスライダーを取付け、該スライ
ダーを調節レールに滑動自在に係合しであると共に、爪
片を止歯に係止してスライダーを不動に固定するものが
知られている。

この種の締付調節具は、調節レールを調節される範囲内
全長に亘って設けたもので、最も深く調節した場合には
問題はないが、途中で締付けである場合、重ね合した部
分より調節レールが露出するため、該露出した部分に手
や器物が直接触れ、調節レールを傷めるばかりでなく、
調節レール上に重なる上衣をも傷める欠点があった。

これに対処するために、調節レール上を覆う保護カバー
を設けたものが提供されているが、保護カバーは調節レ
ールの両端部のみに固着されたもので、保護カバーと調
節レール間に手指を引っ掛けたり、保護カバーが調節レ
ールとすれて傷付ける欠点があった。

この考案は以上の欠点を解消するために工夫されたもの
であって、調節レールに沿って滑動するスライダーを、
最も深く締付けた位置より緩める方向に滑動するに従っ
て保護カバーが調節レールに固定されるように、保護カ
バーに結合レールを止着し、スライダーに調節レールと
結合レールを互に着脱し得るガイド部を設けたことを特
徴とするものである。

以下、この考案による実施例を図面によって説明すると
、第１図乃至第４図に示す如く、テープ１上に調節レー
ル２を縫糸３で止着し、テープ１と連続し調節レール２
の上方に覆い被せる保護カバー４に結合レール５を調節
レール２と相対向して同じく縫糸６で止着し、調節レー
ル２に係合したスライダー７を前記結合レール５にも係
合したものであって、調節レール２は第６図の如く、合
成樹脂製帯板の中央部長手方向に凹溝８を有し、凹溝８
の両側に多数の止歯９を等間隔に凹溝８の方向に対し直
交して突設してあり、一端部に止歯９より高く隆起した
ストッパー１０を設け、他端に用字形の逆止弁１１を突
設し、更に調節レール２の裏面には第３図に示されるよ
うに、２条の脚片１２を有する。

結合レール５は調節レール２との連結片１３を介して互
に一体に形成したもので、その連結片１３の中間に薄肉
部１４を設は曲げやすくしてあって、このレール５は、
調節レール２の巾より広い帯板の両側にＬ字形に屈折し
た多数の止片１５を等間装置きに突設し、結合レール５
の止片１５を突出する方向とは反対の上面に調節レール
２と同様の脚片１６を設けたもので、連結片１３を第７
図示のように曲げて、結合レール５を調節レール２上に
位置し、そのま）結合レール５を調節レール２に圧接す
ることにより、第３図に示す如く両レール２，５が互に
係合するように形成しである。

スライダー７は第５図に示すように、調節レール２を通
す胴部１７に保護カバー４を通す窓孔１８を有する固定
部１９を胴部１７と一体に有し、胴部１７の両側に設け
た軸受２０．２０に保護カバー４を通す窓孔２１を明け
た引手２２を枢支すると共に、引手２２に調節レール２
の止歯９間に突入する爪片２３を突設したもので、この
スライダー７に於いて、調節レール２と結合レール５と
を係合するためのガイド部２４を設けたもので、ガイド
部２４は挿入口の前後部に傾斜壁２５．２６を設け、前
方の壁２５には結合レール５の脚片１６が通過し得る切
欠２７を設けたものである。

尚、以上の実施例に於いて、調節レール２を固定するテ
ープ１は必ずしも必要とせず、調節レール２を直接被着
物に取付けても良い。

また、両レール２，５を夫々別体にして形成することも
ある。

更に、第１図に示すこの考案による締付調節具は、たと
えば第８図で示す如くズボンＳのウェスト調節部に取付
けるものであり、その取付方法は該調節部の下布ａにテ
ープ１を置きその上に調節レール２を置いて、凹溝８に
沿って下布ａに縫着し、且つテープ１のストッパー１０
側の先端部を連結片１３と共に下布ａに縫い付ける。

また保護カバー４に縫着して固定した結合レール５を調
節レール２に係合し、そしてスライダー７を、調節レー
ル２にその逆止片１１側より挿入し、固定部１９と引手
２２の各窓孔１Ｂ、２１に保護カバー４を通して先端に
誘導すると共に、ガイド部２４の口より調節レール２と
係合した結合レール５を挿入し、且つ保護カバー４の末
端部を下布ａに縫着し、更にスライダー７の固定部１９
に上布すを付着したものである。

この考案は以上の構造であって、引手２２を起立すれば
その爪片２３が止歯９間より離脱され、スライダー７が
滑動可能となり、これを上片すが下片ａに深く重なる方
向に滑動すると、結合レール５がガイド部２４より上方
に送り出されて、調節レール２より順次離脱され、逆に
滑動する時には、結合レール５がガイド部２４に挿入し
て調節レール２に係合するもので、引手２２を倒せば爪
片２３が止歯９間に係止して、スライダー７が不動に固
定されるものである。

以上のように、この考案による締付調節具は、保護カバ
ーに調節レールと対向する結合レールを止着し、調節レ
ールに係合したスライダーに、被着物の調節部を拡大す
るに従って結合レールを調節レールに係止するガイド部
を設けたものであるから、被着物の調節部の重ね具合を
調節して固定した際に、重ね合した部分より余分に露出
している部分の保護カバーが結合レールを介して調節レ
ールに固定されるので、保護カバーがずれ動くことがな
く、調節レールによって傷められることがなく、また手
指を差し込む恐れがなく、体裁も良好になる等の効果を
奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案による締付調節具を取付けた被着物の
調節部を示す正面図、第２図は第１図Ａ−Ａ線矢視の断
面図、第３図は第２図Ｂ−Ｂ線矢視の断面図、第４図は
第２図Ｃ−Ｃ線矢視の断面図、第５図はスライダーの胴
体と引手を分解して示す斜視図、第６図は調節レールと
結合レールとを互に一体に形成して示す斜視図、第７図
は両レールを使用状態で示す側面図、第８図はズボンに
この考案による締付調節具を取付けた状態を示す斜視図
である。 １・・・・・・テープ、２・・・・・・調節レール、３
，６・・・・・・縫糸、４・・・・・・保護カバー ５
・・・・・・結合レール、７・・・・・・スライダー
９・・・・・・止歯、１３・・・・・・連結片、１５・
・・・・・止片、１７・・・・・・胴体、１９・・・・
・・固定部、２２・・・・・・引手、２３・・・・・・
爪片、２４・・・・・・ガイド部、ａ・・・・・・被着
物調節部の下布、ｂ・・・・・・上布。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 止歯付調節レール２と、これに沿って滑動し止歯９で不
   動に固定されるスライダー７と、調節レール２上を覆う
   保護カバー４より威り、スライダー７の滑動によって被
   着物の重ね具合が調節される締付調節具に於いて、保護
   カバー４に調節レール２と互に着脱自在に係合する結合
   レール５を止着し、且つスライダー７に、該スライダー
   ７を被着物の深く重ねた位置より浅く重なる方向に滑動
   するに応じその通過した部分の結合レール５を調節レー
   ル２に係合するガイド部２４を設けたことを特徴とする
   締付調節具。