JPS6232965Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は手袋に関し、さらに詳しくは手の挿入
口部を開閉するための締付バンドを取付けた手袋
に関するものである。

従来のこの種の締付バンド付手袋の中には、第
１図に示すようなものがあるが、この従来の手袋
では、手胴部１に手挿入口部３から指部２側に向
けて切開部４を形成し、該切開部４を隔ててその
一側の手胴部材料片１ａの表面に一対の止着部材
（面接着テープ）７の一側止着材７ａを固着する
とともに切開部４を隔てた他側の手胴部材料片１
ｂに止着部材７を他側止着材７ｂを取付けたバン
ド５の一端５ａを固定して、該バンド５側止着材
７ｂを他方の止着材７ａに接着させることにより
手挿入口部３を締付け得るように構成されてい
る。

しかしながら、この従来の手袋では、手挿入口
部３を締付ける際にバンド５を引つぱつて該バン
ド側止着材７ｂを他側止着材７ａに接着させるよ
うになつているため、切開部４を隔ててバンド取
付側の手胴部材料片１ｂのみが引き寄せられてそ
の片側だけが強く締付けられ、手袋装着時の装着
感覚が悪くなるという問題があつた。

本考案は上記の如き従来の手袋の問題点に鑑
み、手挿入口部の切開部を隔てた各手胴部材料片
にバンドと該バンドを挿通させるための環体を取
付けて、手挿入口部をその切開部の両側から相互
に引き寄せて締付け得るようにし、以つて手袋装
着感覚を良好にすることができるようにすること
を第１の目的とし、さらにバンドの非固定側端部
に、環体に挿通したバンドが該環体から抜け出さ
ないようにするための抜止め部材を設け、以つて
手袋装着時におけるバンド締付作業を容易にし得
るようにすることを第２の目的としてなされたも
のである。

以下、図示の実施例に基づいて本考案を説明す
ると、第２図及び第３図に示す本考案実施例の手
袋は、ゴルフ又は野球等のスポーツ用に使用され
るもので皮革材料によつて形成されている。

この手袋には、手首側に位置する手胴部１の甲
側に手挿入口部３から指部２側に向けて適宜深さ
まで達する切開部４が形成されている。この切開
部４は手挿入口部３を大きく開いて手の挿入を容
易にするためのものである。なお該切開部４は小
指側寄りに形成されている。

又、この手袋には、手胴部１の甲側に手挿入口
部３を締付けるための締付部材Ａが取付けられて
いる。この締付部材Ａは、適宜長さをもつ帯状の
バンド５と、該バンド５を挿通させるための金属
製縦長の環体６と、一対の止着材７ａ，７ｂから
なる止着部材７とによつて構成されていて、バン
ド５及び止着部材７は切開部４を隔てて一側（親
指寄り）の手胴部材料片１ａに、又環体６は切開
部４を隔てて他側（小指寄）の手胴部材料片１ｂ
にそれぞれ取付けられている。

バンド５の一端（基端）５ａは切開部４を隔て
て親指寄りの手胴部材料片１ａに縫着されてい
る。

止着部材７は相互に嵌脱自在に接着する面接着
テープが採用されており、その一側止着材７ａは
バンド取付側手胴部材料片１ａの表面に、又他側
止着材７ｂはバンド５の先端５ｂ側にそれぞれ固
着されている。なお手胴部材料片１ａ側の止着材
７ａはバンド基端５ａに連接させて固着されてお
り、又バンド先端５ｂ側の止着材７ｂは該バンド
先端５ｂ側を折返した際に裏面となる面に固着さ
れている。

環体６は切開部４を隔てて小指寄りの手胴部材
料片１ｂにゴムバンド８を介して取付けられてい
る。なおこの環体６は切開部４の端縁とほぼ平行
になるように向けて取付けられている。

環体６内にはバンド５の先端５ｂ側が遊動自在
に挿通されている。

又、バンド５の先端５ｂには、該バンド５を折
返した際に表面となる面にバンド抜け止め用の抜
止め部材（ボタン）９が取付けられており、バン
ド５が環体６内から抜け出さないようにしてい
る。

即ち、バンド先端５ｂにおけるボタン９の取付
部分の厚さは、環体６内の内幅より大きくなるよ
うにしており、バンド基端５ａ側を環体６に対し
て引つぱつても該ボタン９が環体６に引つ掛るよ
うになつている。なお、バンド抜け止め用の手段
を施していない場合には、バンド５が環体６から
抜け出ることがあり、手袋装着時にはそのバンド
抜け出しの度に該バンド先端５ｂを環体６内に挿
通させなければならず、バンド締付作業が面倒と
なる。なおこのボタン９はバンド先端５ｂを環体
６内に挿通した後に取付けられる。

この手袋は、手を挿込んだ後にバンド先端５ｂ
を折返した状態で引つぱつてそのバンド先端５ｂ
側の止着材７ｂを手胴部材料片１ａ側の止着材７
ａに接合させれば、切開部４を隔てた両側の手胴
部材料片１ａ，１ｂが相互にほぼ均等に引き寄せ
られて手挿入口部３を締付けることができるよう
になつている。なお環体６はゴムバンド８を介し
て取付けられているため、バンド５を引つぱれば
該ゴムバンド８が延び、その状態で両止着材７
ａ，７ｂを接合させればゴムバンド８の収縮作用
により手挿入口部３が適度の収縮力で締付けられ
るようになつている。

なおこの実施例では、止着部材７は一対の面接
着テープを採用しているが、止着部材７としては
ホツク等の適宜のものを採用することができる。

続いて本考案の効果を説明すると、本考案の手
袋は、手挿入口部３に形成した切開部４を隔てて
その一側の手胴部材料片１ａにバンド５の一端５
ａを、他側の手胴部材料片１ｂにバンド５の先端
５ｂ側を挿通し得る環体６をそれぞれ取付け、さ
らにバンド先端５ｂに一方の止着材７ｂを、又バ
ンド取付側手胴部材料片１ａに他方の止着材７ａ
をそれぞれ取付けているので、手袋装着時に手挿
入口部３を締付けた際、即ちバンド先端５ｂを環
体６内を通して折返し両止着材７ａ，７ｂを相互
に接合させた際に切開部４を隔てた両側の手胴部
材料片１ａ，１ｂが相互に引き寄せられて手首部
をその全周からほぼ均一に締付けることができ、
その装着感覚が良好となるという効果がある。

又、本考案の手袋は、バンド５の先端５ｂ側に
該バンド５が環体６から抜け出さないようにする
ための抜止め部材９を設けているので、バンド５
が環体６から抜け出ることがなく、手袋装着時に
おけるバンド締付作業を容易に行うことができる
という効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の手袋の下方斜視図、第２図は本
考案の実施例にかかる手袋の下方斜視図、第３図
は第２図の手袋の使用状態を示す断面図である。 １……手胴部、１ａ，１ｂ……手胴部材料片、
２……指部、３……手挿入口部、４……切開部、
５……バンド、５ａ……バンド基端、５ｂ……バ
ンド先端、６……環体、７……止着部材、７ａ，
７ｂ……止着材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 手胴部１に手挿入口部３の開口縁から指部２側
   へ向けて適宜深さの切開部４を設ける一方、該切
   開部４を隔てた一側の手胴部材料片１ａに所定長
   さをもつバンド５の一端５ａを固着し且つ前記切
   開部４を隔てた他側の手胴部材料片１ｂに前記バ
   ンド５を挿通するための環体６を取付けるととも
   に、前記バンド５の非固定側端部５ｂには一対の
   止着材７ａ，７ｂからなる止着部材７の一方の止
   着材７ｂを、又前記バンド固定側の手胴部材料片
   １ａの表面には前記止着部材７の他方の止着材７
   ａをそれぞれ取付け、さらに前記バンド５の非固
   定側端部５ｂ側を前記環体６内に挿通せしめた状
   態において該バンド５の非固定側端部５ｂに前記
   バンド５が前記環体６から抜け出さないようにす
   るための抜止め部材９を設けたことを特徴とする
   手袋。