JPS6046858A - 複合鋳物の製造法 - Google Patents
複合鋳物の製造法Info
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- JPS6046858A JPS6046858A JP15438883A JP15438883A JPS6046858A JP S6046858 A JPS6046858 A JP S6046858A JP 15438883 A JP15438883 A JP 15438883A JP 15438883 A JP15438883 A JP 15438883A JP S6046858 A JPS6046858 A JP S6046858A
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- particles
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- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B22—CASTING; POWDER METALLURGY
- B22D—CASTING OF METALS; CASTING OF OTHER SUBSTANCES BY THE SAME PROCESSES OR DEVICES
- B22D19/00—Casting in, on, or around objects which form part of the product
- B22D19/14—Casting in, on, or around objects which form part of the product the objects being filamentary or particulate in form
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)
Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
本発明は、炭化物粒子と金属とが均一に混在しかつ強固
に結合してなる複合鋳物の製造法に関し、特にその複合
組織における均質性を改善したものである。
に結合してなる複合鋳物の製造法に関し、特にその複合
組織における均質性を改善したものである。
金属溶湯とそれより比重の大きい炭化物粒子、例えば鉄
系金属溶湯とタングステン炭化物粒子とを鋳型内に鋳込
み、比重差により粒子を沈降・集積させることにより、
第7図のように鋳型(1)内に炭化物粒子(P)が比重
分離された実質的に金属溶湯のみからなる金属相部分C
B>の下部に、沈降・凝集した炭化物粒子(P)群と、
その粒子間隙に充填された金属■)とからなる複合相部
分(A)が形成される。
系金属溶湯とタングステン炭化物粒子とを鋳型内に鋳込
み、比重差により粒子を沈降・集積させることにより、
第7図のように鋳型(1)内に炭化物粒子(P)が比重
分離された実質的に金属溶湯のみからなる金属相部分C
B>の下部に、沈降・凝集した炭化物粒子(P)群と、
その粒子間隙に充填された金属■)とからなる複合相部
分(A)が形成される。
凝固後その鋳造体を鋳型から取出し、金属相部分(B)
を切断除去すれば、複合相部分(A)を複合鋳物製品と
して得ることができる。かかる複合鋳物の製造法につい
て本発明者等はすでにいくつかの提案を行った(特願昭
57−148120号、同57−]48122号、同5
8−1957号など)。
を切断除去すれば、複合相部分(A)を複合鋳物製品と
して得ることができる。かかる複合鋳物の製造法につい
て本発明者等はすでにいくつかの提案を行った(特願昭
57−148120号、同57−]48122号、同5
8−1957号など)。
こうして得られる複合鋳物は、緻密に凝集した炭化物粒
子と金属との強固な結合関係によって、炭化物粒子と金
属の各特性、ことに耐摩耗性と靭性とを兼備するすぐれ
た材料特性を有する。
子と金属との強固な結合関係によって、炭化物粒子と金
属の各特性、ことに耐摩耗性と靭性とを兼備するすぐれ
た材料特性を有する。
しかし、その複合組織を仔細に観察すると、製品の部位
により粒子形態に次のような差異が見られる。すなわち
、前記第7図における鋳型の下方部((ロ)付近と、金
属相部分に近い上部(n)の複合組織を比較すると、下
部(m)における粒子(P)は第9図に ・示すように
健全な粒形態を保持しているのに対し、上部(n)にお
ける粒形態は第8図のように不均一であり、粒子が部分
的に崩壊しているように見える。
により粒子形態に次のような差異が見られる。すなわち
、前記第7図における鋳型の下方部((ロ)付近と、金
属相部分に近い上部(n)の複合組織を比較すると、下
部(m)における粒子(P)は第9図に ・示すように
健全な粒形態を保持しているのに対し、上部(n)にお
ける粒形態は第8図のように不均一であり、粒子が部分
的に崩壊しているように見える。
このため、複合鋳物の健全性、均質性を保証するには、
炭化物粒子が部分的に崩壊した組織的均一性を欠く上部
(n)を余分に除去することが必要になる。それでは製
品歩留りが低下し、コスト負担の増大を余儀なくされる
。
炭化物粒子が部分的に崩壊した組織的均一性を欠く上部
(n)を余分に除去することが必要になる。それでは製
品歩留りが低下し、コスト負担の増大を余儀なくされる
。
本発明は、鋳造過程での炭化物粒子の崩壊を防止し、上
部から下部にわたって健全かつ均質な複合組織を形成さ
せようとするものである。
部から下部にわたって健全かつ均質な複合組織を形成さ
せようとするものである。
前記炭化物粒子の崩壊の原因を種々検討するに、それは
金属溶湯中に添加された炭化物粒子が、溶湯との結合を
なすに必要な量をこえる過大な熱エネルギーを溶湯から
受けたことによると考えられる。これを実際の鋳造過程
で考察すると、前記第7図において、金属溶湯が(ロ)
面まで鋳込まれた1時点から炭化物粒子の鋳込みを開始
すると仮定すれば、最初に鋳込まれた粒子は溶湯中を(
ロ)面から底部(イ)まで沈降し、最後に鋳込まれる粒
子は溶湯中を(ハ)面から(ロ)面まで沈降することに
なる。このときの鋳型内の溶湯温度は下方にあるほど低
く、上方にいくにつれ高い。それは、当初鋳込まれる溶
湯が、鋳込み経路であるホッパーや鋳込量、あるいは鋳
型内壁と接触して少なからぬ熱量が奪われるのに対し、
後続する溶湯が鋳込まれる際には、鋳込み経路や鋳型は
先の溶湯で加熱されており奪われる熱量が少いからであ
る。実際の鋳造において初期の溶湯の降温を補償しよう
とすれば、溶湯の鋳造温度を高目に設定しなければなら
ないため、奪われる熱量の少い上方の溶湯はや\過熱気
味の状態を呈する。
金属溶湯中に添加された炭化物粒子が、溶湯との結合を
なすに必要な量をこえる過大な熱エネルギーを溶湯から
受けたことによると考えられる。これを実際の鋳造過程
で考察すると、前記第7図において、金属溶湯が(ロ)
面まで鋳込まれた1時点から炭化物粒子の鋳込みを開始
すると仮定すれば、最初に鋳込まれた粒子は溶湯中を(
ロ)面から底部(イ)まで沈降し、最後に鋳込まれる粒
子は溶湯中を(ハ)面から(ロ)面まで沈降することに
なる。このときの鋳型内の溶湯温度は下方にあるほど低
く、上方にいくにつれ高い。それは、当初鋳込まれる溶
湯が、鋳込み経路であるホッパーや鋳込量、あるいは鋳
型内壁と接触して少なからぬ熱量が奪われるのに対し、
後続する溶湯が鋳込まれる際には、鋳込み経路や鋳型は
先の溶湯で加熱されており奪われる熱量が少いからであ
る。実際の鋳造において初期の溶湯の降温を補償しよう
とすれば、溶湯の鋳造温度を高目に設定しなければなら
ないため、奪われる熱量の少い上方の溶湯はや\過熱気
味の状態を呈する。
このため、初期に鋳込まれた溶湯中の炭化物粒子は特に
異変を生じることなく健全な粒形態を保持したま5沈積
・凝集するのに対し、遅れて投与される粒子は比較的高
温の溶湯中を沈降し、ことに最後に投与される粒子は、
(ハ)から(ロ)まで(この距離は通常、4〜口よりも
長い)の高温溶湯中を通過する間に過大の熱エネルギー
が与えられる結果、前記のような崩壊を生じるものと考
えられる。
異変を生じることなく健全な粒形態を保持したま5沈積
・凝集するのに対し、遅れて投与される粒子は比較的高
温の溶湯中を沈降し、ことに最後に投与される粒子は、
(ハ)から(ロ)まで(この距離は通常、4〜口よりも
長い)の高温溶湯中を通過する間に過大の熱エネルギー
が与えられる結果、前記のような崩壊を生じるものと考
えられる。
本発明は、鋳造過程での炭化物粒子および金属溶湯の単
位時間当りの鋳込量(以下、「鋳造速度」という)の比
を制御することにより、上記の粒子に対する過大な熱影
響を阻止し、健全な粒子形態が保持された均質な複合鋳
物の製造を可能にした。
位時間当りの鋳込量(以下、「鋳造速度」という)の比
を制御することにより、上記の粒子に対する過大な熱影
響を阻止し、健全な粒子形態が保持された均質な複合鋳
物の製造を可能にした。
本発明の鋳造方法は、金属溶湯の鋳造速度(aKg/5
ee)と炭化物粒子の鋳造速度(b Kg / see
)との比R(b/a)を、粒子鋳造初期の段階では小
さくシ、後の段階に移行するにつれて大きくすることを
特徴とする。すなわち、鋳型自溶湯温度が高くなる鋳造
後期に移行するに伴って、溶湯中の炭化物粒子の混在比
率を高めることにより、粒子に対する溶湯の熱影響を希
釈低減せしめてその崩壊を防止するのである。また、溶
湯温度が比較的低い鋳造初期の段階においては炭化物粒
子の混在比率が相対的に低く設定されるので、粒子の吸
熱による溶湯の過度の降温か回避され、粒子の凝集や粒
子群間への溶湯の十分な浸潤および粒子と金属との強固
な結合関係の形成に必要な溶湯温度の確保が容易になる
。
ee)と炭化物粒子の鋳造速度(b Kg / see
)との比R(b/a)を、粒子鋳造初期の段階では小
さくシ、後の段階に移行するにつれて大きくすることを
特徴とする。すなわち、鋳型自溶湯温度が高くなる鋳造
後期に移行するに伴って、溶湯中の炭化物粒子の混在比
率を高めることにより、粒子に対する溶湯の熱影響を希
釈低減せしめてその崩壊を防止するのである。また、溶
湯温度が比較的低い鋳造初期の段階においては炭化物粒
子の混在比率が相対的に低く設定されるので、粒子の吸
熱による溶湯の過度の降温か回避され、粒子の凝集や粒
子群間への溶湯の十分な浸潤および粒子と金属との強固
な結合関係の形成に必要な溶湯温度の確保が容易になる
。
溶湯と粒子の鋳造速度比(R)は、溶湯の比熱、鋳込温
度、凝固温度、粒子の比熱、粒径、予熱温度、鋳造体の
形状・大きさ等の鋳造条件により一様ではないが、粒子
鋳造開始当初における溶湯・粒子鋳造速度比(R1)は
、一般的に03〜1.0に調節される。一方、鋳造終期
における鋳造速度比(R2)は13R1〜3. (、l
R,となるように調節すべきである。該鋳造速度比(
R2)を1..3R,〜3.OR,とするのは、1.8
R,未満(粒子混在比率過少)では実質的な効果は殆ん
ど認められず、一方8.OR1をこえると(粒子混在率
過多)、粒子の吸熱による溶湯の降温・粘稠化が顕著と
なり鋳造が困難化するからである。鋳造開始から終期に
到る鋳造速度比の経時的変化は、連続的であってもよく
、あるいは断続的であってもよい。第1図および第2図
はその例を示す。第1図は鋳造速度比を連続的に増加さ
せた例、第2図は断続的に増加させた例である。かかる
鋳造速度比の制御は、(1)粒子の鋳造速度(1))を
一定に保持したま\、溶湯の鋳造速度(a)を減少させ
るか、(11)溶湯の鋳造速度(a)を一定にして粒子
の鋳造速度(1))を増加させるか、あるいは(ハ)粒
子の鋳造速度(1))を増加させながら、それと同時に
溶湯の鋳造速度(a)を減少させる、のいづれの態様で
あってもよい。なお、鋳造初期における溶湯および粒子
のそれぞれの鋳造速度を例示すれば、溶湯の鋳造速度(
a)は約0.9〜1 、7 Kg/ sec 、粒子の
鋳造速度(b)は約0.5〜0.9 Kg / sec
である。
度、凝固温度、粒子の比熱、粒径、予熱温度、鋳造体の
形状・大きさ等の鋳造条件により一様ではないが、粒子
鋳造開始当初における溶湯・粒子鋳造速度比(R1)は
、一般的に03〜1.0に調節される。一方、鋳造終期
における鋳造速度比(R2)は13R1〜3. (、l
R,となるように調節すべきである。該鋳造速度比(
R2)を1..3R,〜3.OR,とするのは、1.8
R,未満(粒子混在比率過少)では実質的な効果は殆ん
ど認められず、一方8.OR1をこえると(粒子混在率
過多)、粒子の吸熱による溶湯の降温・粘稠化が顕著と
なり鋳造が困難化するからである。鋳造開始から終期に
到る鋳造速度比の経時的変化は、連続的であってもよく
、あるいは断続的であってもよい。第1図および第2図
はその例を示す。第1図は鋳造速度比を連続的に増加さ
せた例、第2図は断続的に増加させた例である。かかる
鋳造速度比の制御は、(1)粒子の鋳造速度(1))を
一定に保持したま\、溶湯の鋳造速度(a)を減少させ
るか、(11)溶湯の鋳造速度(a)を一定にして粒子
の鋳造速度(1))を増加させるか、あるいは(ハ)粒
子の鋳造速度(1))を増加させながら、それと同時に
溶湯の鋳造速度(a)を減少させる、のいづれの態様で
あってもよい。なお、鋳造初期における溶湯および粒子
のそれぞれの鋳造速度を例示すれば、溶湯の鋳造速度(
a)は約0.9〜1 、7 Kg/ sec 、粒子の
鋳造速度(b)は約0.5〜0.9 Kg / sec
である。
本発明による鋳造過程において、炭化物粒子の鋳造は、
溶湯の鋳造開始と同時に行うこともできるが、適量の溶
湯が鋳込まれたのち、とくに、鋳型内の複合相部分が形
成される領域(製品形成部)が溶湯で充填された時点か
ら粒子の鋳造を開始することは、製品の清浄度を確保す
るために好ましいことである。それは、溶湯の鋳造開始
当初から炭化物粒子を鋳込むと、炭化物粒子の吸熱によ
る溶湯の降温・粘稠化(溶湯量の少い鋳造初期に著しい
)のため、鋳型内のスカム(溶湯に付随して取鍋から流
入したものや、鋳造時の溶湯の酸化により生成したもの
)の浮上分離が妨げられ、製品内部に残留することがあ
るが、溶湯面が製品形成部の頂部(前記第7図の(ロ)
面)まで鋳込まれたのちに、粒子の鋳造を開始すれば、
たとえスカムの浮上分離が妨げられるにしても、スカム
が残留するのは金属相部分の)内であって、製品部(A
)への実害は回避されるからである。粒子の鋳込終了時
期は、溶湯の鋳込終了とはゾ同時であるのが好ましい。
溶湯の鋳造開始と同時に行うこともできるが、適量の溶
湯が鋳込まれたのち、とくに、鋳型内の複合相部分が形
成される領域(製品形成部)が溶湯で充填された時点か
ら粒子の鋳造を開始することは、製品の清浄度を確保す
るために好ましいことである。それは、溶湯の鋳造開始
当初から炭化物粒子を鋳込むと、炭化物粒子の吸熱によ
る溶湯の降温・粘稠化(溶湯量の少い鋳造初期に著しい
)のため、鋳型内のスカム(溶湯に付随して取鍋から流
入したものや、鋳造時の溶湯の酸化により生成したもの
)の浮上分離が妨げられ、製品内部に残留することがあ
るが、溶湯面が製品形成部の頂部(前記第7図の(ロ)
面)まで鋳込まれたのちに、粒子の鋳造を開始すれば、
たとえスカムの浮上分離が妨げられるにしても、スカム
が残留するのは金属相部分の)内であって、製品部(A
)への実害は回避されるからである。粒子の鋳込終了時
期は、溶湯の鋳込終了とはゾ同時であるのが好ましい。
本発明の鋳造に使用される金属および炭化物粒子の種類
は、目的とする複合鋳物の用途・要求性能に応じて適宜
選択される。金属としては、代表的には鉄系合金、例え
ばニハード鋳鉄が挙げられるが、そのほかコバルト(c
o)、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、あるいはCo系
合金、Ni系合金などが使用される。炭化物粒子の代表
例を挙げれば、タングステン炭化物(WC1w2c)粒
子、あるいはタングステンチタン複炭化物粒子などであ
る。
は、目的とする複合鋳物の用途・要求性能に応じて適宜
選択される。金属としては、代表的には鉄系合金、例え
ばニハード鋳鉄が挙げられるが、そのほかコバルト(c
o)、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、あるいはCo系
合金、Ni系合金などが使用される。炭化物粒子の代表
例を挙げれば、タングステン炭化物(WC1w2c)粒
子、あるいはタングステンチタン複炭化物粒子などであ
る。
これらは単独または任意の組合せの混合物として使用し
てよい。
てよい。
炭化物粒子は、溶湯中での沈降・凝集促進の点からは粒
径の大きいもの程有利であるが、形成される複合組織の
材質を考慮すると、約44〜350μmの範囲のものが
好ましい。炭化物粒子は常温のま\鋳造に供することも
できるが、溶湯中での吸熱による溶湯の急速な降温、こ
とに鋳造開始初期の溶湯の降温・粘稠化を回避するため
に、予め加熱(例えば、約300〜500°C)してお
けば、粒子の沈降・凝集と組織の緻密化が促進される点
で有利である。予熱の際の酸化ロスと粒子の性質の劣化
が問題となるときは、粒子表面にNi −Bの無電解め
っきなどによる酸化防止皮膜を形成しておくのも有効な
方法である。
径の大きいもの程有利であるが、形成される複合組織の
材質を考慮すると、約44〜350μmの範囲のものが
好ましい。炭化物粒子は常温のま\鋳造に供することも
できるが、溶湯中での吸熱による溶湯の急速な降温、こ
とに鋳造開始初期の溶湯の降温・粘稠化を回避するため
に、予め加熱(例えば、約300〜500°C)してお
けば、粒子の沈降・凝集と組織の緻密化が促進される点
で有利である。予熱の際の酸化ロスと粒子の性質の劣化
が問題となるときは、粒子表面にNi −Bの無電解め
っきなどによる酸化防止皮膜を形成しておくのも有効な
方法である。
本発明における炭化物粒子の鋳造量は、目的とする複合
相部(製品部)を形成するに足る量であればよく、その
複合相部における炭化物粒子の占める割合は、粒子の種
類・粒径、溶湯との比重差にもよるが、容積比で表わせ
ば、お\むね粒子:金属−65:85〜75:25であ
る。一方、金属溶湯は前記図示のように、製品部の形成
に足る量をこえて余剰に鋳込まれる。これは主として製
品部の凝固収縮に対する溶湯補給を目的とするものであ
るが、更にそれよりも多口に鋳造すれば、それに伴う鋳
型内溶湯の保有熱量の増加により、炭化物粒子の沈積完
了まで溶湯の粘稠化が遅延し、粒子の完全な凝集と組織
の緻密化が促進される点で有利である。
相部(製品部)を形成するに足る量であればよく、その
複合相部における炭化物粒子の占める割合は、粒子の種
類・粒径、溶湯との比重差にもよるが、容積比で表わせ
ば、お\むね粒子:金属−65:85〜75:25であ
る。一方、金属溶湯は前記図示のように、製品部の形成
に足る量をこえて余剰に鋳込まれる。これは主として製
品部の凝固収縮に対する溶湯補給を目的とするものであ
るが、更にそれよりも多口に鋳造すれば、それに伴う鋳
型内溶湯の保有熱量の増加により、炭化物粒子の沈積完
了まで溶湯の粘稠化が遅延し、粒子の完全な凝集と組織
の緻密化が促進される点で有利である。
本発明における炭化物粒子と金属溶湯の鋳造は、例えば
、第3図に示すように、鋳型(1)の上部開口端に鋳込
みホッパー(2)の鋳込樋(2])をのぞませ、取鍋(
3)からの溶湯(財)と炭化物粒子投与治具(4)から
の炭化物粒子(P)とを各々その流量(鋳造速度)の適
宜制御下に、該ホッパー内で混合させながら、あるいは
、粒子投与治具(4)を直接鋳型(1)の開口部にのぞ
ませて、溶湯と粒子とを各別に鋳型内に鋳込むことによ
り行われる。また、溶湯中での粒子の沈降・凝集の促進
と複合組織の緻密性を改善するために、鋳型に適当な加
振装置を連結し、鋳造過程で適時、連続的もしくは断続
的に振動を付加することも効果的である。
、第3図に示すように、鋳型(1)の上部開口端に鋳込
みホッパー(2)の鋳込樋(2])をのぞませ、取鍋(
3)からの溶湯(財)と炭化物粒子投与治具(4)から
の炭化物粒子(P)とを各々その流量(鋳造速度)の適
宜制御下に、該ホッパー内で混合させながら、あるいは
、粒子投与治具(4)を直接鋳型(1)の開口部にのぞ
ませて、溶湯と粒子とを各別に鋳型内に鋳込むことによ
り行われる。また、溶湯中での粒子の沈降・凝集の促進
と複合組織の緻密性を改善するために、鋳型に適当な加
振装置を連結し、鋳造過程で適時、連続的もしくは断続
的に振動を付加することも効果的である。
むろん、鋳造体の形状は中実体に限られるわけではなく
、例えば中空筒状体の鋳造も可能である。
、例えば中空筒状体の鋳造も可能である。
第4図はその例を示す。その鋳造要領は前記のそれと特
に異なる必要はないが、鋳型内円周方向にわたる炭化物
粒子の均等な分布と溶湯温度の均等化に注意すべきであ
り、このためには、図示のように、鋳型(1)を回転台
(5)に設置し、図示しない回転駆動装置にて支軸(5
1)のまわりに適当な回転速度で回転させながら鋳造を
行うとよい。こうすれば炭化物粒子(P)は鋳型内の円
周方向にまんべんなく分散投与され、また周方向におけ
る溶湯温度分布のかたよりを回避することができる。
に異なる必要はないが、鋳型内円周方向にわたる炭化物
粒子の均等な分布と溶湯温度の均等化に注意すべきであ
り、このためには、図示のように、鋳型(1)を回転台
(5)に設置し、図示しない回転駆動装置にて支軸(5
1)のまわりに適当な回転速度で回転させながら鋳造を
行うとよい。こうすれば炭化物粒子(P)は鋳型内の円
周方向にまんべんなく分散投与され、また周方向におけ
る溶湯温度分布のかたよりを回避することができる。
中空筒状鋳物を目的とする鋳造の別法として、第5図の
ように、半球形状頂部(12)を有する中子(川が設け
られた鋳型[1)を使用し、ホッパー(2)から流下す
る溶湯および粒子を、中子の半球形状頂部の中心に指向
させながら鋳造を行うこともできる。
ように、半球形状頂部(12)を有する中子(川が設け
られた鋳型[1)を使用し、ホッパー(2)から流下す
る溶湯および粒子を、中子の半球形状頂部の中心に指向
させながら鋳造を行うこともできる。
中子の頂部中心に衝突した溶湯と粒子は、頂部中心から
放射状に鋳型内円周方向の各部に連続的に分散投与され
るので、円周方向における炭化物粒子や溶湯温度の均一
な分布状態のもとに鋳造を完了することができる。もし
、中子頂部中心からの放射状分散に若干のかたよりがあ
る場合には、前記第4図のような鋳型の回転操作を併用
して分散のかたよりを周方向に均等化すればよい。
放射状に鋳型内円周方向の各部に連続的に分散投与され
るので、円周方向における炭化物粒子や溶湯温度の均一
な分布状態のもとに鋳造を完了することができる。もし
、中子頂部中心からの放射状分散に若干のかたよりがあ
る場合には、前記第4図のような鋳型の回転操作を併用
して分散のかたよりを周方向に均等化すればよい。
いづれの鋳造態様においても、炭化物粒子と溶湯の鋳造
速度比(R)の制御は、前記のように粒子の鋳造速度お
よび/または溶湯の鋳造速度の増減調節により行なわれ
る。粒子の鋳造速度の調節は投与治具(4)に設けられ
た流量調節機(41)にて行えばよく、溶湯の鋳造速度
は例えば取鍋の傾動角度により調節することができる。
速度比(R)の制御は、前記のように粒子の鋳造速度お
よび/または溶湯の鋳造速度の増減調節により行なわれ
る。粒子の鋳造速度の調節は投与治具(4)に設けられ
た流量調節機(41)にて行えばよく、溶湯の鋳造速度
は例えば取鍋の傾動角度により調節することができる。
なお、鋳型の材質に制限はないが、例えば精密鋳造に使
用される焼成モールド+11を前記図示のようにバック
サンド(6)とともにケース(7)内に設置し、これを
加熱炉内で加熱して、例えば500〜900℃に予熱さ
れた保温モールドとして使用することもできる。
用される焼成モールド+11を前記図示のようにバック
サンド(6)とともにケース(7)内に設置し、これを
加熱炉内で加熱して、例えば500〜900℃に予熱さ
れた保温モールドとして使用することもできる。
次に、本発明の実施例について説明する。
実施例
第5図の鋳造装置において、ニハード鋳鉄溶湯とタング
ステン炭化物(W 2 C)粒子とを下記の鋳造条件で
鋳込み、第6図に示す形状の鋳造体を得、これを鋳型(
1)から取出し、金属相部分(I3)を切断除去して複
合相部分(A)を中空筒状鋳物製品として採取した。
ステン炭化物(W 2 C)粒子とを下記の鋳造条件で
鋳込み、第6図に示す形状の鋳造体を得、これを鋳型(
1)から取出し、金属相部分(I3)を切断除去して複
合相部分(A)を中空筒状鋳物製品として採取した。
〔1〕鋳型(焼成モールド)
(1)バックサンド(6)にてケース(7)内にセット
し加熱炉にて予熱。鋳造直前の温度600℃。
し加熱炉にて予熱。鋳造直前の温度600℃。
印形状(第6図参照):外径(DI ) 1.80 m
m。
m。
中子径(D2 ) 100 myn。
〔2〕ニハード鋳鉄溶湯
(i)化学成分組成:C1,21%、Si0.81%、
Mn0.78%、Cr1.56%、Ni4.50%、M
o0J8%、残部Fe (11)溶湯温度:1600°C 〔3〕W2C粒子 (1)粒径:平均280メツシユ (11)予熱温度:450°C (fil)鋳造量:鋳型内の(イ)−(ロ)間(H1=
801nm )に複合相・(粒子:金属−65:85
(容積比))が形成される量。
Mn0.78%、Cr1.56%、Ni4.50%、M
o0J8%、残部Fe (11)溶湯温度:1600°C 〔3〕W2C粒子 (1)粒径:平均280メツシユ (11)予熱温度:450°C (fil)鋳造量:鋳型内の(イ)−(ロ)間(H1=
801nm )に複合相・(粒子:金属−65:85
(容積比))が形成される量。
〔4〕鋳造手順
(1)まず、溶湯の鋳造を開始し、場面が複合相形成部
頂面(ロ)に達した時点から、粒子の鋳込みを開始し、
場面が(ハ)(H2=850yu+)に到達したときに
、溶湯・粒子の鋳込みを同時に停止。たゾし、溶湯の鋳
造速度(a)は鋳造開始から終了まで常時1.0 Kg
/ secの一定値に保持し、粒子は鋳造速度(b)
0.9 Kg / secで開始し、連続的に増加させ
終了時の値を2.1. l(g/secとした。従って
、粒子鋳造開始時の鋳造速度比(R1)は0.9、終了
時の鋳造速度比(R2)は2.1 (=2.3 R,)
である。
頂面(ロ)に達した時点から、粒子の鋳込みを開始し、
場面が(ハ)(H2=850yu+)に到達したときに
、溶湯・粒子の鋳込みを同時に停止。たゾし、溶湯の鋳
造速度(a)は鋳造開始から終了まで常時1.0 Kg
/ secの一定値に保持し、粒子は鋳造速度(b)
0.9 Kg / secで開始し、連続的に増加させ
終了時の値を2.1. l(g/secとした。従って
、粒子鋳造開始時の鋳造速度比(R1)は0.9、終了
時の鋳造速度比(R2)は2.1 (=2.3 R,)
である。
得られた複合鋳物製品は、(イ)面から(ロ)面にわた
り全体的に均質な健全性を有することが認められた。ち
なみに、(ロ)面より10mm下方の肉厚中心における
炭化物粒子の崩壊はごく微量であり、その崩壊率(測定
対象領域内の炭化物粒子の総数に対する崩壊した粒子の
占める割合)はりずか3%と、極めて良好な組織的均一
性を有している。
り全体的に均質な健全性を有することが認められた。ち
なみに、(ロ)面より10mm下方の肉厚中心における
炭化物粒子の崩壊はごく微量であり、その崩壊率(測定
対象領域内の炭化物粒子の総数に対する崩壊した粒子の
占める割合)はりずか3%と、極めて良好な組織的均一
性を有している。
対照として、溶湯の鋳造速度(a)を常時1.0 Kf
l/Bee。
l/Bee。
粒子の鋳造速度を常時0.9 Kg/sec (従って
、R,=R2= 0.9 )に設定したはがば前記と同
一の鋳造条件で複合鋳物製品を得た。この複合鋳物の前
記と同じ部位における炭化物粒子の崩壊率は45%と、
多量の粒子の崩壊による組織的不均一性を呈する。
、R,=R2= 0.9 )に設定したはがば前記と同
一の鋳造条件で複合鋳物製品を得た。この複合鋳物の前
記と同じ部位における炭化物粒子の崩壊率は45%と、
多量の粒子の崩壊による組織的不均一性を呈する。
以上のように、本発明によれば、炭化物粒子の崩壊とそ
れに伴う組織的な不均一化を実質的に完全に解消し、高
歩留りのもとに製品全体にわたり均質で健全性にすぐれ
た複合鋳物を得ることができる。本発明により得られる
複合鋳物は、ロール類、その他耐摩耗性や靭性などが要
求される用途に好適であり、その均質性により耐久性・
安定性の向上をもたらす。
れに伴う組織的な不均一化を実質的に完全に解消し、高
歩留りのもとに製品全体にわたり均質で健全性にすぐれ
た複合鋳物を得ることができる。本発明により得られる
複合鋳物は、ロール類、その他耐摩耗性や靭性などが要
求される用途に好適であり、その均質性により耐久性・
安定性の向上をもたらす。
第1図、第2図はそれぞれ本発明方法における溶湯・粒
子鋳造速度比の制御例を模式的に示すグラフ、第3図は
鋳造要領の例を示す縦断面図、第4図〔■〕、第5図〔
■〕は鋳造要領の他の例を示す縦断面図、第4図〔■〕
、第5図〔■〕は鋳型部分の平面図、第6図および第7
図は鋳型と鋳型内鋳造体の断面説明図、第8図および第
9図は複合組織の模式的拡大図である。 1:鋳型、2:鋳込ホッパー、4:粒子投与治具、M:
溶湯、P゛炭化物粒子、A:複合相部分(複合鋳物製品
部)、B:金属相部分。 代理人 弁理士 宮 崎 新八部
子鋳造速度比の制御例を模式的に示すグラフ、第3図は
鋳造要領の例を示す縦断面図、第4図〔■〕、第5図〔
■〕は鋳造要領の他の例を示す縦断面図、第4図〔■〕
、第5図〔■〕は鋳型部分の平面図、第6図および第7
図は鋳型と鋳型内鋳造体の断面説明図、第8図および第
9図は複合組織の模式的拡大図である。 1:鋳型、2:鋳込ホッパー、4:粒子投与治具、M:
溶湯、P゛炭化物粒子、A:複合相部分(複合鋳物製品
部)、B:金属相部分。 代理人 弁理士 宮 崎 新八部
Claims (4)
- (1)金属溶湯と該溶湯より比重の大きい炭化物粒子と
を鋳型内に鋳込み、比重差により炭化物粒子を沈降させ
ることにより、炭化物粒子が比重分離された実質的に金
属溶湯のみからなる金属相の下部に、沈降凝集した炭化
物粒子と金属溶湯からなる複合相を形成せしめ、凝固後
、金属相部分を切断除去して下部の複合相部分を製品と
して得る鋳造方法において、 炭化物粒子の鋳込開始時における溶湯・粒子鋳造速度比
〔単位時間当りの炭化物粒子の鋳造量/単位時間当りの
溶湯の鋳造量〕の値をR1、鋳込終了時の値をR2とす
るとき、R2= 1.3 R1〜B、OR。 となるように、該鋳造速度比を、連続的もしくは断続的
に増加させながら金属溶湯と炭化物粒子の鋳込みを行う
ことを特徴とする複合鋳物の製造法。 - (2)鋳型内の複合相部分が形成されるべき部分に金属
溶湯が充填されたのち、炭化物粒子の鋳込みを開始する
ことを特徴とする上記第(1)項に記載の複合鋳物の製
造法。 - (3)炭化物粒子の鋳込開始時における溶湯・粒子鋳造
速度比(R1)が0.3〜1.0であることを特徴とす
る上記第(1)項または第(2)項に記載の複合鋳物の
製造法。 - (4)金属が鉄系金属であり、炭化物粒子がタングステ
ン炭化物粒子および/またはタングステンチタン複炭化
物粒子であることを特徴とする上記第(1)項ないしは
第(3)項のいづれか1つに記載の複合鋳物の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15438883A JPS6046858A (ja) | 1983-08-24 | 1983-08-24 | 複合鋳物の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15438883A JPS6046858A (ja) | 1983-08-24 | 1983-08-24 | 複合鋳物の製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6046858A true JPS6046858A (ja) | 1985-03-13 |
Family
ID=15583041
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15438883A Pending JPS6046858A (ja) | 1983-08-24 | 1983-08-24 | 複合鋳物の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS6046858A (ja) |
-
1983
- 1983-08-24 JP JP15438883A patent/JPS6046858A/ja active Pending
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