JPS6045438B2 - 圧力定着装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は静電複写機、静電印刷機等に用いられる圧力定
着装置に関するものである。

従来、複写桟等の定着装置としては、紙などの支持体の
表面に静電的に付着したトナー像を加熱溶融して支持体
上に永久的に定着する方法が一般に採用されている。

しカルながらこのような加熱定着方法は熱源に多量の電
力を必要とし、複写機全体で消費する総電力の約７〜８
割をこの加熱定着で消費する。

また定着装置がドア像を定着するのに必要な温度になる
までに時間がかかり、複写機の電源スイッチをオンして
もすぐにコピーできないばかりてなく、定着装置から放
出される熱により複写機全体が加熱され、このため感光
体或いは現像剤の特性が変化し、これらの性能、寿命が
低下する欠点がある。しかも定着装置で支持体がジャム
した場合は支持体が発火する等の問題がある。そこで、
最近上記の欠点のない圧力定着法が採用されるようにな
つた。

この圧力定着法は圧力定着用トナーが付着している支持
体を高圧力て圧接された１対の定着ローラの間を通すこ
とによりトナー像を圧力て定着するものてある。第１図
は従来の圧力定着装置を示すもので、支持体Ｐのトナー
像面に接する定着ローラ１を金属Ｊローラで、支持体Ｐ
の背面に接する定着ローラ２の表面を弾性材料で構成し
、或いは定着ローラ１、２の中心軸線を交差するように
配置しかつそれぞれを金属ローラで構成し、両ローラ１
、２を加圧機構３により高圧力て圧接させている。

７ しかしながら、前者の金属ローラと弾性ローラから
なる定着装置ては、両ローラに対する押圧力が弾性ロー
ラの材質によつて制限されてしまうので、定着ローラに
大きな圧力を加えることができず、また弾性ローラがト
ナー、キャリヤー等により傷が付き易い欠点がある。

一方、後者の２つの金属ローラからなる定着装置では、
高圧力を加えることはできるが、トナー像を十分に定着
させるのに必要な臨界圧力以上の荷重（圧力）を支持体
全面に均一に与えるには、定着ローラの径を大きくしな
ければならない。

定着ローラの径を大きくすると装置が大型化しかつ装置
の重量も重くなり、しかも定着性に余り好ましい影響を
与えない。本発明者の行なつた実験によると、ローラに
作用させる押圧力Ｗ。

により両ローラのニップ部に加えられる最高圧力Ｐ。の
ほうが圧力による定着性には大きな要因として働くこと
がわかつた。しかるに従来の定着装置ては、第２図に示
したように定着ローラ１，２の径Ｒ。がそれぞれ大きく
なると、トナー像支持体Ｐが定着ローラ１，２て挟持さ
れているときに形成されるニップ幅（角度α）がローラ
径の増大に伴なつて広くなるので、ニップ部での圧力分
布が広がることになる。従つてローラに加えた圧力Ｗ。
に対して単位面積に働く最高圧力Ｐ。は圧力Ｗ。に比べ
て大きくならず、圧力ＷＯを増加させても定着性の改善
には余り役立たない。本発明の目的は上記の各欠点を全
く解消するものて、トナー像支持体に均一に高荷重を与
えることがてきる圧力定着装置を提供することにある。

本発明の他の目的は押圧力の増加に伴なつて定着性が良
好に改善され、小型かつ軽量の定着装置を提供すること
にある。以下本発明を図面に示した具体例により説明す
る。

定着ローラ４と、前記定着ローラ４を挟むよう，に前記
定着ローラに接触する回転可能な２つの加圧ローラ５，
６と、前記加圧ローラ５，６を前記定着ローラ４に圧接
させる加圧手段７，８，１２，１３，１４と、を有し、
定着ローラ４と加圧ローラ５，６の一方との間に支持体
を通過させて・トナー像を支持体に圧力定着する圧力定
着装置において、上記２つの加圧ローラ５，６は、上記
定着ローラ４よりも大径であり、且つ上記２つの加圧ロ
ーラ５，６は定着ローラ４に対して夫々平行とならない
ように角度を持つて設けられていることを特徴とする圧
力定着装置である。

第３図において、４は定着ローラを示すもので、鉄など
の金属ローラから構成されている。

５，６は定着ローラ４の外周面と接触する加圧ローラを
示すもので、鉄などの金属ローラから構成され、それぞ
れ定着ローラ４の径より大きい径をもつている。

加圧ローラ５，６は第６図に示したように定着ローラ４
に対して平行にならないように各ローラを上から見たと
きに各ローラの中心軸が互いに交差するように見える）
配置され、それぞれ定着口 θ 一ｊラ４
に対し角度テで父差している。

なお、加圧ローラ５，６の径は互いに同径、異径いずれ
でもかまわないが、両加圧ローラの材質、構造が同じ場
合には互いに同径にする。

これは、支持体Ｐに等分布荷重を与えるときに加圧ロノ
ーラ５，６を同径にすることにより、加圧ローラ５，６
のたわみ量が等しくなるので、定着ローラ４の軸を直線
に保持したまま、加圧ローラ５，６が定着ローラ４の軸
に対して対称形にかつ定着ローラの表面に均一に接触し
て配置されるからである。上部加圧ローラ５は第４図、
第５図に示したように軸受５ａを介して上側支持板７に
回動可能に設けられ、下部加圧ローラ６は軸受６ａを介
して下側支持板８に回動可能に設けられている。

定着ローラ４は軸受４ａを介して下側支持板８に回動可
能に設けられており、加圧状態にあるとき、任意断面に
おける各ローラ４，５，６の中心軸が常に一直線１上に
位置するように配置されている。各ローラの中心軸を結
ぶ線が一直線になることにより支持体Ｓに均一な分布荷
重を与えることができると共に定着ローラ４が加圧ロー
ラ５，６間に挾持されたときに定着ローラが飛び出し或
いは支持体Ｓの挿入、排出時の衝撃て定着ローラか屈曲
する事故などを防ぐことができる。また定着ローラ４は
、加圧時、支持体Ｐ上に等分布荷重を与えるために、直
線１に沿つてわずかに移動できるように下側支持板８に
支持されている。

９は下側支持板８に設けた開口を示すもので、軸受４ａ
はこの開口９に配置れ、開口９内を角線１方向にわすか
に移動する。

トナー像を担持した紙などの支持体Ｓはトナー像面が定
着ローラに接するように定着ローラ４と加圧ローラ６の
間に送り込まれる。

なおローラ４，５の間に支持体を通しても構わない。下
部加圧ローラ６の一端には駆動源に結合された駆動ギア
１０が設けられており、加圧ローラ６の駆動によりロー
ラ４，５が従動回転する。

なお定着ローラ４の端部に駆動ギアを設けるようにして
もよい。支持板７，８は共通の軸１２により開閉自在に
支持され、軸と反対側の端部の孔にボルト１３が嵌挿さ
れており、ボルト１３にばね１４が嵌合している。

ボルト１３及び１４は圧力機構を構成し、第５図に示し
た如く、支持板７，８がばね１４によりボルト１３を介
して閉鎖するように押圧されると、この押圧力はローラ
４，５，６に伝達され、各ローラが圧接されることによ
り支持体上のトナー像が定着される。

次に上記圧力定着装置を用いた場合のトナー像の定着性
に与える影響について説明する。

前述した通りトナー像の定着性に相関する大きな要因は
ローラに加えられる押圧力よりもニップ部で生じる単位
面積当りの最高圧力てある。

そこで第１図に示した従来例と第３図に示した本発明の
実施例の両者についてニップ幅及びニップ部の最高圧力
を実験及び計算により求めると第７図、第８図に示した
ような結果となる。第７図は第１図に示した従来の定着
装置の加圧状態を示しており、第８図は第３図に示した
本発明の定着装置の加圧状態を示している。

計算式としてはＰｍａｘ＝０．６ＶＷＥ／Ｒ（但しＷは
線圧、Ｅは支持体の縦方向の弾性係数、Ｒは定着ローラ
の半径である）を用いた。

両定着装置において、トナー像支持体として同じ複写紙
を用い、等しい速度で複写紙を搬送した。

第７図において、定着ローラ１，２の半径Ｒ１をそれぞ
れ３０ＷＬ、押圧力Ｗ１を線圧て４０ｋｇ／Ｃｍｌ複写
紙Ｓの加圧前の厚さ１１を８０μ、加圧時の厚さ１２を
３０μとしたとき、ニップ幅レは２．２Ｔ０ｎ１最高圧
力Ｐ１は２２０ｋ９／ｄてあつた。一方第８図において
、定着ローラ４の半径Ｒ２を１０ｍ！ｎ１加圧ローラ５
，６の半径Ｒ３をそれぞれ２−、押圧力Ｗ２を線圧で２
０ｋ９／Ｇ１複写紙Ｓの加圧時の厚さ１３を３０μとし
たとき、ニップ幅Ｌ２は１．３？、最高圧力Ｐ２は２７
０ｋ９／Ｃｌｔであつた。

従つて上記実験から明らかな如く本発明定着装置による
と、従来に比べて小さい圧力でトナー像支持体に大きな
荷重を与えることができ、良好な定着性を得ることがで
きる。また従来の定着装置ては定着直後の複写紙の厚さ
は６０μまで減少するが、本発明の定着装置では定着直
後の複写紙の厚さは６５μである。

これは、従来のものではニップ幅が２．２？であるのに
対し本発明のものではニップ幅が１．３ｗ＆であり、従
来に比べてニップ幅が４０％程度狭くなるので、本発明
のものでは、複写紙搬送速度が従来のものと同じ場合、
複写紙の加圧時間が短縮され、複写紙の繊維の弾力性が
消失したり、或いは繊維同士が粘着する割合が減少する
ことによるものである。従つて本発明の圧力定着装置に
よると、定着後の複写紙は従来の圧力定着の場合のよう
に光沢が増したり、半透明化することがなく、弾力性を
有し、像の見易いやわらかな表面状態となる。さらに本
発明圧力定着装置によると、定着ローラ、加圧ローラの
径を従来のローラに比べて小さくすることができかつ各
ローラに加わる総加圧力も小さくすることができるので
、加圧機構を小さくすることができ、装置が小型となり
かつ装置の重量が従来のものに比べて４割程度軽くなる
等の実用土優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の圧力定着装置の構成図、第２図は第１図
装置の加圧状態を説明する図、第３図は本発明を適用し
た圧力定着装置の１実施例を示す５構成図、第４図は第
３図の■−■線に沿つた断面図、第５図は側面図、第６
図は各ローラの配置状態を示した平面図、第７図は第１
図装置の加圧状態を示す図、第８図は第３図装置の加圧
状態を示す図をそれぞれ表わしている。 ０４・・・・・・定着ローラ、５，６・・・・・・加圧
ローラ、１３・・・・・・ボルト、１４・・・・・・ば
ね。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 定着ローラと、前記定着ローラを挾むように前記定
   着ローラに接触する回転可能な２つの加圧ローラと、前
   記加圧ローラを前記定着ローラに圧接させる加圧手段と
   、を有し、定着ローラと加圧ローラの一方との間に支持
   体を通過させてトナー像を支持体に圧力定着する圧力定
   着装置において、上記２つの加圧ローラは、上記定着ロ
   ーラよりも大径であり、且つ上記２つの加圧ローラは定
   着ローラに対して夫々平行とならないように角度を持つ
   て設けられていることを特徴とする圧力定着装置。 ２ 上記２つの加圧ローラと上記定着ローラは、夫々の
   中心軸が任意断面において一直線上にある特許請求の範
   囲第１項に記載の圧力定着装置。 ３ 上記定着ローラの一方の加圧ローラに対する角度は
   、上記定着ローラの他方の加圧ローラに対する角度と同
   じである特許請求の範囲第１項又は第２項に記載の圧力
   定着装置。