JPS6045156B2 - 土壌改良剤の製造法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明はタンパク質系空気泡消火液を用い土壌改良
剤を製造する方法に関し、その目的とするところはタン
パク質系空気泡消火液の有効利用にある。

現在タンパク質系空気泡消火液は、牛、馬、豚等蹄角
粉や羽毛等の主としてケラチン質を主原料にし、これに
アルカリを作用して加水分解させ得られた加水分解タン
パクを適切に加工し、また適当な安定剤等を添加したも
のが国家検定を経て市販されている。

しかしながら、これらのタンパク質系空気泡消火液は
、有事に備えて貯蔵されるのであるが貯蔵が長時間に及
ぶ場合には、水分とタンパク質加水分解中間物質との混
和液のために逐次変質が進行し、起泡力が低下する傾向
にある。

その貯蔵条件にもよるが、およそ３〜５年で規格に不適
となりその消火液の交換を必要とする。 したがつて、
長時間貯蔵されたタンパク質系空気泡消火液は廃棄処分
に付されるのであるが、公害問題等種々の規制からタン
パク質系空気泡消火液の廃棄処分は困難であり、よつて
処理し得ないタンパク質系空気泡消火液は野積みにされ
、その処理方法の早期確立が望まれている現状である。

この発明は従来全く利用の途もなく、加えて廃棄処分
すらもなし得ないこのタンパク質系空気泡消火液の全く
新しい処理方法を提供すると共に農業上極めて有用な土
壌改良剤をここに提供するものである。 すなわち、昨
今の我が国での施肥料の傾向をみると硫安、塩安、硫酸
、カリ、塩化カリ、硫酸力Ｊり、苫士肥料等の化学肥料
が大量に使用されている。これらは副成分として硫酸、
塩素等の酸性物質が残存し、土壌を酸性化している。酸
性土壌は各種の悪影響を及ぼす。その一例を挙けると、
副成分としての硫酸は、土壌中の鉄分と結合して硫門酸
鉄を生成し、これは水によつて流失するので鉄分の不足
を招く等てある。この影響を防止するためには、あらか
じめ石灰質肥料を施肥しておく必要があるが石灰質肥料
は粉末状のものが多く、施肥等の取り扱いについて極め
て不便である。

また、化学肥料の多用は土壌中の腐植減少を招き土壌の
通気性、透水性や粗孔隙の低下を招き、その結果土壌の
悪化を促進する傾向にあつた。この発明は、これら上記
の問題点を解決したものであつて、ここに採用するタン
パク質系空気泡消火液は多量の肥料成分を含有しており
、その消火液の肥料成分を肥料分析法により分析した結
果以下に示す如き結果を得た。

すなわち、極めて有機質に富んだ窒素肥料成分の高い消
火液であることを発見したのである。この消火液はその
ままでも肥料としての価値が高いが、液状のためその輸
送、貯蔵、施肥等その取り扱いが不便である。この発明
は、これらの問題も解決して農業上極めて有用な土壌改
良剤を提供すべく鋭意研究した結果生石灰、あるいは副
産石灰等を添加混合することにより固形状の極めて有用
−な土壌改良剤の製造法を見い出したのである。この発
明をより詳しく説明すると、タンパク質系空気泡消火液
に生石灰、あるいは副産石灰あるいは消石灰を添加混合
すると、生石灰、あるいは副産石灰等に含有水分が吸収
されて、短時間で乾！燥した土壌改良剤を得ることがで
きたのである。なお、この際苫土質、マンガン質、ホウ
素質等の微量要素肥料及び無機質肥料原料等を添加する
ことはこの発明の土壌改良剤の製造法を何ら妨げるもの
ではなく、微量要素を含有することによつこて土壌改良
剤として農業上高い価値を有するものとなることである
。従つて、得られた土壌改良剤は、タンパク質系空気泡
消火液中に有するタンパク質のため細粒状のものであり
散布作業が極めて良く、加えて窒素４肥質を有する有機
物質を豊富に含有しているため土壌の肥沃が計れるとい
う特徴をも有するのである。

以下実施例にもとづき、この発明の詳細な説明する。

実施例１ （株）初田製作所社製タンパク質系空気泡消火液４００
ｋ９を反応槽に採り攪拌しながら生石灰４００ｋｇを徐
々に添加し消和反応を進行させた。

反応当初非常に高い粘性質の塊状を示しているが反応の
進行に伴い徐々に粉末状の物質が得られた。実施例２ 第一化成産業（株）社製タンパク質系空気泡消火液４０
０ｋ９を反応槽に採り攪拌しながらカーバイト製造にお
ける副産石灰４００ｋｇを徐々に添加混合したところ実
施例１と同様の粉末状の物質が得られた。

実施例３ プレスト産業（株）社製タンパク質系空気泡消火液３０
０ｋ９と熔性マンガン６０ｋ９を反応槽に採り攪拌しな
がら消石灰４００ｋｇを徐々に添加混合したところ実施
例１と同様の粉末状の物質が得られた。

実施例４（株）初田製作所社製タンパク質系空気泡消火
液３００ｋ９と水酸化マグネシウム６０ｋｇを反応槽に
採り攪拌しながら副産石灰３００ｋ９を徐々に添加混合
したところ実施例１と同様の粉末状の物質が得られた。

以上の実施例により得られたこの発明の土壌改良剤は以
下に示すような効果が確認された。

１供試作物 ホウレン草（平安弁慶） ２試験規模１１１０００ａワグネルポツト３供試土壌
相模原市内の未耕地黒褐色火山灰 土壌におい
て２０メッシュバスのも の４施肥料 ・乾
土壌１ｋｇ当り窒素、燐酸、加 里の各肥料成分
が１００ｍｇになるよう に化成肥料により調製
施肥した。

・この発明で得られた土壌改良剤を １００
ｍ９／Ｋ９の割合で施肥した。

５連数４連 ６結果表１に示した。

以上で説明したように、この発明の製造法は従来処理困
難であつたタンパク質系空気泡消火液の廃液に豊富な窒
素肥質を含んだ有機物であることに着目し、その廃液に
生石灰等を添加することによつて水分を吸収させて取り
扱い易い肥料とし、さらに苫土質等を添加することによ
つて肥効を高めた土壌改良剤となるので社会的にも農産
業的にも有用である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 牛、馬、豚等蹄角粉や羽毛等の主としてケラチン質
   にアルカリを作用させて加水分解させ、得られた加水分
   解タンパクを主原料としたタンパク質系空気泡消火液に
   生石灰、副産石灰、消石灰の少なくとも一種を添加混合
   したことを特徴とする土壌改良剤の製造法。 ２ 牛、馬、豚等蹄角粉や羽毛等の主としてケラチン質
   にアルカリを作用させて加水分解させ、得られた加水分
   解タンパクを主原料としたタンパク質系空気泡消火液に
   生石灰、副産石灰、消石灰の少なくとも一種を添加し、
   さらに苫土質、マンガン質、ホウ素質の少なくとも一種
   を添加混合したことを特徴とする土壌改良剤の製造法。