JPS6044530A - 湿式摩擦材の製造方法 - Google Patents

湿式摩擦材の製造方法

Info

Publication number
JPS6044530A
JPS6044530A JP15186283A JP15186283A JPS6044530A JP S6044530 A JPS6044530 A JP S6044530A JP 15186283 A JP15186283 A JP 15186283A JP 15186283 A JP15186283 A JP 15186283A JP S6044530 A JPS6044530 A JP S6044530A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
friction material
paper
pieces
friction
core metal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP15186283A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0342292B2 (ja
Inventor
Eiji Hamada
浜田 英二
Yukinori Ochiai
落合 志礼
Kiyousuke Takei
竹井 享介
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisin Chemical Co Ltd
Original Assignee
Aisin Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aisin Chemical Co Ltd filed Critical Aisin Chemical Co Ltd
Priority to JP15186283A priority Critical patent/JPS6044530A/ja
Publication of JPS6044530A publication Critical patent/JPS6044530A/ja
Publication of JPH0342292B2 publication Critical patent/JPH0342292B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Braking Arrangements (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、自動車などの卑情、詳しくは油液中を介し
て使用される、自動変速装置機器にかかるもので、その
湿式多板クラッチ等のフェーシングを形成するために使
用される摩擦材の製造方法に関するものである。
湿式フェーシングとして使用される従来の摩擦材は、バ
ルブおよび諸摩擦特性向上剤としての無機充填剤からな
る紙状の基材もしくは、この基材とその他の繊維素を複
合的に使用してなる基材に、メラミン系樹脂またはフェ
ノール系または変性樹脂の様な熱硬化性樹脂を含浸させ
た後、硬化させることによって製造されているもので、
さらに詳しくは前記摩擦材の基材を使用して構成される
製造方法の中の1ツの工程として抄紙工程を経るのであ
って、この抄紙工程では、一枚の薄い紙状物を抄出する
工程が代表され、これをロール機で巻き取り加圧、加熱
して水分を除去した後に、前記メラミン変性フェノール
系熱硬化性樹I論にて含浸し、硬化乾燥させ、この薄板
状シート基材を所定の形状に打ち抜き、または前記ロー
ル機で巻き取り加圧、加熱後ただちに所定の形状に打ち
抜き、しかる後メラミン変性フェノール系熱硬化性樹脂
で含浸し硬化乾燥させ、次にフェーシングプレート(芯
金)に接着して加熱加圧して製造される湿式摩擦材を得
ていた。
前記従来のこの種の摩擦材は、良好な摩擦性能を示し、
基材のからみが良いので摩擦材の層間剥離をも伴わす良
好な摩擦材として知られている。
またコストか比較的安価で現在この種の摩擦材が主1r
lもとなっている。しかし、パルプが基材であるために
、どうしても耐熱性に劣り、摩擦係合時に発生する熱に
よって部分的に焼けを生じ、表面が凹凸の状態になる原
因になったりしていた。かような現象が生起すると摩擦
材の摩耗が促進され、摩擦係数も減少してくる。すなわ
ち耐久性に乏しい欠点を有する。この耐熱性の向上を意
図して当業界では種々の開発が試みられており、その成
果として多数の方法か提案されている。その中で最も実
用的なものとして、全摩擦材100重量部(以下部は重
量部を意味する)中に石綿繊維を5〜30%配合し、セ
ルローズ繊維の補強基材として使用する方法が提案され
ている。かような石綿繊維を配合した摩擦材は、上記セ
ルローズ繊維、もしくはパルプ繊維の単独なものに較べ
て、著しく耐熱性を改良し当面の不具合をほぼ解消した
。しかし石綿繊維は近年人体に非常に悪影響を与える点
が指摘され、特にモルモットの動物実験では癌を誘発す
る事が立証されており石綿弊害として問われるに至って
いる。又加えて石綿繊維はパルプ繊維基材と比べ天然資
源のためにはるかに供給にバラツキが大きいと云う問題
点がある。
又今一つの従来のパルプ繊維基材における湿式摩擦材の
欠点として、その摩擦材となるべく薄板状の紙質基材に
おいて、所定の寸法に打ち抜きされ有効に使用される菌
量よりも、打ち抜きクズとして廃却される菌量の方がは
るかに多く、つまり抄紙工程後の薄紙板状の摩擦材基材
は任意の適当な形状(一般には円形輪状平帯体)にプレ
ス機にて打ち抜かれる。この際に前記該摩擦材は輪状の
内面及び外面をロス材として廃棄するため歩偕りが悪く
約20%以下になるζ云う不経済さがともなうものであ
る。
本発明は前記のこれらの欠点および問題点を抜本的に改
善することを目的としているものである。さらに最近耐
久性を上げるための試みられた方法として、摩擦材がフ
ェーシングプレート(芯金)と接着されキュアープレス
されると同時に各種の油溝の形状を摩擦材の当接面の全
面にもうけてなる方法ともしくは前記接着後に硬化乾燥
させて後、機械加工等により油溝をもうけてなる提案が
ある。この油溝について、摩擦材が油中に於てその保合
時、使用される摩擦材の作動面圧か上昇し高ければ高い
程高密度の材質の摩擦材が必要で一般的に半クラッチの
状態でエンゲージ中、長時間使用すると摩擦熱がきわめ
て多く発生しこの熱により摩擦面のヤケに起因して摩擦
材の摩耗が併進され摩擦係数も減少して来るので耐久性
がない事となる。
そのために従来では、油溝を構成する溝切り技術として
、2つの方法があり、その1つの方法はプレス成形によ
って直接摩擦材表面に刻印溝を構成する方法と他の1つ
は機械切削加工で一旦接着した摩擦材を削り取り溝を構
成する方法があった。前者は、あらかじめプレス成形に
よって溝形状の刻印で、油溝をもうけるか又は後者の機
械切削工程の直接付加によって摩擦材の当接表面に油溝
を構成し、互いにトルコンミッション内での潤滑オイル
の潤滑を良くして流量を増すことに起因して摩擦当接面
で発生する熱量を゛低下冷却させるに通ずる発想によっ
て、耐久性のある摩擦材を得ようとするものであるが、
油中に於ける摩擦材の対摺動部に当接する当接面に油が
より潤滑する様に油溝機構をもうけてなるこの油溝があ
るということで油温の低下に役立ち、役立ちに直接関係
するのは油溝の巾の広いもの、深さが深いものが前記の
効果につながるものであった。
前述の油溝を構成する従来の溝切り技術の有する問題点
を、さらに明確にすると、前者であるプレス成形によっ
て溝形状を刻印で油溝を構成する方法では、溝成形の精
度が良い加圧刻印であるために削りくず等の付着の心配
がないと云う利点に反して摩擦材の加圧で溝をもうける
ため摩擦材の板厚の(湿式摩擦材の一般では片面の摩擦
材そのものの厚さ0.311mmと芯金1.52+nm
と多面の摩擦材厚さ0.313mmを接着して構成され
る)約半分(0,2mm)深さまでが限度である。なぜ
ならばこのプレス成形による溝刻印方法は、成形工程で
その芯金(フェーシングプレート)のスプライン歯にプ
レス刻印金型が当り邪魔する点、又この摩擦材自体の紙
質密度にまして熱硬化性樹脂にてあらかじめ含浸しであ
るから摩擦材自体が縮圧されるにも限度があるからした
がって溝の深さが深くとれないという欠点がある。後者
の機械切削加工を直接摩擦材に付加して溝を構成する方
法では、前者のプレス成形による溝加工方法よりも、溝
自体の深さが多少課目ではあるが、摩擦材の板厚の約半
分強(0,23mm)でこれまた切削刃が芯金のスプラ
イン歯に接触するなどの危険があるから深い溝が出来な
かった。又切削加工により粉状の切削くずが製品に付着
して不良の原因となる点、切削溝のふちにケへ立ちが出
来、美観をそこなうと共に実用上ケバ等がミッション内
の油中に入りバルブスティック等の障害を引き起す、こ
れ等のために後加工として面取り工程を行なっているが
まったく不経済であるのと摩擦材の欠けや部分的ハクリ
などの不良の要因にもなっていたなど多くの問題と欠点
が存在した。
本発明の目的は湿式フェーシング自体の従来の耐熱性に
比較して耐熱性の向上の良品を作り出す製造方法の開発
であり本発明の解消せねばならない技術的課題は、どう
したら従来の湿式フェーシングの製造法の公知である工
程に照らして、工程が経済的で製品が安価であるととも
に従来技術の不具合、欠点などの問題点を解消した方法
をいかにして提供出来るかどうかであり換言すれば従来
ではなし得なかった方法で深い油溝を摩擦材の当接部の
一部に構成出来るかであり、このことをして油の潤滑を
良くし摩擦材の当接部の油の潤滑を良好にせしむるかで
ある。
上述の技術的課題を解決させた方法は、従来の摩擦材と
芯金の貼り合せに於て、丁度芯金をサンドイッチ状にな
る様に芯金の両面に接着剤を塗布した後の略円形輪状紙
板体である摩擦材を芯金1部に対して芯金の両面で計2
枚貼り合せて後ホットプレスにて本圧着していたが、本
発明は芯金にあらかじめ接着剤を塗布した後芯金1部に
対して、摩擦材質片を任意な枚数(芯金の片面に2枚か
ら8枚の摩擦材質片)を総じて円形状になるごとく(図
面第1図参照)一定の寸法でεヶ所以上8ケ所以内の間
隙をあけて両面同模様に貼り合せることで油溝の深い深
さの溝を構成する。
その後、後加圧、加熱させることで完成されるのである
。本発明の方法で構成される油溝の寸法は、各種の繰返
し試験の結果、好ましくは巾1.3nun〜1.4+n
m深さ0.313mmであり、耐熱性向上のためには、
この範囲の寸法に限定された溝が摩擦材(芯金をサンド
イッチした)両面で最低4ケ所以上構成することが良好
である。この−見合易性があるごとくに感じられる本発
明の油溝を構・成させる新規な貼り合せの技術手段は、
長年業界の先駆者が望んでいたが出来なかったこの深さ
の深い油溝を完成させる技術方法を本発明の発明者等は
接着剤の性能と許容範囲、芯金におよぼすへんしんなど
の影響、溝自体のもつ巾と深さの寸法か油の潤滑性に対
してどれだけ影響するかをめ、しかも摩擦材の動摩擦係
数値と静摩擦係数値にどう影響するかを懸案して上述の
貼り合せ技術を発案したものである。
この貼り合せ技術についてさらに詳細に工程を説明する
と、まずプレス工程で打ち抜かれた摩擦材質片を円形押
出ボックスに収納せしめ(図第2図参照)一方から延材
した摩擦材吸引指具に貼り合せと同模様になる様摩擦材
質片を吸引せしめた後他方の芯金との接着位置決め装置
に、合わせて後エヤー吐出で板圧接着させ、しかる後に
縦形ホットプレス機にて多数板同一に本圧着する自動貼
り合せ方法である。
本発明の詳細な説明すると従来の略円形輪状紙板質の摩
擦材は打ち抜き1枚構成で(図第3図参照)、これにく
らべて本発明の摩擦材質片は芯金に貼り合せられる各片
面の摩擦材形状が複数(図第1図参照)の形状であるご
とく2分割以上8分割以内が総じて略円形状になるごと
く一定の寸法で(溝巾1.4mm溝深さ0.38mm)
 2個所以と8個所以内の間隙をあけて摩擦材質片を接
着剤で貼り合せることにより溝を構成させるものでこの
油溝が芯金までの深い深さで構成されていることが特徴
である。
本発明のこの明細書中でいう湿式摩擦材とは、種々の工
程を経て得られる湿式摩擦材の完成品のみではなく、パ
ルプ繊維に無機充填剤を添加させて後抄紙された紙質基
材以後完成品を得る迄の各種工程にて各種形態で存在す
るそれぞれの湿式摩擦材の基材及び半製品をも統一した
呼称である。
さらにパルプ繊維とはリンターパルプで代表される類で
あり、無機充填剤とは諸摩擦特性向上剤をも一部包含し
、一般的な種類とは硫酸バリウム、カオリン、クレー、
炭酸カルシウム、硅酸、アルミナ、硅燥土、等があげら
れ使用される。これ等の一般湿式摩擦材の基材の製造に
当っては、リンターパルプ50〜100重量%に対して
、無機充填材は10〜50重量%を添加使用されるか耐
久性向上のためには、最も好ましい範囲は20〜40重
量部の添加である。この無機充填材の添加に当って上述
の添加%の量的範囲よりも少なすぎると摩擦係数が低く
なる事に因子し、メ量的に多すぎると摩耗性が悪くなっ
て耐久性にとぼしいものである。
パルプ繊維では代表されるリンターパルプ類のみに限定
されるものでなくそれ以外でも有機Faaや無機繊維も
混合出来るし必要に応じて本発明には各種の繊維状バイ
ンダー(ビニロン繊維やポリアクリルアミドやポリウレ
タン系、セルローズ系)なども使用出来る。
本発明の抄紙工程は、従来の湿式摩擦材を製造する方法
としての通常のパルプベース基材(前述の)を用いて摩
擦材を製造する、すなわちセルローズ又は紙状繊維基材
および無機充填剤を水に分散させてこの調合分散液から
抄紙しながらこれを加熱ロール機で巻き取りして得られ
る紙板状シートを製造する工程に何んら変更はない。又
その他の周知のものいずれも好ましく適用でき特に制限
を設けない。しかしながら前記抄紙工程以後の工程につ
いて、本発明の特異性が存在する。
つまりその特異性とは、抄紙された薄板状体の紙質基材
は、所定の寸法に裁断打ち抜きされるがその打ち抜かれ
る形状が、従来品と本発明品とでは異なるのである。従
来品は略して円形輪状平帯体(同第3図参照)にプレス
機にて打ち抜かれるが本発明では、従来品の形状が平面
2分割から8分割する任意の適当な形状の寸法で打ち抜
かれ、それぞれ使用されるのである。従来は摩擦材の円
−形輸状平帯体の紙質基材の輪状内面及び輪状外面をロ
ス材として廃棄するため歩留りが約20%と低かった。
しかしながら本発明の打ち抜きされた、たとえば8分割
された紙状片の材料取りの歩留りは実に80%と大幅な
天地所を変えた材料費の合理化につながる副効果である
。これ等の立証はたとえば、巻きとられた基材中32.
Om m厚さ0.4mm、長さ11300 mを従来打
抜型と本発明の打抜型でそれぞれ打抜〈従来型では輪状
の紙質片2万枚(芯金の両面に略円形状に貼り合すと1
万個−分)と本発明型では紙質片32万枚(芯金の両面
に略円形状に貼り合すと4万個分)がそれぞれ生産され
るのでこの効果は経済的には安価な製品を製造する方法
であり非常に大きい。
もちろん本発明の目的及び本来の効果は、本発明の方法
を施したことによって、従来のいろんな方法でも出来な
かった深い油溝があらたに構成され、そのことによって
油の潤滑対流が以前にも増して多大であり、トルコンミ
ッション内の油液温の低下が出来たので、従って耐熱性
の良い耐久性ある摩擦材を開発することが出来た効果が
最大のものである。
以下本発明を実施例に基づいて詳しく説明し業界でその
効果を利用出来るべく新たな湿式摩擦材の製造方法を提
供するものである。
(実施例1) リンターパルプ(パルプ)を大量の水で叩解して、これ
に滑剤等諸摩擦向上剤である無機充填材をパルプベース
 100重量%に対して40重量%添加配合均一に混合
した。 この混合された添加充填材は添加量に対して硅
燥土2、対クレーlの割合の配合である。 その後前記
の叩解液を通常のロール抄紙にてシート状に抄紙した。
次にシート化された薄板状の紙板質の抄紙をクランクプ
レスにて所定の形状(円形輪状平帯体を4分割にした形
状)に打ち抜き加工し、次にメラミン変性フェノール樹
脂を溶剤に溶解した溶液に1分間含浸させた後70°C
に保持した雰囲気中で風乾し、さらに予備硬化の為に大
気下にて50°Cで60分間乾燥熱処理した摩擦材質片
を、フェノール系接着剤を塗布した芯金(フェーシング
プレート)に貼り合せ、これを圧力50に81:、Il
l、温度180°Cにセットした熱圧縮成形機にて熱処
理した後、仕上り成形を終えて摩擦材の製品を得た。
前記摩擦材質片の貼り合せ工程(芯金との接着工程)で
は、芯金1枚に対しその裏面、表面とも各4枚の(4分
割された)摩擦材質片が総じて円形輪状平帯体模様にな
る様に各摩擦材質片が等間隙のすきまの油溝を構成出来
るべくアタッチメント指具などを用いて、自動貼り合せ
を行なったものである。
(実施例2) ロール抄紙機に巻き取られたシート状に抄紙された薄板
状の紙板質の抄紙を直ちに、メラミン変熱風雰囲気中で
風乾した、メラミン変性フェノール樹脂の含浸工程以外
は実施例1の方法と同様にして製造し摩擦材の製品を得
た。
要するに実施例1との相違点は摩擦材紙質片を所定の形
状に打ち抜く前に樹脂を含浸するか又は打ち抜き後含浸
するかの違いで後者は実施例1の方法である。
(実施例3) シート化された薄板状の紙板質の抄紙をクランクプレス
にて所定の形状(円形輪状平帯体を2分割にした形状)
に打ち抜き加工した工程以外は、実施例1の方法と同様
にして製造し摩擦材の製品を得た。
(実施例4) ロール抄紙機に巻き取られたシート状に抄紙された薄板
状の紙板質の抄紙を直ちに、メラミン変性フェノール樹
脂を溶剤に溶解した溶液槽に1分間含浸させながら巻き
取りつつ70°Cに保持された熱風雰囲気中で風乾した
、このメラミン変性フェノール樹脂の含浸工程以外は実
施例3の方法と同様にして製造し摩擦材製品を得た。
(実施例5) シート化された薄板状の紙板質の抄紙をクランクプレス
にて所定の形状(円形輪状平帯体を8分割にした形状)
に打ち抜き加工した工程以外は実施例1の方法と同様に
して製造し摩擦材製品を得た。
(実施例6) ロール抄紙機に巻き取られたシート状に抄紙された薄板
状の紙板質の抄紙を直ちに、メラミン変性フェノール樹
脂を溶剤に溶解した溶液槽に1分間含浸させながら巻き
取りつつ70°Cに保持された熱風雰囲気中で風乾した
、メラミン変性フェノール樹脂の含浸工程以外は実施例
5の方法と同様にして製造し摩擦材製品を得た。
(比較例1) この比較例1は従来技術の製造方法を示すものである。
シート化された薄板状の紙板質の抄紙をクランクプレス
機にて、打ち抜かれた形状が輪切りの様な略円形輪状平
帯体に打ち抜き加工し、次にメラミン変性フェノール樹
脂を溶剤に溶解した溶液に1分間含浸させた後70°C
に保持した熱風雰囲気中で風乾し、さらに予備硬化の為
に大気中にて50°Cで60分間乾燥熱処理した摩擦材
質軸片をフェノール系接着剤を塗布した芯金(フェーシ
ングプレート)に、表面、裏面、各1枚を貼り合せこれ
を圧力50〜Wlf温度180°Cにセットした熱圧縮
成形機にて熱処理した、その後機械切削により油溝部を
摩擦材表面に4ケ所巾1.3mm、深さ0.23mmの
寸法で付与し、かかる後仕上げ成形を終えて摩擦材の製
品を得た。前記以外の工程については実施例1の方法と
同様にして製造した摩擦材の製品を得た。
この比較例は、試験データをとるために、機械切削によ
り油溝を施したものである。
尚本発明の各実施例の方法での摩擦材貼り合せ工程での
油溝の構成寸法は各々の油溝すべて共通して巾1.3m
m 、深さQ、39mm であった。
又実施例中の温度数の表示は摂氏を意味するものである
上記実施例1、実施例2、実施例3、実施例4、実施例
5、実施例6、比較例1の各方法から得られた摩擦材か
ら以下(図第6図、耐面圧性を表す図表)(図第7図、
耐熱性を表す図表)(図第8図、歩留り効果を表す図表
)のデーターが得られた。
図第6図(#面圧性を表す図表)について説明する。実
施例1〜6及び比較例1で得られた摩擦材をライニング
材として、テスト用の金属母材両面に接着し、ストロ−
キングテスターにより10万サイクルの耐面圧試験を実
施した。ストロ−キングテスターおよび試験条件の概略
は次の通りである。ストロ−キングテスターは、両面に
前記ライニング材を接着した内径103 mm、外径1
27 mmの摩擦材2枚を同一軸上で、試験した。各試
験摩擦材にかかる面圧量は5711−である。なおこの
作動は、摂氏120℃±5℃に設定されたオイル(タイ
プF)中で30秒に1回の割合でONタイム2 sec
OFFタイム28secで繰り返して行なつ“た。
この結果、耐面圧性について、比較例1の従来品の耐久
サイクルと比較して、本願の実施例1.3.5(摩擦材
紙質片が抄紙工程後打ち抜き裁断されて後樹脂含浸され
たもの)は同様に良好であるが実施例2.4.6(摩擦
材紙質片が抄紙工程後打ち抜き前にロール巻き取り状況
のまま含浸したもの)は多少劣化するものであり、これ
は樹脂の含浸率などが影響しているものであると解する
よって本願のねらいである等割された摩擦紙片でしかも
打ち抜き後含浸したものか良好な事から、等割される程
樹脂含浸率が良くなり、本願の発明の技術的思想を推賞
させる証となる。
図第7図(耐熱性を表す図表)について説明する。実施
例1〜6及び比較例1で得られた摩擦材をライニング材
として、テスト用の金属母板に個々の(摩擦材の片面)
を取りつけSAE No。
2テスターにより、1000サイクルの摩擦試験を行な
った。SAE No、2テスターおよび試験条件の概略
は次の通りである。上記テスターの単板式のものを用い
て、金属母材の片面に前記ライニング材を接着せしめ、
摩擦材1枚を回転慣性質量2.518kg 4 cm*
 sec 2.荷重535Kg、回転数3600回/分
で回転させ各ライニング材と係合する相手材(固定)に
押圧された各摩擦材試験片が1000サイクル経過時点
に於て、その当接表面に摩擦によるヤケ(黒色異変)が
生じ、その変色、および炭化度、七ロサ、などを摩擦材
表面ヤケの程度によって判別すると従来の摩擦材(比較
例1)では、摩擦材の当接面表面に機械加工の切削によ
って巾1゜3mm、深さ0.23mmでの寸法で油溝を
4ケ所もうけた摩擦材は黒色異変でヤケの程度は中であ
った。
本願の方法において実施例1〜6までの摩擦材はすべて
貼り合せによって油溝部をもうけである。
深い溝が構成されているから油中に於て当接面が摺動中
でも油の潤滑性がより多くなって比較例の従来品にくら
べはるかにヤケは少なく、耐熱性に優れていることがわ
かる。
又本願の実施例中実施例3、及び実施例4はともに2ケ
所の油溝構成であり、実施例1.2(4ケ所の油溝)実
施例5.6(8ケ所の油溝)と油溝が多いものに比較し
て耐熱性は劣る。
故にその他の貼り合せ工数などのことを考えなければ好
ましくは4ケ所から8ケ所が最良であることがわかる。
図第8図は摩擦材の所定の形状を得るために抄紙工程を
経たロール状に巻かれた摩擦材紙質体原紙(紙板状シー
ト)基材中320mm 、厚さ0.4mm、長さ180
0mを比較例1の従来の打抜型(円形輪状平帯体)と本
発明のそれぞれの分割された形状とに裁断打ち抜きする
と、前記従来品では歩留り率20%、本願の方法では5
0%〜80%と大幅な材料費につながる合理化の効果を
併せてもち達成されることが判かる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の実施方法でフェーシングプレートに
貼り合された摩擦材を表す片 面模様図である。 図中7つの模様は各2分割から8分割 までの貼り合された摩擦材の油溝模様 を示すものである。 図中符合1.2.3.4.5.6は各 実施例の番号である。 82図は、本発明の摩擦材質片の1部を示す図である。 図中符合7は円形押出ボックス 8は間切り板 9は摩擦材質片である。 第3図は、従来の摩擦材を示す。 図中符合Aは芯金 Bは円形輪状紙板質の摩擦材 を示す。 第4図は、従来の打抜き裁断方法を示す図である。 第5図は、本発明の打抜き裁断方法を示す図であるO 第6図は、耐面圧性を表す図表である。 第7図は、耐熱性を表す図表である。 第8図は、歩留り効果を表す図表である。 特許出願人 アイシン化工株式会社 第 △ 4 △  2 第2図 第3図 八 第4図 第5図

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 パルプおよび無機充填材からなる紙状基材、もしくは、
    該この基材と、その他の繊維素とを複合使用して混合し
    水溶分散液となし、前記水溶分散液を抄紙機にて、薄板
    状に巻取り抄紙し、この抄紙された薄板状体を所定の寸
    法に裁断打ち抜きして、得られた前記薄板状体の紙質基
    材片に、フェノール系樹脂を含浸して後、つぎに加圧加
    熱処理を加えて硬化乾燥させて摩擦材質片を得る。 次に前記摩擦材質片4枚以上16枚以内を用いて定めら
    れた芯金の両面に2分割以上8分割以内が総じて円形状
    になるごとく一定の寸法で2個所以上8個所以内の間隙
    をあけて接着剤で両面同模様に貼り合せて後、加圧、加
    熱させることを特徴とする湿式摩擦材の製造方法。
JP15186283A 1983-08-19 1983-08-19 湿式摩擦材の製造方法 Granted JPS6044530A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15186283A JPS6044530A (ja) 1983-08-19 1983-08-19 湿式摩擦材の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15186283A JPS6044530A (ja) 1983-08-19 1983-08-19 湿式摩擦材の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS6044530A true JPS6044530A (ja) 1985-03-09
JPH0342292B2 JPH0342292B2 (ja) 1991-06-26

Family

ID=15527862

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15186283A Granted JPS6044530A (ja) 1983-08-19 1983-08-19 湿式摩擦材の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS6044530A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6216113A (ja) * 1985-07-15 1987-01-24 F C C:Kk 摩擦部材の製造方法
JP2001032871A (ja) * 1999-05-14 2001-02-06 Nsk Warner Kk 摩擦板の製造方法及び製造装置
JP2009246319A (ja) * 2008-04-01 2009-10-22 Fujikura Ltd ヒートスプレッダーおよびその製造方法
CN108368902A (zh) * 2015-12-01 2018-08-03 舍弗勒技术股份两合公司 湿式工作-摩擦衬片
US11333213B2 (en) 2015-12-01 2022-05-17 Schaeffler Technologies AG & Co. KG Wet running friction lining

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5463153A (en) * 1977-10-31 1979-05-21 Aisin Seiki Nonasbestos clutch facing
JPS54118448A (en) * 1978-03-08 1979-09-13 Teijin Ltd Friction material

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5463153A (en) * 1977-10-31 1979-05-21 Aisin Seiki Nonasbestos clutch facing
JPS54118448A (en) * 1978-03-08 1979-09-13 Teijin Ltd Friction material

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6216113A (ja) * 1985-07-15 1987-01-24 F C C:Kk 摩擦部材の製造方法
JP2001032871A (ja) * 1999-05-14 2001-02-06 Nsk Warner Kk 摩擦板の製造方法及び製造装置
JP4514249B2 (ja) * 1999-05-14 2010-07-28 Nskワーナー株式会社 摩擦板の製造方法及び製造装置
JP2009246319A (ja) * 2008-04-01 2009-10-22 Fujikura Ltd ヒートスプレッダーおよびその製造方法
CN108368902A (zh) * 2015-12-01 2018-08-03 舍弗勒技术股份两合公司 湿式工作-摩擦衬片
JP2019505735A (ja) * 2015-12-01 2019-02-28 シェフラー テクノロジーズ アー・ゲー ウント コー. カー・ゲーSchaeffler Technologies AG & Co. KG 湿式摩擦フェーシング
US11333213B2 (en) 2015-12-01 2022-05-17 Schaeffler Technologies AG & Co. KG Wet running friction lining

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0342292B2 (ja) 1991-06-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5647705B2 (ja) 油を局所的に供給するスロットを有する摩擦材料
US3270846A (en) Friction member with friction material
DK171243B1 (da) Fremgangsmåde til fremstilling af en bremsebakke til skrivebremser og en ved fremgangsmåden fremstillet bremsebakke
JPS5937339A (ja) 同期環およびその製造方法
JPS6044530A (ja) 湿式摩擦材の製造方法
JP2007263203A (ja) 湿式摩擦材及びその製造方法
JPH08233004A (ja) 湿式摩擦板の製造方法
JPH0939144A (ja) 湿式摩擦材とその製造方法
EP0129022A2 (en) Process for making dry friction material
US3316138A (en) Method of processing clutch plates
JPS59206436A (ja) 乾式摩擦材料の製造法
CN111203944B (zh) 一种用于室内的防潮型人造板及其制备方法
JPH0238112B2 (ja) Shitsushikimasatsuzainoseizohoho
CN115053078A (zh) 具有季铵盐的湿摩擦材料
US20030024668A1 (en) Manufacturing method for a facing having a two-layered structure
JPH0442587Y2 (ja)
JPH06173983A (ja) 湿式摩擦材の製造方法
US1937680A (en) Moldable material
US1964178A (en) Brake lining
JPS5980539A (ja) 湿式摩擦材
US20030116398A1 (en) Facing having two-layered structure and manufacturing method for the same
JPH0376780A (ja) 湿式摩擦材用紙質基材の製造方法
JPS6017418B2 (ja) 摩擦係合板の製造方法
JP6427606B2 (ja) 無機質板の製造方法
JPS63152735A (ja) 湿式摩擦材とその製造方法